投資信託の選び方とは?初心者が押さえるべきポイントを解説

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これから始める方に、投資信託入門ガイド

投資信託の選び方とは?初心者が押さえるべきポイントを解説

更新日 : 2017年2月22日

少額で始められ、初心者でも簡単に資産運用ができる金融商品として、投資信託の人気が高まっています。
しかし、購入できる銘柄(ファンド)の数は2016年12月時点で6,000本近くあり、それぞれ特徴が違います。
自分に合ったファンドは、どう選べばよいのでしょうか。ここでは、投資信託の選び方で初心者が押さえるべきポイントについて、アドバイスします。

ポートフォリオに入れたいファンドを選ぶポイントとは?

投資信託を選ぶ前に、投資信託の運用で重要な「ポートフォリオ」の考え方は、『投資信託を活用したポートフォリオの作り方とは?』で説明しています。
ポートフォリオの資産配分を決めたら、次はもう少し踏み込んで、実際に組み入れるのはどのようなファンドがよいのか、さまざまな視点から見ていきましょう。

選び方のポイント1外国株式でリスクと期待リターンが大きいのは「先進国」よりも「新興国」

まずは投資信託での「株式」の選び方です。株式は大きく「国内株式」と「外国株式」に分けられますが、外国株式はさらに「先進国株式」と「新興国株式」に分かれます。

先進国株式は、米国や欧州といった経済が発展した国の株式です。経済が発展途上にあり、今後も高い成長が見込めるアジアや南米、アフリカなどの国・地域の株式は新興国株式と位置付けられます。

一般的に、新興国株式は先進国株式よりも期待できるリターンが高い分、値動きのぶれ(リスク)も高い傾向があります。新興国の上場企業は先進国より規模が小さく、売買もさほど活発でない一方で、成長力の大きさを期待した先進国の投資マネーが大規模に流入するケースもあるため、通貨や株価が大きく動きやすい傾向があります。

外国株式に投資するときは、自分が取れるリスクに応じて、先進国株式と新興国株式の比率を調整していくことが重要です。外国株式への投資で積極的に高いリターンを求めていく場合は、新興国株式への配分を増やすのも一案でしょう。リスクを抑えたいときは、先進国株式を中心に考えるとよいでしょう。

選び方のポイント2 外国債券は「通貨」「格付け」「利回り」のバランスが大切

投資信託の外国債券も「先進国債券」と「新興国債券」に分けられます。債券は、株式ほど値動きは大きくないですが、発行された債券の取引通貨(自国通貨や米ドルなど)の動きに基準価額が左右されます。
やはり市場規模や売買が限定的な新興国債券のほうが、一般的に先進国債券よりも値動きが大きく、通貨としても新興国通貨のほうがリスクは高いです。

リスクが高いだけでは、新興国債券に投資するメリットはありません。新興国債券の魅力は利回りの高さにあります。たとえば、ブラジルの長期金利(10年物国債の利回り)は2016年11月末時点で約12%と、先進国債券の利回りと比べきわめて高い水準でした。

もう1つのポイントが「格付け」です。「元本の償還や利息の支払いが不確実なほど格付けは低く、利回りは高い」と覚えましょう。S&Pグローバル・レーティング、ムーディーズ・インベスターズ・サービスなど、格付け専門の会社によって格付けされています。
BBやBaなど、格付会社ごとに定められた記号や数字などによって債券の信用力が表され、どんな格付けの債券に投資しているかは、投資信託の「月報」などで確認できます。

債券といっても、発行する国や企業によってリスクとリターンは違います。外国債券で積極的にリスクをとり、大きなリターンを狙いたい場合は、新興国債券や、投資適格未満の格付けを対象とし、「高利回り」を意味するハイイールド債券を検討してみましょう。
債券でそこまでリスクをとりたくない場合は、先進国の格付けの高い債券中心の運用がおすすめです。

