住宅ローン審査

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住宅ローン審査 これだけ押さえれば大丈夫!

住宅ローンを申し込む際には必ず審査を受けなければいけません。ですが、その審査が通るためには準備ややっておいた方がいいことがいくつもあります。何も考えなしに、住宅ローンの審査に申し込む前に、きちんと調べて行いたいもの。住宅ローンの審査のポイントについて住宅ローンコンサルタントの淡河範明氏のコメントを交えてお伝えします。

識者プロフィール

淡河範明(おごう・のりあき)
住宅ローンコンサルタント。日本興業銀行、エル・ピー・エル日本証券を経て、住宅ローン専業コンサルティング会社であるホームローンドクター株式会社を設立。個人購入者の視点から、住宅購入時の資金計画や住宅ローンの選び方を提案する。著書に『うさぎのローン カメのローン』、『住宅ローンを賢く借りて無理なく返す32の方法』などがある

1章住宅ローン審査の基本

住宅ローンの審査を出す前に、きちんと抑えておきたい基本のポイントをまとめました。審査に出す前の注意点や、審査に落ちてしまってから/通らなかった場合のリカバリー術など実践的な内容をお伝えします。

1多数の金融機関に出しても大丈夫?住宅ローン審査時に陥りがちな注意点とは

住宅ローン審査時に陥りがちな注意点のイメージ

住宅ローンを利用する上で、誰もが避けて通れないのが住宅ローンの審査です。でも、はじめてのローンに「どうしたらいいんだろう」と戸惑う人も多いのでは?審査時に陥りがちな注意点をまとめました。

購入したい土地や建物が決まり、いよいよ念願のマイホームを手に入れる!そんな住宅購入の際、大半の人が利用するのが住宅ローンです。

でも、実はこの住宅ローン、借りる金額が大きいだけあって、人によっては審査に通りにくいこともしばしば。申し込みをするには、どんなステップが必要なのでしょうか?

住宅ローンには「事前審査」と「本審査」の2段階審査がアリ!

まず、知っておきたいのが住宅ローンには2つの審査があるということ。
ひとつ目は、自分が欲しい物件の価格や工事請負金額がある程度決まったときに、銀行などの金融機関がおこなう「事前審査」。そして、その事前審査終了後、信用保証会社等がおこなう「本審査」があります。

まず、突破すべきは銀行による「事前審査」になりますが、このときに「申込者の収入、財産状況でその物件を購入できるのか」。また、「銀行から住宅ローンの融資を受けることが可能なのか」「どのようなペースだったら、返済が可能なのか」など、申込者の返済能力と信用力、そして返済プランなどを確認されます。

事前審査に必要なのは、自分の収入状況を証明できる書類(源泉徴収票や確定申告書、決算書など)や印鑑、健康保険証や運転免許証。また、もしも自動車ローンなど別の債務を抱えている場合は、その債務額がわかる書類が必要になります。銀行によっては事前審査で物件の書類の提出を求められる場合があります。

それら資料を元に、銀行側は「完済時の年齢」や年収に占める住宅ローン返済の割合を示す「返済負担率」、現在の会社の「勤続年数」や「年収」、自分が欲しい物件の「担保評価額」、申込者の「健康状態」などを確認します。これらの審査には、だいたい3日前後ぐらいかかると考えておくとよいでしょう。

その審査に通った後、ようやく信用会社による「本審査」がおこなわれます。こちらも同じように、申込者の返済能力と信用力を調査されます。審査に通れば、いよいよ「本契約」へと至ります。

【審査から契約手続きまでの流れ(ソニー銀行の例)】
※2015年1月調べ

通るか不安だからといって、何回も審査に出すのはやめましょう

工程だけみると、そこまで大変そうには感じないかもしれませんが、申込者の状況によっては審査に落ちることも実によくあること。そこで、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに、住宅ローン初心者が申込時の注意点を聞いてみました。

「まず、最初の難関は銀行の事前審査です。でも、実は銀行によって審査の方針は全く違うので、『この人だったら確実に通る!』明確な基準は存在しない。ひとつの銀行では通った審査が別の銀行でも通るとは限らないんです。そんななか、審査時の注意点として多くの人が陥りがちなのが、『複数の銀行に手当たり次第に審査に出す』というものです」

どこの銀行に出せば審査に通るかわからないから、「とりあえずたくさんだしておこう!」と考えてしまいがちなところですが、これが実は落とし穴なのだとか。

「審査のときには、個人信用情報と呼ばれる個人の金融履歴をチェックされます。そこで、審査に出すと審査に出したという履歴がつきます。すると、次に別の銀行へローンを申し込むときに、『あ、この人は別の銀行で審査に落ちたから来たのだろう』と思われてしまい、審査に通りづらくなってしまうんです。『自分の履歴にはまったく問題がない!』と自信がある人以外は、お試しで審査に出してみるというのは避けて欲しいですね」

自分の金融履歴に不安がある人は、個人信用情報を取り寄せよう!

では、自分の履歴に不安がある人は、いったいどうしたらいいのでしょうか?

「自分の履歴を知りたいという人は、自分の個人信用情報を取り寄せて確認してみるのが一番。日本にはCIC、KSC、JICCという個人信用情報センターが3つあります。できれば全部から取り寄せて、自分の過去の履歴をチェックしてみましょう。自分の履歴に自信がある人でも、意外と『携帯電話代の支払いに遅延があった』『レンタルDVDの返済を忘れていた』なんて細かい傷があったりするので、よくよく確認することをおすすめします」

【審査時に有利になる項目一例】

  • 公務員、または正社員である
  • 完済時の年齢が80歳未満である
  • ローンの返済負担率が35%未満である
  • 勤続年数が3年以上である
  • 年収が400万円以上である
  • クレジットカードの返済に遅れたことはない
  • 携帯電話の支払いに遅れたことはない
  • 自己破産などの経験はない
  • 住宅ローン以外の借り入れはない
  • 過去に大きな病気をしたことはない

個人信用情報を取り寄せて、自分の履歴に問題がなければ、いざ銀行へ。

「それでも、審査に出すのは最大3行ぐらいまでにしておいたほうがいいですね。多く出しすぎると、金融機関が警戒して審査するスタンスが厳しくなることがあるからです。」

何百万円、何千万円という巨額なお金を動かすのだから、銀行側は確実に返済してくれる人にしかお金を貸したがらないのは当然のこと。住宅ローンの審査前には、まずは自分の個人情報をしっかり把握することを忘れずに!

住宅ローン審査を出す前に、押さえておきたいポイントまとめ

  • 多数の銀行に審査に出すのはNG
  • 審査に出す前には自分の個人信用情報を確認しよう
  • 審査に出すなら最大3行ぐらいまでにとどめておこう

2住宅ローンの審査に落ちても焦らない!専門家が語る審査に通りやすくするリカバリー術

審査に通りやすくするリカバリー術のイメージ

なかなか通りにくいと言われる住宅ローン審査。いざ落ちてしまったとしても、慌ててはいけません。現状をなんとか改善すべく、審査に落ちたとき/通らなかったときの対処するためには、どんなテクニックがあるのでしょうか。

憧れのマイホームを手に入れるためには、誰もが避けて通れないのが住宅ローンの審査です。でも、いざ銀行に出してみたものの、時には審査に落ちてしまう/通らなかった……なんてこともあるようです。そこで、審査に落ちたときにはどうしたらよいのか、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんはこう話します。

「実際のところ銀行や保証会社がどのような基準で審査しているのかはわからないので、明確な理由を探すのは困難ですが、住宅ローンに落ちてしまう理由は、意外とたくさんあると言われています。借りたい金額に比べて、資産や年収が足りない。これまで借金をしたことがある。まだ返済できていないローンがある……など、考えられる要素はいくつもあります」

審査に落ちた/通らなかったときは、まずその原因を考えてみましょう

では、一度審査に落ちてしまったら、別の銀行に出してももう審査は通らないものなのでしょうか?

「そんなことありません。しかるべき対処策を取ればローンを通すことは可能です。審査に落ちてしまった時、まずやるべきは『審査に落ちた理由』を考えること。だいたいの人は、『自分はなにも問題がないはずだ』と思って審査を出しているんですが、意外と自分が知らないところでなにかしら問題を起こしているケースも多いんです。本人はなにも問題がないと思っていたけれども、よくよく思い出してみると『公共料金の支払いを遅延したことがある』『DVDの返却をしそびれたことがある』など、細かいミスをしていたなんてこともあります。1個なにかあったら、だいたい10個ぐらいはなにか履歴に傷をつけている可能性があると考えたほうがいいでしょうね」

なお、銀行や保証会社が住宅ローンの審査をおこなうとき、その申込者の「個人信用情報」をチェックします。この個人信用情報とは、銀行や貸金業者、クレジットカード会社などが共有している個人の経済履歴のこと。落ちた理由を知りたいときは、自分の個人信用情報を取り寄せて確認するのが一番の早道だとか。

1.審査に落ちた 2.審査に落ちた理由を考える 3.まず個人信用情報を確認

履歴をリカバリーしたいなら、時間をかける&理由を伝えることが大事

そこで気になるのが、対処の仕方。もしも審査に落ちる要因になりそうなことが合った場合、どうやってリカバリーをすればよいのでしょうか?

「まず、一番簡単なのは『待つ』こと。一度個人信用情報に記載されると、新たにその情報が更新されるまでに5年から10年ほどかかります。なので、仮に3年前になにか履歴に傷を残すようなことをしてしまった場合、あと2年でその傷は消えるということ。その場合は、『あと2年待って、そこから新たに申し込みをしてください』とお伝えします」

つまり、だいたいのことは時間が解決してくれるもの。一度審査に落ちたからといって、そんなに気落ちする必要はありません。

「また、過去にミスはおかしたもののその回数が少なかったり、故意ではない場合は、書類提出の際に『なぜそうなったのか』を金融機関側に説明するレターをつけるのがオススメです。たとえば、『一度携帯の支払いが遅れましたが、このときは銀行の口座を切り替えているタイミングだったので、うまく支払いができませんでした。でも、現在は口座がひとつにまとまっているので、そういったミスは起こしません』など、『なぜそんなことになったのか』『今後どうやってその事態を防ぐのか』をしっかり明記して提出すれば、金融機関側の心証も良くなります。もっともウソはダメですけどね(笑)」

新たな「傷」を作らないために、日常生活の見直しを!

