キヤノン「EF24-70mm F4L IS USM」実写レビュー

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広角・標準・中望遠域からマクロまでこれ1本で楽しめる!小型・軽量な“万能”ズームレンズ キヤノン「EF24-70mm F4L IS USM」実写レビュー EFレンズは累計生産本数
9000万本を達成(2013年5月現在)

製品特徴レビューユーザーレビュー

キヤノン「EF24-70mm F4L IS USM」は、35mmフルサイズ対応の小型・軽量な標準ズームレンズ。コンパクトな設計ながらも、「Lレンズ」らしい高い描写力と、すぐれた操作性を備えたハイレベルなレンズとなっている。ここでは、その性能・機能の特徴をくわしくレビュー。あわせて、写真家・並木隆さんが「EF24-70mm F4L IS USM」を使って撮影した作例も掲載する。レンズの描写力の高さを引き出した実写作例をチェックして、「EF24-70mm F4L IS USM」の“万能さ”を実感してほしい。

広角から中望遠をカバーする高性能な“Lズームレンズ”

EF24-70mm F4L IS USM

キヤノンの小型・軽量な標準ズームレンズ「EF24-70mm F4L IS USM」。レンズ先端に「Lレンズ」の証である赤いラインが入っている

まずは、「EF24-70mm F4L IS USM」の基本的なスペックから見ていこう。

「EF24-70mm F4L IS USM」は、広角24mm〜望遠70mmの焦点距離に対応する、35mmフルサイズ対応の標準ズームレンズ。「EOS 7D」や「EOS Kiss X7i」などキヤノン製のAPS-Cセンサー搭載デジタル一眼レフに装着して使用できるほか、ミラーレス一眼カメラ「EOS M」でも使用可能となっている(※専用アダプターを利用)。そうしたAPS-Cセンサー機でも十分に高画質に撮影できるが、そのパフォーマンスがもっとも発揮されるのは、「EOS 5D Mark III」や「EOS 6D」といったの35mmフルサイズ対応デジタル一眼レフと組み合わせたときだ。広角での風景、標準域でのスナップ、中望遠でのポートレートといったように、多彩な撮影に対応することが可能となっている。

「EF24-70mm F4L IS USM」などのキヤノンのデジタル一眼レフ用交換レンズ「EFレンズ」シリーズは、高い描写性能を持つことで定評がある。キヤノンは、その中でも特にすぐれた光学性能を備えるレンズに「Lレンズ」という名称を付けている。「Lレンズ」は、非球面レンズやUDレンズなどの特殊レンズが採用されており、キヤノンが誇る光学技術を詰め込んだ「高性能レンズ」と言い換えることもできる。「EF24-70mm F4L IS USM」は、その「Lレンズ」に属する高性能モデル。12群15枚のレンズ構成に、各種収差を効果的に補正する非球面レンズ2枚、蛍石1枚に匹敵する性能のUDレンズ2枚を採用し、ズーム全域・画面全域で高コントラストかつ高解像度な画質を実現している。

さらに、「EF24-70mm F4L IS USM」は、シャッタースピード換算で約4段分(※キヤノン測定基準)の補正効果を持つ、独自の手ブレ補正機構「IS」を搭載。角度ブレに加えてシフトブレ(平行ブレ)も同時に補正する「ハイブリッドIS」にも対応しており、手ブレ対策は万全だ。

また、AF駆動モーターには、高トルク・高レスポンスで静粛・高速なオートフォーカスを実現する「リングUSM」を採用。AF合焦後にフォーカスリングを回転するだけでマニュアルフォーカスが可能な「フルタイムマニュアルフォーカス」にも対応している。絞り羽根は9枚構成で、美しいボケ味を生かした撮影が可能だ。レンズの最前面・最後面に撥油性・撥水性が高い「フッ素コーティング」も採用している。

このように、「EF24-70mm F4L IS USM」の基本的なスペックは、高性能な「Lレンズ」らしく非常に高い。これといった欠点の見当たらない、ハイレベルな標準ズームレンズに仕上がっている。

EF24-70mm F4L IS USM

独自の手ブレ補正機構「IS」は、シャッタースピード換算で約4段分(※キヤノン測定基準)の補正効果を実現。シフトブレ(平行ブレ)を補正する「ハイブリッドIS」にも対応

EF24-70mm F4L IS USM

AF後にマニュアルフォーカスが可能な「フルタイムマニュアルフォーカス」に対応

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“F4通し”のレンズ設計で開放から高い描写力を実現

EF24-70mm F4L IS USM

ズーム全域で開放F値は「F4」。開放からすぐれた描写力を発揮する

「EF24-70mm F4L IS USM」は、レンズの開放F値がズーム全域で「F4」に設定されているのも見逃せない。いわゆる“F4通し”と呼ばれるレンズで、口径を無理に大きくしていないため、レンズ設計に無理なところがなく、開放から高い描写力を期待できる。

