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ビデオ撮影はじめの一歩 〜失敗しない撮影術を身につけよう〜
基本的な撮影技術を知ろう
操作は簡単だけど、実際の撮影は・・・   
3つの撮影ルールを徹底しよう!
撮影の基本技術フィックスパンフォロー
ビデオカメラの撮影は基本的には難しいものではありません。しかし、ズームを多用したり、ダラダラと長回しを続けたりすると、後で見返したときに見にくい映像になってしまうことも。誰もが引き込まれる、センスのある映像を撮るために、ちょっとしたコツと撮影技術を知っておきましょう!
操作は簡単だけど、実際の撮影は・・・
 デジタルビデオカメラの撮影操作は、基本的にとても簡単だ。ダイヤルを撮影モードに設定して録画ボタンを押すだけで撮影が開始される。これ以外の操作は、オートモードで撮影する場合、ズームボタンを使って画角や被写体の大きさを調整することぐらいしかない。ピントや明るさなどを調整できるマニュアル操作も用意されているが、一般的なホームビデオの撮影では、録画ボタンとズームボタンの2つしか使わないだろう。しかし、操作が簡単だからといって誰もが素晴らしい映像を撮影できるわけではない。

 最近のデジタルビデオカメラは、プロフェッショナル用製品が備えるような大型の撮像素子や高精細なレンズなど、ハイスペックな機能を搭載しており、簡単に高画質な映像を記録してくれる。だが、実際に撮影してみると、思うような映像が撮れない場合が多いのも事実。「操作は簡単だが撮影は難しい」「何度も撮っているが撮影が上手くならない」などと悩んでいる方も多いだろう。そんな悩みを抱えるアマチュアカメラマンの方に、本稿をお届けしたい。ビデオの撮影は難しいと思われがちだが、基本的な撮影方法と技術を知ることで“失敗映像”は確実に少なくなるはずだ。
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3つの撮影ルールを徹底しよう!
 斬新な映像表現や映画制作を楽しむ場合は別だが、年配の方からお子さんまで、多くの方が視聴するホームビデオや記念撮影などの場合には、「誰もが疲れずに見られる安定した映像」を作成することがもっとも大事なことになる。そのためには、あれこれと技術を覚える前に、まずは以下の3つの撮影ルールを徹底しよう。

<3つの撮影ルール>

(1)カメラを振り回さない
(2)ズームを多用しない
(3)長回しをしない

 では、それぞれのルールをくわしく見ていこう。まず、「(1)カメラを振り回さない」であるが、これは初心者なら誰もが陥ってしまうビデオ撮影の“罠”といえるかもしれない。“振り回す”というのは、見えるものすべてを映像に収めようと欲張ってしまい、カメラをあちこちに移動させてしまうこと。その結果、グルグルと画面が目まぐるしく移り変わる映像になってしまうのだ。カメラを動かしている撮影者は気にならないが、次々と場面が変わる映像は、見ている方が疲れてしまう。
 また、あれこれと多くのものを撮ろうとすると、本当に撮らなければならない対象を見逃してしまうことにもつながりかねない。実際に撮影するときには、カメラをあまり動かさないで、大切なものだけを画面に収めることに集中しよう。時には、勇気を持って、不必要な被写体は思い切って切り捨てることも必要だ。

 次に「(2)ズームを多用しない」について触れたい。ズームアップとズームダウンを何度も繰り返す映像は、(1)と同様、初心者の方が撮影した場合によく見られる傾向だ。被写体が大きくなったり小さくなったりと、効果がはっきりとわかるため、ズームボタンを使った撮影は確かに楽しい。しかし、ズームを多用した映像は、「(1)カメラを振り回さない」と同様に、撮影時には気がつかないが撮影後に鑑賞してみると、とても見づらいものになってしまう。
 しかし、森の中にいる動物を遠くから狙う場合や、公園で遊ぶ子供の姿を自然に撮りたい場合などは効果的にズーム機能を利用しよう(動画1参照)。あくまでも「多用はやめよう」ということだ。ただ、ズームアップ(望遠側)で撮られた映像は、ブレが多く発生してしまうので、その点は留意しておいたほうがよいだろう(動画2参照)。

