リコー「IPSiO PJ X2130」実力検証

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4万円台前半で買える充実機能のプロジェクター

「プロジェクター」と聞いて、リコーの名を思い浮かべるユーザーは、それほど多くないかもしれない。それもそのはず、リコーがプロジェクター事業に本格参入したのは、2010年10月のことで、まだ1年10か月ほどしか経過していないからだ。
ところが、リコーのプロジェクターは、着実にラインアップを充実させるとともに、今後、市場でのシェアを大きく拡大することが予想される。その背景にはいったい何があるのか? ここでは、その秘密に迫るべく、プロジェクター事業におけるリコーのスタンスの考察と、具体的な製品レビューを行ってみた。
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リコーグループでつちかった高い技術力でプロジェクター分野に本格参入

リコーグループでつちかった高い技術力でプロジェクター分野に本格参入 01

デジタル複合機やカラー複合機、デジタルカメラなどの製造・販売を行う老舗メーカーのリコーが、2010年10月、プロジェクター事業に本格参入をはたした。といっても、プロジェクター事業に関しては、この参入において同社がゼロからスタートを切ったわけではない。そもそもリコーは、デジタル複合機やカラー複合機で国内トップクラスのシェアを誇る光学業界のフロントランナーであり、プロジェクターに関しても、かねてから研究・開発が進められ、多くのプロジェクターメーカーに光学ユニットやパーツの供給も行ってきていたのである。

こうした長年にわたるプロジェクター技術の蓄積に加え、光学分野においてさまざまな革新技術を開発してきたリコーが、市場のニーズに応えるべく準備を整えたタイミング、それが1年10か月前のプロジェクター事業への本格参入のタイミングであり、リコーにとっては満を持しての参入だったのである。その証拠となるのが、リコーのプロジェクター「IPSiO(イプシオ) PJ」シリーズの充実ぶり。参入後2年を待たずして、現在、「IPSiO PJ」シリーズにラインアップされるプロジェクターは15機種28ラインアップにおよび、エントリーモデルから、スタンダードモデル、ユニークなスタイルの超短焦点モデル、そしてハイエンドモデルにいたるまで、多彩な商品群で着実にシェアを広げつつある。

次の章では、そんな「IPSiO PJ」シリーズの中から、エントリーモデルとなる「IPSiO PJ X2130」をピックアップし、その性能や実力を詳しくお伝えしていく。高価格帯のハイエンドモデルではなく、あえてエントリーモデルに注目することで、リコーのプロジェクター製品の基本性能の高さ、および、コストパフォーマンスの高さを検証してみたい。

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充実の基本性能を装備した「IPSiO PJ X2130」の実力を試す

検証用にピックアップしたのは、価格.com上での実勢価格が4万円台前半というエントリーモデル「IPSiO PJ X2130」。本モデルは決して多機能搭載というわけではないが、DLP方式でXGA解像度のプロジェクターとしては、かなりお手ごろな価格を実現しており、しっかりとした基本性能を備えたモデルに仕上がっている。まずは、「IPSiO PJ X2130」のハードウェアからチェックしていこう。

ボディサイズは、286(幅)×208(奥行き)×100(高さ)mmで、面積的にはA4よりひとまわり小さい程度の設置面積。高さも100mmと、かなりコンパクトな作りだ。質量は約2.5kgで、一般的なオフィスやSOHOなどで、共有機用として使用するのにちょうどいいサイズ。最短投写距離は1.19mで投写サイズは30型、最長投写距離は13.11mで投写サイズは300型となっており、ちょっとしたミーティングスペースから、大小会議室などでの使用にも対応できる。

本体上面には、電源ボタンやメニューボタン、ズームレバーなどを集約。シンプルな配列で直感的な操作が可能だ。また、プロジェクター本体から離れていても、さまざまな機能を呼び出せる専用リモコンが同梱されており、使い勝手は非常によい。さらに、本体背面には、各種インターフェイスを装備。RGBアナログ入力端子やHDMI入力端子をはじめ、S-VIDEO端子、RCA端子、ミニD-sub端子(出力用)、ステレオミニピンジャックと、必要十分な端子を備えている。