さらに、「審査を通す上で、なにより大切なのが『新たな傷』を作らないこと」だと淡河さんは続けます。

「いかに自分が落ちた理由がわかっていたとしても、また新たに借金をしたり、支払いミスなどを起こしてしまっては元も子もありません。自分が落ちた理由がわかったら反省して、また同じことを起こさないためにはどうしたらよいかを考え、しっかりと対処しましょう」

借金体質の人は日頃の生活を改善したり、ついつい支払いが遅れがちな人は引き落としにして未払いを防ぐなどなにかしら手を尽くすことが大事ということ。こういった日々のこまめな努力が、住宅ローン審査を通りやすくする秘訣なのです。

住宅ローン審査に落ちた場合の対策まとめ

  • 審査に落ちたときは、過去の行いを思い出し原因を考えよう!
  • 履歴に傷がついている場合は、ひたすら履歴が消えるのを待つのも一手
  • 傷が浅い場合は、レターをつけて「傷がついた理由&今後の反省」を提出!

3待たされるのは審査に落ちた証拠?住宅ローンの審査期間の目安とは

住宅ローンの利用時に一番緊張するのが、審査結果を待つ間。「普通の人よりも審査が長引いているんじゃないか」「銀行から問い合わせが来たということは、NGなの?」と疑心暗鬼に襲われてしまうことも。審査期間の目安や銀行から問い合わせがあった際の対処法をお伝えします。

住宅ローンの審査を待つ間、「なんでこんなに連絡が来ないんだろう……。ひょっとして書類に不備があったのかも?」などとやきもきしてしまう人も多いかもしれません。そこで、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに、審査期間の目安について聞いてみました。

審査期間は事前審査が1日〜1週間、本審査は1〜2週間が目安

「まず、住宅ローンの審査の過程には、『事前審査』と『本審査』の2つの審査があります。事前審査の場合は、基本的なデータを入力してコンピュータで処理するだけのところも多いので、早ければ数時間から1日。長くても1週間ぐらいで終わりますね。あと、それぞれの金融機関によって見るポイントが少し違うので、銀行よりも信託銀行のほうが審査期間は長いというイメージがありますね」

その審査に通った後、ようやく信用会社による「本審査」がおこなわれます。こちらも同じように、申込者の返済能力と信用力を調査されます。審査に通れば、いよいよ「本契約」へと至ります。

では、続けて本審査はどのくらいの時間がかかるものなんでしょうか?

「本審査はだいたい1週間から2週間ぐらいが普通です。だから、これより審査に時間がかかっている場合は、金融機関側から『あれ、ちょっとこの人にお金を貸すのは不安だな?』と思われて審査が難航している可能性が高いですね」

【住宅ローンの申請の流れと審査期間の目安】

  • 1) 住宅ローン仮審査申込
  • 2) 事前審査(1日〜1週間)
  • 3) 事前審査結果の確認
  • 4) 本審査申込
  • 5) 本審査(1〜2週間)
  • 6) 本審査結果の確認
  • 7) 契約手続き

※銀行によっては異なるケースもあり

少ない頭金や不安定な収入などが、審査を長引かせる要因に?

それでは、金融機関側から難色を示されて審査期間が長くなる場合、どんなケースが該当するのでしょうか。

「まず、わかりやすいところでいえば頭金の額です。たとえば、頭金がなかったり、通常よりも少なめだった人は、金融機関側から『お金を貯められない人』『あまり計画性がない人』と思われてしまいがちです。一度そんな印象を抱かれてしまうと、『この人は税金をちゃんと払っているのかな?』とか『本当に借入負担は大きくないか?』と勘ぐられてしまい、税金や借金水準がそれほど多くないのに、本来だったらスルーされるはずの部分まで疑われて調べられてしまうんです」

また、収入が不安定な人も、審査が長引く可能性が高いとか。

「銀行側からすると、お金を貸すにあたって一番重要な基準は『一定して安定した収入がある人』なんです。たとえば、収入は定期的にあるけれども、3年前の収入は300万円、2年前は150万円、昨年は400万円…といったように、数年間で年収に数百万円単位でのアップダウンがあるような人だと、『なぜこんなに値段が動いているのか』と疑問に思われて、それを検証するのに時間がかかってしまうケースもあります」

そのほか、納税の状況や借金の有無、収入に見合わないやや無理のある返済プランを組んでいる場合など、少しでも金融機関側に気になるところがあれば、追加で書類の提出などを求められる場合もあるようです。

「その際は、追加で国民健康保険などの支払い証明ができる書類や、預金通帳の残高や支払い履歴などの必要書類の提出が求められることも多いですね。だから、審査になにか不安要素がある場合は、事前にひっかかりそうな必要書類や説明を書いたレジュメを審査時に提出するとよりスムーズだと思います」

審査が長引いたり、追加資料の問い合わせが来ても、リカバリー方法はある!

では、「追加の問い合わせが来る=金融機関側の心証が悪い」のならば、審査は通らない可能性が高いんでしょうか?

「問い合わせが来たからといって、必ずしも審査に通らないというわけではありません。本当にダメな人は、事前審査である程度振り分けられてしまいますし、わざわざ必要書類を取り寄せて欲しいなどと言われることもありません。むしろ、追加の問い合わせがきたのは、審査が進んでいる証拠です。そうなった場合、基本的には、先方から『追加で提出してほしい』と言われた書類を揃えて、それぞれ先方の疑問点にちゃんと応えるような説明を用意できれば問題ありませんよ」

また、審査の連絡が数週間待っても返ってこないからといって「これは無理だったかな」と気落ちするのは早計。実は、まったく別の理由で審査が遅れている可能性もあるのだそうです。

「申請者に不安要素があるケース以外にも、銀行などが大々的なキャンペーンをやっているときなどは、当然申請者が多くなって金融機関側も忙しくなりますよね。そんなときは、通常より少し審査が遅くなることもありますから」

審査の結果を待っている身の上としては、金融機関側の一挙一動にどうしてもヒヤヒヤしてしまうところですが、多少審査が長引いても焦らず、どっしり構えて待つことが肝心なのかもしれません。

住宅ローン審査期間のまとめ

  • 審査に必要な期間は、事前審査が1日〜1週間、本審査が1〜2週間ほど
  • 場合によっては、銀行の通帳履歴や雇用証明書など書類提出が必要になるケースも
  • 審査が遅れているのは、可能性がある証拠。焦らず連絡を待とう!

4直前に慌てないために!住宅ローン審査に必要な書類をチェックしよう

住宅ローン審査に必要な書類のイメージ

生涯で一番高い買い物とも言われる不動産物件。金額が高いだけあって、ローンを組むときにはさまざまな確認事項が必要になるため、審査時にはたくさんの書類が必要になります。直前になって慌てないために、審査に必要な書類を紹介します。

住宅ローンの申請時には、さまざまな書類が必要になります。取り寄せる場所も、会社だったり、役所だったり、不動産屋だったりと、モノによってわかれています。スムーズに審査をしてもらうためにも、事前に必要書類を知っておくのはとても重要なこと。そこで、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに、住宅ローン申請時に必要な書類を聞いてみました。

免許書、保険証、住民票。最初に必要なのは、本人確認ができる証明書

まず、必須なのは本人確認ができる証明書。では、どんなものが必要になるのでしょうか?

「本人確認書類は、住所や勤務先など、その人が申請した事実が正しいのかを裏付けのために必要になります。必要となるのは免許証やパスポートなど、本人の写真が入っているものと、健康保険証。健康保険証は勤務先の情報などが入っているので、雇用の証明にもなります。なお、免許証やパスポートがない人は、住基カードでもOKです。あとは、印鑑証明書や住民票など、同じく本人確認できる証明書が必要になります」

なお、発行3か月以内の書類を指定しているところが大半。なので、あまり古いものは使えないのでご注意を!

収入証明の書類は、会社員、会社役員、個人事業主で異なる!

続いて重要なのが、お金回りの証明書。こちらは、自分の勤務体系によって必要となる書類が異なってくるのが特徴です。

「住宅ローンなので、当然自分の収入状況や納税状況を証明できる書類も必要になります。会社員の人であれば、源泉徴収票と住民税決定通知書や課税証明書の原本なども必要になりますね」

一方、個人事業主の場合はどうでしょうか。

「個人事業主で自分で確定申告をしている人の場合は、納税証明書と確定申告書が義務付けられています。この場合、3期分、つまり過去3年分ぐらいの書類が必要になるので、開業してからまだ3年未満の人の場合は、住宅ローンの申請はかなり難しいと考えたほうがいいでしょうね。なお、自分で会社を経営している法人代表の場合は、過去3年分の会社の決算書もあわせて必要になります」

数が多い不動産書類は、不動産屋さんに相談して取り寄せを!

本人確認と収入証明のほか、いよいよ必要になるのが購入する予定の物件に関する書類です。

「不動産関連の書類は、売買契約書、重要事項説明書や間取り図などが入ったパンフレットやチラシ、土地登記事項証明書や建物登記事項証明書、地積測量図など、『どんな場所、どんな物件をいくらで購入するのか』を証明する書類が必要になるため、物件の値段や面積、立地などが記載してある書類の提出を求められます。いろいろ量が多いのですが、たいていのものは不動産屋さんのほうで手配をしてくれるので、あまり心配する必要はありません」

でも、新築物件でまだ図面などの用意がない場合などはどうすれば?

「少なくとも図面と見積書は用意しましょう。建築士などに頼んで暫定版の図面を書き起こしてもらえばOKです。とりあえず現状考えられる予定のものでもいいので、ひとまず審査用に準備してしまうのがいいですね。ただし、金融機関によっては工事請負契約書を締結していなければ審査をしないところもあります」

また、土地を予め持っていて、ウワモノを建てる費用をローンで借りたい場合などは、自分で用意しないといけないケースも多いそうなので、事前にちゃんとチェックしておきましょう。

最初に提示された必要書類以外に、追加で提出書類が発生する可能性も!

