ダイキン 新「うるさら7」の新暖房システムを解剖する

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エアコン暖房の概念を変える「垂直気流」を実現

ダイキン 新「うるさら7」の新暖房システムを解剖する

この秋ダイキンから発売される新しい「うるさら7」(以下、新「うるさら7」)は、エアコン暖房の概念を根本から覆すほどのインパクトを持った製品だ。従来のエアコン暖房のデメリットであった「風が当たって乾燥する」という問題に根本から取り組み、独自の「垂直気流」技術によって、従来のエアコンとはまったく異なるエアフロー(気流の制御)を実現。無給水加湿の「うるる加湿」と組み合わせることで、これまでになかった「風を感じず、しかも乾燥しない」という上質な暖房を実現したのである。「エアコン暖房が苦手と感じている人にこそ使ってほしい」という思いで開発された、新「うるさら7」のメカニズムと実際の効果を、価格.com編集長・鎌田が、取材と検証を踏まえて解剖する。
取材・文:鎌田 剛 Takeshi Kamada

取材・文:鎌田 剛 Takeshi Kamada パソコン雑誌の編集者を経て2002年にカカクコムに入社。価格.comの黎明期よりコンテンツ作成に携わり、その当時より価格.comにおける記事系コンテンツの編集統括を務める。パソコンやAV家電だけでなく、生活家電や自動車など全般の製品動向に詳しい、人呼んで「価格.comのご意見番」。「家電総合アドバイザー」資格保持者。

新「うるさら7」の最大の特徴、「垂直気流」ってどんなもの?

この秋発売される、ダイキンの新「うるさら7」の最大の特徴は、独自の「垂直気流」にある。まずは、このメカニズムから見てみよう。

図1一般的なエアコン暖房の気流と垂直気流の違い
従来気流 ダイキンの新「うるさら7」従来気流
垂直気流 ダイキンの新「うるさら7」垂直気流
左写真が従来型のエアコンの気流、右写真が新「うるさら7」の垂直気流を可視化したもの。従来型のエアコンの場合、吹き出された温風が床面に当たると上に舞い上がってしまい、この舞い上がった風が寒さや乾燥を感じる原因となるが、新「うるさら7」の垂直気流の場合は、壁に沿って床面まで降りた温風が、そのまま床面に沿って広がっており、上に舞い上がらない。これが、垂直気流が、不快な風を感じさせないメカニズムである
(※画像は、試験のため煙とレーザー光線を用いて気流を可視化したものです)

その前に、一般的なエアコン暖房の気流についておさらいしておく必要がある。図1・左図に示したように、従来からの一般的なエアコンは、人のいる方向に向けて強い温風を吹き出している。ご存じのように、温かい空気は部屋の上のほうに上がってくるので、下方へ吹き出された温風は、仮に人の足下を狙って吹き出されたとしても、床面に当たるとすぐに上に上がってくる。このため、エアコン暖房では、風を感じるのが普通だが、この風が体感的な寒さを招いたり、乾燥の原因になったりする。これが、従来のエアコン暖房の欠点だった。

こうしたエアコン暖房が持つ問題に対して、エアコンメーカーはここ数年、人感センサーなどを使って、直接に温風を人に当てず、なるべく足下を狙って気流をコントロールするなどの工夫を行っているが、この舞い上がり現象は完全には抑えることができない。こうしたアプローチに対して、空調専業メーカーであるダイキンが取った方法は、小手先の細かい気流コントロールではなく、根本的なエアフロー(気流の制御)自体の変更だった。それが、ここで解説する「垂直気流」である。

垂直気流の基本的メカニズムは図1・右図の通り。従来のエアコンのように、室内機から人のいる方向に向かって斜め下方向に温風を吹き出すのではなく、室内機からほぼ真下の方向に温風を吹き出すようにした。下に向かって吹き出された温風は、部屋の壁沿いに床面まで降りていき、床面まで届いた後は、今度は床沿いに部屋の奥まで広がっていくというものだ。この方式であれば、人の顔などに温風が直接当たることもなく(※1)、しかも足下が温かいという、暖房にとって理想的な状況を作り出すことができる。これが、ダイキンの実現した「垂直気流」の姿なのだ。

では、論より証拠、まずは、新「うるさら7」が実現した垂直気流とはどんなものなのかを知るために、ダイキンによる垂直気流の動きを示した動画をご覧いただきたい。

「垂直気流」の動き(動画)
(※動画は、試験のため煙とレーザー光線を用いて気流を可視化したものです)