選び方のポイント3迷ったときはバランス型も選択肢に

株式と債券のそれぞれの特徴を紹介しました。それでも、投資先に悩んでしまう場合は、運用会社に資産配分をまかせて、ポートフォリオを管理してもらえる「バランス型ファンド」がおすすめです。

バランス型は資産複合型ともいい、株式や債券などを組み合わせて運用する投資信託です。あらかじめ決まった配分にそって運用したり、機動的に配分を見直したりと、ファンドによってさまざまなスタイルがあります。

資産を複数組み合わせて投資しているため、リスクが分散され、安定したリターンが期待できます。1つの資産の価値が大きく変動した場合、ポートフォリオの各資産への配分割合がずれてしまいますが、運用会社が「リバランス」とよばれる資産配分の調整をすることで、投資比率を一定に保つことも可能です。
個人でのポートフォリオのメンテナンスをする必要がないため、日々の運用に頭を悩ませる必要がなく、長期で投資しやすいというメリットがあります。

バランス型ファンドを選ぶときは、各資産への配分比率や分散の度合いなどをチェックしましょう。一般的に、株式の比率が高いほどリスクが高く、期待できるリターンも高くなります。分散先がたくさんあるほど、リスクは軽減される傾向があります。

ポートフォリオの資産配分を決めたら、投資するファンドを比較しよう

株式や債券など各資産の特徴やリスク、リターンの大きさを説明してきました。次は「国内株式に投資するならどの投資信託の商品がよいか」など、同じ資産クラスに投資するファンドの比べ方を学びましょう。

比べ方1運用スタイルがアクティブかパッシブかを選ぶ

投資信託は、運用スタイルで大きく「パッシブ運用(インデックス運用)」と「アクティブ運用」に分かれます。インデックス運用のファンドは、株価指数など、市場の平均的な値動きに連動する投資成果を目指します。アクティブ運用のファンドは、指数を上回るリターンを目標とするのが一般的です。

企業価値の分析や経営者との面談などを重ね、投資先選びに手間をかけるアクティブファンドは、銘柄選びに成功すれば、指数を上回るリターンが期待できます。ただし、投資先を間違うと、指数に見劣りする運用成果しか得られない可能性もあります。

優秀なアクティブファンドを探すには、運用会社のホームページなどで公表されている「月報」や「運用報告書」で過去の運用成績を確認しましょう。こうした資料には、過去のファンドのリターンとともに、代表的な株価指数などのリターンが併記されていることが多いです。
2つを比較し、継続的に指数を上回るリターンを上げられているかどうか、確認してみましょう。

比べ方2投資信託のコストを比較する

投資信託には費用がかかることを押さえよう』で解説したように、投資信託には購入時手数料(販売手数料)や信託報酬といった費用がかかります。同じ指数に連動するインデックスファンドを比べる場合は、費用の差が運用成果の明暗を分ける可能性が高くなります。

たとえばポートフォリオの一角の「国内株式」をインデックスファンドで運用する際、東証株価指数(TOPIX、トピックス)に連動する2つの商品があった場合はどうでしょうか。運用の仕組みや得られるリターンは基本的にほぼ同一であるため、費用が安いファンドの運用成果が優位となることが予想されます。

特に信託報酬は、ファンドに投資している間は運用資産から差し引かれる形で支払い続ける費用です。若い世代が老後の資産形成を考える場合など、運用期間が長期にわたる場合ほど、信託報酬が低いファンドを選ぶことが重要なポイントといえます。

アクティブファンドでも費用の確認を怠ってはいけません。しかし、アクティブファンドの場合は、必ずしも運用コストが安いからといって、パフォーマンスが良好なファンドであるとは限りません。もちろん、コストが高いからといってパフォーマンスが良いことが保証されているわけでもありません。コストに見合った運用成果が出ているのかどうかを、しっかりとチェックしましょう。