さて、ここまで金融機関側に提出するべき書類を紹介してきましたが、実はこれらはあくまで「最低限」の書類。場合によっては、それ以外にもなにかの書類の提出を求められるケースも多いようです。

「まずは、銀行側に申請者がちゃんと雇用されている状態にあるのかどうかを疑われてしまった場合。『本当にその人が就職しているのかを知りたい』などという理由から、勤め先に金融機関から電話をかけるケースもあります。あとは、被保険者証を提出させて、雇用保険にちゃんと入っているかを確認することも。あとは各種支払いの有無を確認するべく銀行の通帳履歴を見せろと言われることもありますし、車やキャッシング、教育ローンなどの借入金などがある人は、借り入れの明細を提出させられることもありますね」

そして、最後に淡河さんが指摘するのが「絶対に審査では嘘をつかないこと」

「ローンの申請においては、金融機関側はあらゆる確度から細かく調査するので、嘘をついてもすぐにバレます。ローンの審査にスムーズに通したいという気持ちはわかりますが、審査に通りたいばかりに嘘をついてもすぐにバレてしまいます。そうなると心証が悪くなって、余計審査に通りにくくなるので注意しましょう」

【マンション購入時の住宅ローン申請時に必要書類一例】
銀行から渡される申込書
  • 個人ローン借入申込書(兼)保証委託申込書
  • 団体信用生命保険申込書兼告知書
  • 個人情報の取扱いに関する同意書
所得証明書
(給与所得者の場合)
源泉徴収票
住民税決定通知書または課税証明書等
(給与所得者で確定申告している場合)
源泉徴収票
住民税決定通知書または課税証明書等
確定申告書
納税証明書
(会社役員で確定申告している場合)
会社の決算書
源泉徴収票(給与所得者の場合)
住民税決定通知書または課税証明書等
確定申告書
納税証明書
(個人事業主の場合)
納税証明書
確定申告書
本人確認書類
  • 印鑑証明書
  • 印鑑
  • 住民票
  • 運転免許書、またはパスポート
  • 健康保険証
不動産関連書類
  • 売買契約書
  • 重要事項説明書
  • 工事請負契約書
  • パンフレット・チラシ
  • 案内図・住宅地図
  • 不動産登記簿謄本
  • マンションの価格表・建築概要
  • 戸建の場合は、見積書

住宅ローン審査 必要書類のまとめ

  • 本人確認書類、収入の証明書、納税状況を確認する書類はマストで必要!
  • 不動産関係の書類は種類が多いが、基本は業者さんにお願いすればOK
  • 場合によっては、当初言われていた以外の書類の提出が必要になるケースも

2章住宅ローン審査項目の解説

住宅ローンの審査で実際に審査担当者が見ているのはどんな項目なのでしょうか?審査担当者がチェックしている項目をピックアップ。一つ一つ丁寧に見て行きましょう。

1住宅ローン審査で最も重要なのは「借り入れ金額の設定」!

借り入れ金額の設定のイメージ

住宅ローンの申し込み時には実にさまざまな決定事項がありますが、そのなかでも最も注意しなければならないのが実は「借入金額」なのだとか。なぜ、審査において借入金額が重要なのでしょうか。

借入金額や頭金の額、返済期間や金利に保証人の設定や銀行選び……。ただ一言に「住宅ローン」と言っても、決めなければならないことは山ほどあります。では、いったいどれを最初に優先して決定するべきなのでしょうか。住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに聞いてみました。

ローン申し込みは「借入金額の決定」にエネルギーの8割を使え!

「住宅ローンを申し込むとき、気にしなければならないことは実際、たくさんあるのですが、私が相談を受けたときに真っ先にいつも確認するのは『借りる金額』『返済期間』『金利』の3つ。この3つさえ間違えなければ、だいたいローン選びに間違えることはないんです。ただ、そのなかでも最も気にしなければならないのは、『借りる金額』なんです」

この「借入金額」を間違えてしまうと、後はどうやっても調整がきかなくなってしまうのだと淡河さんは続けます。

「なぜなら期間はなんとか頑張って調整することも可能ですし、金利だって少し負担を感じるようならば、途中で変更することはできます。ただ、金額だけはどうしても変更できないんです。正直、住宅ローン選びにおいては、この借入金額に全エネルギーの8割ぐらいを使って欲しいですね」

年収200万円でも借りられる?銀行が定める「返済負担率」とは

とはいえ、こちらが借りたい金額を自由に決められるわけではありません。そこで住宅ローンの借り入れ金額の上限を定める重要な指標のひとつが「返済負担率」です。

「返済負担率とは、年収における年間のローンの返済額の割合のことを言います。各金融機関は、貸出のときの目安として独自の『返済負担率』の基準をさだめています。原則的にこの負担率のなかに収まっている人に対しては、あまり年収や会社規模や職業などは気にせずに貸出してくれますね」

そこで気になるのが、返済負担率の具体的数字。いったい銀行はどのくらいでこの割合を設定しているのでしょうか?

「実は、どこの銀行も独自の返済負担率を設定しているのですが、それらはオープンにはなっていません。現状、返済負担率がオープンになっているのは『フラット35』だけ(フラット35・フラット35Sとは?)。『フラット35』の場合は、年収400万円以上の人の場合は負担率35%。そして、年収400万円以下ならば30%と設定されています。ただ、だいたい普通の銀行では、年収が少ない場合には返済負担率は25%前後で設定されていると言われています」

たとえば、年収200万円では「ローンに通らないのでは……」と思って諦めてしまうところですが、年収200万円なら年間50万円までならば返済負担率25%に留めることができます。それならば、2,000万円の住宅ローンはさすがに通らなくとも、500万円の住宅ローンを借りたいといえば通してくれる可能性があるのだとか。

【返済負担率の計算例】

  • 年収500万円、年間のローンの返済額130万円の場合
    130万円 ÷ 500万円 ×100 = 26%
  • 年収200万円、年間のローンの返済額50万円の場合
    50万円 ÷ 200万円 ×100 = 25%

借り過ぎ厳禁 返済負担率の落とし穴に要注意!

年収はあまり気にしなくてもよいという一方で、仮に「借りられるから!」といって返済負担率の上限ギリギリまで借り入れてしまうのは非常に危険だと淡河さんは指摘します。

「実際の返済負担率にもとづいて借り入れをしてしまうのも危険です。というのも、返済負担率が仮に35%で35年ぐらいのローンを組むとすると、だいたい年収の6〜8倍ぐらいまで貸付できることになってしまいます。たとえば年収400万円ぐらいの人の場合、最高3,000万円を超える住宅ローンを組めるという計算になるのですが、実際にこんな割合でローンを借り入れてしまうと、返済がかなりキツくなってしまいますね。なぜなら、毎月返済する住宅ローン以外にも、固定資産税や都市計画税などマイホーム購入にあたっては必要な出費はいくつもあるのに、意外とそれを計算に入れていないケースが多いんです。実家が裕福で親からの支援が得られるとか、貯蓄がものすごくたくさんある……などという特殊なケースでない限り、上限ギリギリまで借り入れをするのは絶対におすすめできません

でも、さすがに銀行側が自分たちで規定している負担率なので、そんなに問題がないのではと思ってしまうのですが……。

「銀行側としては、『この人からは回収できるな』と思ったら、上限ギリギリまで貸し付けて、できるだけ利子や手数料を多く取りたいところ。だから、銀行の言うままにローンを組んでしまうと、返済が大変なことになってしまいます。特に住宅ローンの場合は、銀行側も喜んでお金を貸したがる傾向にあります。なぜなら、家は生活の基盤のひとつだから、どんなに経済的に生活がキツくなってしまったとしても、みんななんとかして住宅ローンだけは必死に返済しようとする。その結果、年収がそこそこ高いために高過ぎる家を購入してしまい、がゆえに、毎月住宅ローンの返済に苦労するという家庭がたくさん発生してしまうんです」

本来は憧れのマイホームを買って幸せになるはずだったのに、逆に家を買ったせいで生活が苦しくなって、不幸せになってしまうとは、本末転倒な話。より幸せな生活を送るためにも、よほど経済的に余裕がない限りは、返済負担率ギリギリまでローンを組むのは避けたいところです。

【意外と忘れがち!ローン以外にかかる出費一例】
固定資産税 土地と建物それぞれにかかる税金
都市計画税 住んでいる地域の都市計画事業に対する税金
団体信用生命保険料 住宅ローンの途中で契約者が死亡、障害になって支払い能力がなくなった場合に備えた生命保険
火災保険・地震保険 火事や地震に備えた保険。地震保険は戸建てのほうが金額が高くなる
管理費・修繕積立金
(マンションのみ)
マンションの管理や修繕に使われる費用。なお、管理費は敷地面積が広いほど高くなり、修繕積立金は築年数が古いほど高くなる

審査項目の解説(借り入れ金額の設定)のまとめ

  • 住宅ローンでは「借入金額」の設定がなにより重要!
  • 借入金額の上限を決める重要な目安が「返済負担率」
  • 返済負担率ギリギリまでお金を借りると返済が苦しくなるので、借りすぎに注意!

2スマホ利用やDVDレンタルが命取りに?信用情報をチェックしよう

信用情報のイメージ

銀行や保証会社が住宅ローンを通すか通さないか決める時、まずまっさきに確認するのが「信用情報」と呼ばれるものです。借金の有無はもちろん、自分でも覚えていなかった延滞や支払い遅延などが明らかになってしまうことも……?

なにかと「通りにくい」という印象がある住宅ローンの審査ですが、そもそも、銀行は何を基準に審査をおこなっているのでしょうか。基本的に銀行などの金融機関が行っている審査の基準が明らかにされることはありませんが、そのなかでも確実に審査時に利用されていると言われるのが「信用情報」です。

「信用情報」とは個人の年収や勤務先や転職履歴はもちろん、これまでに支払ってきた公共料金やローンの金額や支払状況、クレジットカードの利用履歴など、様々な金融履歴が掲載されているものです。

その信用情報を確認することで、銀行などの金融機関は「その人は本当に支払い能力がある人なのか」「日頃から、遅延や未払いがないなど、支払いをしっかりする人なのか」などをチェックします。

審査に落ちてしまった/通らない理由を確認するなら、まず信用情報を見るべし!

「自分は大丈夫だろうと思っている人でも、この信用情報を見てみると、意外となにかしら履歴に傷がついているケースも多いんですよ」と語るのは、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さん。まず、その信用情報はどうやったら自分で確認できるんでしょうか。

「これらの信用情報に、自分の履歴がどんな風に登録されているのかを確認することができる『本人開示制度』というものがあるので、情報センターに連絡すれば、簡単に取り寄せることができます。日本にはCIC、JICC、KSCと呼ばれる3つの情報センターがありますので、これら機関に連絡して取り寄せてください。本人であればそんなに取り寄せる手間もかからないのと、掲載されている情報がまた違うこともあるので、3つ全部から取り寄せることをおすすめします」

方法は、インターネットや郵送。もしくは直接窓口に行って、確認するなど様々な方法があります。情報開示費用も1回につき500円から1,000円程度なので、さほどコストもかかりません。

【信用情報センター】
信用情報センター
申込方法
手数料
シー・アイ・シー(CIC) PC・携帯電話(インターネット開示あり)、郵送、窓口 1,000円、窓口では500円
日本信用情報機構(JICC) スマートフォン・携帯電話、郵送、窓口 1,000円、窓口では500円
全国銀行個人信用情報センター
(KSC)
郵送のみ 1,000円

スマホ代にレンタル代、意外と気づいていない信用情報の「傷」とは?

