必要な頭金2割はホント!? 住宅ローンと頭金の関係

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2015年9月14日掲載

基礎知識

必要な頭金2割はホント!? 住宅ローンと頭金の関係

かつては「住宅を購入する時の頭金は住宅価格の20%が必要」という目安がありましたが、最近では金融機関によっては住宅価格の全額を借り入れすることができ、頭金を用意することなく住宅を購入することが可能になりました。とは言え、頭金の多少はいろいろな面で影響があります。頭金の金額による返済負担の違いや、頭金を準備する時の考え方などについて見ていきましょう。

頭金は多い方が有利?

毎月返済額や総返済額を抑えることができる

そもそも“頭金”とは、住宅価格の一部に充てる現金のことを言います。頭金を多く用意することができれば、その分、借り入れする住宅ローンが少なくなり、毎月返済額や総返済額が少なくなります。一例として、4,000万円の新築住宅を購入する時の、頭金の違いによる毎月返済額や総返済額の差について見てみましょう。

例1【物件価格4,000万円/30年返済/金利2.0%(完済まで変わらないものとする)
元利均等返済、ボーナス払いなしの場合】
頭金 借り入れ額 返済期間 毎月返済額 総返済額 頭金を含めた
総支払額
差額
1,000万円 3,000万円 30年 110,886円 約3,990万円 約4,990万円 約170万円
500万円 3,500万円 30年 129,367円 約4,660万円 約5,160万円

このように、頭金を500万円多く用意することで、毎月返済額は約1.8万円少なくなります。また、頭金も含めた総支払い額は約170万円少なくなります。

この例でもし毎月約12万円の返済が可能であるなら、返済期間を25年にすれば、ほぼ同水準の毎月返済額になり、頭金も含めた総支払額は約340万円少なくなります(例2)。同じ住宅を手に入れるのにも、頭金でこれだけの差が出るということです。

例2【物件価格4,000万円/金利2.0%(完済まで変わらないものとする)
元利均等返済、ボーナス払いなしの場合】
頭金 借り入れ額 返済期間 毎月返済額 総返済額 頭金を含めた
総支払額
差額
1,000万円 3,000万円 25年 127,156円 約3,820万円 約4,820万円 約340万円
500万円 3,500万円 30年 129,367円 約4,660万円 約5,160万円

毎月の返済額を少なくしておけば、将来収入が減った場合や、医療費や子どもの教育費などで支出が増えた場合、変動金利型などで金利が上昇し返済額が増えた場合でも、対応しやすくなります。

さらに、総支払い額が少なければ、その分を老後資金やその他のライフイベントの資金に使えるということ。このように、返済負担が少なければ、住宅ローン借り入れ後の家計変化への対応や、将来のライフプランにも柔軟に対応できる可能性が高まります。

住宅の売却や住宅ローンの借り換え時にもメリットがある

頭金を用意して借り入れ額を少なくしておくメリットは、毎月返済額や総支払額で有利になるだけではありません。住宅の売却や借り換えもしやすくなります。

上記「例1」の借り入れケースでは、10年後のローン残高は次の通りです。

ローン借り入れ額 10年後の残高
3,000万円 約2,200万円
3,500万円 約2,560万円

仮に10年後、住宅が2,400万円で売れたとすると、3,000万円のローンは売却額で完済できますが、3,500万円のローンでは完済するために約160万円を別途用意する必要があります。
また、ローンの借り換え時には、その時点での住宅の価格が審査されます。もし、「例1」の条件(物件価格4,000万円/30年返済/金利2.0%)で購入した住宅の評価額が10年後に2,400万円だった場合、借り入れ額が3,000万円なら10年後のローン残高は約2,200万円のため「担保割れ」(住宅評価額がローン残高よりも低いこと)にはならず、借り換えがしやすいでしょう。
このように、頭金を多く用意することで、売却時のスムーズなローン返済や、ローン借り換え時の担保割れの可能性を低くすることができます。

頭金なしで住宅ローンを借入れするメリットは?

頭金を多くいれた方がよいメリットは上記のとおりですが、銀行等の民間金融機関の多くは、購入価額全額を借入れすることが可能です。諸費用分も借入可能なところもあります。つまり、頭金なしで、自己資金を出さずに住宅を購入することは可能です。

では、頭金が少ないことのメリットはあるでしょうか?

住宅ローン減税が多くなる

頭金が少ないほど、借入額は多くなります。住宅ローン減税は毎年の年末残高が対象になるため、住宅ローンの残高が多い方が減税額も多くなります。ただし、支払った所得税(住民税の一部も含む)が上限ですから、借入額を多くしても減税額が増えないこともあります。

制度の内容については「住宅ローン減税制度」を参照

実際に、住宅ローン減税を多く取るために、あえて頭金を少なくして、住宅ローンの借入額を多くするという人もいます。ただし、住宅ローン減税で戻ってくるのは年末残高の1%ですから、それ以下の金利で借入れしないとメリットがありません。

また、当初低金利で借入れしていても、金利が上昇し1%を超えてしまえば効果がなくなりますから、その時点で繰上返済して借入額を減らすなどの対策が必要です。

さらに、住宅ローン減税の期間終了後に繰上返済するなどで元金を減らさないと、結局は支払額が多くなってしまいます。

下記の例では、借入額を500万円多くした場合、住宅ローン減税は約40万円多くなる一方で、頭金を含めた総額から住宅ローン減税で戻ってくる金額を差し引いた実際の負担額は、頭金なしの方が多くなっています。

