Kissシリーズ初のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」“本気”レビュー

PR企画
“エントリーのKiss”とあなどるな! Kissシリーズ初のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」“本気”レビュー

この春、キヤノンから待望のミラーレスカメラが登場する。同社のカメラを代表する超人気モデル「EOS Kiss」シリーズ初となるミラーレスカメラ「EOS Kiss M」だ。クラス最軽量となる小型・軽量ボディにバリアングル液晶モニターや電子ビューファインダーを搭載するほか、最新の映像エンジン「DIGIC 8」も採用。高画質なのはもちろん、高速AF・高速連写も実現しており、非常に見どころの多い製品となっている。本特集では、そんな「EOS Kiss M」の特徴や魅力を余すことなくお伝えしよう。

25周年を迎えた「EOS Kiss」シリーズ初のミラーレスカメラ

EOS Kiss M

初心者だけでなく幅広い層から高い支持を得ている「EOS Kiss」シリーズ初のミラーレスカメラ「EOS Kiss M」。レンズマウントには、同社のミラーレスカメラ「EOS M」シリーズと同じ「EF-Mマウント」を採用する

キヤノン「EOS Kiss」シリーズは、今年2018年で25年を迎えるレンズ交換式カメラの人気ブランド。1993年に初代モデルが登場して以降、数多くの名機を生み出してきた、エントリー向けモデルの“定番”となっているブランドだ。その人気の理由は、「誰でも簡単に高画質な写真を撮影できる」ことにある。上位モデルゆずりの高機能をふんだんに搭載しながらも、小型・軽量で持ち運びやすく、簡単操作で誰でも高画質な撮影を楽しめるように作られているのだ。カメラとしての完成度が非常に高く、レンズ交換式カメラを初めて使う人はもちろん、写真愛好家からも高く評価され、多くのユーザーから選ばれ続けている。

2018年春、そのブランドを冠したミラーレスカメラ「EOS Kiss M」が誕生した。キヤノンの“顔”とも言える「EOS Kiss」シリーズをついにミラーレスでも展開するということで、キヤノンのこのモデルにかける意気込みは強い。最新機能を数多く搭載し、「EOS Kiss」シリーズらしい革新的なモデルに仕上がっている。

約390gの小型・軽量ボディ。「EOS Kiss」らしい簡単操作も継承

「EOS Kiss」シリーズが25年もの長い間人気を集めているのは、単に高機能・高画質だからというわけではない。誰でも手軽にキレイな写真を撮れるように「持ち運びやすさ」「使いやすさ」に徹底的にこだわって作られている。「EOS Kiss M」もその特徴をしっかりと継承しており、まさに「EOS Kissシリーズのミラーレス」と呼ぶにふさわしいカメラに仕上がっている。

「持ち運びやすさ」をチェックすると、「EOS Kiss M」は、電子ビューファインダー(EVF)を搭載しながらも、なんと重量約390g(ホワイトモデル、ブラックモデルは約387g)という圧倒的な軽量化を実現。2018年2月27日時点で、電子ビューファインダーを搭載するミラーレスカメラ(APS-Cセンサー採用モデル)として最軽量を達成している。これだけでも「EOS Kiss M」が持ち運びやすいカメラであることが伝わるはずだ。サイズも約116.3(幅)×88.1(高さ)×58.7(奥行)mmと小さく、手のひらサイズのコンパクトボディに収まっている。

EOS Kiss M

重量約390g(ホワイトモデル、ブラックモデルは約387g)の小型・軽量ボディを実現。コンパクトなミラーレスカメラの中でもその軽さは際立っている。カバンの中に入れて持ち運ぶのが苦にならない小型・軽量ボディで、気軽に外に持ち出して撮影を存分に楽しめる

「使いやすさ」では、キヤノンのミラーレスカメラとして初めて横開きのバリアングル液晶モニター(3.0型・約104万ドット)を採用し、非常に快適な操作を実現している。モニターを横に開いて上下方向に回転できるので、モニターを見やすい角度に調整して撮ることが可能だ。固定式のモニターだと無理な体勢になりがちなハイアングルやローアングルの撮影でも、楽な体勢のままモニターの映像を確認しながら撮影できる。さらに、タッチ操作にも対応しており、直感的な操作が可能。メニュー画面をタッチして機能を変更・設定できるほか、タッチした位置でピントを合わせるタッチAFや、そのままシャッターを切るタッチシャッターなどの便利な操作も行える。

