そんな「I-K7」の実力を知るべく、実機を1週間にわたり使用し、その特徴とユーザビリティーをさまざまな角度からチェックした。使い方のコツ、音楽をよりよく楽しむ方法なども含めて「I-K7」の魅力をたっぷりご紹介しよう。
(ライター/野村ケンジ)
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丸形のデュアルダイヤルが、どことなくレトロモダンな感じを漂わせる上質なデザイン。青色LEDによる控えめなイルミネーションもクールだ。操作系はiPodとほぼ同じなので初めてのユーザーでもそれほど迷うことはない。またアルバム/タイトルなどは2ラインながら日本語が表示されるのでわかりやすい |
まず「I-K7」は、一見しただけでも、これまでのケンウッド製レシーバーとは異なるデザインコンセプトで開発された製品であることがわかる。しかし、I-K7が持つ先進性は、そのデザインだけに留まらない。
もっとも注目すべきポイントは、iPodやUSB接続デジタルオーディオプレーヤーが、CDと同列にメインソースとして考えられていることだ。これまでのカーオーディオ、なかでも純正オーディオは、iPod対応をうたっていても、それはあくまでも「iPodが繋がります」というレベルのものが大多数だった。そのため操作は難解。なかにはタイトルすら表示できないものもあり、数千曲も収納可能なiPodの利便性を生かしきれないでいた。しかも、iPodとの接続はCDチェンジャーなどと同様の外部アナログ入力を流用しており、音質的にも内蔵CDとは格段の差がついてしまっていた。
そういった不便さと音質的ボトルネックの双方に対して、ひとつの回答を提示してくれたのがこの「I-K7」である。もともとケンウッドは早い時期からiPod対応CDレシーバーをリリースしていたし、自社製のデジタルオーディオプレーヤーもラインアップしている。そのうえ、カー/ホームを問わず音質重視の「音質マイスター監修」モデルを用意しているくらい、音質には強いこだわりを持つメーカーでもある。そういった先見の明と長い歴史で培った高音質テクノロジーが、この「I-K7」にも生かされているのだ。
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ボリュームや電源のオン/オフを行う左側のダイヤルノブ。プッシュで音質コントロールとなり、メニュー操作もこちらで行う。現在操作中のダイヤルノブはその周りのLEDが点滅するためどちらを操作すればよいのかとてもわかりやすい |
右側のダイヤルは「押す」「左右に回す」「4方向に倒す」という動作が可能なマルチジョグコントローラーを採用。回転と十字キーをかねており、使い勝手はかなりよい。iPod接続時にはジャンル選択・曲送りなどの操作ができる |
「I-K7」を操作してまず最初に気づくのが、iPodの操作性の高さだ。左ダイヤルがボリューム、右ダイヤルが操作系というデュアルダイヤルのメリットはCDのプレイ時にも十分感じられるが、ことiPodでは格段の扱いやすさを誇る。曲の選択などの基本操作はiPodとほぼ同じ。たとえば曲リストからアルバムリストへ戻りたいときなども、ダイヤルノブを上に押すという、iPodのイメージを受け継ぐ操作系が用意されているので、初めて使う人も迷うことがない。またプレイ方法や表示内容の変更なども、iPodと同系統の操作で行えるため、カーオーディオそのものに慣れていない人であっても、ストレスなく思い通りにコントロールできるはずだ。
曲送りなどの表示のすばやさも光っている。ケンウッドでは「ダイレクトコントロール」と呼んでいるが、「I-K7」側から行うiPodのコントロールにUSB2.0インターフェイスを使用。ウェイティングタイムのほとんどない反応のよさを実現している。このスムーズさを持ち合わせていれば、運転中など、CDレシーバーのディスプレイを長時間凝視できないシチュエーションでも快適な操作が行えるだろう。加えてダイヤルをプッシュすると青くイルミネーションが瞬くため、操作の確実性も高い。こういった便利さは、カーオーディオにとってはうれしいかぎりだ。
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実際にクルマにも積んでみた。マーチのオーディオスペースは2DINあるため、余った1つに引き出し付の小物入れを設置。ケースの中にケーブルを引き、お手軽「iPodトレイ」を作成した。見栄えも使い勝手もよいため結構気に入っている。iPod nanoは特に固定していないがケーブルのテンションでほとんど動くことはなかった。本格的に設置する場合は発砲ウレタンやスポンジなどでピッタリサイズの仕切を作るとベター |
