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石油会社が電力自由化で参入するのはなぜ?電気代は安くなる?各社の動きのまとめ

電力自由化

石油会社が電力自由化で参入するのはなぜ?電気代は安くなる?各社の動きをまとめました!

2016年4月に迫った電力自由化。様々な会社が電力自由化での小売り参入を表明する中、石油元売り大手からはJXエネルギーが「ENEOSでんき」を引っさげて参入を表明し、「エッソ」、「モービル」、「ゼネラル」ブランドを展開する東燃ゼネラルや出光、昭和シェルも電力自由化での小売り参入を決めています。なぜ石油会社が参入するのか、どんなサービスを展開するのか、電気代は安くなるのか、まとめました。

なぜ石油会社が電力自由化で参入するの?

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  • ●石油会社はエネルギーを調達しやすい

  • ●ガソリンスタンドで顧客と接点がある

  • ●自動車の燃費が良くなり、石油販売だけでは生き残れない

電力小売りに新規参入する場合、電気の調達は自前の発電所を用意するか、外部から調達する方法が考えられます。自前の発電所がある方が安く電気を調達できる可能性が高いでしょう。

電気を作るのに大きな壁となるのが発電にかかる燃料代です。私たちが現在支払っている電気代のうち、例えば東京電力なら約6割が燃料費等で残りの4割は減価償却費や税金、人件費などです。燃料をなるべく安く調達できれば利益率が高まり経営が安定しますし、電気料金の値下げもしやすくなります。

石油会社なら石油や天然ガスなど、発電に使用する燃料を自前で調達することができるため、競合より価格面で有利になることができ、電力自由化でその強みを活かすことができます。

石油や天然ガスはCO2の排出が気になるところですが、近年はコンバインドサイクル発電という効率の良い発電方式が使われるようになり、少ない燃料でたくさんの電気を生み出すことができるようになったため、CO2の排出もおさえられるようになりました。コンバインドサイクル発電の熱効率は約50%におよび、これは1950年代の火力発電の約2倍〜3倍もの熱効率とのことです。簡単に言えば、昔の火力発電より2〜3倍燃費が良いので、CO2を出す量も少なくて済むのです。

また、ガソリンスタンドで消費者とのつながりがある点も忘れてはいけません。石油会社が電気とガソリンのセット割引を行えば、消費者はなるべくセット割引が適用されるガソリンスタンドを使うようになるので、既存事業との相乗効果も生まれるのです。

そして、既存事業である石油販売だけに頼れないという事情もあります。資源エネルギー庁の資料によると石油消費量は1999年以降減少しており、背景として自動車の燃費が大幅に改善されたことが考えられます。こうした理由から、電力小売りに参入することで収益源を多様化させる狙いがあるとみられます。

石油大手各社の動向

  • ●「ENEOSでんき」で仕掛けるJXエネルギー。提携も強化

  • ●今後の動向が注目の東燃ゼネラル、出光、昭和シェル

JXエネルギー(ENEOSでんき)

家庭向け電力小売りのブランド名を「ENEOSでんき」とすることを発表したJXエネルギー。2016年4月からは関東エリアで家庭向けの電力小売りを開始します。電力事業そのものは2003年にスタートしており、新電力として法人向けに電力を販売・供給してきました。

「ENEOSでんき」の電源は天然ガスが中心で、発電エネルギーは2015年5月時点で天然ガス61%、石油34%、バイオマス(建築廃材などを燃料とした発電)4%、水力1%とのことです。天然ガス発電のCO2排出量は石炭発電より40%少なく、環境に優しいことをアピールしています。ほかにもメガソーラー、風力発電の開発に力を注いでおり、将来こういった電源から電力を供給することが予想されます。

また、異業種との提携を積極的に進めており、ポイント関連では電気料金の支払いで「Tポイント」が貯まるほか、提携クレジットカード(ANAカード、TSキュービックカード、レクサスカード、エポスカード)で電気料金の決済をすればポイントやマイルが貯められるサービスを開始予定です。さらに、家電量販店のノジマと提携し、ノジマの店鋪でも「ENEOSでんき」を販売することを決めています。

東燃ゼネラル(myでんき)