これを見ればわかるように、新「うるさら7」の室内機から下側に放出された温風は、壁を伝わって床面まで到達し、その後、すぐに上へ舞い上がることなく、床面に沿って滑るように部屋の奥まで広がっている。このまったく新しい気流によって、人間の足下は温かいが、乾燥などの不快感を感じる人の顔や上半身には直接温風が当たらず(※1)、快適で温かいエアコン暖房を実現しているのだ。

と、このように言うと単純に思えるが、この垂直気流を実現するためには、さまざまな問題をクリアする必要があった。まずは、気流をどうやってまっすぐ下へと吹き出すようにコントロールできるか、そして、床面まで達した後で温風が舞い上がってこないようにするためにはどうしたらいいか。いずれにしても、これまで実現したことのないチャレンジングな課題である。しかし、ダイキンは今年この問題に正面から取り組み、新「うるさら7」にて、ついにこの難しい気流制御を現実のものとしたのだ。

まず、室内機から壁に沿ってまっすぐに吹き下ろす気流を作り出すために、フラップの構造を一新した。通常のフラップだけでは、真下へ向けた際にどうしても気流の漏れが発生してしまうが、この漏れをなくすために、風向板と補助フラップの2つが連動して動く「デュアルコアンダフラップ」を開発、実装したのだ。これにより、室内機から見て前方向に気流が漏れることがなく、若干斜め後ろ方向へ吹き出された気流が、壁を伝って床面まできれいに落ちるようになった。これが、垂直気流を生み出す、新「うるさら7」の1つめのメカニズムである。

図2デュアルコアンダフラップ
ダイキンの新「うるさら7」デュアルコアンダフラップ
エアコンの気流をコントロールする通常の2枚のフラップのほかに、前方フラップの隙間から気流が漏れないように動く補助フラップを搭載した「デュアルコアンダフラップ」。これにより、気流が前方へ漏れることなく、吹き出し口よりやや後方に向けて、壁に沿うような垂直気流を作り出すことに成功した

しかしながら、これだけでは、床面まで届いた垂直気流の温風も、床面に沿って広がっていくうちに、床面との温度差によってやがて舞い上がってしまう。これが、コアンダ原理を利用したきれいな垂直気流を作り出すうえでは大きな問題となるのだが、ダイキンは、新「うるさら7」に新たに搭載した「人・床温度センサー」によって、この床面の温度ムラを解消することに成功した。部屋の床面を8×8の計64個に細かく分割し、センサーで各エリアの温度を監視するというこの高精度センサーによって、床面をムラなく暖められるように気流を細かくコントロール。暖房運転を開始するとまずは部屋の床全体を急速に暖めることで、床付近の温度ムラをなくし、温風の舞い上がりを防止。これによって、垂直気流によって床面まで降りた温風を、床面すれすれに部屋全体に広げるという難易度の高いチャレンジに成功したのである。これが、垂直気流を生み出す、新「うるさら7」の2つめのメカニズムだ。

図3人・床温度センサー
ダイキンの新「うるさら7」人・床温度センサー
新「うるさら7」の室内機右下に装備された「人・床温度センサー」。床面を8×8の64のエリアに分けて、その温度をセンシング。温度ムラが出ないように、暖房運転開始直後はまず床面を均一の温度に暖める。これによって、床面からの温風の舞上がりを抑えるのだ

(※1)ダイキンによる試験。同社環境試験室(洋室14畳)で測定。外気温度7℃/設定温度22℃/風量「自動」/風向上下「自動」で暖房運転を開始。設定温度到達後、従来気流(足元風向設定なし)と垂直気流(足元風向設定・入)で運転した際、エアコン設置壁面から3m、床面から1mの位置での1秒間の風速を比較。従来気流(S40STRXP):1.2m/s 垂直気流(S40TTRXP):0.2m/s ビューフォート風力階級表における風力0(風速0=0.3m/s以下)に相当。

価格.com編集長・鎌田が実感レビュー。新「うるさら7」の垂直気流

ダイキンの新「うるさら7」

9月末に開かれた新「うるさら7」の製品発表会では、本機の特徴である垂直気流を可視化するデモが行われ、その気流の流れを実際に確かめる機会を得た。筆者も、この製品発表会の場にて、この垂直気流を体感してみたが、エアコンの前(斜め下)に座った状態でも、顔や上半身に風を感じることはなく足下だけに風が流れるという、これまでのエアコンでは体験したことのない、気流を感じることができた(※2)。さらに、室内機の真下に立って気流を確かめたが、本当に壁沿いにしか風が出ておらず、垂直というよりもむしろ斜め後方へ向かって吹き出すという気流制御のレベルの高さを実感した。