「IPSiO PJ X2130」のハードウェアは、シンプルさと使いやすさを追求した作りとなっており、オフィスに初めてプロジェクターを導入するというユーザーでも、簡単に使いこなせるはずだ。また、白を基調としたボディは、ビジネスシーンに違和感なく溶け込む、リコーらしい実直なデザインが施されており、好印象を持った。

286(幅)×208(奥行き)×100(高さ)mmというコンパクトサイズ レンズには多層膜の反射防止コーティングが施されている
286(幅)×208(奥行き)×100(高さ)mmというコンパクトサイズの「IPSiO PJ X2130」。最短焦点距離は1.19mで、小さな会議室やSOHOでも利用が可能だ レンズには多層膜の反射防止コーティングが施されており、クリアでコントラストの高い、シャープな映像を映し出すことができる
フォーカスはレンズ周りのダイヤルで手動調整するタイプ 電源ボタンをはじめ、ズームやメニューなどの操作レバーやボタンは本体上面に集約されている
フォーカスはレンズ周りのダイヤルで手動調整するタイプ。その他、電源ボタンをはじめ、ズームやメニューなどの操作レバーやボタンは本体上面に集約されている
入力ソースの切り替えや台形補正など、さまざまな操作が行えるリモコンを標準装備する 背面には、ミニD-sub(アナログRGB)端子、HDMI端子、S-VIDEO端子、RCA端子、ステレオミニピンジャックといったインターフェイスを装備
入力ソースの切り替えや台形補正など、さまざまな操作が行えるリモコンを標準装備する。プレゼンの際にいちいち本体を操作しなくてもよいので便利 背面には、ミニD-sub(アナログRGB)端子、HDMI端子、S-VIDEO端子、RCA端子、ステレオミニピンジャックといったインターフェイスを装備
2Wのモノラルスピーカーが搭載されている 「IPSiO PJ X2130」には2Wのモノラルスピーカーが搭載されている。ビジネスユースがメインのプロジェクターであれば、必要十分な装備といえるだろう

続いては、投写性能を検証していこう。まずは、「IPSiO PJ X2130」に搭載された、「クイックスタート/クイックシャットダウン」機能だ。一般的なプロジェクターは、投写までにある程度の時間を要するものだが、「IPSiO PJ X2130」は、電源をオンにすると約5秒で内蔵ランプを点灯させ、投写を開始してくれるうえ、シャットダウンの際は電源コードを抜くだけでオーケーというスグレモノ。会議やプレゼンをスピーディーに進めさせてくれる、ありがたい機能だ。

投写性能に関しては、まずXGA解像度の画質を検証していく。今回はビジネスでの利用を想定して、グラフなどを多用したプレゼンシートと、描画性能を確認するための風景写真を映し出してみた。プレゼンシートには、細かな文字や数字が含まれていたが、それらがつぶれてしまうこともなく、十分にビジネスシーンで活用できるレベル。風景写真に関しても、約10億7000万色の色再現性と、2200:1のコントラスト比により、非常になめらかで高精細な画像が確認できた。下に掲載した写真のとおり、空に浮かぶ雲の階調表現も美しく、ハイライト部分が白飛びしてしまうことも、陰になった部分が黒つぶれしてしまうこともなかった。

さらに、「部分拡大」機能と、「壁色補正モード」機能を使用してみた。「部分拡大」はその名のとおりで、映し出した映像の一部分を拡大表示できる機能。操作はリモコンの「部分拡大」ボタンを押すだけで、拡大する場所も、リモコンの十字キーで簡単に移動させられる。会議やプレゼンでさまざまな活用ができる利用価値の高い機能だ。「壁色補正モード」は、「ホワイトボード」「ベージュ」「黒板(緑)」「グレー」と、投写する壁の色に応じて画面の色を補正してくれる機能。専用スクリーン不要で、場所を選ばずにプロジェクターが利用できる。

