投資信託のリスクとその付き合い方とは?価格変動リスク、為替リスクなどを解説

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これから始める方に、投資信託入門ガイド

投資信託のリスクとその付き合い方とは?

更新日 : 2017年2月22日

少額から購入でき、初心者でも始めやすい投資信託。長期にわたる安定した資産形成を目指すことができる金融商品ですが、値下がりするリスクもあります。ここでは、投資信託を買う前に理解しておくべきリスクとその付き合い方について解説します。

投資信託で押さえておくべきリスクとは?

投資信託を買うときに知っておいてほしい「リスク」。ここでいうリスクとは、「リターン(運用収益)のぶれ」という言葉でも置き換えられます。つまり、リスクが大きいほど、期待リターンに対する実際のリターンは大きくぶれる可能性があるということです。
また、投資信託に限った話ではないですが、投資で高いリターンを求めるならば、その分の値動きのぶれ(リスク)を許容しなければならず、ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターンが大原則となります。

資産(株式や債券)の価格変動リスク

投資信託で資産を運用するときのリスクの大きさを決める要因の1つは「資産の種類」です。『投資信託の種類と特徴について理解しよう』で説明したように、投資対象には主に「国内株式」「国内債券」「海外株式」「海外債券」の4種類があり、それぞれ期待されるリターンとリスクは違います。

たとえば「株式」と「債券」で分けると、値動きが大きい株式のほうが高いリターンを得られる可能性が高い一方で、値下がりするリスクも高いといえます。債券は株式と比べて大きく値下がりするリスクが低い分、得られるリターンも低くなると考えるのが一般的です。

「国内」と「海外」では為替リスクを取っていない「国内」資産のほうがリスクは低く、「海外」資産のほうがリスクは高い傾向があります。
さらに、「海外」の中で見れば、米国や欧州など先進国の株式や債券は、新興国と比較して値動きが安定しています。
新興国は、高い経済成長が見込まれることに加えて、先進諸国よりも金利が高いケースが多く、リスクが取れる投資家であれば投資対象として考えてみる価値はあるでしょう。

リスクを抑えた資産形成のためには、複数の資産や地域に分散して投資することが大切です。
たとえば、ポートフォリオに占める株式ファンドの割合を50%から25%に引き下げれば、株式の価格変動で運用資産が受ける影響は大きく低減されます。このように、幅広い資産や地域に分散投資すれば、高いリターンが得にくい一方で、ポートフォリオ全体の値動きを安定させつつリターンを狙えます。
自分が取れるリスクや期待するリターンの高さをよく考えたうえで資産をうまく組み合わせ、ポートフォリオを作っていくのが望ましいでしょう。

主な金融商品と、リスク・リターンの関係

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資産分散とともに考えたい通貨(為替リスク)の分散

投資信託を買ううえで、「為替リスク」も管理しなければならないリスクの1つです。外国為替市場での円相場の値動きによって、購入した投資信託の価値にも大きな影響を及ぼします。

たとえば、米ドル建ての資産を買うと、円相場の対ドルでの値動きを通じて、基準価額が変動します。円に対して米ドルが高くなる(円安・米ドル高が進む)と、米ドル建て資産を円に換算したときの価値が上がります。
一方で、円高・米ドル安が進むと、値下がりすることになります。

外国為替相場は、各国の経済情勢などで変動します。国内株式や国内債券に投資する場合は直接的に意識する必要はありませんが、海外の株式や債券をポートフォリオに組み入れる際には、為替リスクは無視できません。

また、米ドルやユーロといった先進国通貨と比較すると、新興国通貨は値動きが大きくなる傾向があるので、さらに注意が必要です。余談ですが、新興国の債券に投資するファンドなどには「外貨建て」と「現地通貨建て」の2種類があることに注意しましょう。
新興国が発行する債券には、米ドルなど外貨で発行されるものと、現地通貨で発行されるものがあります。
資産運用に慣れてくると、利回りの高い新興国債券をポートフォリオに組み入れることも考えるかもしれませんが、「外貨建て」か「現地通貨建て」かで、取っている為替リスクは変わり、運用成績にも差が生じることになります。

為替相場の変動で運用資産が大きくぶれないためには、円建て資産を中心にしつつ、米ドル建て、ユーロ建て、新興国通貨建てなど、国内外の資産を上手に組み合わせることが望ましいといえます。
海外資産の比率を高める一方で、為替リスクを抑えたい場合などは、運用成績が為替相場に左右されにくい「為替ヘッジ(円ヘッジ)あり」のファンドを活用するのも1つの手です。

為替リスクとは

資産や通貨の分散に加えて、購入・売却のタイミングの分散も重要

投資信託は、「買うタイミング」によって、購入価格が変わります。理想をいえば、基準価額が安いときに買い、高くなったら売るということになりますが、相場変動を予想するのはプロでも簡単ではありません。

場合によっては、ピークに近い高値水準で買ってしまい、その後、基準価額がなかなか戻らずに大きく損をするケースもあります。大きな金額を一度に集中的に投資し、取り返しがつかない損を抱えないよう、大切なのが「時間分散」の考え方です。

たとえば、100万円の投資資金をすべて一度に投資するのでなく、10万円ずつ10回に分けて購入タイミングを分散していくのが、「時間分散」の考え方です。給与などから一定額を毎月定期的に引き落とし、投資信託を購入するといった仕組みは、積立投資と呼ばれます。

積立投資で毎月同じ金額だけ投資信託を購入する場合は、価格が高いときに購入する口数が少なくなる一方、価格が安いときにはたくさん購入できます。購入価格が平準化しやすくなるため、高い価格のときに一度にまとめて買い、損失が大きくなるリスクを回避することができます。もちろん、この仕組みは売却のときにも有効です。

投資信託の購入を考えている投資経験の少ない初心者においては、資産価格が下がったタイミングを狙って一括で購入するよりも、月々1万円など定額で積立投資をしていくほうがリスクを分散でき、安心して投資をスタートできるのではないでしょうか。

時間リスクとは
まとめ
  • 資産や投資地域の分散を通じて「価格変動リスク」は低減できる
  • 海外資産に投資する場合は、資産分散だけでなく為替リスクも管理しよう
  • 投資タイミングを分けることで、よりリスクは抑えられる

[監修] ドイチェ・アセット・マネジメント 資産運用研究所ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が創立30周年の節目の年を迎えたことを機に、2015年10月1日に社内シンクタンクとして設置。「貯蓄から資産形成へ」の流れが本格化する中、投資家や販売会社(銀行や証券会社)に向けた公正かつ中立的な情報発信によって、資産運用市場の発展に資することをめざす活動に従事している。
編著 「外資系運用会社が明かす投資信託の舞台裏」(ダイヤモンド社)

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