実を言えば筆者も、乾燥しがちなエアコン暖房が苦手な人間の1人だが、顔に直接温風が当たらず、部屋中を床から温めてくれるこの垂直気流があれば、冬場のエアコン暖房もさぞ快適だろうと思った次第だ(※2)

ダイキンの新「うるさら7」暖房運転中のフラップ形状
ダイキンの新「うるさら7」暖房運転中のフラップ形状
暖房運転中のフラップ形状。フラップは真下というより、後方の壁面に向けて温風が吹き出すように角度が調整されている。この形にした場合、前側フラップの上に若干の隙間が生じるが、ここからの気流漏れを防ぐための補助フラップが追加された「デュアルコアンダフラップ」によって、垂直気流を実現している
ダイキンの新「うるさら7」新搭載の「人・床温度センサー」
室内機右下に見える長方形の部分が、新搭載の「人・床温度センサー」だ。こちらのセンサーで部屋の床面を8×8の計64個に細かく分割し、各エリアの温度を監視しながら、床温度のムラをなくすような気流コントロールを行う
ダイキンの新「うるさら7」室内機構造
新「うるさら7」の室内機構造。垂直気流を作り出す「デュアルコアンダフラップ」のほかにも、大風量を生み出すクロスフローファンや、高密度の熱交換器など、あらゆる部分がパワーアップしている
ダイキンの新「うるさら7」垂直気流のデモの様子
発表会で行われた、垂直気流のデモの様子。スモークを含んだ気流を吹き出し、レーザーを当てることでその動きを可視化したものだ。これを見てもわかるように、室内機から真下へ垂直に降りた気流が、床面に届くと同時に床面に沿って広がっている。これが、新「うるさら7」の垂直気流の姿なのだ
動画を見る
ダイキンの新「うるさら7」室内機の前に座ってみた
ダイキンの新「うるさら7」室内機の前に座ってみた
ダイキンの新「うるさら7」室内機の前に座ってみた
実際に室内機の前に座ってみても、顔などに風が当たることはまったくなく、この状態では風すら感じなかった。室内機の近くによって手を当ててみると、フラップの前にはまったく風は出ておらず、フラップより奥の壁方向にしか風が吹き出ていないことが確認できた。さらに壁と床面が交わるあたりの風も確認してみたが、しっかりと床面まで届いた風が床面に沿って動いているのを感じることができた(※2)

(※2)個人の感想です。

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エアコンでも乾燥しない!? 「うるる加湿」による上質な暖房

図4「無給水加湿」の仕組み
ダイキンの新「うるさら7」「無給水加湿」の仕組み
「うるさら7」の大きな特徴となっている、給水不要で部屋内を加湿できる「無給水加湿」の仕組み。室外機に取り付けられた加湿ユニットで空気中の水分を採取し、それを室内機に送ったうえで、温風といっしょに室内に送り届ける。給水の手間がいっさいいらず、しかも、乾燥しやすい冬の室内を潤すことができるという、「うるさら7」だけの画期的な機能だ(※3)

新「うるさら7」の最大の特徴は、上で解説した垂直気流であるが、もちろん、本製品のネーミングにも使われているすぐれた湿度コントロール機能も忘れてはいけない重要な要素だ。「うるさら7」の湿度コントロール機能は、冷房運転時には除湿機並みの強力な除湿を、暖房運転時には給水を必要としないダイキンだけの「無給水加湿」(※3)を行い、温度とともに湿度も適切にコントロールするというもの。ご存じの人も多いと思うが、人間の体感温度には湿度が大きく関係しており、適切な湿度コントロールを行うことで、同じ室温でも、夏にはより涼しく、冬にはより温かく感じる。これにより、冷房での冷やしすぎ、暖房での温めすぎを防ぎ、快適な室内空間を実現するとともに、省エネ面でもすぐれた効果を発揮するのが、「うるさら7」のネーミングの元ともなっている湿度コントロール機能なのだ。