iPodデジタル接続における最大の恩恵は、やはりサウンドクオリティーだろう。これまでのiPod「対応」オーディオで行われてきたアナログ接続では、ドックポート経由で繋いでいてもボリュームコントロールをスルーしているだけで、D/A変換にiPod内蔵のDSPを使用する点では変わりなかった。CDレシーバーの中にはiPodとは桁違いのクオリティを持つ、オーディオ専用のD/Aコンバータを持っている機種が多々あるのに、これこそもったいない話だ。また、iPodとの接続ケーブルも、機能を確保していれば十分と考えられており、音質的な対処が施された製品は皆無だった。D/Aコンバータとケーブルの質。この2つのボトルネックによって、カーオーディオとの接続において、iPodは音質の劣化を免れないでいたのだ。
しかし「I-K7」はiPodとのデジタル接続を実現したことで、これらの問題も瞬く間に解消された。劣化のないデジタル信号をiPodから直接受け取れるようになったうえ、CDレシーバー内の高品質なD/Aコンバータをはじめとする、音質にこだわったオーディオ専用回路を活用できるようになったのだ。
この差ははっきり言って大きい。実際に「I-K7」の音は、これがiPodかと思えるほどS/N感が高く、ダイナミックなものだ。もちろんアンプレスモデルといった高級レシーバーには解像度などでかなわない部分はあるが、ボーカルやメイン楽器の通りがよく、聴かせどころを心得たケンウッドならではのサウンドは健在。一度聴いてしまうと、アナログ接続のiPodには二度と戻れない、そんな良質さを持ち合わせている。
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I-K7は、iPodとすぐにつなげる接続ケーブル付き。ケーブルはレシーバー本体から出されているUSBコネクタに接続する。単体で買うと結構な値段がするだけに、これがセットで3万円という価格はお買い得だ |
驚いたことに、この「I-K7」はミッドクラスに位置する製品だという。そのため定価は税込みでほぼ3万円。しかも一般的には別売となる「iPod接続ケーブル」が同梱されての価格というのだからさらに驚きだ。シックな外観、そして小気味よいサウンドからは想像できないリーズナブルさである。しかもこの価格帯でありながら、ディスプレイにはしっかりと日本語タイトルまで表示できるのだから、ライバル不在の名機といっても過言ではないだろう。このような高性能機が実売2万円台で入手できるなんて、何ともいい時代になったものだ。
最後にちょっとした音質向上テクニックをひとつ。
「I-K7」を活用してカーiPodを楽しむ際、お金をかけなくても、ちょっとした準備をするだけで音質を向上させるテクニックがある。それは、iPodに取り込む音楽ファイルを「WAVE形式」にすることだ。
そもそもWAVEは非圧縮形式なので、MP3やAACに比べて音がよいのは皆さんご承知のとおり。しかし、ここで「音がよくなる」と言っているのは、iPodの仕組みそのものに起因する現象である。実の話、iPodから送られてくるデジタルデータは、ファイルそのものではなく一度iPod内で「D/D(デジタル・トゥ・デジタル)変換」されたもの。MP3やAACなどの音楽ファイルを、一度「リニアPCM」の形式に変えてから伝送しているのだ。そのためiPodに搭載されている伸張ソフトのアルゴリズムによって、音質的な影響をどうしても受けてしまう。それに対してWAVEは、もともとリニアPCMに近い無圧縮のファイル形式であるため、D/D変換のような作業はほとんど行われず、音質的な劣化は皆無に等しい。CDに近い良質なサウンドを楽しむことができるのだ。
いまやメモリータイプの「iPod nano」でさえもその容量は8GBの時代。これだけあればWAVEでも20枚近くはCDを取り込めるし、HDDタイプの「iPod classic」に至っては160GB!という大容量で、300枚以上のCDを持ち運ぶことができる。そろそろ「iPodだから音質はしょうがない」から、「iPodだからこそいい音で楽しもう」という世界へとステップアップしてみてはいかがだろうか。「I-K7」はそういった“良音質カーiPod”の時代を応援してくれる、貴重な製品だと断言しよう。
希望小売価格 30,450円(税込)
価格.com 最安価格 円
| 最大出力 | 50W×4(定格出力 30W×4) |
|---|---|
| 再生メディア | CD、ラジオ(FM/AM)、圧縮ファイル(MP3/WMA/AAC) |
| 接続インターフェイス | USB1.1/2.0(USBメモリー、オーディオプレーヤー対応) |
| 寸法 | 1DIN 178(幅)×50(高さ)×160(奥行き)mm |
| 重量 | 1.2kg |
| 付属品 | リモコン、iPodインターフェースケーブル |