比べ方3純資産の大きさで比較する

投資スタイルも費用も似たファンドが2つあったときは、資産規模の大きさが判断材料の1つとなります。具体的には「純資産総額」が小さすぎるファンドは選ばない、といった判断基準があります。

純資産総額は、投資家から預かっているお金(投資している資産価値)の合計です。大きいほど、そのファンドの人気が高いというバロメーターになります。

それだけではありません。ファンドマネージャーが預かったお金を分散投資する際に、運用資金が少ないと、十分に分散できず、効率的な運用が難しくなることもあります。そうした場合は、投資家も十分な分散効果を得ることができなくなる可能性があります。

あまりに純資産総額が小さすぎると、運用会社にとってファンドを継続して運用することが困難になるケースがあり、途中で運用をやめる繰り上げ償還の可能性も高くなります。

逆に、ファンドによっては、純資産総額の大きさでファンドのよしあしが決まらない場合もあります。新興企業の株式で運用するファンドなどでは、純資産総額が大きすぎると、かえって機動的な運用の足かせになるといわれています。

このほか、「ファンド・オブ・ファンズ」や「ファミリーファンド」といった仕組みでほかのファンドに投資している場合は、自分が投資するファンドの純資産総額が小さくても、投資先のファンドまたはファミリーファンド全体ではしっかり分散されているケースがあることも覚えておきましょう。

積立投資はリスクを抑える有効手段!

さまざまな資産のリスクやリターン、特徴をつかんで投資のイメージができたら、最後は買い方です。投資信託の買い方は、月1万円など毎月一定金額を買い付ける「積立投資」と、まとまったお金で一気に買う「一括投資」に分けることができます。

投資信託のリターンは、実は「買うタイミング」にも大きく左右されます。いくら運用実績の良いファンドでも、相場が過熱していて基準価額が高いときに買ってしまったら、高いリターンは見込めません。しかし、株価や債券価格が割安なときに買えれば、高いリターンが期待できます。

しかし、高いか安いかの判断は、プロでも簡単ではありません。相場が割安だと思って投資信託を買ったとしても、後から振り返るとその価格がピークに近かった、ということもあります。こうした失敗が大きな傷につながらないよう、投資タイミングを分けてリスクを抑える投資手法が積立投資です。

積立投資は、毎月一定のお金をファンド購入にあてる投資手法です。月1万円ずつであれば、1万円の範囲内で買える分だけファンドを購入します。
たとえば、1個1万円の商品があったとすると、1万円では1つしか買えませんが、9,000円に値下がりすれば、1.1個程度買うことができます。11,000円に上昇したときは0.9個程度しか買えません。

こうして、価格が高いときには買う量を減らし、安いときにたくさん買うことで、平均の購入単価を下げられる効果があります。安ければその分たくさん買えると思えば、目の前で大きく値下がりしても、心理的な不安は小さくなります。
毎月の給与の一定金額を購入にあてる現役世代の長期投資だけでなく、退職金など、まとまった資金を持っている高齢者にとっても買うタイミングを分けることは有効な手法といえます。

まとめ
  • 外国株式や外国債券は「先進国」よりも「新興国」のほうがハイリスク・ハイリターン
  • 迷ったときはプロがポートフォリオを管理するバランス型ファンドを選ぼう
  • 積立投資は時間分散でリスクを抑えられる有効な投資手法

[監修] ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が創立30周年の節目の年を迎えたことを機に、2015年10月1日に社内シンクタンクとして設置。「貯蓄から資産形成へ」の流れが本格化する中、投資家や販売会社(銀行や証券会社)に向けた公正かつ中立的な情報発信によって、資産運用市場の発展に資することをめざす活動に従事している。
編著 「外資系運用会社が明かす投資信託の舞台裏」(ダイヤモンド社)
資産運用の重要性や投資信託の仕組みなどを解説し、「工場見学」のスタイルで運用会社の仕事をくわしく紹介

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