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茨城県にある三菱化学メディアの研究所内部。さまざまな実験器具や計測器が並んだ室内は、まさに理科室といった雰囲気だ |
1つ1つの機材の説明を丁寧にしてくださる黒瀬さん |
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これが有機色素の元となる粉末の入った瓶。さまざまなデータを基に素材の調合を行い、このような色素の粉末を化合していく |
有機色素の粉末を調合して溶剤に溶かし、このような溶液を作り出す。この溶液がCD-RやDVD-Rの記録層に使われる基になるのである |
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この機械でディスクの基盤を回転させながら、記録層となる有機色素の溶液を薄く伸ばしていくスピンコートという作業を行う |
そしてできあがったのがこのようなディスクの原型。これを乾燥させてから、さまざまな検証を行っていく |
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こちらが、湿度と温度をコントロールしてディスクの耐久性を測る測定装置。この機械を使って、耐熱、耐湿の性能を検証する |
こちらは耐光試験装置。さまざまな波長の光線を照射し、有機色素の変化度合いを見る。精度が高く、保存性も高いディスクを作るには、記録を行うレーザーには反応して、太陽光には反応しないというような微妙な調整が必要になる |
では、大事なデータを記録したDVDディスクを長期にわたって保存するために、ユーザー側が気をつけなくてはいけない点としてはどんなものがあるだろうか
三菱化学メディアの黒瀬さんによれば、現在発売されているDVD-Rディスクの耐久期間はおそらく20年〜30年以上ということだ。この期間はもちろんメーカーの保証期間とは異なるが、開発側では50年は持つという耐久性を想定して製品を製造しているという。もちろん、DVD-Rが開発されてからまだ20年も経っていない現在では、本当にどの程度までDVD-Rディスクが持つのかわからないが、製造の過程で、さまざまな耐光、耐熱、耐湿テストを行い、理論上の数値としてはじき出した数値としては、「最低でも20年、もしかすると50年くらいは持つのではないか」という程度の耐久性は確保しているとのことだ。
このように、通常の耐久期間という意味では、かなりの長期間保存に耐えうるDVD-Rディスクであるが、有機色素という化学変化を起こす素材を用いているため、さまざまな状況によって材質が変質を起こす可能性が皆無とはいえない。保管状況によっては、50年はおろか、数日でディスクがダメになってしまう可能性だってあるのだ。大事なデータを守るためにも、以下の点には気をつけていただきたい。
DVD-RやCD-Rディスクに採用されている有機色素は、レーザーにより情報記録を行うものであるから強烈な直射日光を当てれば劣化することもある。メーカー側で耐久性は確保しているとはいうものの、ディスクがプラスチック基盤、金属薄膜、有機色素、接着剤などを高精度で組み合わせたものである以上、決して窓際のような強い日光の当たる場所や、温度の上がりやすい車内、ストーブのそばなどに放置しないよう、保管場所には気をつける必要がある。もちろん、プラケースなどに保管し、光やキズから守るのは大前提
意外なディスクの弱点として、記録面ではないほうのレーベル面の問題がある。記録、再生時にはディスクは高速で回転する。レーベル面に余計なシールなどが貼られていると、バランスが悪くなって読み取りエラーを起こす要因にもなる。また、CD-Rの場合には、シールをはがす際に記録層の色素や反射膜をはがしてしまう可能性もあり、こうなるとディスクにとっては致命的である
以上述べてきたように、DVD-Rディスクは使用される有機色素によって、その性質・品質に大きな差が出ることがわかったと思う。しかし、実際のところ、どの程度の違いがあるのかは今ひとつ理解しづらい。そこで今回、価格.comでは、各社から販売されているDVD-Rディスクを集め、どの程度耐光性に差が出るのか簡単なテストを行ってみた。
テストの内容は、ディスクの記録面を上にして日光にさらし続けるというもの。マンション上層階のベランダにて、各社のDVD-Rディスクを日光を浴びるように放置し、1週間ごとに、書き込みテストツール(PLEXTOR:PlexTools Professional)で転送レートのチェックを行った。なお、テストに使用するディスクは1種類につき4枚を用意し、週ごとのテストでは別々のディスクを使用するため、同じディスクでも週によって若干テスト結果が異なることがある。この点はご了承いただきたい。
10月後半からのテストであったため日照時間は短かったが、テストから早くも1週間でシアニン色素を採用したあるメーカーのディスクに明らかな異変が起こった。2週間目には見た目にも色素が変化しており、書き込みテストツールでも、ほかのディスクが軒並み8倍速での書き込みに対応できたのに対して、このディスクだけはアベレージ4倍速の書き込み速度しか出なかった。また、いわゆる海外製のノーブランドディスクに関しても、外周部での書き込みで書き込みレートが極端に落ちるなどの変化が生じている。
テストは11月中旬まで続ける予定だが、今後も各メーカーのDVD-Rディスクの状態がどのように変化したかをお伝えすることにしたい。乞うご期待!
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2週間の耐光テストでディスク上の有機色素が変化を起こしてしまった例。外周部の有機色素がうっすらと紫色に変色しているのが見て取れる |

最終的なテスト結果は以下の通り。
| メーカー | 原産地 | 色素 | 1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週経過 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 国内ブランドA社 | 台湾 | アゾ系 | 変化なし | 変化なし | 変化なし | 変化なし |
| 国内ブランドB社 | 日本 | シアニン系 | 外周劣化 | 読めない | 読めない | 読めない |
| 国内ブランドC社 | 日本 | その他色素系 | 変化なし | 変化なし | 変化なし | 読めない |
| ノーブランド | 台湾 | 不明 | 外周劣化 | 外周劣化 | 外周劣化 | 外周劣化 |
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テスト2週目で色素変化を起こしていたディスク(国内ブランドB社:シアニン系色素採用)に関しては、テスト3週目で読み取り不可能となり、ドライブ側でディスクをまったく認識できなくなった。また、このころより、他のメーカーのディスク(国内ブランドC社:その他色素採用)の読み取りが若干不安定になるという現象が現れ始めた。海外ノーブランドのディスクに関しては、相変わらず外周部分で不安定なものの、それ以外はあまり変化が見られなかった。
テスト4週目ともなると、上記国内2社のディスクは完全に読み取り不可となり、テストから脱落。海外ノーブランド製品も、相変わらず外周部分が不安定なまま、テストを終わった。
以上の結果から、色素別にいうと、「アゾ色素」採用のディスクは、4週間経過しても色素の化学変化が起こらず、安定した品質を保っていたのに対し、ほかの色素を採用しているディスクは、かなりの化学変化を起こしていることがわかる。アゾ色素の安定性・耐光性が実証された形だ。なお、三菱化学メディアは、CD-R、DVD-Rに使用されるアゾ色素に関する多くの基本特許を有しており、色素の製造・販売も行っている。この分野における同社の技術が抜きんでていることがわかる結果であろう。
今回のテストは、特別な機器などを使わず、日照時間の少ない秋の日差しのみを使って行ったもので、たいして特別なことをしているわけではない。いわば、劣化の度合いを若干早めているに過ぎないのだが、これだけの簡単なテストでも、ディスクによっては、読み取り不可になるほどディスクの劣化が起こってしまうのだ。実際、DVDなどのディスクも、わずかずつではあるが経年劣化を起こしており、ディスクの選択を間違ってしまうと、保管方法が正しくても、数年後には読みとることができなくなっていた、、ということもないとは言えないのである。
大事な思い出が詰まった写真のデータなどをきちんと残しておくためにも、DVDディスク選びは、使用している色素やブランドなどを参考にして、慎重に選びたいものだ。
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