では、いったいその履歴のなかで、どんなものが審査に落とされてしまう要素になるのでしょうか。

「審査に落とされる『信用情報の傷』みたいなものは、実はたくさんあるんですよ。たとえば、クレジットカードの支払い遅延はもちろん、自動車ローンやカードローンをはじめとする債務の支払い遅延なども減点対象になりますね。あとは、携帯電話やスマホ、公共料金の支払いの遅延や未払いなどは、クレジッド払いになっていれば、当然考慮されますし、レンタルビデオやDVDなどの延滞なども同様です。

また、私のお客さんでも『ちょうど銀行口座の切り替え時期だったから、クレジットカードの引き落としが一度できなかったことがある』『たまたま長期出張に行か無くてはいけないタイミングになって、支払い日当日に振込ができなかった』などのやむを得ないようなケースの人もいましたね」

「そんな些細なことで!」と驚く人もいるかもしれませんが、貸し手側からすれば支払い態度は重要な要素です。そのため、いかになにかしらの理由があったとしても、シビアに判断されることがありますので注意しておきましょう。

【信用情報に記載されていると審査に落ちるかもしれない行動の一例】

  • クレジットカードの支払いを遅延、または未払いにしたことがある
  • 公共料金の支払いを遅延、または未払いにしたことがある
  • カードローン、自動車ローンなど、ローンの支払いを遅延、未払いにしたことがある
  • 携帯電話やスマホ代の支払いを遅延、または未払いにしたことがある
  • 家賃などを滞納、または未払いしたことがある
  • 奨学金を滞納、または未払いにしたことがある
  • DVDやCDなどのレンタルの返却を遅延、または未払いにしたことがある

住宅ローンの審査前には、家族間の隠し事はゼロに!

また、自分自身だけの問題ではなく、家族がらみのトラブルも多いのだとか。

「以前、私のお客さんに自分ではローンを一切借りていないし、クレジットカードもほとんど使っていないという人がいたんです。債務がない人ほど銀行はお金を貸してくれるので、これは大丈夫だろうと思っていたら、いざ調べてみたら、娘さんが勝手に家族カードを作っていて、支払いの遅延がついてしまっていたこともありました。

また、あるときは、クライアントの信用情報を取り寄せてみたら、知らない間に謎の借り入れ履歴が。よくよく調べてみると、旦那さんにナイショで奥さんが旦那さんの名義でカードローンの借り入れをしてた……なんてこともありましたよ」

悪いことはなかなか家族間でも言い出しづらいものですが、信用情報を取り寄せられてしまえば、その履歴次第で一発でバレてしまいます。そのため、住宅ローンの借り入れを考える前には、じっくり家族の間で話し合う必要があるかもしれません。

審査項目の解説(信用情報)のまとめ

  • 銀行が審査に利用する「信用情報」には、個人の数年分の金融履歴が記載されている
  • 信用情報は本人であれば、誰でも取り寄せが可能
  • クレジットカードの未払いから携帯代の遅延までが、審査に落ちる要因に

3住宅ローンの審査に落ちやすい職業、年収、年齢とは?

審査に落ちやすい職業、年収、年齢のイメージ

所得証明書や勤務先など、申込者のことこまかな情報まで調べられるのが住宅ローンの審査の鉄則。では、審査時に有利な年収帯や仕事などの定義はあるのでしょうか?

住宅ローンの申し込み時には、自分が借りたい金額や買いたい物件のほかに、年収、勤続先、勤続年数など、あらゆるプライベートな情報を開示しなければなりません。そこでふと疑問に思うのが、「通りやすい条件の基準」。年収が高くて、大手有名企業に長年勤めていて……というように好条件な人でないと、審査には通りづらいものなのでしょうか?

銀行側の本音は「できればみんなにお金を貸したい」!

しかし、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんは、「必ずしも借りやすい条件というものは存在しない」と語ります。

「よく『高収入のほうがローンの審査に通りやすいのでは』と思っている人が多いのですが、必ずしもその通りとは限りません。年収よりも、むしろ銀行が審査のときに見ていると言われるのは、『返済負担率』。これは、1年間の住宅ローン返済額を年収で割った数字のことです。

返済負担率の割合は35%程度までと言われていますが、大前提として銀行側も利子を稼ぐために、『お金はできるだけ誰にでも貸したい』と思っています。だから、返済負担率ギリギリぐらいまでならば、銀行側もお金を貸してくれると言われていますね」

つまり、大切なのは単純な年収の額面よりは、「年収と返済額のバランス」ということ。

「実際、年収の高さは、ローンの返済においてあまりアテにはならないんですよ。たとえば、年収500万円の人が2人いるとします。1人は毎月ちゃんと貯金をして1,000万円ぐらいの貯蓄がある。でも、一方の人は、1円も貯めていなくて、毎月あればあるだけ使ってしまう。仮に年収だけで判断した場合、この2人の人に同じ金額を貸すことになってしまいます。前者の堅実な人はともかく、後者の散財型の人に貸すのはすごく危ないことですよね。だからこそ、年収だけではなかなか貸付の判断ができないんですよ」

「安定して継続した収入がある」ことが証明できれば、基本はOK

では、申込者の職業は審査には関係あるのでしょうか?

「職業というよりは、雇用形態は重視されやすいですね。やはり会社員より公務員、自営業や派遣社員、アルバイトなどよりは会社員など、安定した勤め先がある人のほうが審査は通りやすいと思います。また、誰も知らない零細企業よりは、有名な大手企業のほうが銀行の心証も良いでしょうね。というのも、銀行側にとって一番困るのは、貸したお金を返してくれないこと。キチンとした勤め先があるほうが、定期収入も保証されているわけですからね。ただ、こちらも特に明確な基準はないし、あくまで安定した収入を得ているので、ちゃんとローンの支払いに滞ることがないと証明できればあまり気にしなくてもいいと思います。

また、勤続年数も長ければ長いほど、『安定している』とみなされやすいです。同じ職場で1年以上働き続けている状態であれば、さほど心配することもないと思いますよ。転職したてや転職回数があまりに多い人は、ちょっと審査に苦労するかもしれませんね」

たしかに今は大手企業に勤めていたとしても、在籍期間がどこも1年未満で転職を多く繰り返して不安定な人よりは、多少知名度のない会社だったとしても長年安定して勤められている人のほうが信頼度は高いというケースもあるはず。「自分は大手勤務だから」と慢心したり、「自分は零細企業勤務だから」とハナから諦めたりせず、自分の状況をきちんと把握してから、審査に臨むことが重要です。

長期間に渡って支払いを続ける住宅ローンは、50歳以上の人は要注意?

そして、もうひとつ淡河さんが指摘するのが「年齢」。年配の人が住宅ローンの申し込む場合は、審査に影響を与えることがあるそうです。

「ローンは何十年単位で継続させる契約なので、年配になればなるほど組みにくくなってしまう。たとえば、いま50歳の人が20年の住宅ローンを組もうとしても、返済が完了するのは70歳になってしまいます。仮にいまは年収が高くて安定していても、10年後、20年後になったときに同じ条件になっているかはわからないし、定年退職している可能性も高い。銀行側にとって一番重要なのは『その頃までちゃんと支払い能力があるのか』なので、資産があるとか退職金が高いとか、なにかしら安心させる要素が必要になるでしょうね。実際、ローンの申込者の年齢を『70歳まで』などと区切っている銀行も多いです」

必ずしも通りやすい鉄板の年収や職業はない一方で、審査に不利になる条件はあるということ。自分の状況を正しく認識し、対策を講じることが、審査に通る決め手だと心しましょう。

【銀行の申込資格の一例】
申込資格
新生銀行
ソニー銀行
年齢 申込時の年齢が20歳以上65歳未満。かつ完済時の年齢が80歳未満 年齢が満20歳以上満65歳未満で、最終ご返済時が満80歳の誕生日まで
所得・勤続年数 連続した就業2年以上、かつ前年度の税込み年収が300万円以上の正社員または契約社員であること 前年度の年収が400万円以上
自営業 自営業の方は、業歴2年以上、かつ2年平均300万円以上の所得(経費控除後の金額)を有すること。 前年度の申告所得が400万円以上
※2014年12月調べ

審査項目の解説(職業、年収、年齢)のまとめ

  • 銀行は年収そのものよりも、年収と返済額の割合(返済負担率)で審査する
  • 非正規雇用よりは正社員、零細企業よりは大手、勤続年数は短いよりは長いほうが有利
  • 年配の人は現在の状況だけでなく、ローン完済時の自分の状況も加味してローンの申込

4中古物件、地元工務店の利用は要注意?住宅ローン審査に落ちやすい物件とは?

住宅ローン審査に落ちやすい物件のイメージ

住宅ローンの審査時、実は購入予定の物件の価値も実は大きく影響を与える要因になります。そもそも物件の価値はどう決まるのか。また、物件と審査の関係性について紹介します。

住宅ローンの審査というと、借りる金額やその人の収入・資産状況ばかりが気になるところですが、実は選んだ物件によっては住宅ローンの審査に影響を与えることもあるのだとか。住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに、その関係性についてこう語ります。

担保評価が低いと、審査に通らない危険性も!

「住宅ローンでは、購入する予定の不動産が借金の担保になります。そのため、『購入予定の物件にどのくらい価値があるのか』という不動産の担保価値が非常に重要になってきます。なぜなら、住宅ローンの借り入れをした際には、銀行はその土地と建物に抵当権を設定します。そうすれば、万が一ローン利用者の支払いができない状況になったとしても、物件が担保になっているので、金融機関側が回収しそびれる危険性は少ないからです」

そのため、銀行や保証会社は「もしその不動産を売ったら、どのくらいの価値になるのか」という担保評価額を審査時の目安のひとつにしているのです。だからいかに収入があって、資産自体もある人だったとしても、その人が購入する物件の担保評価額以上の金額を申し込んだ場合は、なかなか銀行の審査は通りづらいこともあるのだとか。

築年数や平米数、立地のほかに、物件選びで気にすべきポイントは?

では、そもそもこの担保額は誰がどのように決めているのでしょうか?

「担保評価額の決定は、だいたい不動産の鑑定会社に委託されているケースが増えつつあります。ただ、日本の場合は海外とは違って担保評価額の決定基準が意外と曖昧なので、鑑定会社によって提示する金額は結構バラバラです。とはいえ、不動産の鑑定はなかなか手間がかかるし複雑なので、銀行側が自分で調査することもほとんどありません」

担保額を決定するときの要素としては、築年数や平米数、立地などの様子に加えて、ほかにもさまざまなものが参考にされます。

中古物件の場合は、築年数20年以上になると担保評価額がゼロに近くなってしまいます。また、施工会社も意外と大事です。大手の住宅メーカーの場合、担保評価額が高くなる傾向がありますが、反対にあまり知名度のない地元の工務店に施行をお願いした場合は、評価額が低くなってしまうこともあるようですね」

【担保行価額を決める要素一例】

  • 新築物件である
  • 建築基準法や都市計画法に接触していない
  • 保留地の物件ではない
  • 借地権・定期借地権付の物件ではない
  • 不動産の名義は、借入者本人である
  • 施工は大手ハウスメーカーがおこなっている

土地や物件の権利関係や法的規制に接触している場合も、要注意!

