キヤノン「EFレンズ」徹底解剖

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EFレンズが選ばれる理由をテクノロジーから探る! キヤノン「EFレンズ」徹底解剖

プロフェッショナルやハイアマチュアから支持されているキヤノンの一眼レフカメラ用交換レンズ「EFレンズ」。純正がよいのはわかるが、なぜそこまで人気なのか? 本特集では、「EFレンズ」をテクノロジーの側面から徹底的に掘り下げて、選ばれる理由を探っていきたい。

プロやハイアマチュアから高い支持を得ている「EFレンズ」

左から広角ズームレンズ「EF16-35mm F2.8L III USM」、広角単焦点レンズ「EF35mm F1.4L II USM」、超望遠ズームレンズ「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」。いずれも高性能な「Lレンズ」シリーズの人気モデルだ

「EOS SYSTEM」と呼ばれるキヤノン「EOS」シリーズの一眼レフカメラとその交換レンズ「EFレンズ」は、報道やスポーツ、ブライダル、ポートレートといったプロフォトグラファーの市場において高いシェアを誇るカメラシステムだ。画質や操作性、レスポンスなど全方位で高い性能を誇る「EOS」シリーズのカメラボディと、描写力や信頼性にすぐれた「EFレンズ」の組み合わせは、多くのプロから絶大な支持を得ており、さまざまな撮影現場で利用されている。

加えて、「EFレンズ」は、本格的な作品作りを行うハイアマチュアからの人気が高いのも見逃せない。それは、目の肥えたユーザーが多い、価格.comの「レンズ」カテゴリーの動向を見ても明らかだ。多くのメーカーが多数のレンズをラインアップする中で、2017年11月20日時点における「レンズ」カテゴリーのランキングをチェックすると、「EFレンズ」は売れ筋ランキングでは4モデル、注目ランキングでは3モデルがランキングのトップ10に入っている。過去のランキングを振り返っても、多くの「EFレンズ」が常にランキング上位に入っており、不動の人気を誇っているのだ。

こうしたことからも、「EFレンズ」は、プロやハイアマチュアの作品作りに活用されていることがわかるが、ここまで高い支持を得ているのは、キヤノン独自の高度なテクノロジーを数多く搭載していることが大きい。キヤノン独自の最先端テクノロジーによって、描写力や使い勝手に厳しい目を持つプロやハイアマチュアのニーズに応えられる、すぐれた性能を実現しているのだ。

本特集では、「光学技術」「AF・手ブレ補正」「信頼性・耐久性」という3つのテーマに沿って、「EFレンズ」の注目テクノロジーを紹介していきたい。

気になる収差やフレア・ゴーストを抑制する高度な光学技術

では、「EFレンズ」が搭載する注目のテクノロジーを解説していこう。まずは、すぐれた描写力を実現する光学技術から見ていきたい。

プロやハイアマチュアが作品作りを行ううえでもっとも重視するのは「画質」だ。理想とするクオリティの作品に仕上げるには、画質は絶対に妥協したくない。周辺部のディテールまで描き切る解像力、シャドーからハイライトまでグラデーションを滑らかに表現できる階調性、立体感や空気感を生み出すクリアで抜けのよい写り。これらを得るためには、カメラボディだけでなく、レンズにも高い描写力が求められる。

ただ、実際に作品作りを行ってみると、細かいところでなかなか思うような描写が得られないのも事実。その原因のひとつとなっているのが、レンズに起因して発生する歪曲収差や色収差といった各種収差、ならびにフレア・ゴーストである。使用するレンズによっては、作品として成り立たないレベルの収差やフレア・ゴーストが出てしまうこともあるほどだ。

「収差やフレア・ゴーストは撮影後にRAW現像ソフトや画像編集ソフトで修正するのでそれほど気にしていない」という方もいると思うが、それらのソフトで対応できる部分には限界がある。収差やフレア・ゴーストを完全に取り除くのは難しいうえ、大幅な修正を加えると画質に悪影響を及ぼす。より完成度の高い作品作りを行うなら、撮影後の修正は補助的な使い方にとどめ、撮影時にできる限り収差やフレア・ゴーストがでないように、高い光学性能を持つレンズを使用して撮るのがベストだ。