住宅ローン減税を多く取るために借入額を増やす、という目的は、住宅ローン減税の期間が終了した時点で繰上返済できる余力がある人だからこそ効果がるものと言えます。

例【物件価格4,000万円/30年返済/金利1.0%(完済まで変わらないものとする) 元利均等返済、ボーナス払いなしの場合】
  住宅ローン
総返済額
頭金を含めた
総額 (Ⅰ)
住宅ローン減税
10年間合計 (Ⅱ)
住宅ローン減税を差引いた金額 (Ⅰ)-(Ⅱ)
頭金500万円
借入額3,000万円
3,473.7万円 3,973.7万円 250.6万円 3,723.1万円
頭金なし
借入額3,500万円
4,052.6万円 4,052.6万円 292.4万円 3,760.2万円

頭金を貯める前に購入することができる

頭金を貯めていたら何年かかるかわからないという場合、購入価額100%を借入れができるのはありがたいでしょう。

現実的には、賃料を支払いながら、まとまった頭金を貯蓄するのはなかなか大変なことです。貯まるまで待つよりも、住宅ローンを返済していく方が効率的ともいえます。ただし、返済に無理がない範囲の借入れに抑えるべきであることは言うまでもありません。

手持ち資金からいくらを頭金に入れればよい?

手持ち資金から出す頭金の金額を決める時に大切なことは、「頭金をいくらにするのか」ではなく「生活のためにいくら残しておくのか」という考え方です。

不測の事態に備えたお金を確保しよう

失業や病気・ケガなどのリスクに備えて、毎月のローン返済額を含めた生活費の3ヵ月から6ヵ月分程度の現金は手元に確保しましょう。会社員なら、会社の倒産や転職のために会社を離れて収入が無くなった場合、雇用保険の基本手当の受給が始まるまでの間の生活費になります。一方、自営業者の場合は雇用保険はありませんから、会社員よりも多めに現金を持っておく必要があります。

考えられるライフイベントに必要なお金を確保しよう

数年後に車の買替えや、子どもの進学など一時的に大きな支出が予定されている場合には、それらに必要な資金は残しておきましょう。例えば私立大学文科系学部の初年度納付金の平均額は約115万円(※)。500万円の手持ち資金があったとしても、進学費用プラスαの資金を残すとして、頭金に使えるのは350万円程度になります。

貯めてきたお金を頭金として使うのか、手元に残しておくのかは、住宅購入後に予想されるリスクや、ライフイベントに必要な金額を計算して判断するようにしましょう。

頭金準備のイメージ

頭金が多いと住宅ローンの金利が有利になることも

住宅ローン借入時の審査では、年収や勤務年数などの他、返済負担率(年収に対する年間返済金額の割合)や、融資比率(物件価格に対する借り入れ額の割合)が考慮されます。
返済負担率は年収によって変わりますが、一般的には35%以内であることが目安になります。この返済負担率にも頭金が関係しますので、一例を見てみましょう。

<例>年収600万円/物件価格4,000万円/35年返済/審査上の金利4.0%とする

・頭金400万円・借り入れ額3,600万円

年間返済額約191万円÷600万円=返済負担率31.8%

・頭金なし・借り入れ額4,000万円

年間返済額約213万円÷600万円=返済負担額35.5%

この例では、頭金400万円では返済負担率35%の範囲内ですが、頭金がないと返済負担率の上限を超えてしまい、借り入れできない可能性があります。
また、銀行によっては頭金の割合によって金利の引下げ幅が変わる場合があります。例えば、頭金が20%未満の場合は基準金利(店頭金利)から1.4%の引下げ、20%以上の場合は1.5%の引下げと、頭金の割合によって金利引下げ幅に0.1%の差があります。引下げ幅が大きいほど適用金利(実際の金利)は低くなります。頭金の割合による金利引下げ幅と返済額の違いをまとめると次のようになります。

<例>物件価格4,000万円/変動金利(金利の変動はないものとする)/35年返済

・頭金(10%)400万円・借り入れ額3,600万円
適用金利1.075%(基準金利から▲1.4%)

毎月返済額:102,886円 総返済額:約4,321万円
頭金を含めた総支払額:約4,721万円

・頭金(20%)800万円・借り入れ額3,200万円
適用金利0.975%(基準金利から▲1.5%)

毎月返済額:89,959円 総返済額:約3,778万円
頭金を含めた総支払額:約4,578万円

ここまで見てきたように、頭金が多い方が住宅ローンの返済負担が少なくなる、将来の売却や借り換えがしやすくなるなどのメリットがあります。頭金が思うように貯まっていない場合には、家計支出を見直して貯蓄を増やす工夫が必要でしょう。
しかし、頭金が少ないからと言って住宅が買えないわけではありません。むしろ大切なことは、頭金の多少よりも、今後のライフプランを実現した上で、最後までローンを返済できるかどうかです。身の丈にあった借り入れ額なら、頭金にこだわりすぎずに住宅購入を検討してみても良いでしょう。

審査と頭金の解説は「審査に通るのに必要な頭金の額は?」を参照

じぶん銀行 住宅ローン

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