横に開いて上下方向に自由に回転できるバリアングル液晶モニターを採用。タッチAFなど便利なタッチ操作にも対応しており、直感的な使い方ができる

操作性の面では、エントリーモデルながら、本格的なファインダー撮影が可能なEVFを内蔵している点がやはり見逃せない。EVFは、明るい屋外でモニターが見にくい場合でも被写体をしっかり確認して撮ることができるほか、子どもなど動く被写体を追いかける場合にも撮影に集中しやすい。約236万ドットの高精細表示なので、細かいところまで見やすく、どこにピントが合っているのかもわかりやすい。ファインダーを覗きながらモニターのタッチ操作でピントを合わせたい位置を自由に変更できる「タッチ&ドラッグAF」に対応しているのも使いやすいところだ。

約236万ドットの高精細なEVFを内蔵。便利なのは、ピントを合わせたい位置をタッチ操作で変更できる「タッチ&ドラッグAF」を搭載していること。この「タッチ&ドラッグAF」を利用すれば、EVFから目を離さなくてもピント位置を素早く変更してファインダー撮影を続けることができる

さらに、初心者の方でも簡単な操作でキレイな写真が撮れる機能も充実している。特に注目してほしいのはオートモードの進化。「背景ぼかし」「明るさ」「鮮やかさ」といったわかりやすい言葉で表現された項目を設定することで、背景をぼかしたり、明るさや色を変えたりできる「クリエイティブアシスト」を、シーンごとに最適な設定で撮影できる「シーンインテリジェントオート」上で使えるようになった。操作はモニター下部に表示されるアイコンを選択するだけ。タッチ操作も可能なので、ちょうどスマートフォンの写真アプリのような使い勝手となっている。基本的にはカメラまかせのオート撮影になるが、モニターに表示される映像で効果を確認しながら、簡単な操作で自分好みの写真に仕上げられるのが便利だ。

「クリエイティブアシスト」は背景ぼかしや明るさ、鮮やかさ、色合いなどを自由に変更しながら撮影することができる。ボタン操作だけでなくタッチ操作も可能なので、スマートフォンのアプリのような直感的な使い方が可能。「ビビッド」「ソフト」「ウォーム」といった、設定を一括で変更してくれるプリセット機能が用意されているのも使いやすいところ

写真やイラストを使って機能をわかりやすく表示する「ビジュアルガイド」にも対応。このガイド機能をオンにすれば、メニュー画面をホワイトの背景に黒文字で見やすくなるように表示したり、撮影モードを切り替えた際にそのモードの特徴的な写真を交えて説明してくれたりするようになる。細かい機能の説明を画面上に表示することもできるので、カメラの設定がよくわからない初心者の方にはとても親切な機能だ

EOS Kiss M

スペシャルシーンモードには新たに「サイレントモード」が追加された。このモードは、ストロボや連写などを無効にし、電子シャッターで撮影するというもの。無音で撮ることができるので、赤ちゃんが寝ているところなど、カメラのわずかな操作音が気になるシーンで活用できる

ネットワーク機能も進化。BluetoothとWi-Fiに対応するだけでなく、専用アプリ「Camera Connect」で設定すれば、撮影しながら、画像をWi-Fi経由で自動送信することが可能となった。スマートフォンで画像を一括管理しているユーザーには便利な機能だろう。事前にペアリングしたPCに、Wi-Fi経由で自動送信することもできるので、PCへの保存も簡単だ。差分データのみを転送してくれるので、重複して保存される心配はない

「DIGIC 8」で高速AF&高速連写を実現。定評のある画質も進化

「EOS Kiss M」の画質面では、映像エンジンの最新バージョン「DIGIC 8」をいち早く採用したのが大きなトピックだ。エントリーモデルながら、キヤノンのカメラとして初の「DIGIC 8」搭載モデルとなる。これだけでも、スペックに出し惜しみ感がなく、キヤノンが本気で開発したカメラであることが伝わってくる。