「EFレンズ」であれば、ここで紹介する高度な光学技術によって、収差やフレア・ゴーストを徹底的に抑え、理想的な描写を得ることが可能だ。

球面収差や歪曲収差を徹底的に補正する「研削非球面レンズ」

•LENS#1•
球面収差や歪曲収差を徹底的に補正する
「研削非球面レンズ」

歪曲収差の比較
「研削非球面レンズ」採用レンズ
EF16-35mm F2.8L III USM 
キヤノン EFレンズ
非採用のズームレンズ(他社製レンズ)
キヤノン EFレンズ

どちらも35mmフルサイズ一眼レフ「EOS 5D Mark IV」を使用して、同じ位置から焦点距離24mm、絞り値F8で撮影したもの。左は「研削非球面レンズ」を採用する広角ズームレンズ「EF16-35mm F2.8L III USM」で撮影した作例になるが、破線で囲んだ天井の梁の部分などを見ても気になるような歪みはなく、直線がスーッとまっすぐ伸びているのがわかる。

いっぽうの右の作例は、広角特有の樽型の歪みが発生している。こうした歪曲収差は撮影後に画像編集ソフトで修正することもできるが、修正後に画角が狭くなったり、周辺部の解像感が劣化する原因になる。周辺まで高画質な作品を完成させるには、「EF16-35mm F2.8L III USM」のように撮影時に歪みが発生しないレンズを使用したい。

「EFレンズ」には非常に高度な光学技術がいくつも搭載されているが、その中でも特に代表的な技術となるのが「研削非球面レンズ」だ。大口径レンズの球面収差(像のにじみ)や広角レンズの歪曲収差(画像の歪み)を徹底的に抑える光学技術である。

カメラ用レンズに使用される球面レンズは理論上、「平行光線を完全な形で1点に収束させられない」という問題がある。そのため、どうしても球面収差や歪曲収差が発生してしまう。キヤノンは、この球面レンズの問題を克服するために、光を1点に集める理想的な曲面を持つ非球面レンズの開発にいち早く取り組んだ。1971年に、一眼レフ用カメラレンズとしては世界初となる「研削非球面レンズ」の商品化に成功。0.02ミクロンの研磨精度を誇る独自の量産加工技術を応用するなどして、かつては実現が困難な“夢のレンズ”と呼ばれていた非球面レンズの商品化を実現したのだ。

非球面レンズ
キヤノン EFレンズ
球面レンズ
キヤノン EFレンズ

球面レンズ(右)では光が分散し、焦点が一致しないため収差(球面収差)が発生する。いっぽうの非球面レンズ(左)は光が集まり、焦点が一致する

球面レンズ(下)では光が分散し、焦点が一致しないため収差(球面収差)が発生する。いっぽうの非球面レンズ(上)は光が集まり、焦点が一致する

歪曲収差とは、レンズの特性によって歪みが発生し、直線が直線に映らなくなる現象。一般的に広角では樽型、望遠では糸巻き型の歪みが発生する。広角レンズでは非球面レンズを活用することで歪曲収差を抑えることができる

キヤノンの「研削非球面レンズ」は、1枚1枚を研削し、磨いて仕上げるという、加工に手間のかかる手法で製造されている。その分、非常に高い精度が得られるわけだ。非球面レンズの中には、プレス成型で製造できる「ガラスモールド非球面レンズ」もあるが、キヤノンは、より高い性能が求められる「Lレンズ」シリーズの大口径レンズや広角レンズには、「研削非球面レンズ」を積極的に採用している。この妥協のないモノづくりが、「EFレンズ」がプロから選ばれる理由のひとつなのだ。