たとえば、「F2」や「F2.8」といった開放F値が小さい大口径レンズは、「より大きなボケが得やすい」「暗いところでもシャッタースピードをかせぎやすい」といったメリットがある。そのいっぽうで、「開放付近では描写が甘くなる」「周辺光量が落ちる」といった描写面でのデメリットもつきまとう。そのため、写真の仕上がりを重視するあまりに「大口径レンズでは開放での撮影はしない」という場合も少なくない。

その点、「EF24-70mm F4L IS USM」は、大口径レンズと呼ばれる製品と比べると開放F値が1段程度抑えられており、開放から安定した描写が得られるようになっている。本特集の最下部に掲載する、写真家・並木隆さんが撮影した作例では、「EF24-70mm F4L IS USM」を使って開放F4で撮影した写真を数多く並べているが、いずれもピント位置では非常にシャープな特性が得られている。

最大撮影倍率0.7倍の本格的なマクロ撮影が可能

「EF24-70mm F4L IS USM」の大きな魅力となるのが、本格的なマクロ撮影に対応できることだ。切り替えレバーとズームリングの操作で、通常撮影モードとマクロ撮影モードを切り替えられるようになっている。マクロ撮影モードでは、標準ズームレンズでありながら、最大撮影倍率0.7倍、最短撮影距離0.2mという、マクロレンズに匹敵するスペックを実現。本格的なマクロ撮影が可能となっている。

さらに、先述した独自の手ブレ補正機構「IS」を搭載するのもポイント。シャッタースピード換算で約4段分の補正効果を持つうえ、角度ブレに加えてシフトブレ(平行ブレ)も補正する「ハイブリッドIS」に対応しているのが、マクロ撮影では非常に有効だ。マクロ撮影では、撮影倍率が大きくなるほど、カメラが平行に動くシフトブレが撮影に影響を及ぼす。風景などの遠景撮影時にはカメラが平行に動いてもほとんど影響はないが、マクロ撮影の場合は、わずかなシフトブレが手ブレとなってしまう。キヤノンはここに注目し、「ハイブリッドIS」では、振動ジャイロ(角速度センサー)に加えて、撮像面に対して平行方向へのブレを検知・補正する加速度センサーを搭載。2つのセンサーと独自のアルゴリズムにより、角度ブレとシフトブレを同時に補正することを実現したのだ。

「EF24-70mm F4L IS USM」では、マクロ撮影モードに切り替えると自動的に「ハイブリッドIS」に切り替わる。撮影倍率0.5倍撮影時にはシャッタースピード換算で約3段分(※)、0.7倍撮影時には約2.5段分(※)の手ブレ補正効果を発揮。マクロ撮影時特有のシフトブレを抑えて、三脚が使えない場所や暗いシーンでも、手持ち撮影で高精度なマクロ写真を撮影することができる。

※補正効果は、通常撮影領域では「1/焦点距離」秒のシャッター速度を基準にしていますが、マクロ領域ではIS OFF状態での手ブレを防ぐシャッター速度からの補正効果です

EF24-70mm F4L IS USMEF24-70mm F4L IS USM

マクロ撮影への切り替えは、切り替えレバーを被写体方向へスライドし、ズームリングを望遠端からマクロ領域へ回す。その後、切り替えレバーを元の位置に戻せばよい。これで最大撮影倍率0.7倍、最短撮影距離0.2mのマクロ撮影が可能になる

EF24-70mm F4L IS USM

マクロ撮影時にレンズの描写性能を引き出すには、距離目盛上の黄色い線(マクロ撮影時に画質劣化が少ないフォーカス範囲の目安)の範囲内でフォーカスを合わせればよい。具体的には、ズームリングをマクロ領域に回した後に、フォーカスリングの位置を距離目盛上の黄色い線の中央に合わせる。そして、ズームリングの調整とカメラ全体を前後させて、構図とおおよそのピントを合わせた後にAFもしくはMFで撮影すればよい。ただし、距離目盛上の黄色い線の範囲内では、最大撮影倍率は0.5倍までとなっている

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防塵・防滴仕様のコンパクトボディが魅力。1本で何でも撮れる万能レンズ