この「DIGIC 8」の採用によって「EOS Kiss M」はさまざまな点が進化しているが、特にオートフォーカス(AF)がさらに使いやすくなっている。位相差AFを使って高速なピント合わせが可能な「デュアルピクセルCMOS AF」に対応するうえ、望遠ズームレンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」などの対応レンズを装着していれば、横約88%×縦約100%の広いエリアで、最大143点(横13×縦11点)の測距点を使っての高速AFが可能になったのだ。さらに、非対応レンズであっても、横約80%×縦約80%の広いエリアで、最大99点(横11×縦9点)の測距点の利用が可能。レンズによらず、ほぼ画面全体で数多くの測距点が使えるのは、エントリー向けのミラーレスカメラとしては驚異的なAF性能だ。

見逃せないのは、被写体の追従性も向上していること。被写体追尾時に、より広いエリアを使って測距するようになったほか、被写体や背景との距離情報を活用することで、より高精度な追尾が可能となったのだ。これにより、動く被写体でもしっかりとピントを合わせ続けることができる。また、AFの機能では、瞳を検知してピントを自動的に合わせる「瞳AF」が新搭載されたのもトピックだ。

さらに、AFだけでなく連写性能も大幅に進化。エントリーモデルの場合、連写性能は上位モデルに劣るものも少なくないが、「EOS Kiss M」は違う。被写体を追従するサーボAF時で最高約7.4コマ/秒、ワンショットAF時で最高約10.0コマ/秒の高速連写を実現しているのだ。エントリーモデルとしては高い連写性能で、高速AFを組み合わせることで、被写体の一瞬の動きや表情を確実にとらえることが可能だ。

進化した「デュアルピクセルCMOS AF」によって、対応レンズであれば最大143点(横13×縦11点)の測距点を使っての高速AFを実現。被写体の追従性も大幅に向上している

EOS Kiss M

新たに搭載された「瞳AF」。基本的にカメラに近いほうの瞳にピントを合わせるが、タッチ操作で左右の瞳を切り替えることも可能。複数の人物がいる場合でも、タッチ操作でピントを合わせる顔を切り替えたうえで、どちらの瞳にピントを合わせるかを選択できる

キヤノンのカメラは、あらゆるシーンで高画質な撮影を楽しめるが、「EOS Kiss M」では、これまでキヤノンが培ってきた画質面にも磨きがかけられている。

撮像素子には、有効約2,410万画素のAPS-Cセンサーを採用。あわせて、最新の映像エンジン「DIGIC 8」の搭載によって、ハイライト側の階調表現が豊かになり、より色彩豊かな画質を実現している。感度はISO100〜ISO25600(拡張でISO51200)に対応。従来から定評のある高感度画質も向上しており、高感度でもノイズが少なく解像感にすぐれた写真を撮影できる。

さらに、こちらも定評のある手ブレ補正機能も進化。標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」などの対応レンズであれば、ブレを検知するジャイロセンサーだけでなく、撮像素子の画像情報からもブレ量を判断してより強力に手ブレを抑える「デュアルセンシングIS」に対応するようになった。この機能は、これまで同社のコンパクトデジタルカメラでは採用されていたが、レンズ交換式カメラとしては初搭載となる。「デュアルセンシングIS」への対応によって、手ブレ補正の効果は、従来よりも約0.5段分向上。細かい手ブレだけでなく、ゆっくりとした大きなブレにも強くなった。また、「デュアルセンシングIS」対応レンズ装着時であれば、レンズの光学手ブレ補正とボディ内の電子手ブレ補正の両方を使って水平回転・縦回転を補正するなど、動画撮影時の手ブレ補正も強化されている。

このほか、エントリーモデルながら4K動画(3840×2160/24p動画)の撮影に対応するのもすごい。撮影した4K動画からフレームを切り出して静止画を保存する機能や、専用モードで撮影間隔・回数や自動露出などを設定して撮れる4Kタイムラプス動画機能なども備わっており、多彩な撮影が楽しめる。

4K動画(3840×2160/24p)の撮影が可能。撮影した4K動画からフレームを切り出して保存することも可能だ

価格.comスタッフによる「EOS Kiss M」“本気”レビュー

続いて、「EOS Kiss M」の実写レビューをお届けしよう。今回は、デジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラを多く所有している価格.comのスタッフが長期間にわたってじっくりと使ってみた。実写作例を交えながら、使ってわかった「EOS Kiss M」の魅力をお伝えする。

