小型・軽量で持ち運びやすい「標準ズームレンズ」は、旅行やスナップ用のレンズとして威力を発揮します。 「NIKKORレンズ」ではさまざまな標準ズームレンズをチョイスできますが、ここでは描写力にこだわって3本をピックアップしました。

標準ズームレンズの特徴&メリット

デジタル一眼レフ用の標準ズームレンズは、一般的に、広角28mm程度から望遠80〜100mmの焦点距離をカバーする製品だ。標準ズームレンズは、本特集のPart1で紹介した高倍率ズームレンズと比べるとズーム倍率は低くなるが、レンズをコンパクトに設計できるのがポイント。軽くて持ち運びしやすいのがメリットとなっている。

さらに、標準ズームレンズは、広角から望遠まで無理のないズーム設計になっているのも重要だ。レンズ性能を重視した設計が可能なので、高倍率ズームレンズに比べると、画像周辺部などの細かいところですぐれた描写を発揮する製品が多い。つまり、標準ズームレンズは「小型・軽量で高い描写力を備えたレンズ」なのである。

広角端
望遠端
FXフォーマット対応のニコン製デジタル一眼レフ「D800」に、標準ズームレンズ「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」を装着した写真(左が広角端で、右が望遠端)。コンパクトなボディであるうえ、望遠端でもレンズがそれほど伸びないのがポイントだ

DXフォーマットの定番ズームレンズ AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR

広角16mmから望遠85mm(35mm判換算で広角24mmから望遠127.5mm)の焦点距離をカバーする、DXフォーマット(約24×16mm)対応 の標準ズームレンズ。2008年2月の発売から、ニコン製デジタル一眼レフユーザーに愛用されており、DXフォーマット(約24×16mm)対応 としては“定番”と評せるレンズとなっている。

本レンズのポイントは「ズーム域」「描写力」「サイズ」の3点。デジタル一眼レフのレンズキットに付属する一般的な標準ズームレンズと比べて、より広いズーム域に対応しており、被写体をよりワイドに切り抜いたり、ズームアップして撮影することが可能となっている。さらに、シャッタースピード換算で約4段分の手ブレ補正効果を発揮する、独自の手ブレ補正技術「VR II」も搭載しており、手ブレをしっかりと防いで撮影することができる。

また、広角から望遠まで、精細感の高い描写性能を持つのも見逃せない。色表現力にもすぐれており、以下に掲載する作例では、紅葉や海などの色表現が難しいシーンでも、飽和することとなく、自然で美しい色を再現できている。このあたりのすぐれた描写は、使用したニコン製デジタル一眼レフ「D7000」「D3200」によるところも大きいが、レンズ性能が高くないと引き出せない部分である。

さらに、本レンズは、約72(最大径)×85 mm(バヨネットマウント基準面からレンズ先端まで)で重量約485gという小型・軽量ボディを実現。持ち歩きが苦にならないコンパクトなレンズにまとまっている。

作例をチェック!
AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
使用カメラ:D7000、画質サイズ:L(4928×3264)、絞り優先AE、1/200秒、F11、露出補正:0.0、感度:ISO100、WB:オート、ピクチャーコントロール:ニュートラル(彩度+1)、焦点距離:16mm
AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
使用カメラ:D7000、画質サイズ:L(4928×3264)、絞り優先AE、1/100秒、F11、露出補正:0.0、感度:ISO400、WB:晴天、ピクチャーコントロール:スタンダード、焦点距離:78mm
AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
使用カメラ:D7000、画質サイズ:L(4928×3264)、絞り優先AE、1/640秒、F11、露出補正:+0.3、感度:ISO200、WB:白色蛍光灯、ピクチャーコントロール:ニュートラル(彩度+1)、焦点距離:19mm
AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR
使用カメラ:D3200、画質サイズ:L(4000×6016)、絞り優先AE、1/1000秒、F8、露出補正:-0.3、感度:ISO800、WB:オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、焦点距離:16mm
基本スペック
対応フォーマット DXフォーマット
焦点距離 16〜85mm(35mm判換算24〜127.5mm)
最大絞り f/3.5-5.6
最小絞り f/22-36
レンズ構成 11群17枚 (非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚)
最短撮影距離 0.38m(ズーム全域)
絞り羽根枚数 7枚(円形絞り)
アタッチメントサイズ 67mm(P=0.75mm)
サイズ 約72mm(最大径)×85mm(バヨネットマウント基準面からレンズ先端まで)
重量 約485g