 最後に、「(3)長回しをしない」について。映画の冒頭などで、印象的な長回しのシーンを見かけることがあるが、ホームビデオを撮影するときはマネをしないほうが無難だ。同じ被写体をダラダラと長く映した映像は、見ている人を飽きさせてしまう要因になるうえ、後で編集するのがとても難しくなる。また、長くカメラを持っていると腕が疲れてしまい、手ぶれの多い映像になりかねない。面倒ではあると思うが、10〜15秒程度の少し短いと思うくらうのカットをつないで、心地よい映像を制作することを心がけよう。ただ、風景や建物など動かないものを撮影する場合は、少し長めに撮影して雰囲気を高めてもよいだろう。
ズーム撮影 ズーム機能を使って公園で遊ぶ子供を撮影。遠くからの撮影は、子供に撮影されているという意識を与えないので、自然な動きや表情をとらえることができる
動画1:WMV形式/1.16MB
フィックスで撮影した映像 東京都庁・南展望台(地上45F、高さ202m)から光学15倍で東京タワーをとらえてみた。壁に体を密着させ、しっかりとカメラを固定させたが、やはりブレが目立つ。5倍ズームの映像はこちら
動画2:WMV形式/486KB
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撮影の基本技術
 次に、ビデオ撮影の基本的な技術(カメラワーク)について紹介したい。前述した3つのルールを守ることで、ホームビデオとしては十分な映像を撮ることが可能だ。しかし、より安定した、クオリティの高い映像を撮影したいと考える場合は、基本的な撮影技術を頭に入れておく必要がある。プロやハイアマチュアの方は、さまざまな技法を駆使して、高度な映像を撮影しているが、ここでは、以下の3つの基本技術(フィックス、パン、フォロー)に絞って紹介する。これらを使いこなせるようになるだけでも、十分に安定した映像を記録できるはずだ。

 (1)フィックス
 カメラをフィックス(固定)して画面を動かさずに撮影すること。ビデオ撮影の基本中の基本となる技術で、カメラをしっかりとホールドして脇をしめることが大事になる。手ブレの少ない安定したフィックス映像を撮影したいと考えるなら、両手でカメラを持つように心がけよう(動画3、4参照)。ただ、最近のカメラは、非常に小型・軽量化されているため、肩や腕に必要以上に力を入れてしまうとカメラが動いてしまうので注意してほしい。右手でカメラをホールドして、左手はカメラ下部や液晶モニタに添えるようイメージすればいいだろう。
カメラは両手で持とう

呼吸するだけでもカメラは上下にブレる。左手をボディ下部や液晶モニタに添えて、しっかりとカメラを固定しよう
両手でフィックスした映像
動画3:WMV形式/218KB

両手でフィックスした映像。建物や風景など動かないものは、細工せずにじっくりと見せたほうが効果的だ。同じシーンを片手でフィックスした映像はこちら
ロープウェイで移動しながらの映像
動画4:WMV形式/639KB