「研削非球面レンズ」を採用する広角ズームレンズ
「EF16-35mm F2.8L III USM」

開放F2.8通しの大口径・超広角ズームレンズ。「研削非球面レンズ」のほかにも、「大口径ガラスモールド両面非球面レンズ」を2枚配置した最新の光学系を採用し、16mmから35mmのズーム全域において、画像の中心から周辺まで高画質化を実現。9枚羽根の円形絞りによって、美しいボケ味を楽しめるのも特徴だ

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理想的な色収差補正を実現する「BRレンズ」

•LENS#2•
理想的な色収差補正を実現する
「BRレンズ」

色収差の比較
「BRレンズ」採用のレンズ
EF35mm F1.4L II USM
キヤノン EFレンズ キヤノン EFレンズ
非採用の35mm単焦点レンズ(キヤノン製レンズ)
キヤノン EFレンズ キヤノン EFレンズ

最新の光学技術「BRレンズ」を採用した35mm単焦点レンズ「EF35mm F1.4L II USM」と、非採用の35mm単焦点レンズで同じ被写体を撮影して、同じところを切り出した画像を並べてみた。絞りは「EF35mm F1.4L II USM」の開放値となるF1.4に設定している。非採用 の35mm単焦点レンズで撮影した右の画像を見ると、輪郭部で赤色と、その周辺で青色の色収差が見られる。いっぽう、「BRレンズ」採用の「EF35mm F1.4L II USM」で撮影した左の画像を見てみると、気になるような色収差はまったく出ていないことがわかる。絞り開放でここまで色収差を抑えられるのは驚異的。色収差は、RAW現像ソフトなどで修正することはできるが、解像力など描写の面でどうしても劣化がともなう。よりクオリティの高い作品に仕上げるなら、光学的に色収差を抑制する「EF35mm F1.4L II USM」のようなレンズを選びたい。

色収差は、画面中央での軸上色収差(色にじみ)と、周辺部での倍率色収差(色ずれ)の2つの要素からなる、画質劣化の要因となる現象である。光は色の波長によって屈折率が異なるため、結像位置にずれが生じてしまうのが色収差の発生する原因だ。特に、短い波長域の青色の光は1点に集光させるのが難しい。凹凸レンズを組み合わせるだけでは、青色の光の波長を補正しきれずに、どうしても色収差が発生してしまうのだ。

キヤノンは、屈折率・分散の極めて小さい「蛍石レンズ」や「UDレンズ」、「スーパーUDレンズ」、回折と屈折で色収差が逆に発生する性質を利用する「DOレンズ」といった、色収差を補正する特殊レンズをいくつも開発してきた。色収差補正に対しては最高レベルの光学技術を持つメーカーだが、そんなキヤノンの技術力の高さを示すのが、2015年に開発した「BR(Blue Spectrum Refractive Optics)レンズ」である。長年の課題であった青色の光の波長をコントロールすることで、さらに高い水準での色収差補正を実現した画期的なレンズだ。

「BRレンズ」とは、キヤノンが新たに開発した「BR光学素子」を採用した複合レンズのこと。BR光学素子は、レンズの原料となる有機光学材料を分子構造設計から見直し開発されたもので、青色の光を大きく屈折させる異常分散特性を実現している。このBR光学素子の前後に凸レンズと凹レンズを組み合わせることで、青色の光の進路をコントロールし、集光位置を限りなく1点にすることに成功。大口径レンズで発生しやすい軸上色収差を高度に補正し、絞り開放から鮮鋭な描写性能を実現しているのだ。

その効果は上に掲載した色収差の比較画像をあらためてご覧いただきたい。「BRレンズ」の効果は絶大で、絞り開放でも色収差がほとんど見られない。圧倒的な性能の色収差補正を実現しており、「BRレンズはレンズ設計の新たな可能性を広げる技術」と言ってもおおげさではないほどだ。

「BRレンズ」は凹凸のガラスレンズに新開発の「BR光学素子」をはさみ合わせたような構造になっている。「BR光学素子」は長年開発を進めてきたもので、蛍石と同等以上の異常分散特性を実現している