EOS Kiss M

価格.comスタッフが「EOS Kiss M」をじっくりとテストした

「EOS Kiss M」を使ってみてもっとも魅力を感じたのは、何と言っても“小さくて軽い”ボディだ。ミラーレスカメラは一般的にコンパクトにまとまっているが、その中でも「EOS Kiss M」は特に軽い。カメラバッグの中に本体と複数のレンズを入れて、足場の悪い海岸の岩場を歩いたり、坂を上りながらスナップ撮影を行ったりしたが、使用中にカメラやレンズが重く感じることはいっさいなかった。

性能面ではAF性能の高さに驚いた。「デュアルピクセルCMOS AF」は、1回のピント合わせでシャッターを切るワンショットAFでの速度に定評があるが、「EOS Kiss M」では追従性がかなり進化している。ボール遊びをする子どもを望遠レンズで追いかけながら撮ってみても、ピントが抜けることなく狙った子どもにピントが合い続けた。新機能「瞳AF」の精度も高く、人物を撮るときには実用的な機能だ。連写を含めたレスポンスのよさはエントリー向けモデルとは思えないレベル。エントリーではあるものの、本格的な動体撮影にも十分に活用できるミラーレスカメラだと感じた。

さらに、「EOS Kiss M」は操作性もすぐれている。上面右側に撮影モードダイヤルと電子ダイヤル、背面方向キーを搭載したシンプルでわかりやすい操作性は必要十分。ダイヤルを含めて操作系がボディ右側に集中しており、右手のみで操作できるのも使いやすいところだ。しっかりとしたクリック感のあるダイヤルや方向キー、コンパクトなボディながら握りやすい形状のグリップ、親指をひっかけられる背面のサムグリップなど、細かいところの操作感も非常にいい。コンパクトなボディにシンプルで使いやすい操作性をうまく収めているのは、まさに「EOS Kiss」シリーズらしいところだ。

しっかりとした形状のグリップを採用。背面のサムグリップとのバランスがよく、コンパクトなボディながらホールド感は上々。背面からグリップにかけてレザー調のシボ加工が入っているのも、ホールド感のよさにひと役買っている

操作系はボディ右側に集中。ボタンやダイヤルを右手のみで操作できるように工夫されている。上面のダイヤルやボタンにはすべてスピンドル加工が施されているという凝りよう。撮影モードダイヤルの側面と電子ダイヤルに細かい網目状のローレット加工が入っているのも質感が高い

EOS Kiss M

モニター背面にもグリップ部などと同じシボ加工が入っており、モニターを閉じたときに統一感のあるデザインとなっている。モニターを動かす際、背面に触れた感じも心地よかった。「EOS Kiss M」は、こうした細かいところの操作感にもこだわって作られている

タッチ操作対応のバリアングル液晶モニターも扱いやすい。横に構えたときだけでなく、縦に構えたときでもモニターの角度を調整できるのが便利。タッチパネルの感度もよく、タッチAFも操作しやすかった

EOS Kiss M

バリアングル液晶モニターと「タッチ&ドラッグAF」の組み合わせは、モニターを開いた状態でも左手のタッチ操作でピント位置を変えることができる。三脚でカメラを固定して、モニターとファインダーの両方を駆使しながらピント位置や構図を追い込みたいときに便利な使い方だと感じた

「EOS Kiss M」の画質については、有効約2,410万画素センサーの解像感の高さや、高感度でもノイズの少ない描写など見どころは多いが、特に印象に残ったのは色再現性。「DIGIC 8」の採用によるところが大きいと思われるが、キヤノンらしい発色のよさを継承しつつ、従来以上に色再現性がよくなった印象を受けた。日没前の微妙な明るさの東の空や、日没直前の夕暮れ時など色再現が難しいシーンをカメラまかせで撮ってみても、シャドーからハイライトまで階調が豊かで、とてもクリアな描写に仕上がる。キヤノンのカメラは従来から色再現性の高さで定評があるが、「EOS Kiss M」では、そのレベルがさらに上がっているのだ。

画質関連の機能では、カメラ内のレンズ光学補正に、色収差や回折を補正して解像感を高める独自機能「デジタルレンズオプティマイザ」が追加された。ハイエンド向けの35mmフルサイズ一眼レフ「EOS 5D Mark IV」に搭載された機能をエントリー機でも使用できるのは驚きだ。さらに、RAWフォーマットが新しくなり、従来の「.CR2」に加え「.CR3」が追加されたのも見逃せない。「.CR3」では、通常のRAW記録のほか、画素数はそのままで圧縮効果が高くデータ量の少ない「C-RAW」を選択できるようになっている

「EOS Kiss M」で撮影した実写作例をチェック!