また、担保評価額だけでなく、その物件自体が審査に影響するポイントはほかにもあるそうです。

「住宅ローンの借り入れをした人が必ずしもその物件の保有者になるとは限らないので、『仮に物件を購入した場合、その物件の名義は誰になるのか』などの権利状況も重要ですし、ある程度の年数があったら土地は返却しないといけない借地権付の物件だったり、区画整理事業の保留地だったりする場合、中古物件などの場合は現行の建築基準法や都市計画法の規制に接触するようなケースもあるので、そういった物件の場合も、なかなか審査は通りづらいです」

購入する家を選ぶときには誰しも細心の注意を払うものですが、住宅ローンを利用しようと考えている人は、上記のような事情をよく調査し、住宅ローンの審査に通りやすい物件を選ぶのもひとつの手段かもしれません。

審査項目の解説(物件)のまとめ

  • 物件自体が持つ価値(担保評価額)も審査の重要なポイントに
  • 担保評価額次第では、資金計画がバッチリでも審査に落ちる、または申込銀額が減額される可能性も
  • 自分が選んだ物件の使用法、権利関係、法律的な接触がない物件かを確認を

5住宅ローン審査結果に影響アリ!審査に通るのに必要な頭金の額は?

審査に通るのに必要な頭金の額のイメージ

ローンの支払いで最初に払う頭金。頭金ナシでも住宅ローンは組めますし、頭金として支払う金額は購入者の裁量に任せられていますが、これが実は審査に影響を与えている可能性も?

住宅ローンを組むときに、多くの人が悩むのが頭金の支払い額です。多く出せればそれだけ後々のローンの負担は軽くなるけれども、あまりに手持ち金が少なくなるのも怖いので、頭金はほどほどの金額で抑えておきたい……と考える人も多いのではないでしょうか。

最近は、頭金なしでも購入できるケースも増えていますが、頭金の額は審査に影響を与えるのでしょうか?住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんは「頭金の額は、審査に大きく影響を与えます」と語ります。

「銀行側が融資する際に一番懸念しているのは、当然ながら『貸したお金がちゃんと返せるのかどうか』です。頭金をちゃんと用意出来る人は単純に返済金額が少なくなるのでローン返済負担が少なくなるということもありますが、『この人はちゃんと計画的にお金を貯められる人なんだな』という印象を銀行に与えることになります。だからこそ、頭金を用意しておいたほうが、断然審査には有利になります」

頭金1〜2割以上支払えれば、審査はグッと有利に!?

では、審査を有利にするためには、頭金はどのくらい用意する必要があるのでしょうか。

「できれば1〜2割ぐらいを頭金に入れておくのが理想的です。銀行も基本的にはお金を貸したいと思っているので、そのくらい頭金があれば審査で有利になる可能性は高いです」

とはいえ、仮に貯金があっても、家を買うとなるとなにかと物入りだし、万が一の備えも考えると、できればお金は手元に残しておきたいところです。近年増えている『頭金なし』の住宅ローンなどを利用してしまうと、やっぱり審査には不利になってしまうのでしょうか。

「自己資金があるけれども、なんらかの理由で頭金を出したくない……という人の場合は、審査的にはそこまで問題視されません。問題は、自己資金がまったくない人です。家を買おうとする場合、普通は以前からちゃんと準備している人が大半ですよね。それなのに、まったく手持ち資金がないという人は、銀行側からすれば『無計画な人』にしか見えない。だから、銀行側がお金を貸したがらないんです」

もっとも、仮に「貯金がまったくない」というケースでも、ちゃんとした理由がある場合ならば対応も少しは変わってくるのだとか。

「例えば、『親が突然入院してしまって、頭金として用意していたお金を使った』とか、正当な理由がある場合は『この人はちゃんとお金を貯められる人なんだな』と銀行側に思ってもらえます。もちろん嘘はダメですけどね!それに、たとえ少額でも貯金ができない人は、お金はあればあるだけ使い切ってしまうタイプということ。そういう人だと、仮に住宅ローン審査が通っても返済が苦しくて破綻してしまう可能性も高いですよね」

ローン申請を決めるときは、頭金の額よりも金利を気にしよう!

では、あまり手持ち資金がないときは、ある程度お金を貯めてから住宅ローンの申請に臨むべきなのかというと、必ずしもそうではないようで。

「もしも頭金がなかったとしても、計画的な返済プランを立てられるのであれば住宅ローンを組んでも問題ないと思います。もっとも、本当に頭金なしでローンを組むつもりなら、本当に死ぬ気で頑張らないとダメですよ。心を入れ替えて、『ある分だけ使う』という生活から抜けだして、毎日貯金する体質を手に入れられるように意識する必要がありますね」

また、自分の経済観念を高めるということ以外に、淡河さんは、「頭金の有無だけで住宅ローンの申請のタイミングを決めてはいけない」と語ります。

頭金の有無よりも、気にするべきは金利なんです。とにかく、金利が安いときに住宅ローンを組むのが最善です。たとえば、30年で3,000万円のローンを組みたいけど手持ち金がないから、500万円頭金を貯めるまで待つとします。仮に5年間かけて500万円貯めたとしても、もしその間に金利が1%上がったら、それだけで500万円以上返済額が増えてしまうので、せっかく貯めた頭金がチャラになってしまう。だから、金利がいまのように安い場合は、頭金が貯まるのを待たずに審査に出してしまってもいいと思いますし、むしろ金利が高いときは頭金を貯めつつ様子をみたほうがいいかもしれませんね」

頭金の金額は審査に影響を与えるものではあるけれども、もしも金利が低い時代であればなによりまず審査に出すのが得策ということなのです。ただし、いかに金利が安いからとはいえ、審査に出した後はちゃんと心を入れ替えて、お金が貯まる体質になることが重要だということを忘れずに!

審査項目の解説(頭金)のまとめ

  • 頭金は1〜2割用意しておくと、審査に有利
  • 頭金0円の場合は、「なぜ頭金が出せないのか」の理由づけを
  • 頭金よりも、金利が安い高いかに注目しよう!

6高血圧、糖尿病、精神疾患……住宅ローン審査と健康状態の関係

住宅ローン審査と健康状態の関係のイメージ

年収、勤続年数、貯蓄額、借金の有無など、住宅ローン審査時には職種や経済状況ばかりが重視されると思われがちですが、実は審査に通す上で大切な要素として重視されているのが「健康状態」です。はたしてどんな健康状態だと審査に落ちやすくなってしまうのでしょうか?

住宅ローンの審査項目にはさまざまなポイントがありますが、なかでも注意が必要なのが申請者の「健康状態」です。

「住宅ローンは長い年数をかけてコツコツと返済していくものなので、体が資本です。健康状態に不安がある人だと途中で働けなくなってしまうリスクもある。だから、健康状態の良し悪しが、住宅ローンの審査では重要視されるんです」と語るのは、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さん。

糖尿病やガン、高血圧、精神系の病気を持つ人は落ちやすい?

では、いったいどのような健康状態だと、審査に落ちやすくなってしまうのでしょうか?

これに対して「基本的には、団体信用生命保険(団信)に加入できるかどうかが基準になります」と淡河さんは続けます。団体信用生命保険とは、住宅ローンの申請者が万が一死亡、または高度障害状態になってしまったときに、住宅ローンを返済するために入る保険のこと。住宅ローンの申請時には、ほぼ漏れ無くすべての金融機関で加入が義務付けられているのです。

「持っていると団信に入れない病気は、実は結構いろいろあります。風邪程度の軽い病気であれば全く問題ありませが、がんや高血圧、糖尿病、肝炎などの人はまず加入できません。そのほかにも、病気の種類や程度によっては加入できないケースもあります。

しかし一方で、過去に病気を患った人や現在病気を治療中の人の場合は『どういう薬を飲んでいるのか』『どれくらいの回復状況なのか』などを申告し、場合により医師の診断書を提出してその治療状況を説明することによっては審査に通る可能性もあります。また、普通の団信よりも金利が少し高くなりますが、審査基準がゆるい『ワイド団信』や『スーパー団信』などに加入する手もあります」

そして、審査に通りづらいのは、身体的な病気ばかりではないそうです。

「精神系の病気を持っているも、加入が難しいケースが多いですね。一度完治していれば問題ないのですが、『職場復帰はしているけれども、まだ薬を飲んでいる』などという人の場合は団信への加入が難しくなります。ただ、基本的には、『働けるか・働けないか』『収入が安定しているか・安定していないか』『寿命は長いのか・そうではないのか』などが基準になってきます。同じ病気でも人によっては通ったり通らなかったりするため、個人差はあるかもしれませんね」

団信に加入できなかったからといって、諦めるのは早計!

では、団信に加入できなかった場合は、どうなってしまうんでしょうか?

「団信に加入できなければ、銀行系の住宅ローンの申請はほぼ全滅だと考えた方がいいですね。ただ、一部ではフラット35や東京スター銀行など団信の加入がいらない金融機関もあります。この場合、住宅ローンの保証は連帯保証人をつけるようにと言われたり、既存の生命保険でカバーができていたりすれば問題はありません。健康の問題だけで審査を断らないというすばらしい制度なので、ぜひ知っておいて欲しいですね。

また、夫婦で住宅ローンを組む場合で、旦那さんの健康状態に不安があるときは、奥さんだけの名義でローン審査を出してしまうほうが通りやすいですね。2人の名義で一緒に審査に出してみてもいいですが、旦那さんの病気が原因して審査に落ちてしまい、共倒れになってしまうリスクもありますからね」

【団信の加入が任意の金融機関一例】
フラット35を扱う金融機関 団信なしで借りられるが、住宅ローンの保障がないため、遺族に住宅ローンの支払いが残ってしまうため、生命保険などに別途加入が必要
東京スター銀行 同行の提供する「スターフィット住宅ローン」は、団信未加入でも申請可能。ただし団体信用生命保険に加入しない場合は、ローン完済時に75歳以下の法定相続人が必要

つまり、健康上なにか問題があったとしても、審査に必ずしも落ちるわけではありません。「自分は病気があるから、家を買うのは無理」と早々に諦めず、対処法を使ってうまく住宅ローンを利用していきましょう。

審査項目の解説(健康状態)のまとめ

  • 健康面に問題がある人は、住宅ローン審査に落ちやすい
  • 糖尿病やガン、高血圧、精神系の病気などが対象に
  • 団信に入れなかった人も、受け入れてくれる金融機関はある!