リフトで移動しながらの映像。両手でしっかりカメラを固定していれば、撮影者が動く場合もブレを防ぐことができる
 (2)パン
 「パン」とは、カメラを左から右(もしくは右から左)に水平に移動させながら撮影すること。「パンニング」と同義。カメラを固定した状態では画面に収まりきらないような、左右に広がりのある風景を撮影したい場合に有効なテクニックだ。以下、パンの手順について写真を交えて解説する。
パンの手順1手順1撮り始める前に、まずはパンの終了位置(パノラマ映像の最後となるコマ)を確認しよう。終了位置が決まったら、そのポイントに対して体を正対させる。 パンの手順2手順2次に、撮影終了位置から開始位置まで体を回転させる。開始位置をしっかりと把握したら、撮影を開始。最初に3〜5秒程度フィックスさせて画像を安定させよう。 パンの手順2手順3足は動かさずに、体をゆっくりと元の位置(終了位置)まで戻す。このとき注意してほしいのは、体を回転させる(カメラを移動させる)スピードを速くしすぎないこと。目安として、時計の秒針が進むスピードを意識しよう(180度回転するなら撮影時間は約30秒)。終了位置まで戻ったら、最後に3〜5秒程度フィックスさせるのを忘れずに。
 体をひねるような状態になるため、撮影しづらいと感じるかもしれないが、ひねりを利用して体を回転させたほうがブレの少ない映像になる。また、ひねりが終わったら撮影終了となるので、簡単に終了位置を把握することができる。流れるようなパン映像が撮れるようになるまでは、何度かトライして、ベストと思える回転速度を体に覚えさせよう。
 以下、失敗例を含めて、パンで撮影したパノラマ映像を掲載する。撮影イメージとして参考にしてほしい。
高尾山ケーブルカー乗り場付近からのパノラマ風景
動画5:WMV形式/1.41MB

高尾山ケーブルカー乗り場付近からのパノラマ風景
都庁からのパンニング映像
動画6:WMV形式/1.04MB

東京都庁・南展望台(地上45F、高さ202m)からのパノラマ映像
パンニングの失敗映像
動画7:WMV形式/942KB

パノラマ風景を撮影したときの失敗作。回転速度が速くなってしまった
 (3)フォロー
走る子供をフォローした動画
動画8:WMV形式/1.57MB

公園で走る子供をフォローした動画。子供は予期せぬ動きをするので、被写体を中央にとらえ続けるのが難しい
 フォローとは、走る人や乗り物など移動する被写体を撮る場合に、被写体の動きを追いかけながら撮影する技術のこと。撮影者が移動しながら撮影するのではなく、撮影位置を変えないで、動く被写体を画面に収め続けることだ。ビデオ撮影の解説書のなかには、フォローパンという呼び方でパン技術の一部として紹介しているものもある。
 基本となるのは「被写体を画面中央にとらえ続ける」ことだ。映像に迫力を持たせたいときなどは、画面中央ではなく、動き方を予測しながら被写体よりも少し先にレンズを向けて撮影するとよいだろう。ただ、この方法は若干の慣れが必要になってくるので、最初はあくまでも「被写体を画面中央にとらえ続ける」ことに集中してほしい。
 なお、次ページ「運動会撮影向上プラン」では、フィックスやフォローといった技術を応用した、運動会撮影で役立つ撮影方法を紹介しているので、あわせて参考にしていただきたい。
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 番外編:ティルトで東京タワーを撮ってみました
 ティルトとは、カメラを上から下(下から上)に移動させながら撮影する技術。高さを表現する場合に有効になる方法だ。パンの応用と考えてもらっていい。サンプル映像として、東京タワーをティルトで撮影したものを掲載する。
ティルトで東京タワーを撮影
動画9:WMV形式/1.01MB
 ミニ情報:ズームを使わない撮影に挑戦しよう!
 前述したとおり、ズーム機能を使った撮影は、画面ブレの直接的な原因になる。そこで、撮影技術向上のためにも、ズーム機能をまったく使わない撮影を提案したい。メリハリは少ないかもしれないが、広角寄りで撮られた映像は手ブレが少なく非常に安定したものになる。見ている人に安心感を与えることができるし、構図を工夫することで面白い映像が撮影できるかもしれない。また、被写体を大きく撮りたい場合には、当然ではあるが、被写体に近づいて撮影することになり、被写体の声など音声を明瞭に録音することが可能になるのだ。「レンズで撮るのではなく足で撮る」と言いかえることもできるだろう。撮影技術向上を考えている方は、ぜひ、一度チャレンジしてほしい。
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