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ガス自由化で何が変わる?

更新日: 2016年4月27日 ガス自由化

ガス自由化で何が変わる?

2017年4月1日から始まるガス自由化

2016年4月1日から電力小売の分野で全面自由化が始まり、私たち消費者が自由に電力会社を選んで、好きな料金プランで契約できるようになりました。実は、電力自由化に続きガスについても、都市ガス小売の全面自由化が始まります。電力自由化が私たち一般消費者の生活に大きな影響を与えたように、ガス自由化によって私たちのガスを取り巻く環境も大きく変わっていくはずです。ガス自由化によってどんなことが起こり、何が変わっていくのかを考えてみましょう。

LPガスはすでに自由化。都市ガスは一般家庭向けも含めて全面自由化

国内で供給されているガスには都市ガスとLPガス(プロパンガス)の2種類があります。都市ガスはガス導管(一般的にガス管と言われているものです)を通じて各家庭にガスが供給され、LPガスは、ガスボンベに詰められた状態で各家庭に届けられます。経済産業省によれば2013年3月時点で、都市ガスを利用している需要家は約2,900万件で全体の約53%を、LPガスの需要家は約2,400万件で約44%を占めています(都市ガスの供給を受ける一般家庭は2,400万件と言われており、LPガス家庭とほぼ同等です)。また、残りの3%は小規模な需要家にガス管を通じてガスを供給する簡易ガス事業者が担っています。

実はLPガスの各家庭への販売についてはすでに全面的に自由化されており、市場の独占や料金規制はありません。都市ガス市場も、1995年から工場などの大口需要家向けを皮切りに徐々に自由化が進められてきましたが、2017年4月1日から始まるガス自由化で、大口・小口といったことに関係なく一般家庭や小さな店舗を経営する事業者も含めたすべての都市ガス市場が開放されることになります。

現在200社ほどある都市ガス会社(法律上では一般ガス事業者とされています)は、かつての電力会社と同様に一定地域の利用者に対して独占的にガスを供給できました。一方、各家庭は、東京中心部にお住まいの方は東京ガス、大阪中心部にお住まいの方は大阪ガスといった具合に、居住地域のガス会社としか契約できませんでした。2017年4月1日のガス自由化以降は、既存の都市ガス会社が独占的に持っていた市場へ自由に新規参入することができます。一方で私たちは地域の都市ガス会社だけでなく、新規参入の都市ガス会社と契約することも自由です。電力自由化がそうであったように、ガス市場でも競争的環境を整えることで、ガス料金が安くなったり、新たなサービスが提供されたりということが大いに期待されるわけです。

なお、新規参入の都市ガス会社は、一定の利用料(託送料金)を支払って既存のガス管を使ってガスを供給するので、新たにガス管敷設工事を行うことはありません。

2017年4月1日からはガス小売事業者に集約。2020年には導管分離も

都市ガス市場には、現在、200ほどの一般ガス事業者、小規模な需要家にガス管を通じてガスを供給する1450ほどの簡易ガス事業者がいます。また、すでにガス自由化が進んでいる工場などの大口需要家向けには、大口の利用者に限ってガス小売を行っている大口ガス事業者(23事業者)や、一定規模以上のガス管を所有して大口の利用者に限ってガス小売を行っているガス導管事業者(15事業者)がいます。

2017年4月1日のガス自由化以降は、これらの事業者はガス小売事業者とガス導管事業者の2種類に集約され、すべての需要家(一般家庭を含めたすべてのガス利用者)は大口や小口といったガス購入量と関係なく、ガス小売事業者からガスを購入します。また、ガス導管事業者は一般と特定に分かれ、大口向けの高圧から家庭向けの低圧までの導管ネットワーク(ガス管網)を維持・運用してガスの供給を行う事業者は一般ガス導管事業者、家庭用の低圧は取り扱わず、中圧・高圧の導管ネットワークを維持・運用する事業者は特定ガス導管事業者となります。

さらに、ガス管網を管理する部門を完全に独立した別会社にして、すべての都市ガス会社が同じ条件で共有できるようにする「導管分離」(電力自由化では発送電分離に相当します)も2022年に実施されることが決まっています。

ガス自由化によって本当にガス代が安くなるの?