1994年から工場の自家発電で作った電気を外部に販売し、サービス名「myでんき」で家庭向けの電力小売りに乗り出す東燃ゼネラル。

発電設備を増強する方針で、発電規模170万kWの清水天然ガス発電所(仮称)を静岡県に建設し、2021年に稼動させるほか、千葉県市原市に発電規模100万kW程度の石炭火力発電所を建設する予定です。他にもバイオマス発電所への出資をするなど環境への配慮も見せています。

また、東燃ゼネラルの電気料金プランは東京電力の標準的なメニュー「従量電灯B」より最大6%割り引いた料金となるとのことです。割引率は契約容量ごとに異なり、30Aで3%、40〜50Aで5%、60Aで6%とのことです。(2016年1月4日時点)

東燃ゼネラル myでんき 従量電灯B

  60A 50A 40A 30A
割引率
(東京電力との比較)
6% 5% 5% 3%
基本料金 1,583円71銭 1,333円80銭 1,067円04銭 817円13銭
第1段階
120kWhまで
18円26銭/kWh 18円46銭/kWh 18円46銭/kWh 18円85銭/kWh
第2段階
120kWh〜300kWh
24円36銭/kWh 24円61銭/kWh 24円61銭/kWh 25円13銭/kWh
第3段階
300kWhより多い
28円13銭/kWh 28円43銭/kWh 28円43銭/kWh 29円03銭/kWh

※2016年1月4日時点の情報を元に作成しています。

出光

家庭向けの電力小売りに関する情報はまだありませんが、法人向けの高圧部門では再生可能エネルギーを多く使用して低CO2な電気を提供しています。競合他社が天然ガスや石油をエネルギー源の中心に置いていることを考えると、異色の存在ともいえるでしょう。出光系の新電力会社は「出光グリーンパワー」と「プレミアムグリーンパワー」の2つあり、「出光グリーンパワー」は低CO2ながら経済性も良い電気、「プレミアムグリーンパワー」はCO2排出量がほぼゼロの電気を提供しているとのことです。

昭和シェル石油

昭和シェルは天然ガス発電所の扇島パワーステーション(神奈川県)、京浜バイオマス発電所(神奈川県)を持ち、法人向けの高圧部門で電力小売り事業を行ってきました。家庭向けの電力小売りでは、ガソリン代が10円/L安くなる「ドライバーズプラン」を1月に発表し、ガソリンの割引率という点で魅了的なプランとなっています。また、3月から予約申し込みを受け付けるとのことです。

ガソリンスタンドの数と会社の規模で比較

ガソリンとのセット割引を期待するなら、各社のガソリンスタンドの数も大事な要素です。ここでは「ENEOSでんき」のJXエネルギーがリードしています。しかし、石油業界は業界再編が進められているところですので、この勢力図も変わってきそうです。

石油会社大手5社の比較

  JXエネルギー 東燃ゼネラル 出光 昭和シェル コスモ石油
一般家庭への電力販売 予定あり 予定あり 検討中 予定あり -
供給予定地域 関東
関西
関東
中部
関西
関東
関西
関東
中部
関西
-
ガソリンスタンドの数 11,017 3,379 3,786 3,442 3,228
ガソリンスタンドシェア 43% 13% 15% 13% 13%

※2016年1月8日時点の情報を元に作成しています。
※石油便覧(2013年)、登録小売電気事業者一覧を元に当社作成。

石油業界再編とは?電力自由化と関係あるの?

2015年は石油業界再編の年でした。7月には出光と昭和シェルが、12月にはJXホールディングス(JXエネルギーの親会社)と東燃ゼネラル石油が経営統合を発表しました。2017年春にはこの2大グループに石油業界は再編されます。石油大手5社のうち、唯一コスモ石油は統合していませんが、今後どこかと統合することは十分あり得る状況です。

今後、経営統合により、施設の統廃合などの効率化が進められていきます。電力事業に経営統合がどのように影響してくるかまだわかりませんが、例えば「ENEOSでんき」の利用者がENEOS以外のガソリンスタンドでもセット割引の恩恵を受けられるようになれば、私たちにとってもメリットがあるかもしれません。

まとめ

上記の石油会社は新しく発電所を建設するなど、電力自由化に向け積極的に投資をしています。多くの顧客に自分たちのサービスを利用してもらい、利益をあげたいはずです。すでに発表されている料金プランでも既存の電力会社の料金プランより安いですし、これからさらにお得な料金プランがきっとでてくるでしょう。価格.comでは電気料金プランのシミュレーションや最新情報を配信しているので、ぜひチェックしてみてください。

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