フィリップスの最新4Kモデルは小さ過ぎず、大き過ぎない31.5型で6万円台!

4K(3840×2160)に注目が集まっているのは、液晶テレビやビデオカメラだけではない。 映し出す映像コンテンツの高解像度化にともない、今やパソコン用液晶ディスプレイにも4K化の波が押し寄せてきている。

ところが、現在主流となっている23型前後の画面サイズでは、その解像度の高さゆえ、文字やアイコンが小さく表示されてしまい、 用途によっては実用性が低下してしまうことがある。 かと言って、40型前後の大画面ディスプレイは広い設置スペースが必要になるし、価格も10万円前後と、それなりの出費を覚悟しなくてはならない。 ならば、その中間に位置する30型前後は? となるのだが、実はこのクラスの4Kディスプレイは比較的割高で、40型前後のモデルと価格的には大差がない。 いざ購入検討を始めてみると、あっちを立てればこっちが立たずといった具合に、実用と価格の折り合いが、なかなかつかなかったのだ。

そんななか、使いやすい画面サイズの31.5型で、 価格.com上での最安価格65,104円(2017年2月8日時点)というリーズナブルな価格を実現しているのが、 フィリップスの最新4Kディスプレイ「328P6VJEB/11」だ。 フィリップスの液晶ディスプレイと言えば、すぐれた性能や、機能、使い勝手、そしてコストパフォーマンスの高さに定評があり、 「価格.comプロダクトアワード2016」の「液晶モニタ・液晶ディスプレイ」部門で31.5型フルHDモデル「BDM3201FC/11」が金賞を受賞するなど、 価格.comユーザーからも高い評価を獲得している。 また、4Kディスプレイにおいては、31.5型に加え、23.8型、27型、42.5型、そして40型カーブドモデルと、サイズ別に全5モデルをラインアップ。 人気の高さはもちろん、ラインアップの豊富さから見ても、フィリップスは、パソコン用液晶ディスプレイの4K化を先導するフロントランナー的存在なのだ。

これまで比較的割高感があった30型クラスの4Kディスプレイだが、 フィリップスの31.5型モデル「328P6VJEB/11」は、価格.com上での最安価格65,104円(2017年2月8日時点)というお求めやすい価格を実現。 フルHDディスプレイからの買い替え需要にしっかりと応える1台となっている
その年に価格.comユーザーから支持された製品を選出する 「価格.comプロダクトアワード2016」の「液晶モニタ・液晶ディスプレイ」部門において、 見事金賞に選出されたのがフィリップスの31.5型フルHDモデル「BDM3201FC/11」。 その高い信頼性やコストパフォーマンスはそのままに、解像度をフルHDから4Kにアップしたのが「328P6VJEB/11」というわけだ
フィリップスの4Kディスプレイ ラインアップ
フィリップスの4Kディスプレイ ラインアップ
4Kディスプレイの豊富なラインアップもフィリップスの魅力。今回レビューする「328P6VJEB/11」を含め、サイズ別に全5モデルを揃える。 なお、40型の「BDM4037UW/11」は曲面ディスプレイを採用したカーブドモデル。 ゆるやかにカーブしたスタイリッシュな外観や、大画面の端まで見渡せる視認性の高さが特徴だ

「31.5型4K」の実用性を体感!
すぐれた色再現性でクリエイティブな用途にも“ちょうどいい”

ではまず、「328P6VJEB/11」の画面サイズである31.5型と4K解像度の相性のよさからチェックしていくことにしよう。 現在使用している設置環境にスムーズに置き換えられるのか? 文字やアイコンはどれくらいのサイズで表示できるのだろうか? こうした疑問を解決するべく、現在主流となっている23型フルHDディスプレイから、「328P6VJEB/11」への置き換えを想定して、 どのような変化があるのかをシミュレーションしてみた。

23型フルHDディスプレイと比較してみた

「328P6VJEB/11」の横に23型フルHDディスプレイを並べてみると、あくまで個人的な印象ではあるが、それなりに大きく感じる。 しかしこれを前後に並べてみると、そこまで大きすぎる感じはしなくなり、視線移動の幅にも無理がないことがわかる。 これなら設置スペースをあれこれ考えることなく、従来とほぼ同じ設置環境に置けそうである。

「328P6VJEB/11」の本体サイズは、742(幅)×657(高さ)×270(奥行)mm。 現在、主流となっている23型のフルHDディスプレイよりも横幅が約20cm長くなるが、 この程度の差なら今使っているデスクに問題なく置けるはずだ。 また、右の写真は23型フルHDディスプレイと「328P6VJEB/11」を前後に並べてみたものだが、 左右それぞれ10cmほどの差なら視線移動の際に違和感を覚えるほどではない印象を受けた