特に、これからの暖房シーズンに威力を発揮するのが、ダイキンならではの「無給水加湿」(※3)を使った「うるる加湿」である。室外機に内蔵された無給水加湿ユニットで、外気に含まれる水分を抽出。その水分を室内機に送り暖房の温風に乗せて室内に届けることで、乾燥しがちといわれるエアコン暖房を、やわらかく上質な暖房へと昇華させている。もちろん、空気中の水分を利用するため、給水はいっさい必要ない。実に手軽に、潤いのある上質な暖房を利用できるこの機能のために「うるさら7」を選ぶ人も実際少なくない。

こちらの「うるる加湿」の効果は、昨年行った「うるさら7」の実証実験でも確認できているので、詳細はこちらを見ていただきたいが、今年バージョンアップした新「うるさら7」では、上記の垂直気流との相乗効果によって、より乾燥しない潤いのある暖房を実現している。おそらく、エアコン暖房を使った際に感じる乾燥などの不快感は、本製品ではほぼゼロと言っていいのではないだろうか(※2)

ダイキンの新「うるさら7」「無給水加湿ユニット」
ダイキンの新「うるさら7」「無給水加湿ユニット」
室外機に搭載される新型の「無給水加湿ユニット」。以前は室外機の上面全体に備わっていたが(左写真)、今回送風ファンを共有化したほか、横向きに取り付けるように改良したことで、体積比で50%の小型化を実現(右写真)。これにより、室外機のレイアウトが自由になり、熱交換器やファンを大型化することで、さらなる暖房のパワーアップにつながっている

もちろん、エアコン暖房に求められるもっとも重要な要素、「しっかり素早く部屋を暖められる」という点でも、新「うるさら7」はさらなる進化を遂げている。ダイキンのエアコンといえば、そのパワフルさでは知られるところだが、今回の新「うるさら7」では、上記の無給水加湿ユニットを小型化することで、室外機用の熱交換器のレイアウトを改善。さらに、より大能力・高効率な熱交換器や、大風量を生み出すファンなどを採用することができ、従来の2倍の速さで設定温度に到達するようになった(※4)ほか、高温風モードでは、最高60℃の温風を吹き出すことができる(※5)ようにもなった。

(※3)家庭用エアコンにおいて、ダイキン独自の無給水加湿技術を採用。一般の加湿器とは加湿方法が異なるため、加湿量は外気条件により変化します。外気温度-10℃以下、外気相対湿度が20%以外の場合は加湿運転できません。

(※4)ダイキンの環境試験室(洋室14畳)、外気温7℃、設定温度22℃、風量自動、風向自動で暖房運転を開始し、据付壁から6mの位置の平均温度が設定温度に到達する時間を測定。「AN40SRP」32分と「AN40TRP」16分との比較。

(※5)ダイキンの環境試験室(外気温2℃、室温20℃)にて、「高温風モード」時の吹き出し口付近の温度を測定(ピーク時)。

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まとめ:エアコン暖房の常識を覆す、上質かつ効率的な暖房機能

以上、今年全面的に新しくなった、ダイキンの新「うるさら7」の、従来になかった新しさについて、そのメカニズムを解説した。従来より「うるさら7」は、ほかのエアコンにはない「無給水加湿」(※3)や、強力な除湿機能を組み合わせた「プレミアム冷房」など、独自の技術を多数搭載し、高級エアコン市場をリードしてきた存在だが、今回の新「うるさら7」では、「垂直気流」というこれまでになかった新技術によって、エアコン暖房にまたもや革命を起こしたと言っていい。

その「風を感じない」(※1)と評される上質な暖房は、従来のエアコンではまったく考えられなかったようなもの。実際に体験してみないとわからないかもしれないが、人の足下などに温風を吹き付けるようなエアコンとはまったく次元が異なる。風を感じないのに、足下からぽかぽか暖まる、いわゆる「頭寒足熱」を実現。風が当たらないのに加え、無給水加湿の「うるる加湿」とも相まって、お部屋の湿度がキープされるため、肌の乾燥もほとんどない(※2)。強力な室外機の働きによって、熱交換器がほとんど止まることなく低負荷でじわじわと動作し続けるため、熱交換器が止まって冷えてくるといったこともなく、ずっと暖かさがキープされるのも大きなメリットだ。