BRレンズ
キヤノン EFレンズ
通常ガラス
キヤノン EFレンズ

「BRレンズ」は、通常ガラスでは補正できない青色の光を屈折させて、光の波長全域を限りなく1点に集光する。これにより、色収差を高度に補正することが可能となっている

「BRレンズ」を採用する大口径・広角単焦点レンズ
「EF35mm F1.4L II USM」

開放F1.4の明るさを実現した焦点距離35mmの広角単焦点レンズ。キヤノン独自開発の「BRレンズ」を採用するほか、「研削非球面レンズ」や「UDレンズ」も配置することで、色収差をはじめとする各種収差を徹底的に除去。単焦点レンズらしいシャープでヌケのよい描写を味わえる高性能レンズに仕上がっている

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フレア・ゴーストを大幅に抑制するコーティング技術「SWC」「ASC」

•LENS#3•
フレア・ゴーストを大幅に抑制する
コーティング技術「SWC」「ASC」

フレア・ゴーストの比較
「SWC」「ASC」採用ズームレンズ
EF16-35mm F2.8L III USM
キヤノン EFレンズ
非採用ズームレンズ(キヤノン製レンズ)
キヤノン EFレンズ

屋外の撮影などの際、フレア・ゴーストは写真の広い範囲で意図せずに発生するため、作品作りにおいて非常にやっかいな存在である。フレア・ゴーストの出方によっては画像編集で修正するのは難しく、作品そのものを台なしにしてしまうこともある。上の2つの作例はその具体例だ。左の作例は、キヤノンのレンズコーティング技術である「SWC」と「ASC」を採用する広角ズームレンズ「EF16-35mm F2.8L III USM」で撮影したもの(焦点距離24mm)。画面に太陽が入る逆光で撮影しているが、気になるようなフレア・ゴーストはいっさい発生していない。

右の作例では、ほかのズームレンズを使って、同じ焦点距離で太陽が同じ位置になるようにして撮影してみたが、光源でフレアが出ているほか、ゴーストも画像の各所で発生している。ここまで盛大にゴースト・フレアが発生してしまうと画像編集で修正するのは不可能だ。また、右の作例では左の作例と比べてコントラストが低く、全体的に白くぼやっとした写りになっており、抜けが悪いのも気になるところだ。

下の作例では、ほかのズームレンズを使って、同じ焦点距離で太陽が同じ位置になるようにして撮影してみたが、光源でフレアが出ているほか、ゴーストも画像の各所で発生している。ここまで盛大にゴースト・フレアが発生してしまうと画像編集で修正するのは不可能だ。また、下の作例では上の作例と比べてコントラストが低く、全体的に白くぼやっとした写りになっており、抜けが悪いのも気になるところだ。

歪曲収差や色収差などの各種収差と並んで、撮影時に発生して画質に悪影響を及ぼすのがフレアとゴーストだ。いずれも、太陽などの強い光源にレンズを向けて逆光で撮影したときに発生しやすい。フレアは、画面の一部が白っぽくなったり、にじんだりする現象で、ゴーストは光源ではないところに光の輪などが発生する現象だ。

実際の撮影で経験している方も多いと思うが、レンズによっては、逆光時だけでなく、入射角の大きなトップライト(上からの光)や斜光で撮ってもフレア・ゴーストが発生する。そうしたレンズだと、立体感を高めるのに効果のあるトップライトや斜光を積極的に使うことができず、表現の自由度が狭まってしまう。より自由に光をとらえ、クリエイティブに撮影を行うには、あらゆる状況でフレア・ゴーストを抑えられるレンズを選びたいところだ。

フレア・ゴーストが発生する原因は、レンズの表面や内部で起こる光の反射だ。その光の反射を防止するのに必要な技術が「コーティング」である。より高度なコーティングが施されたレンズは、光の反射が減り、フレア・ゴーストをより抑えることが可能。同時に、光の透過率も高くなるため、より多くの光を撮像素子に届けられる。フレア・ゴーストに強いレンズのほうが、レンズの性能を引き出し、より抜けのよい描写が得られるというわけだ。