続いて、デスクトップ画面上のアイコンの表示サイズを見比べてみたが、 「328P6VJEB/11」は、高解像度ながら使い勝手を大きく損ねない実用的なサイズで表示されていた。 もちろん、23型フルHDディスプレイより表示サイズ自体は小さくなるものの、 これくらいの表示サイズであれば操作にさほどストレスを感じることはないはず。 これ以上画面サイズが大きくなると視認性や操作性が落ちてしまう、そのギリギリの表示サイズといった印象だ。

1つのピクセルの大きさを表す画素ピッチは、「328P6VJEB/11」が0.181mmで、23型フルHDディスプレイが0.272mm。 問題はこれがどの程度の差なのかということだが、デスクトップのアイコンの表示サイズを見ると、 「328P6VJEB/11」での表示は、23型フルHDディスプレイの1/2程度といった印象。 実際に使ってみると、アイコンのクリックもしづらくなく、アイコンの文字もしっかり読めるなど、扱いづらさを感じる場面はなかった

31.5型フルHDディスプレイと比較してみた

続いて、「328P6VJEB/11」と画面サイズが同じ31.5型のフルHDディスプレイと比較しみた。 ここで際立ったのは4Kならではの「精細感」と、表示解像度の高さ、つまり「作業領域の広さ」である。 まずは4K解像度の写真を両モデルの画面に全画面表示してみたが、精細感の違いは明らか。 ディテールまで緻密に描き出されることで、写真により奥行き感や立体感が出るのが印象的だ。また、階調表現の滑らかさにも大きな差がある。

31.5型フルHDディスプレイと比較してみた
「328P6VJEB/11」と31.5型フルHDディスプレイそれぞれに4K解像度の写真を全画面表示してみた。 フルHDディスプレイでも十分に精細感が感じられるが、壁面にグッと寄ってみると、ややドットの粗さが目立ってくる。 これに対して「328P6VJEB/11」は、ここまで寄っても精細感が失われず、細かいディテールの中にもさらに細かい意匠が潜んでいることに気付かされる。 こうしたディテール再現力は、明らかに4Kもほうが高い
31.5型フルHDディスプレイと比較してみた
写真の閲覧や編集だけでなく、Webブランジングや文書作成といった作業でも4Kの精細感の高さは実感できる。 拡大したのは上の画面のスクリーンショットだが、フルHDディスプレイでは「遭遇」という漢字が判読しづらく、振り仮名もつぶれがち。 いっぽう「328P6VJEB/11」は、画数の多い漢字も視認しやすく、ひとつひとつの文字がクッキリと鮮明だ。 こちらのほうが断然読みやすく、長時間の作業でも疲れにくかった

また、4Kの「作業領域の広さ」を強く実感したのが、動画編集の作業時。 タイムラインのバーをより長く表示できる分、動画の時間進行に合わせて画面をスクロールする手間が減るほか、 画面左右のツールパレットが圧迫されないため、使用するアイコンをより多く表示しておけるのも使い勝手がいい。 もちろん、そのアイコンや文字の大きさが小さすぎて見えない、といったこともなく、多くの情報、ツールを使用しながら効率的に作業することができた。

31.5型フルHDディスプレイと比較してみた
「328P6VJEB/11」のほうが画面下側のタイムラインバーを長く表示させられるとともに、 映像クリップのプレビュー画面にもより多くのスペースが割り当てられるため、高精細な表示でエフェクトの効果などの詳細を確認できる。 これなら、作業の効率やクオリティが大幅に高まるだろう
PBP(ピクチャ・バイ・ピクチャ) PBP(ピクチャ・バイ・ピクチャ)
PIP(ピクチャ・イン・ピクチャ) PIP(ピクチャ・イン・ピクチャ)
「328P6VJEB/11」は、2つの入力映像を左右に並べて表示するPBP(ピクチャ・バイ・ピクチャ)モードを搭載(左写真)。 Webサイトで調べものをしながら資料を作成したり、2台のパソコンを使って同時に作業したりといったマルチタスクを効率的に行えるうえ、 それぞれの画面はフルHD解像度で表示できるため、画像や文字がつぶれてしまう心配もない。 なお、メインの入力画面上に小さなサブ画面を表示するPIP(ピクチャ・イン・ピクチャ)モードも備えている(右写真)