このような新感覚のエアコン暖房を体感できるのは、新「うるさら7」のみ。従来のエアコン暖房が苦手だったという人にこそ、この上質な暖房をぜひ体験していただきたい。

(※1)ダイキンによる試験。同社環境試験室(洋室14畳)で測定。外気温度7℃/設定温度22℃/風量「自動」/風向上下「自動」で暖房運転を開始。設定温度到達後、従来気流(足元風向設定なし)と垂直気流(足元風向設定・入)で運転した際、エアコン設置壁面から3m、床面から1mの位置での1秒間の風速を比較。従来気流(S40STRXP):1.2m/s 垂直気流(S40TTRXP):0.2m/s ビューフォート風力階級表における風力0(風速0=0.3m/s以下)に相当。
(※2)個人の感想です。
(※3)家庭用エアコンにおいて、ダイキン独自の無給水加湿技術を採用。一般の加湿器とは加湿方法が異なるため、加湿量は外気条件により変化します。外気温度-10℃以下、外気相対湿度が20%以外の場合は加湿運転できません。

開発者が語る、新うるさら7の技術ポイント

従来のエアコンではなしえなかった「垂直気流」という大きな武器を身につけ、大きく進化した新「うるさら7」だが、この画期的な技術はどのようにして現実のものとなったのであろうか。その秘密を探るため、ダイキンの国内向けルームエアコンの製造のほとんどを手がける、ダイキン工業・滋賀工場にうかがい、開発者の方々に取材を行った。

ダイキンの新「うるさら7」ダイキン工業・滋賀工場
滋賀県草津市にあるダイキン工業・滋賀工場。ここで同社の国内向けルームエアコンのほとんどを製造している。国内製造にこだわるのもダイキンのエアコンの特徴だ
ダイキンの新「うるさら7」テストハウス「エコ・ラボ」
工場内には、実際の一軒家を使ったテストハウス「エコ・ラボ」も建てられている。研究施設内だけではなく、実際の住宅と同じ環境でテストを行うことで、よりリアルなデータ測定が可能となり、それが製品開発にフィードバックされる

まず見せていただいたのは、発表会でもお目にかかった「垂直気流」の実験施設。ここでは、従来の「人にいるところに向かって送風する」エアコン気流と、新「うるさら7」の垂直気流の両方を体験させていただいた。この結果は、下の写真を見れば一目瞭然だが、前者では、人の足下へ送風されるものの、床に上がってからの舞い上がりなどもあって、顔などにもかなり風を感じた。いっぽう、新「うるさら7」の垂直気流は、室内機のやや斜め後ろ方向に吹き出された風が、壁を沿って床面まで伝い、その後、床面に沿って低い位置で広がるというイメージだ(※2)。写真では、床に設置された風車の下側しか回っていないことが確認できると思うが、これくらい低い位置を温風がゆっくり流れていくため、顔などに温風が当たることはもちろん、そもそも風自体をほとんど感じることがない。垂直気流の風の動き方は、従来のエアコンとはまったく異なるものであることを、改めて感じた次第だ。

ダイキンの新「うるさら7」風車を使って垂直気流の流れ方を実験
ダイキンの新「うるさら7」風車を使って垂直気流の流れ方を実験
ダイキンの新「うるさら7」風車を使って垂直気流の流れ方を実験
新「うるさら7」の垂直気流の流れ方を、風車を使って実験した。左写真が従来のエアコンの気流、右写真が新「うるさら7」の垂直気流。床面に置かれた風車の回り方を見れば、両者の気流が完全に異なるルートで流れていることがわかるだろう。
ダイキンの新「うるさら7」「デュアルコアンダフラップ」
ちなみに、垂直気流運転時に、室内機の真下で風の動きを確認してみたが、手をかざしている部分には風が当たっていない。これより奥のほうの壁に向かってのみ風を吹き出している。これを実現したのが、新開発の「デュアルコアンダフラップ」だ
ダイキンの新「うるさら7」垂直気流による空気の流れを可視化
ダイキンの新「うるさら7」垂直気流による空気の流れを可視化
発表会と同様、スモークを含んだ気流にレーザー光を当てて、垂直気流による空気の流れを可視化した。ご覧のように、室内機から出た空気は壁沿いに垂直に床面まで届き、そこから床面を這うように奥まで広がっているのがわかる

次に見せてもらったのは、エアコンの試験室。外気温まで細かく設定できる大きな建物の中に、実際の家屋と同じ建物が建てられており、ここで、外気温と暖房/冷房効果の詳細なデータを採取している。このような設備を取材させてもらえることはきわめてまれだが、今回は特別にこちらの設備の中で、外気温7℃に設定された家屋の中で、新「うるさら7」の垂直気流を用いた暖房が、実際にどのような形で部屋を暖めるのかを体感させていただいた。