「EFレンズ」には、「SWC(Subwavelength Structure Coating)」と「ASC(Air Sphere Coating)」という、より多くの光をセンサーに届けるための高度なコーティングが施されている。特に、高性能な「Lレンズ」の多くのモデルでは、レンズのタイプに合わせてこれら2つのコーティング技術が最適な組み合わせで採用されており、高いレベルでのフレア・ゴーストの抑制を実現している。

それぞれをもう少し詳しく見ていこう。まず「SWC」は、レンズの表面に、可視光の波長よりも小さいナノサイズのくさび状の構造物を無数に並べるという、高度な手法を用いた特殊コーティング技術だ。くさび状の構造物が連続的に屈折率を変化させる層として働くのがポイントで、空気とガラスの屈折率が大きく異なる境界面をなくし、反射光の発生を大幅に抑制する画期的な技術となっている。特に、入射角が大きな光(斜めからの光線)に対して、従来のコーティングにはないすぐれた反射防止効果を実現。「SWC」であれば、広角レンズなど曲率が大きなレンズであっても、防ぐことが難しい周辺部でのフレアやゴーストの発生を大幅に抑えることが可能だ。

「SWC」では、ナノサイズ(約200〜400nm)のくさび状の構造物が、尖ったほうを空気側に向けた状態でレンズ表面に均一かつ適切な密度で配置されている。この構造物が、空気とガラスの間に連続的に屈折率を変化する層として働くことで、屈折率が大きく異なる境界面をなくし、反射光の発生を抑える

もうひとつの「ASC」は、蒸着膜層の上に、二酸化ケイ素と空気を含んだ膜を形成することで光の反射を抑制する技術。光学ガラスよりも屈折率の低い空気をコーティング内に一定の割合で含ませることで、超低屈折率層を形成し、反射を防止するというものだ。特に、垂直に近い角度で入射する光に対して、「SWC」と同等の高い反射防止性能を実現している。さらに、「ASC」は、さまざまな形状のレンズに施すことができ、レンズ設計の自由度が高いのも特徴。「ASC」の空気の玉はフラットな界面で覆われているため、コーティングの強度が高いのも特徴となっている。

「ASC」は蒸着膜層の上に施されるコーティング技術。光学ガラスよりも屈折率の低い空気をコーティング内に一定の割合で含ませることで、超低屈折率層を形成し、反射を防止する

「SWC」「ASC」を採用するマクロ撮影対応の標準アオリレンズ
「TS-E50mm F2.8L マクロ」

マクロ撮影が可能な新しい標準アオリレンズ。「UDレンズ」を2枚採用することで、画面の周辺部まで高画質化を実現。歪曲収差も極限まで抑制することに成功している。さらに、特殊コーティング技術の「SWC」と「ASC」を採用し、フレア・ゴーストの発生を大幅に抑制。TSレボルビング、ティルトロック機構、大型つまみ類などを採用し、操作性も進化している。2017年12月下旬の発売予定

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高性能なAF&手ブレ補正を実現するテクノロジー

続いて、レンズの使い勝手を左右する重要な部分である、AF(オートフォーカス)と手ブレ補正機構に関する注目テクノロジーを詳しく紹介しよう。AFでは「ナノUSM」、手ブレ補正機能では「3種類の手ブレ補正モード」を取り上げる。

高速で快適なAFを実現する小型の「ナノUSM」

•LENS#4•
高速で快適なAFを実現する小型の
「ナノUSM」

AFは一眼レフの使い勝手の“要”となる部分だ。動く被写体を撮影してみて「狙ったところにAFでピントが合わず、シャッターが切れなかった」「撮影した写真をチェックしたらピントが合っていなかった」といった経験をしたことがある方も多いことだろう。実際に使ってみてはじめて差を感じるところで、合焦速度が遅く、ピント精度の低いAFでは、一瞬を切り取ることができない。狙った瞬間を確実に収めるためには、AFの性能は妥協したくないところだ。