「EF24-70mm F4L IS USM」は、開放F4通しのレンズ設計やインナーフォーカスなどの採用により、コンパクトなボディにまとまっているのも特徴だ。そのボディサイズは最大径83.4×全長93mmで、重量は約600g。同じズーム域をカバーする「EF24-70mm F2.8L II USM」と比べると全長は20mm短く、重量は約200g軽くなっている。広角24mmから望遠70mmの焦点距離をカバーし、手ブレ補正機構も備える高性能なズームレンズとしては、非常にコンパクトなレンズといえるだろう。さらに、「EF24-70mm F4L IS USM」は、マウント接合部にラバーリングを採用するなど、さまざまな個所に防塵・防滴性の高い構造を採用し、粉塵や水滴の進入を防いでいるのもポイントだ。

実際に、「EOS 5D Mark III」と「EOS 6D」に「EF24-70mm F4L IS USM」を装着して撮影を行ってみたが、「EF24-70mm F4L IS USM」のコンパクトさは際立っていると感じた。普段は、「EOS 6D」と「EF24-105mm F4L IS USM」の組み合わせで撮影することが多いのだが、比べてしまうと、コンパクトな「EF24-70mm F4L IS USM」を手放せなくなってしまう。やはり、レンズは小さくて軽いもののほうがいい。しかも、ただ軽くて持ち運びやすいというだけでなく、ボディとレンズを組み合わせた際の重量バランスがよく、ホールドしやすいという印象を受けた。このあたりは、ボディとレンズの組み合わせを考慮した設計によるものだろう。「Lレンズ」は、すぐれた光学性能を搭載しているだけでなく、操作性や堅牢性においても高性能を追求している。さすがにキヤノンの「Lレンズ」だけあって、使い勝手にもすぐれたものがあると感じた次第だ。

「EF24-70mm F4L IS USM」は、幅広い撮影に対応できる標準ズームレンズである。これ1本で、風景、スナップ、ポートレート、さらにはマクロまで対応できる。しかも、シフトブレも補正する「ハイブリッドIS」を搭載しており、手持ちでのマクロ撮影に対応可能。シーンや被写体を選ばない“万能”な標準ズームレンズと評価していいだろう。その描写力は、以下に掲載する、写真家・並木隆さん撮影の作例でご確認いただきたい。広角、標準、望遠、マクロといった撮影シーンで、非常にすぐれた描写が得られているのがわかるはずだ。

EOS 5D Mark IIIにEF24-70mm F4L IS USMを装着EOS 6DにEF24-70mm F4L IS USMを装着

左が「EOS 5D Mark III」に「EF24-70mm F4L IS USM」を装着したイメージで、右が「EOS 6D」に装着したイメージ。小型・軽量なレンズなので持ち運ぶ際の負担は少ない

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作例で「EF24-70mm F4L IS USM」の描写力をチェック!

広角

焦点距離24mm、F7.1、1/40秒、ISO250、EV0.0、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、絞り優先AE、EOS 5D Mark III

焦点距離24mm、F16、1/40秒、ISO400、EV0.0、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、絞り優先AE、EOS 5D Mark III

標準

焦点距離50mm、F4、1/50秒、ISO800、EV0.0、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、高輝度側・階調優先:しない、絞り優先AE、EOS 5D Mark III

焦点距離50mm、F4、1/50秒、ISO125、EV-0.3、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、高輝度側・階調優先:しない、絞り優先AE、EOS 5D Mark III

望遠

焦点距離70mm、F8、1/80秒、ISO500、EV+0.7、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、高輝度側・階調優先:しない、絞り優先AE、EOS 5D Mark III

焦点距離70mm、F4、1/250秒、ISO1250、EV+1.3、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、高輝度側・階調優先:しない、絞り優先AE、EOS 6D

マクロ

焦点距離70mm、F4、1/320秒、ISO320、EV+0.7、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、高輝度側・階調優先:しない、絞り優先AE、EOS 6D

焦点距離70mm、F4、1/80秒、ISO1600、EV0.0、WB:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、周辺光量補正:する、色収差補正:する、高輝度側・階調優先:しない、絞り優先AE、EOS 5D Mark III

写真家・並木隆さん
写真家・並木隆さんのプロフィール

1971年東京生まれ。高校生時代に月刊カメラマンを通じて丸林正則氏と出会い、以降写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)中退後、フリーランスに。花や自然をモチーフに各種雑誌誌面での作品発表。キヤノンEOS学園講師。日本写真家協会、日本自然科学写真協会会員。

「EF24-70mm F4L IS USM」の主なスペック

EF24-70mm F4L IS USM
画角(水平・垂直・対角線) 74°〜29°・53°〜19°30'・84°〜34°
レンズ構成 12群15枚
絞り羽根枚数 9枚
最小絞り 22
最短撮影距離 0.38m、マクロ切り替え時0.2m
最大撮影倍率 0.21倍(70mm時)、0.7倍(マクロ切り替え時)
フィルター径 77mm
最大径×長さ φ83.4mm×93mm
質量 約600g
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