暖房の設定温度は25℃。ここでは室内機自体は窓の上に取り付けられていたが、やはり温風は窓を伝わっていくような形で垂直に床面まで届き、そこから床面に沿って広がっていった。床面に設置された風車はやはり下側だけが回っている。垂直気流では、椅子などに座っていると、ほとんど風を感じないので、今度は床に座って温風を体感してみたが、じわじわーっと、まるで床暖房のような感じで広がっていくのを確認できた。それでもあまり風らしい風は感じない。本当にじんわりとやわらかい感じの暖かさが広がっていく感じだ(※2)。部屋の床面各所に設けられた温湿度計もチェックしてみたが、部屋の奥のほうでも23℃くらいの温度を示しており、暖房としての効果もバッチリのようだった。

ダイキンの新「うるさら7」垂直暖房の効果をテスト
試験室の部屋内での垂直暖房の効果をテスト。気流はやはり垂直に窓に沿って床面まで届いていた
ダイキンの新「うるさら7」暖房の効果を実感
床に座って暖房の効果を実感。座っていると、床面を伝わってくる温風がかすかに感じられる。ただし、風を感じるというよりは、暖かさを感じるという感じ。まるで床暖房のような床面の暖かさだ(※2)
ダイキンの新「うるさら7」床面各所に設置された温湿度計もチェック
床面各所に設置された温湿度計もチェックしてみたが、部屋の奥のほうでも十分な暖かさとなっており、部屋の床全体がムラなく暖められていることが確認できた。従来のエアコン暖房とはまったく違う暖まり方である(※2)

以上、2つのテストを実際に体験したことで、新「うるさら7」の垂直気流と、この技術を使ったまったく新しい「風を感じないエアコン暖房」を実感することができた。少し大げさに聞こえるかもしれないが、これはエアコン暖房の常識を覆すほどの、革命的な出来事と言ってもいいかもしれない。そこで、実際に今回の新「うるさら7」の開発に携わった、開発メンバーの方々に、新「うるさら7」の技術的なポイントについて聞いてみた。

ダイキンの新「うるさら7」開発を担当した技術者の方々
新「うるさら7」の開発を担当した技術者の方々。左から、米田さん、高尾さん、樽木さん、平木さん。このように20〜30代の若いメンバーが開発の中核を担うことで、新「うるさら7」は誕生した

まず驚いたのは、今回の新「うるさら7」の開発プロジェクトに関わった中核メンバーが、20〜30代の若手の技術者のみで構成されていたということだ。通常であれば、このような大きな技術の変化を伴う新製品の開発には、ベテランの技術者を中心としたチーム編成を行うのが定石。それを、今回の新「うるさら7」の開発にあたっては、あえて若手メンバーに一任したという。これは、空調専業メーカーのダイキンにとっても、大きな賭けだったに違いない。しかし、それくらいの覚悟をもって、ダイキンは、今回の新「うるさら7」の開発に新しい血を注ぎ込むことを決意した。そして、それを託された若手の開発メンバーが、大きなプレッシャーと、地道な苦労の末に見事に結実させたのが、新「うるさら7」なのである。

ダイキンの新「うるさら7」商品開発グループの樽木さん プロジェクトチーフを務めた商品開発グループの樽木さん。「正直、前モデルの『うるさら7』を超えなくてはいけないというプレッシャーは大きかった」と語る

プロジェクトチーフを任された、商品開発グループの樽木さんはこう語る。

樽木さん「うるさら7」の初代モデルが出たのが今から3年前の2012年でした。そこから毎年機能面では改良を重ねており、今回のモデルは4代目ということになります。前モデルまでは、主に冷房機能の改良を行っており、前モデルでは「サーキュレーション気流」及びそれをベースにした「プレミアム冷房」を実現することができたことで、ひとまず冷房に関しては、ほぼ完成形に近づいてきたかなと思います。
今回、4代目となる新「うるさら7」では、いよいよ残された暖房機能について、根本的な課題を解決しようというところから開発をスタートしました。エアコン暖房の長年の課題としては「足下が寒い」というものがあります。この課題を解決するために従来は、高温風・高風量の暖房を床に向けて吹き出していました。しかし、こうすると風の舞い上がりが生まれ、お客様の体感としては、暖房なのに寒く感じる、あるいは乾燥するということが起こっていたのです。こうした問題を解決するために、床自体を暖める垂直気流というものを考えました。
ただ、床自体を暖めるというのは決して簡単なことではなく、風量を強くしないと床まで届かないし、かといって強すぎると、風が舞い上がってしまうという機能矛盾との戦いでした。これを解決するために、さまざまな試行錯誤を繰り返しました。