EOS Kiss M

F4、1/125秒、ISO100、ホワイトバランス:日陰、ピクチャースタイル:ポートレート、オートライティングオプティマイザ:強め、EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM

「瞳AF」を使って撮影した作例。子どもをメインにした写真にしたかったため、タッチ操作で子どもの左目を選択して、そこにピントが合うように撮ってみた。「瞳AF」は瞳の検出精度が非常に高い。この作例では、手前にいる母親(横顔)の瞳も検出したほどだ。画質面では、肌色の再現性に注目。子どもの肌も母親の肌も、健康的で明るい色に仕上がった。

EOS Kiss M

F3.5、1/640秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM

カメラを縦に構えてローアングルかつ広角で撮影した写真。バリアングル液晶モニターの便利なところは、こうした縦位置でのローアングル/ハイアングルの構図でも、モニターの角度を調節して無理のない体勢で撮れること。この写真では、モニターの映像を見ながら、花の位置にこだわってフレーミングすることができた。

F5〜5.6、1/1000秒、ISO320〜640、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM

望遠ズームレンズ「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」を使って、ボールを蹴りながら近づいてくる子どもを追従撮影してみた。焦点距離は100mmの望遠。AFは画面全体でピントを合わせる「顔+追尾優先AF」に設定した。およそ2秒間の動きを14枚連続で撮った中から6枚をピックアップしているが、連写したすべてのコマで子どもにしっかりとピントが合った。前後に別の人物がいるにもかかわらず、カメラまかせのAFでも、主要な被写体である子どもにピントが合い続けた。被写体追従性の高さを感じる作例である。

さらに、AE(自動露出)がしっかりと追従し、どのコマでも最適な露出を得られているのも見逃せない。シャッター優先AEモードでシャッタースピードを1/1000秒に固定したが、コマによって絞り値はF5〜5.6、感度はISO320〜640が自動的に設定された。特に、連写後半の、子どもの前に黒い服を着た人物が入ってきたコマに注目。こうした構図でカメラまかせの露出だと黒い服に反応して明るくなり、子どもの顔が白く飛んでしまうこともあるが、「EOS Kiss M」のAEは非常に優秀。子どもの顔が明るくなりすぎないように、自動的に明るさ少し抑えた露出にしてくれた。

F6.3、1/1000秒、ISO320、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM

こちらは焦点距離200mmの望遠で連続撮影した作例。「EOS Kiss M」は、サーボAF時で最高約7.4コマ/秒、ワンショットAF時で最高約10.0コマ/秒の高速連写が可能。この作例では、ボールを蹴る瞬間をより確実に撮るために、ワンショットAF時の約10.0コマ/秒連写を選択している。

EOS Kiss M

シーンインテリジェントオート(クリエイティブアシスト使用)、F5、1/250秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M22mm F2 STM

「シーンインテリジェントオート」の「クリエイティブアシスト」を使って、明るさや色合いを調整して撮ってみた。オートでのカメラまかせでも十分にキレイな描写だったが、やや日差しの強いところでコントラストが強かったため、「クリエイティブアシスト」で明るさを上げつつ、コントラストを下げることで全体的にやわらかい描写にした。また、色合いは、アンバーとグリーンを少し強めることで少しウォームな感じにしてみた。スマートフォンのカメラアプリに使い慣れている方なら、この「クリエイティブアシスト」は特に重宝するのではないだろうか。

EOS Kiss M

シーンインテリジェントオート(クリエイティブアシスト使用)、F6.3、1/125秒、ISO200、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM

この作例も「シーンインテリジェントオート」で撮ったものになる。「クリエイティブアシスト」で明るさだけ調整しているが、全体的にすっきりとキレイな写真に仕上がった。ワンショットAFの約10.0コマ/秒連写を使うことで、子どもが勢いよくシャボン玉を吹いた瞬間を撮れた。

EOS Kiss M

F8、1/4秒、ISO1600、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM

手ブレ補正機能の効果をチェックするために撮影した夜景作例。広角15mmで手持ち撮影しているが、1/4秒という遅いシャッタースピードでも手ブレを抑えて撮ることができた。この作例以外でもシャッタースピード1/4秒で試してみたが、半分以上が手ブレのない成功写真となった。また、感度をISO1600まで上げているが、暗部でも気になるようなノイズは発生していない。オートホワイトバランスで撮っているが、色かぶりなくキレイな色味に仕上がっているのもこの作例のポイントだ。