キヤノンの「EOS」シリーズと「EFレンズ」の組み合わせは、素早く動く被写体に対して高速かつ高精度にピントを合わせ続けられる信頼性の高さで、報道やスポーツなどの撮影を行うプロから、長年にわたり支持されている。失敗が許されないプロの撮影を支えるAFと言い換えてもいいだろう。これを支えているのは、カメラ内部に搭載される高性能なAFシステムと、フォーカスレンズを高速かつ正確に制御するレンズ駆動技術である。

「EFレンズ」のレンズ駆動技術で代表的なのは、超音波の振動エネルギーを回転エネルギーに変換するレンズ駆動モーター「USM(Ultrasonic Motor)」だ。「USM」は、高トルク・高レスポンスで作動音がほとんどないのが特徴。起動・停止の応答性にすぐれ、制御性も高く、「EOS」シリーズの高速AFを支える基幹部となっている。その最新テクノロジーとなるのが「ナノUSM」だ。「ナノUSM」はその名のとおり、「USM」を小型化したもの。小型ながらも「USM」の特徴である高トルクを実現しており、大口径レンズ・超望遠レンズに採用されている「リングUSM」と同様、高速で快適なピント合わせが可能。すぐれた制御性と静粛性を兼ね備えており、動画撮影やライブビュー撮影でも高いパフォーマンスを発揮する。

「ナノUSM」では、小型化を実現するため、チップ状に薄型化した小型振動子を新たに開発。小型でありながら高トルクを実現しており、高速かつ快適なAFを可能とする

「ナノUSM」を搭載する望遠ズームレンズ
「EF70-300mm F4-5.6 IS II USM」

「ナノUSM」を搭載することで、速くて滑らかなAFを実現した望遠ズームレンズ。レンズ上面に、撮影距離や焦点距離などの撮影情報を表示する液晶画面を新たに搭載しているのも特徴だ。さらに、「UDレンズ」を1枚採用し、色収差を良好に補正することで、高解像感・高コントラストな描写を実現。コストパフォーマンスにすぐれるレンズとして価格.comの「レンズ」カテゴリーでも人気の高い製品だ

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撮影状況にあわせて最適なモードを選べる「3種類の手ブレ補正モード」

•LENS#5•
撮影状況にあわせて最適なモードを選べる
「3種類の手ブレ補正モード」

カメラを手持ちで構えて撮る場合、暗い屋内での撮影や望遠レンズでの撮影など、さまざまな状況やシーンで手ブレが発生する。そうした場合に手ブレ補正機構を使えば、遅いシャッタースピードでも手ブレを防げるので、より低感度で高画質な撮影が可能になる。特に高画素化が進んでいる最新の一眼レフカメラでは、わずかな手ブレでも拾いやすく、写真の解像感を低下させる原因となる。スナップやポートレートなどを手持ちで撮影する場合、手ブレ補正機構の精度が重要となってくるのだ。

キヤノンは世界に先駆けてレンズ内手ブレ補正機構「IS(IMAGE STABILIZER)」を開発したメーカーで、その補正効果の高さと精度には定評がある。レンズ内手ブレ補正はファインダーで補正効果を確認して、思い通りのフレーミングと高精度なピント合わせができるのが特徴。ISユニットを1本1本のレンズの特性に合わせて設計・開発できるので、レンズの種類に合わせて高精度な補正を実現できるのもポイントである。

「EFレンズ」の手ブレ補正機構で見逃せないのは、「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」などの望遠レンズにおいて、状況に合わせて選べる「3種類の手ブレ補正モード」が用意されていることだ。このうち、モード1は通常の手ブレ補正モードで、モード2は流し撮りに対応したモードとなる。モード2では、カメラ自体が大きな動きをしたら流し撮りと判断し、流し撮り方向の補正動作を停止する。モータースポーツや鉄道などの被写体で流し撮りをした場合に、手ブレを抑えつつ、ピントの芯がある写真の撮影を可能にするのだ。さらにモード3は、露光中のみ手ブレ補正を行うモード。スポーツの撮影を行うプロの声から生まれた新しいモードで、シャッターボタンを半押しした状態では補正レンズが動かないようにロックし、シャッターを切ったときだけ手ブレ補正が働くようになっている。レンズを大きく振ってもファインダー像が安定しているので、スポーツなどで激しく動く被写体を追いかける場合に違和感なくフレーミングできるのが特徴だ。

