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オール電化で電気代は本当にお得に?メリットデメリットまとめ

電気の基礎知識

更新日:2017年7月28日

オール電化で電気代は本当にお得に?メリットデメリットまとめ

家庭内のすべてのエネルギーを電気に統一するオール電化。火を使わないことから火災の心配がなく、安全という印象があったり、電気料金の安い深夜電力の消費が多いので光熱費の負担が軽減できる、といったお得感を持たれている方も多いようです。2000年代の後半から急速に普及しました。しかし、そんなお得感も震災以降の相次ぐ電気料金の値上がりで、今では導入を後悔していたり新規の導入を迷っている方も多いとか・・・。しかし、電力自由化によって新しい料金プランが登場すれば、オール電化のデメリットを避けてメリットを活かすことができるかもしれません。今こそオール電化について考える良い機会なのです。メリット・デメリットを整理し、オール電化の基本についてご説明しましょう。

オール電化(住宅)とは

厨房・給湯・暖房などに必要な熱エネルギーは、電力会社から電気を、ガス会社から都市ガスやプロパンガスをと、電気とガスの両方を併用することでまかなってきました。オール電化(住宅)とは、こうしたエネルギーのすべてを「電気のみ」でまかなうシステムや住宅のことをいいます。
オール電化にはメリットがたくさんありますが、デメリットもあります。また、いったん家庭内の設備をオール電化にすると、以前の電気とガスを併用する設備に戻すことは簡単ではありません。特に、オール電化のマンションではガスの配管を引き込む前提で設計されていないため、ほぼ元に戻すのは不可能といっても過言ではありません。オール電化と電気ガス併用のどちらが良いか悪いかという判断は、多分にユーザーの感覚や使い勝手に影響されるので、個々の好みやライフスタイルによって選ぶしかありません。オール電化はその後の生活に大きな影響があります。メリット・デメリットはもちろん、長期的な視野に立った自分のライフスタイルをしっかりと見極めたうえで導入を検討しましょう。

オール電化住宅で使われている設備

オール電化住宅ではガス器具に代わって以下のような設備が使われます。

  • 厨房

    調理用のガスコンロは、電気を使って金属製の調理器具を発熱させるIH調理器(電磁調理器)やラジエントヒーター(電気を流すと発熱する電熱線を使った調理器具)などに代わります。

  • 給湯

    ガスの湯沸し器に代わって、エコキュートや電気温水器を設置します。また、夜間の安い電気を使ってお湯をわかすため、お湯をためておく“貯湯タンク”も敷地内に別途設置します。なお、エコキュートとはヒートポンプ技術(空気中から熱を吸収し大きな熱エネルギーとして利用する技術で、エアコンなどでも使われています)を利用してお湯をわかす電気給湯器で、大気中から熱を吸収する際に必要となる冷媒にフロンではなく二酸化炭素が使われている機器の総称です。

  • 暖房

    ガスや灯油を使うストーブではなく、エアコンや床暖房、電気ストーブを使用します。オール電化住宅の床暖房では、電気ヒーターで床を温めるタイプのものと、ヒートポンプで温めた温水を使うヒートポンプ式温水床暖房があり、今ではヒートポンプ式温水床暖房のほうが一般的です。また、熱を蓄えることができる“蓄熱レンガ”を深夜電力を使って温め、日中はその熱を利用して暖房を行う電気蓄熱暖房機(蓄熱ヒーター)もあります。

オール電化のメリット、デメリット

オール電化にはメリットもあればデメリットもあります。ここでは、それぞれの特徴をまとめてみました。電力小売りの全面自由化後にはオール電化住宅向けの料金プランの登場も期待されるので、今のうちにメリット・デメリットをしっかりと把握しておきましょう。

メリット

  • ガス代が不要

    エネルギーとして使うのは電気だけなので、ガス代がかかりません。また、新築時ならガスの配管工事や安全装置の設置も必要なくなるので建設コストが削減できます。

  • 安い夜間料金を利用できる

    夜間のお得な電気料金でお湯をわかしたり蓄熱をするので、光熱費の節約につながります。

  • 安全性が向上

    IH調理器は炎が出ないため、衣服への着火といった事故の可能性はなくなります。また燃焼による二酸化炭素の発生はありませんし、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒の心配もなくなります。ただし、調理器具の異常加熱などが原因で発火する可能性はゼロではありません。

  • 調理器具の掃除が楽

    IH調理器では、ガスコンロのようにバーナー部や五徳部(調理器具をのせる金属の部分)がなく、天板が平ら。そのため、調理後の清掃が非常に楽です。また、炎がないので、油の飛び散りを防ぐペーパーや料理本を近くに置くこともできます。