バランスのよい描写力を実現した小型・軽量モデル AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

FXフォーマット(約36×24mm)対応 の標準ズームレンズで、広角24mmから望遠85mmの焦点距離をカバー。2012年6月28日に発売になったばかりの新型モデルで、有効約3630万画の高画素センサーを採用するニコン製デジタル一眼レフ「D800」と組み合わせて利用したい製品だ。

最大の特徴は、24mmから85mmの焦点距離に対応しながらも、約78(最大径)×82(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)mmで重量約465gという小型・軽量ボディを実現していること。「D800」に装着すると、コンパクトな単焦点レンズのような感覚でホールドすることが可能だ。 コンパクトながらも、シャッタースピード換算で約4段分の手ブレ補正効果を発揮する、独自の手ブレ補正技術「VR II」も装備しているのがうれしいところ。

さらに、最新の「NIKKORレンズ」らしく、解像感と質感の両方のバランスをうまく取った描写力を備えているのも見逃せない。以下に掲載する作例は、ニコン製デジタル一眼レフ「D800」と組み合わせて撮影したものになるが、「D800」の有効約3630万画素センサーの解像感をキッチリと引き出せている。リッチな色描写で印象的な写真に仕上がっているのもポイントだ。「軽くて写りのいい標準ズームレンズ」としてファーストチョイスにしたいレンズである。

作例をチェック!
AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR
使用カメラ:D800、画質サイズ:L(7360×4912)、絞り優先AE、1/250秒、F11、露出補正:+0.7、感度:ISO100、WB:オート、ピクチャーコントロール:ニュートラル(彩度+1)、焦点距離:24mm
AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR
使用カメラ:D800、画質サイズ:L(7360×4912)、絞り優先AE、1/200秒、F6.3、露出補正:+0.3、感度:ISO200、WB:オート、ピクチャーコントロール:ニュートラル(彩度+1)、焦点距離:85mm
基本スペック
対応フォーマット FXフォーマット
焦点距離 24〜85mm
開放絞り f/3.5-4.5
最小絞り f/22-29
レンズ構成 11群16枚(EDレンズ1枚、非球面レンズ3枚)
最短撮影距離 撮像面から0.38 m(ズーム全域)
最大撮影倍率 1/4.5倍
絞り羽根枚数 7枚(円形絞り)
アタッチメントサイズ 72mm(P=0.75mm)
サイズ 約78mm(最大径)×82mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
重量 約465g

ナノクリスタルコートを採用した高性能モデル AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR

「NIKKOR」レンズの中でも特に人気の高い、FXフォーマット(約36×24mm)対応のズームレンズ。その理由は大きく2点。ひとつは、広角24mmから望遠120mmの焦点距離をカバーし、一般的な標準ズームレンズよりも望遠側が伸びること。もうひとつは、ゴースト・フレアーを軽減するニコン独自の「ナノクリスタルコート」を採用した高性能レンズであること。ズーム全域で「開放F4」で開放F値が一定なのも見逃せないポイントで、絞り開放からすぐれた描写を得ることができる。 もちろん、シャッタースピード換算で約4段分の手ブレ補正効果を発揮する、独自の手ブレ補正技術「VR II」も搭載している。