さらに、「328P6VJEB/11」が搭載しているVAパネルの描画性能もチェックしておこう。 まず注目したいのが色域の広さで、「328P6VJEB/11」はWeb標準のsRGBよりも色域が広いNTSCを95%カバー。 さらに、約10億7400万色という膨大な色数を再現できる10bitカラー表示に対応しており、すぐれた色再現性と階調表現を実現している。 実際に、南国の海や空の写真や映像を表示してみると、海のエメラルドグリーンは鮮やかに描き出され、 トーンジャンプやバンディングが発生しやすい空のグラデーションも階調は実に滑らか。 写真や動画編集といったクリエイティブな用途では高い色再現性が求められるが、「328P6VJEB/11」はその水準を十分クリアしていると言えるだろう。

また、「328P6VJEB/11」は4msの中間調応答速度(GtoG)を実現しているうえ、 1秒間に60コマの表示が可能な4K/60p対応のHDMI2.0ポートも装備しているので、 ゲームや動きの速い動画も残像感の少ない滑らかな映像で楽しむことができる。 一般的なデスクトップ作業から、クリエイティブな用途、さらにはゲームまで、用途を選ばず幅広く使用できるのがうれしい。

分光光度計を使って「328P6VJEB/11」の色域を計測してみた。 Web標準のsRGBよりも、特にグリーンとブルー方向の色再現性が高いようだ
sRGBを超える色情報を持つ写真を表示してみたが、 輝くエメラルドグリーンの鮮烈なコントラストが印象的で、緑や青の濃淡がしっかりと再現された。広色域パネルならではの豊かな色再現だ
12bitのルックアップテーブル(LUT)に照らしてから10bitカラーに色を割り当て、 約10億7400万色を表示する、10bitカラー表示に対応。 主に階調性に影響する部分だが、写真のように、明度と色相が繊細に変化していく空のグラデーションにもトーンジャンプが見られず、階調が滑らかに描き出されている
VAパネルながら、水平垂直178°の広視野角を実現しているため、ほぼ真横から覗き込んでも周辺部の彩度が落ちたり、 コントラストが低下したりすることがほとんどない。写真や動画の鑑賞など、大勢でいろいろな角度から画面を見る場面でもこれなら問題なさそうだ
中間調応答速度(GtoG)は4msで、残像感が少なく滑らかな映像表示が可能。動画編集や映画鑑賞、ゲームなどもストレスなく楽しめる

好みの画面位置に調節できる昇降機能付きスタンドを装備

新しい液晶ディスプレイに置き換える際、忘れずにチェックしておきたいのがスタンドの使い勝手だ。 作業しやすい画面の高さや角度は人それぞれで違うし、用途や設置環境によっても変わってくる。 特に大画面ディスプレイになるほど、スタンドの機能は重要になるのだ。 「置き換え前のほうが見やすかった……」なんていう失敗を防ぐためにも、できるだけ使い勝手のいいスタンドを装備した製品を選びたいものだ。

その点「328P6VJEB/11」のスタンドは、昇降やチルト、スイーベル、 さらにピボットにも対応した「昇降機能付きスタンド」を装備しており安心だ。 可動域はそれぞれ、昇降が最大180mm、チルトが前方5°/後方20°、スイーベルが最大170°(左右85°)、ピボットが最大90°と、 まさに自由自在に調節可能。単に高さや角度を調節できるだけでなく、 スイーベル機能を使って隣の人に画面を見せたり、ピボット機能を使ってWebページを縦長表示したりと、使い方次第で作業の効率を高められそうだ。

前面、背面ともにマットブラックを基調とした落ち着きのあるデザインで、むだがなく洗練された印象。 自宅でもオフィスでも、違和感なく設置できそうだ
スタンドはラウンドカーブした独特の形状をしているが、たわみやガタつきはなく、スタイリッシュな見た目と安定性を両立している。 また、スタンド中央にはケーブルホールが設けられており、ケーブル類をスッキリとまとめられる。 こうした気の利いた作り込みはさすが価格.comユーザーからも高評価されたフィリップス製品だ
昇降は最大180mm、チルトは前方5°/後方20°まで調節することができる。 画面の見やすさは作業効率や疲労度合いに大きく関係してくるので、高さや角度を細かく調節できるのはありがたい
最大170°(左右85°)のスイーベル機能は、隣の人に画面を見せる時に便利。 液晶ディスプレイを複数台並べるマルチディスプレイ時にも重宝するだろう。 また、画面を縦に90°回転できるピポット機能を使えば、縦長表示でDTPやWebのデザインといった作業もはかどりそうだ
ディスプレイ右底面にあるタッチセンサーボタンでOSD(ディスプレイ設定表示・調整機能)の操作ができる。 物理ボタンと違いクリック感がないため「操作しづらいのでは?」とも思ったが、使ってみるといたってスムーズ。 強くクリックしすぎてせっかくセッティングした画面位置がずれてしまう、といった心配がないのはタッチセンサーボタンだからこそのメリットだ