このモード2とモード3を実現できているのは、補正ユニットを高精度に制御できる技術があってこそ。「3種類の手ブレ補正モード」は、「EFレンズ」の手ブレ補正機構が高度な制御を行っている証でもあるのだ。

超望遠ズームレンズ「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」は「3種類の手ブレ補正モード」を搭載。側面に配置されたスイッチでモードを切り替えながら利用できる

「3種類の手ブレ補正モード」に対応する望遠ズームレンズ
「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」

「蛍石レンズ」1枚と「スーパーUDレンズ」1枚を含む最新の光学設計により、焦点距離100mmから400mmのズーム全域で高画質を実現。手ブレ補正機構は4.0段分の補正効果を実現し、「3種類の手ブレ補正モード」にも対応。回転式のズーム方式や、0.98mまで寄れる近接撮影能力を実現するなど、幅広い機能を搭載した超望遠ズームレンズとなっている

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過酷な撮影状況に耐えうる高い信頼性・耐久性

「EFレンズ」の信頼性・耐久性の部分では、「防塵・防滴機構」と「フッ素コーティング」に注目してほしい。特に「防塵・防滴機構」は、プロの過酷な撮影状況に対応する、すぐれた性能を実現している。

細かいところまで配慮された防塵・防滴構造

•LENS#6-1•
細かいところまで配慮された
防塵・防滴構造

「Lレンズ」の多くは、水滴や埃の侵入を防ぐ防塵・防滴構造を実現している(画像のレンズは「EF35mm F1.4L II USM」)

雨が降る中や、海岸で砂埃が舞う中など悪条件下での撮影では、「レンズが壊れないように水滴や粉塵に対して最大限のケアをしながら使用する」というのが前提になる。ただし、どんなにケアをしたとしても、防塵・防滴性能を持たないレンズだと水滴や埃の侵入は完全には防げない。悪条件下でそうしたレンズを使ってしまい、「レンズが故障して撮影ができなくなった……」という経験をしたことがある方も少なくないはずだ。

その点、「EFレンズ」の高性能シリーズ「Lレンズ」の望遠レンズやズームレンズの多くは、水滴や粉塵の侵入を防ぐ防塵・防滴構造を採用しているので安心して使える。特に、報道やネイチャーフォトなどの分野で多くのプロから長年にわたって選ばれ続けているのが大きなポイント。1999年に開発した超望遠レンズシリーズに防塵・防滴構造を採用して以降、どんな環境でも変わらない性能を求めるプロの厳しい要求に応えられるように改良を積み重ねているのだ。まさにプロ仕様の信頼性・耐久性が備わっていると言えよう。

たとえば、超広角ズームレンズ「EF11-24mm F4L USM」を見てみると、ズームリングやフォーカスリングといった大きな可動部だけでなく、スイッチパネルにも防塵・防滴構造を実現。マウント接合部には、カメラに装着した際の隙間を塞ぐラバーリングを用いることで防塵・防滴性を確保している。開放F1.4の中望遠・単焦点レンズの新モデル「EF85mm F1.4L IS USM」も同様に、フォーカスリングやスイッチ部、マウント部のすべてが防塵・防滴構造だ。もちろん、このほかの防塵・防滴構造のレンズも細かいところに配慮された構造になっている。