以下に掲載する作例をチェックすると、広角端において、レンズ中央だけでなく周辺部でも十分な解像感が得られるのがわかる。望遠側の作例でも、シャープで精細感のある写真に仕上がっている。高性能なズームレンズらしく、広角から望遠まで安定した画質で撮影することができるのだ。さらに、本レンズは望遠120mmで撮影できる点も見逃せない。「D800」などのFXフォーマット機でのクロップ撮影時には、35mm換算で180mm相当の画角が得られるので、望遠撮影にも十分に対応することができる。

また、「D800」に装着した際のバランスもうまく考えられており、撮影しやすいレンズとなっている。より広いズーム域と、高い描写を求める場合にチョイスしたい1本だ。

作例をチェック!
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
使用カメラ:D800、画質サイズ:L(4912×7360)、絞り優先AE、1/160秒、F11、露出補正:+0.7、感度:ISO100、WB:オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、焦点距離:24mm
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
使用カメラ:D800、画質サイズ:L(7360×4912)、絞り優先AE、1/320秒、F11、露出補正:+0.3、感度:ISO640、WB:オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、焦点距離:120mm
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
使用カメラ:D800、画質サイズ:L(4912×7360)、絞り優先AE、1/160秒、F8、露出補正:+0.3、感度:ISO100、WB:オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、焦点距離:70mm
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
使用カメラ:D800、画質サイズ:L(4912×7360)、絞り優先AE、1/80秒、F5.6、露出補正:+0.7、感度:ISO100、WB:オート、ピクチャーコントロール:スタンダード、焦点距離:78mm
基本スペック
対応フォーマット FXフォーマット
焦点距離 24〜120mm
最大絞り f/4
最小絞り f/22
レンズ構成 13群17枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコート)
最短撮影距離 0.45m
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
アタッチメントサイズ 77mm
サイズ 約84×103.5 mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
重量 約710g
まとめ

今回レビューしてみてあらためてわかったことは、ニコンの「NIKKOR」レンズの標準ズームレンズは、とにかく描写力が高いということ。広角端から望遠端まで安定した描写性能を備えており、ここで紹介した3本であれば、どれを選んでも満足のいく画質の写真を撮影できるはずだ。また、絞り開放からシャープに写せるのも見逃せない特徴。一般的に、レンズは絞り開放では描写が甘くなりがちだが、「NIKKOR」レンズの標準ズームレンズではそういったデメリットは感じられない。

また、今回の3本は、いずれもスペックを考慮すると十二分に小型・軽量なレンズとなっており、持ち運びしやすいのもおさえておきたい。ニコン製の最新デジタル一眼レフの実力を発揮できるパフォーマンスを備えながらも、コンパクトなボディにまとまっているのだ。さらに、3本とも、独自の手ブレ補正機能(VR)をしっかりと装備していることも付け加えておこう。

選び方としては、「D7000」や「D3200」などDXフォーマット(約24×16mm)対応のデジタル一眼レフの場合は、最初の1本として「AF-S DX NIKKOR 16-85mm f/3.5-5.6G ED VR」を選択したい。また、「D800」などFXフォーマット(約36×24mm)対応のデジタル一眼レフでは、よりコンパクトなレンズがほしい場合は「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」を、画質と望遠端の焦点距離にこだわる場合は「AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR」を選べばいいだろう。 記事:価格.com編集部/作例撮影:斉藤勝則さん

フォトグラファー・斉藤勝則さん
フォトグラファー・斉藤勝則さんプロフィール

神奈川県生まれ、東海大学工学部生産機械工学科卒業。 大手重機械メーカーのチーフ設計エンジニアを経て、写真家・内田隆章氏に師事してカメラマンに転身。 1996年フォト・デザイン会社ケー・エス・ワン設立。 撮影分野はジャンルなしのオールラウンド、最近では動画撮影にも進出。 現在、広告(Web関連含む)、雑誌(月刊カメラマン)で活動、ニコンカレッジ、日本写真芸術学会会員。