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N10Jは、多くの独自機能を備えているが、もっとも興味深いのは、OS(Windows Vista®)を起動しなくても、WebブラウザーやSkypeなどの機能を利用できるシステム「Express Gate」だ。Linux OS「Splashtop」 をベースに、ASUSがカスタマイズしたもので、マザーボードのフラッシュメモリー内に組み込まれている。専用ボタンを押せば、約8秒という速さでメニュー画面が起動するのが大きな特徴だ。
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| 左が、Express Gateを起動すると現れるトップ画面。各機能のアイコンが並べられている。右が、Express Gateのデスクトップ画面で、トップ画面から各機能のアイコンをクリックすると、この画面に遷移する | |
Express Gateには、Webブラウザーのほか、音楽プレーヤーや写真ビューワーなど、計5種類の機能が用意されている。それぞれの機能の内容をくわしく見ていこう。
Firefoxベースの専用Webブラウザーを採用しており、履歴やブックマークなど、ひと通りの機能が利用可能。Express Gateの画面は、幅800ドットとなっているため、どうしても横幅が少し窮屈な表示となってしまうが、「YouTube」など動画共有サイトのフラッシュコンテンツの再生が可能で、簡易的なユーティリティとしては申し分のないブラウザに仕上がっている。
MP3形式の音楽データの再生に対応する。HDD内やSDメモリーカード内のフォルダを読み込めるほか、プレイリスト作成やランダム再生なども可能。さらに、LAN接続中は、自動的にアルバムジャケットを検索して表示してくれるなど、かなり高機能なツールとなっている。
アイコンをクリックすると、Splashtop専用のサイトにアクセスするという仕組み。サイト上では、アクション、アドベンチャー、ボードゲームなどのジャンル別に、多くのゲームが用意されている。
HDDやSDメモリーカード内の写真データのサムネイル/プレビュー表示、アルバム作成が可能。編集機能として、左右90度の回転機能を備えている。ワンプッシュで写真共有サイト「Flickr」を開くボタンなども用意されている。
インスタントメンセンジャー「Pidgin」を採用。「AIM(AOLインスタント・ メッセンジャー)」や「Google Talk」「MSN Messenger」「Yahoo!メンセンジャー」など、マルチプロトコルをサポートするのが特徴だ。
チャット・音声通話サービス「Skype」のアプリケーションを内蔵し、テキストチャットや音声通話に対応。ただし、Windowsパソコン用のSkypeアプリケーションとは内容が異なっており、データの送受信には対応しない。
実際に使ってみると、Express Gateは、想像していた以上に高機能で、「使えるツール」だと感じた。特に、約8秒という短時間で起動するのが非常に快適で、Webサイトから素早く情報を手に入れたい場合などに、積極的に活用したいシステムに仕上がっている。音楽再生や写真再生なども可能で、さまざまな使い方に対応できるのも高ポイント。シャットダウンも約2秒程度とスピーディで、そのままWindows Vista®をブートすることも可能となっている。
利便性の高い機能ではあるが、Express Gateで気になる点もある。それは、タッチパッドの感度がよすぎること。使い始めは、普段使っているWindowsノートのタッチパッドと同じようにタッチしてしまい、機能が誤動作してしまうことがあった。Express Gateでは、タッチパッドの設定変更は行えないため、このあたりは慣れる必要がある。
N10Jは、パスワード認証に加えて、指紋認証および顔認証でのログインに対応しており、セキュリティ面で安心して利用できるのも特徴だ。指紋認証および顔認証それぞれに専用ソフトウェアが用意されているので、パスワード認証よりも高いセキュリティを手軽に実現することができる。
指紋認証は、タッチパッド部に設けられた指紋認証センターを使用する。指紋の登録・編集は専用ソフトウェア「Protector Suite QL」で行い、10本の指すべての指紋が登録可能だ。
顔認証は、液晶モニター上部に設置されている130万画素Webカメラを使用する。ソフトウェアとして、アカウント管理ソフト「SmartLogon」が用意されており、手軽に顔を認識・登録できる。
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指紋認証と顔認証をオンにした後のログイン画面。指紋認証センサーに登録した指をスライドさせれば、自動的に指紋認証が行われる。顔認証でのログインは、Webカメラで顔を認識させて、SmartLogonアイコンをクリックすればよい |
このほか、N10Jは、ASUSの独自機能として、画面を拡大表示できる「ASUS Zoom In」機能を装備している。
ASUS Zoom Inは、専用のボタンを押すことで、ポインター周囲を2倍表示や3倍表示にしたり、デスクトップ全体を3倍表示するなど、3種類のモードを切り替えて使用できる。なかでも便利なのは、ポインター周囲を拡大する2種類のモード。文字を大きく表示して読みやすくしたり、写真の細かい描写を確認したい場合に活用できる。
N10Jは、米Altec Lansing Technologies社製のネオジウムマグネット搭載ステレオスピーカーを採用し、音質面にも妥協がない製品となっている。今回、MP3/WAV形式の楽曲データを試聴し、このスピーカーの音質をチェックしてみた。
本体底面にスピーカーが設置されているため、試聴前は「音がこもるのではないか?」と思っていたが、想像していたよりは音が前に出てくる印象。低音域拡張技術「XdB」を備えており、パワフルな低音を楽しめるのが特徴だが、中音域から高音域もキチンと鳴らしてくれる。モバイルノートPCとしては、かなりよい音質で音楽再生を楽しめた。
N10Jは、ASUSの人気ミニノートパソコン「Eee PC 901」の上位機種と考える方もいるかもしれないが、それは違う。そもそも、適度な性能を低価格で手に入れられるミニノートとはコンセプトがまったく異なる製品で、高品位なボディデザイン、高性能グラフィック「NVIDIA® GeForce® 9300M GS」、フルサイズキーボード、Express Gateなど、パソコンとしてワンランク上の性能・機能をふんだんに備えており、モバイルノートの使い勝手にこだわるユーザーでも納得できる製品に仕上がっているのだ。高いセキュリティ機能など、ビジネスニーズに対応している点もポイントが高い。予想実売価格で99,800円前後という価格も魅力で、「ビジネスにプライベートにフル活用できるモバイルノート」を探している方に、まさに最適な製品が登場したといっていいだろう。
ASUSTeK Computer(略称ASUS:アスース)は、台湾に本社を構えるパソコン総合電気メーカー。自作パソコンユーザーの方ならば、知らない方はいない老舗メーカーで、グラフィックカードやマザーボードなど、高品位で信頼性の高いパソコンパーツを幅広く提供している。そのすぐれた技術力が、世界中の目の肥えた自作ユーザーから高く評価されているメーカーだ。
ASUSは、パソコンパーツ開発で培った技術力を生かし、ノートパソコン本体などの開発・販売を積極的に手がけている。日本でASUSの名を広く知らしめたのは、5万円未満の低価格で購入できる、まったく新しいモバイルデバイス「Eee PC」シリーズだ。単に安く購入できるというだけでなく、コンピュータとしての基本性能がしっかりとしており、現在、日本を含めた世界各地で驚異的な売り上げを誇っている。
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