このように、「IPSiO PJ X2130」は、エントリーモデルながら高精細な投写を実現し、部分拡大や壁色に応じた色補正など、利用頻度の高い機能を採用した、充実の投写性能を備えたモデルに仕上がっている。なお、オプションの「IPSiO PJ 3Dメガネ タイプ1」を使用することで、フレームシーケンシャル方式の3D映像を見ることも可能だ。

投写性能の検証では、会議室の白壁に映像を映し出し、その解像度や色再現性などをチェックするとともに、「部分拡大表示」や「壁色補正モード」といった機能の使い勝手をチェックした 投写性能の検証では、会議室の白壁に映像を映し出し、その解像度や色再現性などをチェックするとともに、「部分拡大表示」や「壁色補正モード」といった機能の使い勝手をチェックした。投写用のスクリーンは使用していない
表やグラフなどを使ったビジネス文章を壁に投写したもの 風景写真を壁に投写したもの
左の写真は、表やグラフなどを使ったビジネス文章を壁に投写したもの。細かな数字もつぶれることなく、高精細に映し出されていることがわかる。同様に、右の写真は、風景写真を壁に投写したもの。鮮やかな色再現性で、雲や海の階調表現も実に美しい
グラフを使ったプレゼンシートを壁に投写し、その使い勝手を検証してみた 01 グラフを使ったプレゼンシートを壁に投写し、その使い勝手を検証してみた 02
「IPSiO PJ X2130」には「部分拡大」機能が装備されている。ここでは、グラフを使ったプレゼンシートを壁に投写し、その使い勝手を検証してみた。操作はいたって簡単で、リモコンの「部分拡大」ボタンを押すだけで、投写した画像を5段階で拡大。拡大する場所はリモコンの十字キーで自由に移動させられるのも便利だ
「ホワイトボード」「ベージュ」「黒板(緑)」「グレー」と、投写する壁の色に応じて画面の色を補正してくれる「壁色補正モード」を搭載 「ホワイトボード」「ベージュ」「黒板(緑)」「グレー」と、投写する壁の色に応じて画面の色を補正してくれる「壁色補正モード」を搭載。メニューボタンから簡単にアクセスでき、専用スクリーンがなくても、キレイな映像を映し出してくれる
メニューボタンから「3D投影」を選択 オプションの「IPSiO PJ 3Dメガネ タイプ1」を使用すれば、大画面で迫力の3D映像を楽しむこともできる
エントリーモデルながら、3Dコンテンツの投写にも対応した「IPSiO PJ X2130」。メニューボタンから「3D投影」を選択し、オプションの「IPSiO PJ 3Dメガネ タイプ1」を使用すれば、大画面で迫力の3D映像を楽しむこともできる

“その場で修理”に対応する「安心3年モデル」も用意

オフィスで、リコーのコピー機や複合機を利用しているユーザーであれば、よくご存知のことと思うが、これら複写機の故障や点検の際には、サービスマンがすぐに駆け付け、その場で修理などの対応を手際よく行ってくれる。リコーには、全国384か所にサービス拠点があり、カスタマーエンジニアと呼ばれる約4000名のサービスマンと、約1000名のコーディネーターが、日々、顧客のアフターサービスに当たっているのだ。そして、このサービス体制は、プロジェクター「IPSiO PJ」シリーズのユーザーでも、もちろん活用することができる。通常のモデルには、この保守・点検サービスが1年間無償で付属してくるが、それぞれの機種に用意された「安心3年モデル」を選択すれば、保守・点検期間を3年間に延長することも可能。故障の際、製品を工場に送ったり、送り返してもらったりする必要がなく、その場で問題を解決してくれる、ありがたいサービスだ。
※2012年4月現在

まとめ

今回、検証に使用したモデルは、「IPSiO PJ」シリーズの中でもエントリーモデルとなる「IPSiO PJ X2130」だったが、実際に使ってみて、「さすがは光学業界のトップブランド、リコーが作ったプロジェクターだけのことはある」という思いを強く感じた。「IPSiO PJ X2130」は、プロジェクター市場において、低価格帯のセグメントに属するモデルのため、あえてシンプルな作りとなっているが、シンプルな分、基本性能の高さや使いやすさにおいて、その実力が浮き彫りになった印象だ。また、エントリーモデルであっても、保守・点検サービスなど、リコー独自の付加価値が付属してくることは、ユーザーにとっては大きなメリットとなることだろう。