映像入力インターフェイスの多さも使い勝手を大きく左右する部分だが、 「328P6VJEB/11」はHDMI2.0(MHL対応)、DisplayPort、アナログRGB(D-Sub15ピン)、DVI-Dual linkの入力端子をそれぞれ1系統ずつ装備。 HDMIやDisplayPortだけでなく、アナログRGBまで用意されているのは特筆すべき点だろう。 特にアナログRGBは、プロジェクターを利用するビジネス系のノートPCに採用されていることが多く、いざという時に重宝する。 映像入力端子が豊富なことで、PBPやPIPを利用する際も多彩なデバイスとスムーズに接続できるはずだ。 加えて、本体背面の右側面には、USB3.0ポート×4のUSBハブ機能を載しており、うち1基は最大1.5Aの大電流出力に対応。 スマートフォンやタブレット端末などの充電にも活用できる。

なお、「328P6VJEB/11」には各ポートに対応したケーブル類が付属するため、別途ケーブルを購入する必要がない。 目立たない部分ではあるが、こうした細やかな心配りの積み重ねが、ユーザーからの高い評価、信頼につながっているのだろう。

接続インターフェイスは背面下向きに用意されており、 左から、DVI-Dual linkポート、HDMIポート(MHL対応)、DisplayPort、アナログRGB(ミニD-Sub 15ピン)ポート、 オーディオ入力端子、ヘッドホン端子(3.5mmオーディオ出力端子)となる。 多様な映像入力端子を備えているため、PBPやPIPを利用する際も多彩なデバイスが利用できる。 また、背面右側面にUSB3.0ポート×4が用意されており、アクセスがしやすい
本体背面に上向きに3W+3Wのステレオスピーカーも搭載されている。 音質にとことんこだわるのなら話は別だが、基本的には別途スピーカーを用意しなくても必要十分なサウンドが楽しめる
328P6VJEB/11 328P6VJEB/11
一般的な液晶ディスプレイ 一般的な液晶ディスプレイ
バックライトの明滅によって画面がチラつくフリッカー現象は、長時間の作業で目が疲れる原因にもなる。 その点「328P6VJEB/11」は、バックライトの明滅ではなく、 電流量で画面の明るさを調節する「フリッカーフリー」仕様となっており、目の負担を軽減している。 試しに一般的な液晶ディスプレイを高速シャッターで撮影してみると、画面が高速で明滅しているため、 右写真のように画面の一部が黒く非表示となったが、画面が明滅しないフリッカーフリーの「328P6VJEB/11」では、原理的にこうした現象が起こり得ない
まとめ
フィリップスの液晶ディスプレイ

今回のレビューで感じたのは、 31.5型と4Kという組み合わせの“ちょうどよさ”だ。もしも今使っているディスプレイが23型前後のフルHDモデルなら、 同じ設置環境に問題なく設置できるだろう。 そして31.5型であれば、4Kならではの広いデスクトップ画面を使いながら、文字やアイコンも実用的なサイズで表示できる。 設置性と表示サイズを考えれば、バランスのいい画面サイズだとと言えよう。

もちろん、31.5型4Kの利点をフルに生かすためには確かな性能・機能が不可欠だが、 「328P6VJEB/11」はすぐれた色再現性や使い勝手を備えており、一般的なデスクトップ作業からクリエイティブな用途まで幅広く使える、 オールマイティーな1台に仕上がっていた。 実用性が高く、価格も手ごろな「328P6VJEB/11」は、 まさに、フルHDディスプレイからの買い換えに“ちょうどいい”4Kディスプレイと言えるのではないだろうか。

製品紹介
液晶パネル
31.5型VAパネル
視野角
水平178°、垂直178°
応答速度
4ms(G to G)
輝度
300 cd/m2
最大解像度
3840×2160
内蔵スピーカー
3W+3W
インターフェイス
HDMI2.0(MHL対応)×1、Display Port1.2×1、アナログRGB×1、DVI-D×1、USB 3.0ポート×4
サイズ
742(幅)×477〜657(高さ)×270(奥行)mm
重量
9.23kg
液晶パネル
40型VAパネル
視野角
水平178°、垂直178°
応答速度
4ms(G to G)
輝度
300 cd/m2
最大解像度
3840×2160
内蔵スピーカー
5W+5W
インターフェイス
HDMI2.0(MHL対応)×1、HDMI1.4(MHL対応)×1、Display Port1.2×2、アナログRGB×1、USB 3.0ポート×4
サイズ
909(幅)×643(高さ)×247(奥行)mm
重量
11.6kg