3章住宅ローン審査に落ちるケースとその対策

考えたくはありませんが、住宅ローンの審査に落ちるケースもままあります。「まさか自分が?」と思うかもしれませんが、案外見落としているポイントも多いものです。住宅ローンの審査に落ちてしまう/通らないケースとその対策法を解説いたします。

1共働き夫婦や外国人夫婦……夫婦で住宅ローンの借り入れをするときの注意点

夫婦で住宅ローンの借り入れをするときの注意点のイメージ

共働き夫婦が増えつつある昨今、夫婦の共同名義でマイホームを購入するケースも増えてきました。でも、夫婦で住宅ローンを組む場合は、一人で借り入れをする場合となにが違うのでしょうか?その違いや注意点を紹介します。

夫は外で働き、妻が家庭を守る……。そんな家族のスタイルが当たり前だと思われていたのは、もう一昔前の話。現在は、共働き夫婦も珍しくなくない時代に突入しつつあり、夫婦の共同名義で住宅ローンの借り入れをおこなうケースも増えています。

夫婦共同で住宅ローンを組む場合は、お互いの信用情報がクリーンかどうかチェック!

ですが、一方で、「2人で住宅ローンを組もうとしたばかりに審査に落ちてしまうというケースもある」と語るのが、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さん。

「たとえば共働きの夫婦でお互いに所得がある場合、共同名義で住宅ローンを組むのはいいのですが、片方の配偶者がなにか経済トラブルを抱えていたり、信用情報の履歴になにか傷がある場合は、審査に通りづらくなってしまうこともあります。自己破産や多額の借金などはもちろんですが、夫にナイショで奥さんがカードローンの借り入れをしていたり、奥さんの知らぬところで夫が公共料金の支払いに遅延していた……などの些細なことでも審査に影響を与えてしまうので、仮に共同で住宅ローンを組む場合は、少しでも不安がある場合にはお互いの信用情報を取り寄せるなどして、履歴がクリーンかどうかをチェックする必要がありますね」

仮に片方の配偶者にトラブルがあった場合は、もう一人の配偶者だけの住宅ローンの申し込みをしたほうが無難なのだとか。

「また、共働きの夫婦の場合、主債務者が妻の場合には自分の配偶者に保証人を頼むケースもありますが、審査の際には保証人となる人の履歴も確認されるので、その場合もお互いの信用履歴がクリーンかどうかをよくよくチェックしてください」

【共働き夫婦向けのローン例】
ペアローン 配偶者それぞれが別々の住宅ローンを組むタイプのローン。それぞれが独立した住宅ローンを組むことで、ローン控除が両方に適用されるというメリットがある。また、購入した物件の所有権は支払いの比率によって分割される
妻が連帯保証人になる 夫が会社を解雇されたりして支払い能力がなくなったり、ローンの遅延という事態になった場合のみ、妻がその返済義務を負う
妻が連帯債務者になる 夫婦2人一緒に返済していくタイプのローンで、夫婦ともに借入金額全額に対しての支払い義務を負う。契約自体は1本のローンになるため、手数料などは1人分で済む。フラット35などで適用可能

妻単独で住宅ローンを組む場合は、確固たる理由が必要

また、多くの場合は、夫の名義で住宅ローンを申し込むのがまだまだ一般的なので、仮に共働き夫婦であっても、妻が単独で住宅ローンを申し込むと、金融機関から「なんで夫の名義でローンを組まないのだろうか」と不審がられるケースも多いそうです。

「その場合は、『なぜ妻が単独で申し込んだのか』というちゃんとした理由を用意することが重要です。たとえば、『夫が転職したばかりでまだ収入が不安定なので、妻で給与所得者の私がローンを組みます』『夫の健康状態が悪いので、いつ入院するかわからないため、収入が不安なので』など、銀行側が納得できる理由を準備しておきましょう。ただ、その場合、やはりウソをついてもバレてしまうので、夫の転職履歴がわかる書類を見せたり、ちゃんとした病院の診断書を用意するなど、理由を裏付ける書類の用意を」

あくまで、嘘ややりすぎは禁物だと心しましょう!

国際結婚夫婦が住宅ローンを組む場合は、永住権の有無が重要ポイント!

また、最近増えているのが、共働きの国際結婚夫婦で住宅ローンを組むというケース。収入がある配偶者が日本人である場合はスムーズに住宅ローンが組めるようですが、反対に収入がある配偶者が日本人でない場合は、やや審査の基準が厳しくなるようです。

基本的に、多くの金融機関では住宅ローンの借入者の条件に、「日本国籍を持っていること」、あるいは、「日本の永住権を持っていること」をあげています。ただ、最近では永住権のない外国人だったとしても、配偶者が日本人であって連帯保証人になることができれば、住宅ローンの借り入れができる銀行もいくつかあるようです。ただ、その場合「日本での在留期間」「日本での勤続年数」「健康保険の有無」「頭金の有無」など、いくつかの要素を条件として出されるケースも多いようです。

夫婦で借り入れする時の注意点まとめ

  • 共働き夫婦が共同でローンを組む場合、お互いの信用情報をチェック!
  • 妻単独でのローン申し込みは、銀行が納得する理由を用意しよう
  • 永住権のない外国人配偶者がローン契約者になる場合は、日本人の配偶者を保証人に

2銀行が自営業者のローン審査で一番重要視するポイントは、実は「税金未納」?

自営業者のローン審査で一番重要視するポイントのイメージ

経営者やフリーランスなどの自営業者や個人事業主にとって、住宅ローンの審査は鬼門のひとつ。自営業者や個人事業主に対して、銀行はどういった点に注視しているのでしょうか。

ローンの遅延や未払いを引き起こさないため、銀行側が審査時に重視するのが「契約者が安定して継続した収入を得ていること」。そのため、浮き沈みが激しい自営業者や個人事業主の場合は、なにかと審査で苦労することが多いようです。

自営業者の審査で、銀行が最も注意するのは「脱税」の有無

そこで、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに自営業者が審査時に注意するべきポイントを聞いてみました。

「仮に同じ年収だったとしても、自営業者と公務員では扱いがまったく変わってきます。なぜなら、公務員ならなかなか解雇もされないし、安定的に給料を得ることができますが、自営業者の場合はなにかのトラブルで突然収入がなくなるリスクが高い。そのため、自営業者の場合は、銀行の審査において公務員や会社員よりもより厳しい審査を受けることになると覚悟しておきましょう」

では、自営業者や個人事業主が注意すべきポイントには具体的にはどんなことがあるのでしょうか?

まず、審査の際、自営業者や個人事業主の場合は多くの場合3期分の平均所得によって所得額が決定されます。そのため、確定申告書は3年分必要になるので、自営業者が開業初年度から住宅ローンを組もうとしても門前払いされてしまうようです。さらに、この決算書のなかで一期でも赤字決算があると信用度が下がり、審査に落ちる可能性がかなり高くなってしまうので、自営業者や個人事業主の場合、経営状態が3年以上黒字が続いている状態がベストタイミングだと心得ましょう。

そのほかにも、個人の金融履歴となる信用情報はもちろん、事業の安定性や事業開始から何年以上経過しているかなども重要になります。また、会社員や公務員よりも収入の面で安定していない分、頭金はできるだけ多く(最低2割以上)用意しておくほうが審査には通りやすくなるようです。

そして、銀行側が自営業者を審査するときに、最も注意しているポイントは、「脱税をしていないかどうか」だと淡河さんは語ります。

「自営業者の場合、自分で確定申告をするので、税金の処理を適当にやってしまっているケースが結構多いんです。明らかに組織犯罪的な脱税でなくとも、住民税など各種の税金をうっかり払い忘れているような人も、意外と多いんですよ」

自分には悪意はなかったとしても、そうした税金未納ももちろん銀行側からすれば「脱税」ととらえられてしまいます。ちょっとした日頃の不注意が、住宅ローンの審査に悪影響を及ぼしてしまうのが住宅ローンの怖いところ。

【自営業者注目!申し込み前に注意すべきチェックリスト】

  • 3年分の確定申告書がある
  • 3年連続黒字決算である
  • 信用情報の履歴に遅延や未払いがない
  • 納税は毎年きちんとおこなっている(税金未納がない)
  • 収入が安定している(確定申告における差引金額)
  • 物件価格の2割以上の頭金の用意がある

税金未納が発覚!その場合の対処法は「誠意を見せる」こと

では、いざそうした税金未納などが発覚した場合、どういった対処法をとれば良いのでしょうか?

「『なぜ、税金未納がおこったか』『今後、この件について自分はどう対応するつもりか』など、なにかしら説得力のあるストーリーとそれに対する対応策を先方に提示しないといけませんよね。たとえば、住民税を支払い忘れていたとします。そしたら、『うっかりで忘れてました。すみません。今後は気をつけます』というだけじゃ、ダメなんです。ちゃんと『なにが原因で、今後はこういう対処法を取ります』と誠意を見せないと、相手も信用してくれません。

だから、たとえば『自営業者で税理士に頼まず自分で帳簿をつけていて、税金がかからないものと思い込んでいて税金の支払いを忘れていました。でも、今年からちゃんと税理士をつけたので、今後はこのようなことがないように注意します』などと書いたレジュメを、先方に提出する。そうすれば、銀行側も『反省しているようだから、今後はちゃんとするんだろうな』と多少は手心を加えてくれるはずです」

もちろん明らかな脱税や滞納分が数十年にも及ぶ、または確定申告などをちゃんとおこなっていないなどの場合は、もはや論外。きっちりと数年間は税金の支払いを滞り無く収めるなど、健全な経営実績を作っておくことが重要だと心しましょう。

自営業者が借り入れするときの注意点まとめ

  • 個人事業主や自営業者の場合、確定申告書が3年分は必要
  • 銀行側が審査で最も注意するのは、「脱税の有無」
  • 税金未納などが発覚した場合は、誠意をもって「問題点と改善点」を提示!

3「別荘などセカンドハウスの住宅ローンの審査に落ちやすい」は本当なのか?

別荘などセカンドハウスの住宅ローンのイメージ

住宅ローンを利用する多くの人は、住居用の物件を購入するケースが多いかと思いますが、なかには別荘などセカンドハウスとして購入したいという人もいるのでは。そういった場合、住宅ローン審査にはなにか影響を与えるのでしょうか?

「郊外に家を購入したはいいけれども、通勤時間がかかりすぎるので職場近くに安い物件をセカンドハウスとして抑えておきたい」
「休日は趣味のサーフィンを楽しみたいので、海辺に別荘的なセカンドハウスが欲しい」
など、自分が住む住居以外の物件を購入したい場合、普通の住宅ローンの申請でよいのでしょうか?