プロジェクター事業への本格参入から、まだ2年弱という期間がゆえに、「IPSiO PJ」シリーズの認知度は、現時点ではそれほど高いものではないが、長年にわたって蓄積されてきた光学技術に加え、国産メーカーならではの製品に対するこだわり、そして、万全のサポート体制をもってすれば、今後、わずかな期間で、大きくシェアを拡大することも予想される。性能がよく、価格も手ごろで、アフターサービスにも安心感を求めるユーザーは、「IPSiO PJ」シリーズにぜひ注目してもらいたい。

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用途に応じて選べる15機種28ラインアップから注目モデルをピックアップ

充実の基本性能を搭載した高コストパフォーマンスモデル

IPSiO PJ X2130
最新価格:
IPSiO PJ X2130
今回の企画において、基本性能の検証に使用したのが、この「IPSiO PJ X2130」だ。エントリーモデルという位置づけながら、投写される映像は非常に高精細なうえ、HDMI端子の装備や3D投写にも対応しており、ビジネスユースだけでなく、ホームユースにも利用できそうな1台である。充実の基本性能に加え、手ごろな価格も魅力のモデルだ。
解像度XGA
方式DLP
出力光束2600lm
コントラスト比2200:1
画素数1024×768
色再現性約10億7000万色
投写距離 1.19〜13.11m
投写画面サイズ 27.46〜302.8型
インターフェイス ミニD-sub(入力用×1、出力用×1)、HDMI、S-VIDEO端子、RCA端子、ステレオミニピンジャック、USB mini-B(ファームウェアバージョンアップ用)
スピーカー2W
本体サイズ286(幅)×208(奥行き)×100(高さ)mm
質量約2.5kg

WXGA解像度のスタンダードモデル

IPSiO PJ WX5150
最新価格:
IPSiO PJ WX5150
「IPSiO PJ WX5150」は、WXGA解像度と4000lmの高輝度を実現したスタンダードモデル。「クイックスタート/クイックシャットダウン」「壁色補正モード」「3D対応」などに加え、パソコンとのLAN接続により、電源オン/オフや入力ソースの切り替えといった、プロジェクターの制御をWEBブラウザーから行える、高機能&高コストパフォーマンスモデルに仕上がっている。
解像度WXGA
方式DLP
出力光束4000lm
コントラスト比2100:1
画素数1280×800
色再現性1677万色
投写距離1.0〜10.0m
投写画面サイズ30〜300型
インターフェイス ミニD-sub(入力用×2、出力用×1)、HDMI、S-VIDEO端子、RCA端子、ステレオミニピンジャック(入力用×3、出力用×1)、有線LANポート(プロジェクター制御用)、USB mini-B(ファームウェアバージョンアップ用)
スピーカー5W
本体サイズ306(幅)×239(奥行き)×113(高さ)mm
質量約3.2kg

わずか11.7cmの至近投写を実現した超短焦点モデル

IPSiO PJ WX5150
最新価格:
IPSiO PJ WX5150
リコー独自の小型・超短焦点技術「自由曲面ミラー」の採用により、11.7cmという非常に短い投写距離で、48型の投写サイズを実現した「IPSiO PJ WX4130N」。本体もコンパクトな縦型スタイルで、「IPSiO」シリーズの中では異彩を放つユニークなモデルだ。解像度はWXGA、輝度は2500lm、コントラスト比は2500:1、有線LAN/無線LAN標準対応と、スペック面も充実。
解像度WXGA
方式DLP
出力光束2500lm
コントラスト比2500:1
画素数1280×800
色再現性1677万色
投写距離11.7〜24.9cm(投写面から本体背面まで)
投写画面サイズ48〜80型
インターフェイスミニD-sub、HDMI、RCA端子、ステレオミニピンジャック、USB2.0、有線LANポート、無線LANポート
スピーカー2W
本体サイズ257(幅)×144(奥行き)×221(高さ)mm
質量約3.0kg
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