EOS Kiss M

F14、1/40秒、ISO100、ホワイトバランス:オート(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM

この作例で注目してほしいのは、シャドーからハイライトまでの階調のつながり。日没の1時間ほど前に東方向にカメラを向けて撮っているが、一般的に、この時間帯の東の空は色再現が難しい。コントラストが低くなり、グラデーションも再現しにくくなるが、「EOS Kiss M」で撮ってみると空のグラデーションを美しく表現できた。暗くつぶれがちな暗部も階調がしっかりと出ている。JPEG撮影で画像編集なくここまで撮れるのは本当にすごい。

EOS Kiss M

Digital Photo Professional使用、F8、1/1250秒、ISO100、ホワイトバランス:太陽光、ピクチャースタイル:オート、オートライティングオプティマイザ:標準、EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM

この作例では、RAW撮影ソフト「Digital Photo Professional」を使用して、RAW形式で記録した画像データを編集して仕上げてみた。明暗差の大きい逆光での撮影のため、さすがにJPEG撮影だと暗部がしっかりと出ていなかったので、「シャドー」のパラメーターを「3.0」にして暗部を持ち上げ、トーンカーブで中間調も明るくしてみた。JPEGでは海面が暗く潰れていたが、RAW現像によって海面のディテールを出すことができた。ちなみに、この作例は圧縮効果の高い「C-RAW」を選択。暗部を持ち上げているが気になるようなノイズは出ていない。この程度の画像編集であれば画質重視でも「C-RAW」は活用できると感じた。

※本記事で掲載している作例はすべて発売前の試作品で撮影した画像です。

まとめ多彩な機能と扱いやすい操作性をあわせ持つ革新的なミラーレスカメラ

以上、じっくりと「EOS Kiss M」を使ってみたが、「このミラーレスはまさに“Kiss”!」と感じるところが多くあった。「EOS Kiss」シリーズの魅力は、小型・軽量で持ち運びやすいボディに、エントリーモデルとしては非常に多彩な機能と高い画質力を搭載することだが、「EOS Kiss M」は、そんな「EOS Kiss」シリーズの魅力が存分に詰まったミラーレスに仕上がっている。

スペック面でのトピックは、やはり、最新の映像エンジン「DIGIC 8」になるだろう。「DIGIC 8」を採用することで、従来以上の高速AFと高速連写を実現しており、エントリーモデルながら動く被写体に対応できるレスポンスを持っている。特に従来モデルからAFの追従性が向上したのが使いやすいところ。エントリー向けのミラーレスカメラとしては最高レベルのAF性能と言っても過言ではない。

注目してほしいのは、そうしたスペックの高さとあわせて、使いやすさにもこだわって作られていること。キヤノンは、使い手のことを考えたカメラを開発するメーカーである。「EOS Kiss M」は、非常に多くの機能を搭載しながらも、持ち運びが負担にならないように、EVFを搭載するミラーレスカメラ(APS-Cセンサー採用モデル)としては最軽量となる重量約390g(ホワイトモデル、ブラックモデルは約387g)の小型・軽量ボディを実現。さらに、タッチ操作対応のバリアングル液晶モニターや、自分好みの写真を簡単に撮れる「クリエイティブアシスト」といった、誰でも簡単に使える操作性もあわせ持っている。十二分の機能を持つうえ、持ち運びやすく、初心者でも安心して使えるカメラに仕上がっているのだ。

手軽な撮影からこだわった使い方までカバーできる懐の深さは、初心者からハイアマチュアまで幅広いユーザーに愛されてきた「EOS Kiss」シリーズの名にふさわしいカメラと言えるだろう。

市場予想価格はボディ単体で6.6万円前後、標準ズームレンズが付属する「EF-M15-45 IS STM レンズキット」で8万円前後(いずれも税別)。コストパフォーマンスは抜群によく、非常に選びやすい製品だ。子どもや家族の記念写真・旅行用として使うもよし、デジタル一眼レフカメラのサブ機として使うもよし。多くの方にフィットし、そのよさを実感できる革新的なミラーレスカメラなのである。

© Kakaku.com, Inc.