時には「セカンドハウスだと、使用用途が原因でローンの審査段階で落ちてしまう」という都市伝説も……。そこで、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに、「本当にセカンドハウスだと住宅ローンに落ちてしまうのか」について聞いてみました。

「『セカンドハウスだからお金を貸さない』など、住宅の使用用途だけで住宅ローンの審査落とされるということはほとんどないと思いますよ。もちろん『別荘だ』『セカンドハウスだ』というのはやはり贅沢な印象があるので、普通の住居用よりはローンが通りにくいかもしれません。でも、基本的に『セカンドハウスが欲しい』という人はお金持ちですよね?銀行側としては、できるだけちゃんとお金を借りて返してくれる可能性が高いお金持ちの人にお金を貸したいわけなので、仮にセカンドハウスだったとしても相手がちゃんとしていれば問題ないはずです。むしろ使用用途よりも、返済プランや返済負担率を気をするケースのほうが多いんじゃないでしょうか」

セカンドハウスの住宅ローン申請時は、「もう1軒家が欲しい正当な理由」を準備しておこう!

ならば、あまり気にせずに住宅ローンの審査に出してしまえばいいのかと思いきや、審査に出す際には注意点もあるようです。

「審査に出すときには、なにかしら2軒目の家を購入する理由が必要になります。『新しく買った家が会社から遠くて、通勤が毎日終電始発で辛いので、会社の近くに安い家を買いたい』とか正当な理由を用意しておいたほうが、通りやすいはずです。もちろん嘘はダメですよ。あと、単純に特に理由もなくてセカンドハウスや別荘が欲しいという人もいると思いますが、その場合はまずフラット35を利用することをオススメします。普通の住居のように住宅ローン控除は受けられないものの、使用用途で区別はされないので、セカンドハウスとして購入を考えている場合はとても便利ですよ」

銀行側が嫌がるのは、セカンドハウスを「投資用物件」にされること

そもそもなぜセカンドハウスの購入に住宅ローンが使えないのでしょうか?その理由は、「2軒目の物件は、投資物件として利用されやすいから」だそうです。

銀行が一番嫌がるのが、住居用の住宅ローンを組んだのに、実は投資用物件だったというパターン。住宅ローンは投資物件用のローンに比べて、かなり安く設定されているので、銀行側としては、投資用にもう1軒購入するというのならちゃんと投資用のローンを利用してほしいわけです」

だから、物件の種類によっては、審査に通りづらいこともあるのだそうです。では、どんな物件だと審査にはじかれてしまいやすいのでしょうか?

「たとえばワンルームのマンションだと、『賃貸に回すんじゃないか?』と勘ぐられる可能性があるので、審査に通すにはハードルが高いですね。一方、地方の別荘なんかだと賃貸用の投資物件とみられる可能性がかなり低いので、審査にも通りやすいと思いますよ」

また、そのほかにも「1軒目の近隣に物件を買おう」としている人なども、怪しまれやすいとか。

「たとえば、東京に家があるのに横浜に物件を買うとか、同じマンションに2軒以上物件を買うとか、妙に近距離間で物件を買っている人も危険です。『自宅用に買ったマンションが非常に居心地が良かったので、両親にも買ってあげたい』とか『子どもが大学に行くので、一人暮らし用のマンションを確保しておいてあげたい』とかいろいろ理由もあると思うのですが、やっぱり投資用ではないかと怪しまれてしまうケースが多いですね」

セカンドハウスを購入する際には、ちゃんと「なぜセカンドハウスが必要か」といった理由を用意しておくことが重要。さもないと、投資用物件ではと疑われて、審査に落ちる可能性が高くなってしまうかもしれませんので注意しましょう!

セカンドハウスの住宅ローンの時の注意点まとめ

  • セカンドハウスとしての使用用途より、返済負担率のほうが重要
  • 銀行に「投資用物件では」と疑われぬように注意!
  • マンションタイプや自宅から近距離の物件は審査が通りづらいことも

4「借り換え」の審査は楽勝?住宅ローンの借り換え時の審査の特徴とは

住宅ローンの借り換え時の審査の特徴のイメージ

住宅ローンは一度組んでしまえば、それで終わりではありません。金利は一定ではなく常に変わっていくもの。これまで組んでいた住宅ローンを別の金融機関で借り換えする方法もあります。借り換え時でも住宅ローンの審査に何か特徴はあるのでしょうか。

今組んでいる住宅ローンをもっとお得にできるかもしれない「借り換え」というシステムを、ご存知でしょうか?「借り換え」は、すでに借り入れている住宅ローンの金利など返済プランを見直すことで、新たに住宅ローンを借り直すことを指します。場合によっては、以前のローンのプランより数百万円も総支払額を抑えられるケースもあります。

もし万が一、別の金融機関や別のキャンペーンなどを利用したほうがお得になるのであれば、これを利用しない手はありません。でも、そこで、気になるのが「借り換え」申請時の住宅ローンの審査の特徴です。通常の住宅ローンとは、いったいなにが違うのか。住宅ローンコンサルタントの淡河範明さんに聞いてみました。

借り換え時の審査のポイントは「以前からどれだけ状態が変わったか」

さて、まず気になる審査のポイントですが、淡河さんいわく基本的に銀行が一番重要視しているのは「いかに最初のローン申請時から、申請者の状況が変わっているのか」という点なのだとか。

「特になにも以前の申請時から変化がなく、勤務先も年収も安定している人だったら、ほとんどの場合は問題なく審査に通ると思います。ただ、例えば、『転職して全然違う職種になっている』とか『年収が30%も下がってしまった』とか、大きな変化がある場合は要注意。変化後の状況でも、年収や返済負担率などをはじめ、さまざまな基準を満たしていることが必要になります」

つまり「一度は住宅ローンが借りられた」という実績があるからといって、必ずしも審査が甘くなるわけではないのですね。

年収や職場など状況が変わってなくても、審査に落ちるケースもアリ

また、仮に申請者の状況が変わっていなかったとしても、借り換え時に審査に落ちてしまうポイントがあるそうです。

「借り換えの時の問題点のひとつは、最初に住宅ローンを申請したときよりも、物件の担保評価額が下がってしまうこと。築年数の古さはもちろん、新築が中古になれば価値が下がるのは当然ですが、その結果、物件の担保評価額が下がってしまって、当初予定していた金額で借り換えができないこともあるんです。その場合で借り換えをしたい場合は、新たなローンでカバーしきれなかった分のお金は自分で繰り上げ返済をおこなうなどの対策が必要になりますね」

さらに、住宅ローン以外のローンを複数抱えている場合も、審査にも影響を与えてしまうのだとか。

「住宅ローン以外にも自動車ローンや、教育ローンを組んだりしていて、以前よりも年収に対してローン返済額が増えている場合も、審査でひっかかる危険性があります。もしも共働き家庭の人は、奥さんとの収入を合算して世帯収入を増やして申請するなどの対策を取りましょう」

住宅ローンの支払い遅延がある場合は、借り入れ審査に落ちる危険性大!

そして、借り換えを考えている人が、最もやってはいけないのが「住宅ローンの支払い遅延」

「1年以内に支払い延滞がある場合は、絶対に借り換えの審査には通りません。支払いの遅延といっても、携帯電話や電気料金、水道料金など各種の支払いの遅延が1〜2回ある程度ならば、別に問題ないんです。よくないのは、住宅ローンの支払いに滞りがあること。それはつまり、『この人はちゃんと住宅ローンを払ってくれない人なんだな』という印象を与えてしまうことになりますから。すでに遅延の経験がある人は、とにかく最低1年間は待ちましょう。そして、その期間毎月滞りなくローンの返済ができたなら、借り換えを視野に入れてもいいでしょうね」

借り入れ申請に比べれば、借り換えのハードルは低い一面もあるけれど、「一度は審査に通っているのだから大丈夫」と慢心するのは要注意。場合によっては審査に落ちてしまうこともあるので、不安要素がある人は事前に対策を講じるなど万全の体制で望みましょう。

【借り換え審査前のチェック項目の例】

  • 最初にローンを申し込んだときから、職業が変わった
  • 最初にローンを申し込んだときから、年収が落ちた
  • 最初にローンを申し込んだときから、収入が不安定になった
  • 健康状態になにか問題がある(団信に加入できない)
  • 住宅ローン以外にも、なにかローンを組んでいる
  • キャッシングを頻繁におこなっている
  • ここ1年間のうち、住宅ローンの支払い遅延があった
  • 物件担保額に比べて、借り入れ希望額が高い

借り換えの住宅ローンの時の注意点まとめ

  • 借り換え時、銀行側が一番見ているのは「以前からの状況の変化」
  • 年収が下がったり、ほかのローンが増えている場合は、審査に悪い影響を与えることも
  • 住宅ローンの支払い遅延がある人は、1年間無遅延になるまで借り入れ申請は待とう

5住宅ローンの審査でわざと「落ちたい」のはアリなのか?

住宅ローンの審査でわざと落ちるイメージ

住宅ローンの申請時は「審査に落ちませんように」と願う人が大半かと思いますが、実はごく少数派の意見として「住宅ローンにあえて落ちたい!」という人もいるようです。果たして自分で住宅ローンにわざと落ちることは可能なのでしょうか?

住宅ローンの審査に受かるべく、人はさまざまな努力をするものですが、ごく稀に「審査には出したけれども、できれば通ってほしくない」「審査に落ちるためになにか秘策はないものか」と考える人がいるようです。実際、ネット上で「審査 落ちたい」などと審査に落ちる方法を検索している人も少なくない様子。

落ちたい理由はそれぞれいろいろあるようですが、ひとつには「そもそも家を買いたくなかった」というパターン。これは、「妻をはじめ、家族は家を買うことに乗り気で、物件も探して住宅ローンも申請はしてみたものの……。いざとなるとやっぱりローンを支払っていく自信がない」という声もありました。

ほかには、「一度売買契約は結んだものの、もっと良い物件を見つけてしまったのでそちらに乗り換えたい」「急な転勤が決まったので、一度今考えている住宅ローンの手続きを白紙に戻してしまいたい」などといったパターンも多かったようでした。

住宅ローンの審査に、自分から落ちようとするのは愚の骨頂!