樽木さんの言うように、床を暖めるという新「うるさら7」の垂直気流を作り出すに当たっては、さまざまな課題があっただろう。もちろん、気流を壁に沿って垂直に落とすだけでは、床面を沿って温風が広がっていくというコアンダ効果を実現することはできない。さまざまな試行錯誤のうえで、やはり床自体を暖めないと、温風が舞い上がってしまうという結論となり、その過程で、床温度を見張るセンサー「人・床温度センサー」を搭載することになった。

樽木さん技術的には、まず床自体を最初に暖めて、その温度より若干高いくらいの温風を送り込むことで、床面に達した温風が床面を滑るようになりました。今のエアコン市場のトレンドは、センサーで人を感知して人の足下に向けて温風を送るというものが主流ですが、私たちは設計の初めから、それはやるべきではない。あくまでもリビングルームにいる人全員を快適にするように、部屋全体を暖めるべきだという方針で開発を行っています。
また、高温風つまり高負荷状態で暖房運転を行うと、設定温度に達した時点で、自動的にエアコンが停止してしまい、結果として床面が冷えてきてしまいます。これを防ぐために、新「うるさら7」の垂直気流では、低負荷でゆっくりと暖房運転を行うことで運転をほとんど止めることなく、床面をずっと暖め続けることができます。実は、この低負荷の連続運転は、寒冷地の霜取りにも大きなメリットをもたらしています。

このように、新「うるさら7」の中身は、ダイキンの若い技術者が苦労に苦労を重ねてようやく実現した、非常にチャレンジングな技術が詰め込まれている。そしてもちろん、室内機と同様、室外機についても、今回のモデルでは中身が一新されている。

ダイキンの新「うるさら7」商品開発部の平木さん 室外機の開発を担当した商品開発部の平木さん。「あくまでも基本性能はしっかり上げるという考えに沿って開発を行いました」と語った

平木さん新「うるさら7」では、室外機に関しても、まずは基本性能のアップというものを念頭に開発に臨みました。新「うるさら7」の室外機は、ときには高負荷でパワフルに、ときには低負荷で繊細にじっくり動作するという性能が求められます。そのために、基本パーツである「熱交換器」や「プロペラファン」を大型化しています。これによって、より多くの風を取り入れられるようになって熱交換の効率もアップし、省エネ性もアップしました。
そして、従来上部にあった加湿ユニットを約50%にまで小型化し、横に付けるような形でレイアウトを変更しました。もちろん、加湿性能は落とさないように、無給水加湿ローターに使われるゼオライト(吸湿剤)の種類もさまざまなものを試しながら、より効率を上げていくなど、細かい改良を行っています。

ダイキンの新「うるさら7」室外機の内部構造
新「うるさら7」の室外機の内部構造。右上のほうに見えるのが、従来は上部全体を占めていた加湿ユニット。これが50%に小型化され横付けとなったことで、内部レイアウトに自由が生まれた。その分は、奥に見える熱交換器と、その前面のファンを大型化することで、基本性能の向上に当てられている

このように、室内機、室外機、そして気流調整と、さまざまな点で多くのチャレンジを実現した、新「うるさら7」であるが、これほどの大型プロジェクトを若手中心のメンバーで行うことに対して、不安などはなかったのだろうか。

樽木さん若手メンバー中心のプロジェクトということで、正直、いろいろ大変な面も多かったです。ベテランや有識者の方が加わることで、よく言えばまとまりやすいのですが、逆に我慢をしてしまう面もあります。ですが、今回若手メンバー中心で進めたおかげで、各々のメンバーがすべてやりたいことを我慢せずに全部出し切ったかと思います。それだけにまとめるのは至難の業でしたが、おかげで最高の製品と言っていい出来のものができたと思っています。見た目からすると、少しデザインが変わった程度に見えるかもしれませんが、ほぼ全てが新しくなっていると言ってもいいほど、各所でチャレンジングな技術を盛り込んでおり、全方位的に強化された製品に仕上がっています。