  • 貯湯タンクのお湯が災害時に活躍

    オール電化住宅では、貯湯タンクにお湯をためています。災害で水が使えない場合も手洗いや入浴、トイレ排水などの生活用水として使うことができます。ただし、衛生面の問題があるのでそのまま飲用することはできません。飲用する場合は再度沸騰させる必要があります

デメリット

  • 昼間の電気代が高くなる

    オール電化住宅では、夜間の電気料金が安くなるプランで電力会社と契約するのが通常ですが、こうしたプランでは一般的な家庭が契約する“従量電灯”プランよりも昼間の電力量単価が高くなっています。そのため、昼間に電気を使用する機会が多い家庭では、オール電化にするとかえって電気料金が高くなる可能性もあります。また、家族の人数に対して貯湯タンクが小さくお湯を全部使いきってしまう場合など、昼間に大量のお湯をわかすことになれば、オール電化のメリットが失われてしまうこともあります。

  • 停電時は何もできない

    オール電化では、電気以外のエネルギーは使えないので停電の際はすべての機器が使えなくなります(貯湯タンクのお湯は使えます)。停電は広範囲にわたる可能性が高いので、もしもの不安はありますが、電気は復旧が早いという側面もあります。実際に、過去の大震災で、ライフラインと呼ばれる電気・ガス・水道が停止した時、最も復旧が早かったのは電気です。

  • IH調理器では調理方法が限定される

    ほとんどの家庭で導入するIH調理器は、専用の鍋やフライパンでないと使えません。土鍋や耐熱ガラス、アルミ鍋は使えませんし、底の丸い中華鍋は熱効率が悪くなるのでうまく使うのが難しいようです。また、炎が出ないためガスコンロのようにグリル(あぶり焼き)ができないなど、思い通りの調理ができないことに不満という声もあります。

  • 多額の設置コストが必要

    電気ガス併用住宅をオール電化住宅に変更すると、IH調理器やエコキュート、床暖房など様々な機器の購入と設置を行います。また、機器の導入に伴う電気工事も必要なため、導入にあたっては多額のコストがかかります。

  • 貯湯タンクの設置

    オール電化住宅では、お湯をためておく貯湯タンクの設置は欠かせません。そのため、貯湯タンクの設置スペースを確保しなければなりません。3〜4人家族であれば最低でも370リットルタイプのタンクが必要です。また、お湯が満タンになるとその総重量は約430kgと非常に重くなるので、倒れるようなことがないようしっかり固定する必要もあります。

  • IH調理器の電磁波問題

    IH調理器は電磁波を使用するので身体に良くないと主張する方がいます。また、心臓ペースメーカーの誤作動や、腕や手の金属装飾具が熱くなる可能性を指摘する方もいます。一方で、電磁波は少量なので身体への影響はないとする主張もあります。ここでは「危険である」とも「無害である」とも断言できませんが、そういった主張があることを理解しておいた方がいいでしょう。

  • エコキュートの低周波音問題

    エコキュートではエアコンと同様の室外機が設置されます。エアコンの場合は室内の温度に合わせて室外機の運転状況が変化しますが、エコキュートの場合は深夜に長時間連続して稼動しています。近年この室外機が発生する低周波音が原因で不眠などの体調不良を訴える人が増えており、国でも様々な調査を行っています。因果関係は断定していませんが、消費者安全調査委員会は、2014年12月19日に「健康被害の原因は、給湯器の運転音である可能性が高い」との調査結果を発表しています。低周波音は聞こえる人と聞こえない人がいたり、一度発生すると対策が容易ではないこともあり、業界団体でも静粛化対策に取り組んでいます。
    オール電化にすることは日常生活を送るのに実は大きな選択となりかねません。こうしたメリット・デメリットを踏まえた上でオール電化にするかをご検討されてはいかがでしょうか。

オール電化住宅向けの電気料金プランも。電気料金比較で賢い節約を

ガス代が節約でき、光熱費のトータルコストでは節約できるはず!と思っていたオール電化。なのに電気代がとても高い!そういう家庭も多いのではないでしょうか。オール電化の住宅が加入している電気料金プランは、夜間の電気料金が安くなるプランを契約するのが一般的。そのため、昼間に多く電気を使う方にはオール電化のメリットを感じにくいです。

電気を多く使うオール電化住宅だからこそ、電気の料金プラン選びは慎重になりましょう。価格.comでは、電力会社(電気料金プラン)を切り替えることによって、自宅の電気代がいくら安くなるのかがわかるシミュレーション機能を提供しています。オール電化住宅の方も試算できるようになっています。利用料は無料で、30秒ほどでシミュレーションができます。

シミュレーションを利用する際は、ご自宅に届いている検針票をお手元にご用意ください。また、オール電化住宅の場合、夜間に電気でお湯を沸かして蓄える機器(エコキュート等)を利用しているため、「お湯を沸かして蓄える機器を使っていますか」の質問項目にはチェックを入れて利用してください。

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