工場など大口のガス利用者向けには、すでに1995年からガス小売の自由化が始まっており、30社以上が都市ガス事業に参入しています。2007年の改革ではガス事業者の総ガス供給量のうち約6割が自由化対象となっており、事業者間での競争も激しくなっています。新規参入事業者のシェアは順調に伸び、2007年度は10%、2011年度には17%まで上昇しましたが、その後はややシェアを落とし、2013年度は12%となっています。 なお、都市ガスの原料となるLNG(液化天然ガス)の価格は1998年から2012年にかけてかなり上昇しました。その上昇度に比べるとガス料金は抑えられているなど、ガス自由化の効果と考えられる事例も見受けられており、ガス自由化に対しては一定の評価を得ています。

今回開放される家庭向けの都市ガス市場の規模は2.4兆円とも言われる非常に大きなものですが、ガス自由化によって、既存の都市ガス会社以外の企業もこの市場に新規参入できるようになります。以前から日本のガス代は海外と比べて割高と言われており、エネルギー白書2014によれば、1立方メートルあたりの家庭用ガス代は、日本が1.56米ドル、アメリカが0.41米ドル、英国が0.80ドル、フランスが0.81ドルとなっています(金額は税別の本体価格です)。ガス自由化によって既存の都市ガス会社と新規参入の都市ガス会社との競争が促されることで、私たちのガス料金も安くなることを大いに期待しましょう。

ガスの料金メニューが増える

ガス市場に新規参入する企業には、発電用に大量のLNGを保有する電力会社や石油会社、総合商社などがあります。さらに、異業種からの新規参入や提携なども増えていくはずです。電力自由化では、ガス会社が電力とガスを合わせて割引価格で販売する、いわゆるセット割料金プランが登場しました。ガス自由化の際も、新たなセット割などの料金プランが登場してくるでしょうし、ポイントサービスなどと連携した割引プランなど、各社が工夫をこらしたプランの登場が期待できます。

新たな提携や再編の可能性も

電力市場では、地域独占の大手電力会社は10社しかありませんでしたが、ガス市場では都市ガス会社は200社以上あります。ただし、地域によって偏りがあり、関東地方には90社以上の都市ガス会社が集中する一方で、四国には四国ガス1社、沖縄には沖縄ガス1社という地域もあります。また規模的に大きな違いがあり、関東圏を管轄する東京ガス、関西圏を管轄する大阪ガス、中部圏を管轄する東邦ガスの大手3社で都市ガス販売量の約7割を占めています。一方で、ガス事業便覧2012年版によれば都市ガス会社209社のうち、従業員が301人以上の会社は15社しかなく、その多くが小規模な会社です。また、地方自治体が運営する公営の都市ガス事業者も29社あります。ガス自由化後は、こうした会社の規模に関係なくすべての都市ガス会社が同じ土俵の上で戦うことになり、より上質なサービスの提供や機動性のある経営判断が求められます。大手・中小を問わず、提携や再編、合併などを通じて規模の拡大や競争を勝ち抜く動きが活発化することが予想されます。

LPガスの今後

すでに自由化が進んでいるLPガスは、ガス自由化によってどのような影響を受けるのでしょうか? 需要家数は都市ガスとLPガスでさほど大きな差はありませんが、産業用での需要が大きいため販売量では都市ガスがおよそ65%を占めています(販売量を熱量ベースで換算した数値です)。都市ガスが自由化されると、LPガスが都市ガスに替わってしまうのでは? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、都市ガスを一般家庭で使うにはガス管を敷設する必要があります。電力会社から通じている電線は、ほぼすべての家庭につながっていますが、ガス管は必ずしもすべての家に敷設されているわけではありません。ガス自由化が始まっても、ガス供給のためのガス導管網がLPガスのエリアに急速に普及することは難しいでしょう。また、LPガスはガスボンベとガス機器があればすぐに使えるので、災害時に強いといった都市ガスにはないメリットもあり、LPガスの需要や供給がなくなることは考えられませんが、生き残りをかけて様々な取組みが求められているのは事実です。

すでに自由化が進んでいることもあり、LPガス会社には、ガス自由化の前にいち早く電力会社と提携、LPガスと電力をセットで販売する新しいプランを提供している会社もあります。また、自らが発電や電力小売りに取組んでいる会社もあります。「我が家はLPガスだからガス自由化とは無縁」ということは決してありませんので、ご安心ください。

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