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ガス自由化の海外事例(アメリカ)

更新日: 2016年4月27日 ガス自由化

ガス自由化の海外事例(アメリカ)

州によってガス自由化度合が異なるアメリカ

アメリカでは、ガスの供給や販売について、国レベルの広域的な制度改革や規制については連邦政府が、州レベルの制度改革や規制については州政府が管轄しています。そのため、ガス自由化への取り組みは州によって様々で、自由化度合は全く異なります。経済産業省発表の資料によれば、2009年時点の数字ですが、州全域で家庭用も含めたガス小売りの自由化を実施しているのは8州しかなく、そのほかの州では部分的な自由化にとどまっています。全面的な自由化に踏み切った8州のうち、ガス会社を変更した比率が1%以上の州が4州、1%未満の州が4州となっています。なお、これまで契約していた小売事業者(今回はガス会社)を新しい小売事業者に変更した比率のことをスイッチングレートと言い、自由化がどの程度活性化しているかを判断する指標の1つです。少なくても4州では、ガス自由化を実施したにもかかわらず、何らかの理由でそれほど活性化していないと考えられます。

カリフォルニア州とニューヨーク州の自由化の流れ

全米で最も多い1000万戸以上の家庭でガスの供給を受けているのがカリフォルニア州。1988年に工場などの大口需要者向けの市場が自由化され、1991年に家庭用を含めた自由化を試験的にスタート、1995年に全面自由化を実施しています。また、全米で2番目に多い、500万戸近い家庭でガスの供給を受けるニューヨーク州では、1983年に大口需要者向けの市場を自由化、段階的に自由化を進めながら2004年に全面自由化されています。実はカリフォルニア州はガス自由化がうまく機能していない州として、ニューヨーク州は自由化がうまく機能している州として評価されています。

ニューヨーク州とカリフォルニア州の違い

カリフォルニア州とニューヨーク州、同じように自由化を実施したにもかかわらず、全く異なる評価となったのは何が原因でしょうか? まずはガス料金をチェックしてみましょう。カリフォルニア州もニューヨーク州も2000年前後から全体的に上昇傾向にあります。ただし、これは世界的に天然ガスを含めた燃料価格が高騰したことが大きな理由と考えられ、2008年以降はむしろ値下がり傾向にあります。

次にスイッチングレートをチェックしてみましょう。ガス小売自由化に踏み切った8州のスイッチングレートを見ると、ニューヨーク州が上昇してきており、近年では20%程度(約90万件)にまで達しています。一方でカリフォルニア州のスイッチングレートは、近年わずかに上がったものの、1%程度(約14万件)に留まっています。

カリフォルニア州のガス自由化がうまく機能していないと評価される原因の1つに、このスイッチングレートの低さがあります。その理由として考えられるのが、マーケターと言われる事業者の参入がニューヨーク州では40社以上ある一方で、カリフォルニア州では1社しかないこと。マーケターとは自らはガス管を持たずに託送を利用してガスの調達や再販売を行う事業者のことで、こうしたマーケターが新規参入してこなければ、競争原理は働きません。ニューヨーク州では多くのマーケターが新規参入し、一般家庭の選択肢も増えましたが、新しいガス会社と従来のガス会社のプランを比較検討しようと思っても、カリフォルニア州のように1社しか新規参入企業がなければ、そういうわけにもいきません。

ガス自由化制度面におけるアメリカと日本の大きな違い

実はアメリカと日本では家庭用ガス小売自由化の考え方に大きな違いがあります。たとえば、カリフォルニア州やニューヨーク州では家庭用も含めたガス小売りの全面自由化となっていますが、実は以下のような一定規模以上の需要家のグループを作ることが前提となっています。

ニューヨーク州:消費量3.5万サーム(約8.2万m3)/年以上の単独の需要家、もしくは消費量5万サーム(約11.7万m3)/年以上の需要家グループ

カリフォルニア州:消費量12万サーム(約28.1万m3)/年以上の需要家グループ

アメリカでは、こうした需要家グループの一員にならなければガスを供給する事業者を選ぶことができません。つまり、一般家庭が1件単位でガス事業者を選択できない仕組みになっているわけです。一方で、新規参入する場合は、ある程度の需要をまとめないと事業を開始できないという事情もあります。日本で2017年4月1日から始まるガス自由化では、住居1件単位でガス会社を選択できるので、こうした前提条件はありません。

価格比較サイトの充実

ガス小売自由化を実施している州では、現在の利用状況を入力するだけで、様々な会社の料金プランが表示される、料金比較サイトがあります。サイト上から利用可能な料金メニューを選べば契約することもでき、多くの家庭がこういったサイトを利用しています。

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