レンズ表面の汚れを簡単に取り除ける「フッ素コーティング」

•LENS#6-2•
レンズ表面の汚れを簡単に取り除ける
「フッ素コーティング」

キヤノン EFレンズ

「フッ素コーティング」は、ガラス表面の反射防止用のコーティングの外側に施される。撥油・撥水性が高いので汚れを簡単に拭き落とすことができる

レンズ表面が汚れているとレンズ本来の描写力が発揮できず、作品のクオリティにも影響を及ぼす。付いた汚れはしっかり落としてから撮影を行いたいものだが、レンズ表面をあまり強く拭いてしまうと、コーティングがはがれたり、レンズを傷つける原因となる。そのため、レンズ表面の汚れを落とす作業は神経質になり、時間がかかりがち。撮影に集中するためにも、手早く汚れを落としたいが、レンズに傷つけずに安全に作業するにはどうしても時間がかかってしまう。

このジレンマを解決するためにキヤノンが開発したのが「フッ素コーティング」だ。レンズ表面に付着した汚れを簡単に取り除くことを目的として開発されたコーティング技術で、光学的な透過率を維持しながら高い撥油・撥水性を実現。レンズ面に付着した油分も、クリーニング液を用いることなく、乾いた布だけですばやく拭き取ることが可能だ。さらに、乾拭き後の静電気の発生が少ないので、埃などが付きにくく、コーティング面が非常に滑らかなので傷が付きにくい点も、「フッ素コーティング」の特徴となっている。

この「フッ素コーティング」は、防塵・防滴構造と同様、最新モデルを中心に、「Lレンズ」の広角ズームレンズや標準ズームレンズ、単焦点レンズ、望遠レンズなど多くのモデルに採用されている。

手ブレ補正機構搭載で防塵・防滴構造の中望遠レンズ
「EF85mm F1.4L IS USM」

「EFレンズ」の85mm中望遠レンズとして初めて手ブレ補正機構を搭載したモデル。レンズの重さ・大きさを抑えながら4.0段分の手ブレ補正を達成しており、手持ちでのポートレートやスナップなど幅広い撮影に対応できる。光学系では「ガラスモールド非球面レンズ」の採用により、画面のすみずみまでクリアでシャープな描写を実現。防塵・防滴構造を採用するほか、レンズ最前面と最後面には「フッ素コーティング」が施されている

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【まとめ】 プロの要求に応える高度なテクノロジーで常に進化し続ける「EFレンズ」

以上、「EFレンズ」の注目テクノロジーについて、3つのテーマに沿って紹介してきた。ひととおりチェックしていただければ、キヤノンがレンズに関して非常にすぐれた技術を持っていることが伝わるはずだ。

光学技術については、球面収差や歪曲収差を徹底的に補正する「研削非球面レンズ」、青色の光の波長をコントロールして理想的な色収差を実現する「BRレンズ」、垂直に入ってくる光から入射角が大きな光までフレア・ゴーストを良好に抑制するコーティング技術「SWC」「ASC」を取り上げたが、どの技術も業界をリードする非常に高度な内容であることがおわかりいただけたかと思う。

「ナノUSM」はキヤノンがこれまで培ってきた超音波のレンズ駆動モーター「USM」をより多くのレンズに搭載できるようにする革新的なテクノロジーだ。手ブレ補正機構の使い勝手を向上する「3種類の手ブレ補正モード」も、レンズ内手ブレ補正機構を進化させてきたキヤノンならではの機能である。信頼性の高い防塵・防滴構造は定評があり、レンズをメンテナンスしやすくする「フッ素コーティング」との組み合わせで撮影時のストレスを軽減してくれる。

本特集で紹介したものは、いずれも「EFレンズ」に搭載されているテクノロジーのごく一部にすぎないが、どれもレベルが高く、プロからの要求を追求し、具現化したものとなっている。これが「EFレンズ」の最大の魅力であり、プロやハイアマチュア、「EOS」を使用している人々から高い支持を得ている理由なのだ。描写力や使い勝手に徹底的にこだわるプロの高い要求に応えられる高度なテクノロジーを数多く開発・搭載し続ける「EFレンズ」は、プロの声によって進化を続ける、プロ仕様のテクノロジーに裏付けられた高性能レンズなのである。

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