PCの自作において、購入するのが一番難しいパーツと思われるのが「電源ユニット」だろう。初めて買う時は、どれくらいの容量が必要なのか数字を見ただけではわかりにくい。しかし、電源ユニットは他のPCパーツに電気を供給する重要なパーツであり、安易に選んでしまうとパソコンの動作が安定しなかったり、最悪の場合、パソコンが壊れてしまう場合もある。
今回は価格.comのランキングでも人気の高いAntec「EarthWatts EA-650」を例に、ATX電源ユニット購入時における選び方のポイントを簡単に紹介しよう。
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現在、主に販売されている電源ユニットの規格は「ATX」と「SFX」の2つだ。ATXはケースやマザーボードと同様に、自作パソコンの主流となっている規格。SFXはMicroATX規格の電源となる。ATX電源のユニットサイズは、約150×140×86mmと定められているが、奥行きのサイズが異なる製品でも、ATX規格に対応しているPCケースであれば基本的にはどれでも装着できる。
電源ユニット本体の横に貼られているラベルを確認すると電源のスペックが確認できるが、ラベルを見てもいまいちわかりにくい。この中で気にすべきポイントは、「+12V」と書かれた項目だ。「+12V」はCPUやビデオカードなどを動作させるために必要となる出力で、CPUやビデオカードのように負荷の大きい出力系統を分けることでパソコンが電力不足にならないようにしている。なお、「+12V1」はPCI Express、HDD、光学ドライブなどに使用され、「+12V2」はCPU用と定められている。また「+12V」下のA(アンペア)数が高いほど、性能の高い電源の指標となる。ATX電源を購入する際は「+12V」を2系統以上を備えている「ATX12V VER2.2」に準拠した電源ユニットを選択すれば、安定した出力が得られるだろう。
電源はW(ワット)数で表示されている最大出力が主なスペックとなるが、電源ユニット購入にあたっては、組み立てようとしているPCがどれだけの容量の電源を必要としているかを、まず把握しなければならない。現在、価格.comで掲載されているショップブランドのPCを参考に見ると、400〜500Wの電源が搭載されているパソコンが多く見られる。主なスペックは、インテルCore 2 DuoなどのCPUに、HDD×1、DVDドライブ×1、ミドルレンジのビデオカードなどを搭載している。これくらいのスペックのPCを作るときは、多少余裕をもたせ500Wくらいの容量があれば問題ないだろう。
なお、3Dゲームなどに使用するハイエンドビデオカードは、消費電力が高く電源容量の少ない電源ユニットを搭載する場合は、電源容量不足により、パソコンが起動しないこともある。そのため必要容量より余裕のある600W以上の容量を持った電源を買っておくのが無難な選択といえる。
また、粗悪な電源ユニットを購入してしまうと、電力を供給している他のパーツに悪影響を及ぼすため、必ず動作の安定した製品を購入したい。電源の安定性は、価格.comのクチコミ掲示板などを参考にするとよいだろう。また、ケースに電源が付属しているモデルもあるが、この場合は付属する電源に合わせてパーツ構成を考えたい。
パソコンで使用するパーツで特に音を発するものは、HDD、ケースファン、CPUクーラー(ビデオカードクーラー)、そして電源ユニットである。このため、パソコンに静音性を求める場合は電源の静音性もしっかり確認しよう。電源ユニットの騒音は、主に冷却ファン部分から発せられるが、最近発売されている電源ユニットに搭載されている冷却ファンの多くは、静音化のため低速回転で風量の多い12cm以上の大口径ファンを採用している。また、電源ユニット内部の温度をセンサーが感知することにより、ファンの回転数を自動的に変えるファンコントロールタイプも主流となっている。電源の静音性を見るには、大口径のファンを搭載していることと、ファンコントロール機能が付いていることを確認しよう。
「EarthWatts EA-650」では、ケース内の温度に反応するシステムにより、ファンが自動的に最適な回転速度で動作する。電源ユニット内部に搭載されているファンは、12cmの静音タイプのものだが、十分な風量が確保されているので安心だ。また、背面はメッシュ加工されており、電源ユニット内部の通気性を高めている。
さらに静音性を強化したいというユーザーには、ファンレスタイプの電源ユニットや手動のファンコントローラーが内蔵されている製品も発売されているので、こうしたものを検討するのもよいだろう。いずれの場合も、使用する際にはケースのエアフローに気をつけて使いたい。
電源ユニットを初めて見ると、他のパーツへ接続するためのコネクタやケーブルの多さに驚くだろう。接続ケーブルは、マザーボード以外にCPU、ビデオカード、HDD、光学ドライブ、FDDなどに接続するものも含まれる。またHDDなどのドライブ類を複数台搭載できるように、HDD用のコネクタやケーブルは複数用意されているのが普通だ。ケース内部のレイアウト次第では、付属のケーブルでは、HDDまで届かない場合もあるが、そういったときには、延長ケーブルなどを使うことで解決できる。
マザーボードに電力を供給するためのCPU補助電源コネクタは、少し前まで4ピンコネクタが主流だったが、現在発売されているマザーボードの多くは、8ピンコネクタを採用してきているので、最近のマザーボードを使用するなら8ピンコネクタに対応した製品を選びたい。なお、今回使用した「EA-650」は、4ピンと8ピンの2種類のコネクタを備えているので、新旧問わず対応できる。
グラフィック機能を搭載したマザーボードや、比較的ロースペックなビデオカードを取り付ける場合は使うことはないが、「EA-650」には、ハイエンドビデオカードを複数枚搭載する時のための、「6+2ピンPCI-E電源コネクタ」と「6ピンPCI-E電源コネクタ」が搭載されている。ハイエンドのビデオカードを増設する方は、こうした点も必ず確認しておきたい。
なお、モデルによってはケーブルが着脱できる電源ユニットも販売されている。ケーブルが着脱できるモデルは、ケース内に余計なケーブルを収納する必要がなく配線がすっきりするため、ケース内部のエアフローも改善できるだろう。
BP550PLUSは、ケーブルの取り外しが可能。必要なケーブルだけを繋ぐことができるため、ケース内のエアフローを高めることができる |
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