では、実際に住宅ローンの審査にわざと落ちようとすることは可能なのでしょうか?住宅ローンコンサルタントの淡河範明氏にお話を聞いてみました。

「基本的に一度売買契約を結んでしまった場合、ペナルティなしでキャンセルはできませんが、住宅ローンに落ちれば、ペナルティがなくなります。たとえば、審査期間中にキャッシングをして債務を作るなどの履歴があれば、銀行側の心証が悪くなって審査には落ちますよね。そうなれば、ローン特約によって売買契約はすべて白紙に戻され、手付金なども全部返還されます」

でも、「自分から審査に落ちようとするのは愚の骨頂」だと淡河さんは続けます。

「本来であれば、審査に出す前に『本当にこの家を購入していいのか』『住宅ローンを組んでいいのか』をしっかり考えて、一切の後悔がないような選択をするべきなんです。万が一『奥さんなど家族を説得できなかった』などの理由があったとしても、それは審査に出す前に家族内で解決すべき問題ですから。もちろん『急遽離婚が決まってしまった』『突然の出費があって、手付金を回収したい』などやむを得ない状況もあるかもしれませんが、原則として一度住宅ローンの審査に出したものを、わざと落とそうとするなんてありえないですよ」

さらに、仮に住宅ローン審査に落ちてしまえば信用情報の履歴に傷がついてしまうので、次にローンを組もうとしたときにもマイナス要因になってしまいます。

「住宅ローンの審査に落ちた場合、6ヶ月間はその履歴は消えません。小さい傷ではあるのでたいしたことはないと思うかもしれませんが、傷はないに越したことはありません。わざと自分で傷を作ってしまうなんて、本当にもったいないことですよ」

どうしてもキャンセルしたい場合は、素直に違約金を払おう!

では、一度住宅ローンを申請してしまった後、どうしてもローンを組むのをやめたい場合は、どうしたらよいのでしょうか。

「どうしても金銭的な事情などで住宅ローンを取りやめたい場合は、素直に銀行側に申し入れて、申込の取り下げをすればよいのです。住宅ローンの取り下げは違約金はかかりません。ただし、不動産売買契約については違約金を払ってキャンセルさせてもらうしかないでしょうね。ちなみに違約金の相場は、売買価格の10〜20%になります。少なくない額なので、なかには『違約金を払うのはもったいないから、なんとか審査に落ちてキャンセルしたい』という人もいるかもしれませんが、それは絶対にやめたほうがいいです。すでにその人の住宅ローンの審査に向けて、銀行や売主、不動産屋、保証会社の人など、さまざまな人が動いてくれているわけなので、その手間賃としてもちゃんと違約金ぐらいは支払うべきですよね」

一度は申請したものの、「やっぱり別の物件が良かった」「ローンを払う自信がない」と迷ってしまうケースもあるかもしれません。でも、だからこそ、住宅ローンの申請前にしっかり「本当にこの物件でいいのか」「本当にこのプランでローンを組んでいいのか」を考える必要があるわけで、万が一キャンセルせざるを得ない状況になってしまったとしたらそれは自分の過失。間違っても「わざと審査に落ちたいから」などと裏工作をするのは、やめておくことをオススメします。

【住宅ローン キャンセル時に発生するお金一例】
違約金 売買契約不履行による違約金。住宅売買価格の10〜20%が相場
手付金 買主側の都合でキャンセルになった場合は、売主に手付金は没収される
仲介手数料 通常、銀行の審査に通らなかった場合は発生しないが、買主側の事情で契約不履行になった場合は、業者によっては仲介手数料が請求されるケースも。売買契約時の書類に仲介手数料についての記述があるため、支払いの有無は不動産業者と協議して決める必要性がアリ

住宅ローンにわざと落ちるのまとめ

  • 一度出したローンの審査に「落ちたい」と考えるのはNG
  • キャンセルしたい時は、違約金を払って契約の解消を
  • 後悔しないように、ローン申請前にはじっくり熟考を

6審査に甘い、審査に通りやすい銀行は、本当に存在するの?

審査に甘い、審査に通りやすい銀行のイメージ

住宅ローンの審査基準は、各金融機関によって異なると言われています。少しでも審査に通す可能性をあげるべく、できれば審査を通してくれやすい銀行に申請しておきたいところ。では、「住宅ローンの審査に通りやすい銀行」は本当に存在するんでしょうか?

住宅ローンの審査においてまことしやかに囁かれている「審査が甘い銀行」、「審査に通りやすい銀行」の存在。はたして、「審査に通りやすい銀行」はあるのでしょうか?住宅ローンの専門家に伺いました。

「あの銀行は審査が甘い」は完全なる都市伝説 !?

住宅ローンを申請する上で、避けて通れないのが金融機関選びです。住宅ローンを組む上で都市銀行から地方銀行、信用金庫までさまざま金融機関が存在しますが、ほとんど同じ条件で審査に出しても、審査に通してくれる銀行もあれば通してくれない銀行もあり……。せっかく出すならなんとしてでも審査に通したいところですが、はたして、「審査に通りやすい銀行」はあるのでしょうか?

ところが、この問に対して「『審査に通りやすい銀行』は少ないのですがあります。しかし、誰でも利用できる訳ではありません」と語るのが、住宅ローンコンサルタントの淡河範明さん。

「よく『○○銀行は審査に厳しい』『△△銀行は審査に甘い』などという噂を聞くこともあるでしょうが、これは気にしないほうがいいですね。福岡銀行や三井住友トラスト・ローン&ファイナンスなど、個人信用情報にキズがあるようなケースでも、それだけで審査ではねないところはありますが、取扱い地域が限定されていたり、頭金を30〜50%必要であったり、金利が高くなったりします。つまり、ほとんどの場合、利用できないのです。ただ、まったくの都市伝説という訳でもありません

なぜ「あの銀行は審査が甘い」という噂が?

でも、火種のない所には煙は立たずとはいったもの。いったいどうして、こうした噂が流布してしまうのでしょうか?

「ひとつには銀行業者側が住宅ローンの申込者を増やしたいがために、自分たちで『うちの銀行は審査が甘い』と触れ回っているということ。実際、私自身、営業担当者が『うちは審査が甘い』と言っていた某銀行にクライアントを何回か紹介したのですが、他社と比べてみても審査が楽だという印象は全くありませんでした(笑)。

でも、よくよく考えてみれば、業者側は自分の銀行の基準は知っていても、他行の審査基準は厳密には知らないはずなのでそんなに簡単に比較ができるわけがないんです。つまり、世に氾濫する『あの銀行は安い』という噂は、あくまで銀行側のセールストークに背びれや尾ひれがついた結果なんですよね」

そして、もうひとつ巷の噂を信じないほうがよい要素として淡河さんがあげるのが、「銀行によって住宅ローンの審査基準が大きく変わる」という点。

「銀行に申請を出す前に、インターネットなどで『銀行 審査に甘い』などと検索したりする人も多いと思いますが、そこの検索結果にあがってきたものをみてもほとんど信ぴょう性はありませんね。なぜなら、銀行によって審査の基準は違いますし、その審査内容は公表されていません。だから、検索するだけ無駄なんです。ただし、金融機関単位ではなく、支店長等の権限がある人に相談して納得してもらって、審査が何とかなる、ということは現実的に起こっています。これも、絶対的なものではありません。ツチノコよりは出会えるとは思いますが、宝くじのようなものでしょうか」

過去の成功事例が、万人に通用するとは限らない?

一方で、インターネット上などで「この銀行にはこういう条件で通った!」という成功報告が寄せられていることもありますが、すでに成功事例があるこうした情報については信用してもいいのでしょうか。

「ネットの掲示板などでもよく『私は○○銀行に、こういう条件で通りました』『私は△△銀行に、こういう条件で落とされました』と自分の申請時の条件などを提示している人もいますが、これもあまりにもケースバイケースなので、他人の成功事例を参考にするのはあまり役に立たないと思いますよ。なぜなら、『その人のどの条件を見て、審査の可否を決めたのか』は銀行側にしかわからないから。

素人目には収入や借り入れしたい金額など一見条件は同じような2人なのに、1人は審査に通ったのにもう1人は落ちる……なんてことはザラにありますよ。こればかりは、審査には出してみるまでどうなるかがわからないので、下手な事前情報を鵜呑みにして『この人は大丈夫だったなら、私だって似たような条件だから大丈夫』などと過信せずに慎重に審査に臨んで欲しいですね」

銀行はブランドで選ぶよりも「自分にはどんなローンが最適なのか」を考えよう

でも、噂も頼りにはできないとなると、数多ある金融機関のなかでどうやって銀行を選べば良いのか気になるところです。

「銀行選びの際は、銀行のブランドを気にするより、純粋に『自分にとって必要なローンは何か』を考えるのが一番です。たとえば、金利の安さなどももちろんですが、『自分は繰り上げ返済がタダでできるところがいい』とか『保障内容が柔軟なところがいい』といった条件が出てくるはずなので、それに見合うローンを探すほうが先決ですよ」

「あそこの銀行は審査が通りやすいらしい」といったような根拠のない噂に振り回されるのではなく、まず自分が選ぶべきローンをしっかり見定め、条件にあった銀行を探すこと。それが自分にあった銀行選びの秘訣なのです。

審査に甘い、審査に通りやすい銀行のまとめ

  • 「審査に甘い銀行がある」という都市伝説は、実は適用できないことの方が多い
  • 銀行によって審査基準は違うので、他人の成功事例は鵜呑みにしないこと
  • 銀行選びは、銀行のブランドよりも自分の条件に合うローンがあるか・ないかを基準に

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住宅ローン 審査 借り入れレポート

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住信SBIネット銀行 住宅ローン の借り入れレポートより

手続きも提出資料が少なく、事前審査は15分程度でOKの返信メールが届き、本審査も約1週間でした。審査要件をクリアできるのであれば、長期の固定金利を考えた場合、手続きも含めてこれ以上の条件のローンはないように思います。

5

夫婦と子供・一戸建て

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銀行に出向かずに審査が完了できる便利さ、固定金利であること、諸費用を安く抑えられたこと、繰り上げ返済にコストがかからないところ、手続きが郵送と電話メールで完結できたところが満足しています。

3

夫婦・一戸建て

ソニー銀行 住宅ローン の借り入れレポートより

審査がネットだけで出来て便利。ネット銀行なので、ネットや電話のやりとりのみで店頭に行かなくても全てが済むのでとても楽。

4

夫婦・マンション

三菱東京UFJ銀行 住宅ローン の借り入れレポートより

決め手は、金利が低くなったため返済期間が短くなり、諸費用を差し引いても総返済額を下げることができたこと。諸費用は、相場と比べてもあまり変わらないのかもしれないが、借り換えのメリットを生かすためには、もう少し安くしてほしい。審査対応、スピードは特に問題なし。支店の方には休日も対応してもらった。

3

男性・マンション

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初めての経験でとまどうところもかなりあり、手続きの流れで物件を管理している不動産会社からの紹介のローン会社があったので、特に他との比較はせず、審査を通しやすいという観点でこの住宅ローンを選ぶことにしました。

2

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3

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