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ガス自由化の海外事例(イギリス)

更新日: 2016年4月27日 ガス自由化

ガス自由化の海外事例(イギリス)

1982年に始まったイギリスのガス自由化の流れ

イギリスでガス自由化が始まったのは1982年のこと。まずは、大口需要家を対象に部分的なガス自由化からスタート、1986年、1992年に徐々に自由化の範囲を拡大し、1998年にはガス市場がすべての需要家に対し自由化、2002年の価格規制撤廃でガスはすべて自由料金となりガス市場は完全に自由化されました。

イギリスのガス自由化の実情

イギリスではもともと数多くの公的なガス事業者があり、ガス委員会の下で12の地域委員会がガスの製造、供給を行っていました。その間、北海で天然ガスが発見され、ガスの原料は天然ガスに転換されていきます。1972年のガス法改正でガス事業は再編され、ブリティッシュガス公社が誕生し全国を統括、北海ガス田のガス購入を独占的に担うことになりました。1982年には一部市場を自由化し競争原理を導入、さらに1986年にガス会社は民営化され、ブリティッシュガス公社はブリティッシュガスとなります。しかし、ブリティッシュガスがガスの生産、輸送、貯蔵、供給のすべてを統合していたことや、ガスの生産者が長期契約による安定した取引が見込めるブリティッシュガスとの契約を優先したため新規事業者の市場開拓があまり進まなかったことなどもあり、期待していたほどの競争は起きませんでした。そのため、1995年の法律改正でブリティッシュガスは再編成され3形態に分割、こうした構造転換を受けてようやく競争原理が働く市場環境が整いました。

ガス自由化後のイギリスの現状

ガス自由化の進展にともない新規のガス事業者も増加、独占的にガスを供給していたブリティッシュガスのシェアは低下し、現在は新規のガス事業者のシェアが年々増加しています。気になるガス料金は、ガス自由化が進んでいくにつれて、産業用ガスも家庭用ガスも下がりました。しかし、2000年以降は世界的に天然ガスを含めた燃料価格が高騰していることもあり、近年はむしろ上昇傾向にあります。

ただし、ガス料金が上昇傾向にあるからといってイギリスのガス自由化がうまくいっていないということではありません。実は、イギリスではガスと電気を一括で申し込む家庭が非常に多いという事情もあり、2012年では67%の家庭がガスと電気を一括で申し込んでいます。一定期間料金が固定されていたり、ギフトカードがプレゼントされたりといったプランが多く、ガスだけの正確な料金の実態が把握しづらいという事情もあります。また、イギリスではガス会社を変更する比率が欧州の中でも相対的に高いことが知られています(2012年で約17%)。こうした、小売事業者を変更する比率はスイッチングレートと呼ばれており、自由化による競争の活性化度合を判断する指標の1つにされています。スイッチングレートが高くなる要因は、「競争力のある自由な料金設定が浸透していること」、「魅力的な料金プランが増えていること」、「サービスの質の向上」といったことがあります。事実イギリスでは、毎月の支払い料金を固定するプラン、支払い料金に上限を設定するプラン、高齢者向けの割引プラン、オンラインで申し込むと割引を受けられるオンライン料金など多種多様な料金プランが登場しています。つまり、スイッチングレートが高いということは、ガス自由化による競争原理の導入が一般家庭に着実に浸透していることを示しています。

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