最後に、開発者の方は、この製品をどんな人に使っていただきたいと思っているのか、聞いてみた。

米田さん私の実家では、エアコンはあっても暖房としてはまったく使わず、ファンヒーターやこたつなどの暖房器具しか使っていません。祖母にどうしてエアコンを使わないのかと聞くと、「エアコンは暖まらないから」と言うんですね。そんな祖母のような人にこそ、今回の新「うるさら7」はぜひ使っていただきたいと思います。間違いなく、これまでのエアコンでは感じられなかったような暖かさを感じるはずですから。

樽木さん新「うるさら7」をぜひ使っていただきたいのは、これまでエアコン暖房が苦手だった方、特に女性や赤ちゃんなどです。こうした方々にも、違いを明らかに感じていただける製品に仕上がっていると思います。実は、私の家にも4歳の息子がいるのですが、今回の新「うるさら7」のテスト機を家に設置してみたところ、すぐにその違いを体感して、「床があったかい」と、エアコンの下の床に寝転がるようになったんです。ぜひ、従来のエアコン暖房が苦手という方にこそ、新「うるさら7」の上質な暖房を体験していただきたいと思っています。

ダイキンの新「うるさら7」の開発を担当した技術者の方々

(※1)ダイキンによる試験。同社環境試験室(洋室14畳)で測定。外気温度7℃/設定温度22℃/風量「自動」/風向上下「自動」で暖房運転を開始。設定温度到達後、従来気流(足元風向設定なし)と垂直気流(足元風向設定・入)で運転した際、エアコン設置壁面から3m、床面から1mの位置での1秒間の風速を比較。従来気流(S40STRXP):1.2m/s 垂直気流(S40TTRXP):0.2m/s ビューフォート風力階級表における風力0(風速0=0.3m/s以下)に相当。

(※2)個人の感想です。

(※3)家庭用エアコンにおいて、ダイキン独自の無給水加湿技術を採用。一般の加湿器とは加湿方法が異なるため、加湿量は外気条件により変化します。外気温度-10℃以下、外気相対湿度が20%以外の場合は加湿運転できません。

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まとめ:エアコン暖房の常識を覆す、上質かつ効率的な暖房機能

今回、新「うるさら7」の開発者への取材を通して感じたのは、ダイキンならではの真摯なモノ作りへの姿勢と情熱だった。「なかなか暖まらない」「風が寒く感じる」「乾燥する」といった、従来のエアコン暖房の欠点に正面から取り組み、まったく新たな「垂直気流」という手法でこの問題を解決すべくチャレンジ。そして、見事に克服した。しかも、それを成し遂げた中核メンバーは、未来のダイキンを支える30歳前後の若い技術者であったのだ。新「うるさら7」が、従来のエアコンとは完全に一線を画す存在になったのは、ひとえにこれら若い技術者の情熱と努力によるものであったのだ。

また、工場内の試験室では、新「うるさら7」の垂直気流による暖房の効果を実際に体験することができた。床上に座っても、風はわずかに感じる程度(※2)。であるのに、一般に暖まりにくいと言われる床付近がぽかぽかと暖かく、部屋の上のほうはそれほどでもないという、いわゆる「頭寒足熱」の環境が見事に生み出されていたのだ(※2)。従来のエアコン暖房であれば、身体のどこかに風を感じるのが普通だが、そうした感覚なしに、しっかり床付近を暖められる。このこれまでに感じたことのない上質な暖房には、きっと誰もが驚くはずだ(※2)

従来のエアコン暖房が苦手だったという人にこそ、この新「うるさら7」の上質な暖房をぜひ体験していただきたい。それだけの価値は間違いなくある製品だ。

(※2)個人の感想です。
新「うるさら7」(RXシリーズ)製品ラインアップ
ダイキン「うるさら7」
6畳程度(2.2kW) S22TTRXS-W
8畳程度(2.5kW) S25TTRXS-W
10畳程度(2.8kW) S28TTRXS-W
12畳程度(3.6kW) S36TTRXS-W
14畳程度(4.0kW) S40TTRXS-W S40TTRXP-W S40TTRXV-W
18畳程度(5.6kW) S56TTRXP-W S56TTRXV-W
20畳程度(6.3kW) S63TTRXP-W S63TTRXV-W
23畳程度(7.1kW) S71TTRXP-W S71TTRXV-W
26畳程度(8.0kW) S80TTRXP-W S80TTRXV-W
29畳程度(9.0kW) S90TTRXP-W S90TTRXV-W

(型番最後が「S」は室内電源100V、「P」は室内電源200V、「W」は室外電源200V)
(-Wはすべてホワイトモデル。このほか-Cのベージュモデルもあります)

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