
大人になってから弾いてみたい楽器のNo.1といえば、やっぱりピアノでしょう。「小さい頃に習っておけばよかった!」ということで、お子さんに習わせるケースも多いこの楽器の選び方を、電子ピアノを例に解説します。

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取材協力
お茶の水 下倉楽器
LM楽器販売
鈴木 潤さん |
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ピアノを習ってみたいけど、住宅の事情で大きなものは置けない。また、マンションやアパートに住んでいるのであまり大きな音が出せない。こうした方は少なくないだろう。でも、電子ピアノならこうした問題にも対応できる。本物のピアノと比べてコンパクトで場所を取らないうえ、ボリュームが調整できるので近所迷惑にもならない。また、ヘッドホンをつけての練習もできるので、夜間でも練習することができるのだ。気になる鍵盤のタッチや音色も、今の電子ピアノはかなり考えられていて、本物のピアノの感触にかなり近くなっている。そのため、クラシックの練習においてもさほど違和感はないし、アップライトピアノやグランドピアノに慣れているという方でも、すんなりなじめることだろう。こうしたさまざまな理由から、電子ピアノは、楽器の中でも人気の高いジャンルとなっているのである。
しかし、電子ピアノとひとくちにいっても、そのグレードも種類もさまざまだ。値段にもだいぶ開きがある。そこで、まずは、電子ピアノの種類をざっと整理しておこう。
| 代表的なシリーズ |
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ヤマハ「Clavinova」、カワイ「CA/CN」、ローランド「HP」、カシオ「CELVIANO」、コルグ「CONCERT」 |
| 価格帯 |
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10万円〜30万円 |
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電子ピアノの中でも、本物のピアノの雰囲気をそのままに仕上げた高級製品が、このタイプ。ボディに本物のピアノと同じような木材を使用し、見た目には電子ピアノとわからないようなものも存在する。どっしりと構えたボディで重量もあるため安定感があり、激しく鍵盤を叩いてもびくともしない作りが特徴。キータッチやペダルのタッチも、本物のグランドピアノに近く作られており、電子ピアノとしては重めのタッチのものが多い。音色についても、単純に音を「発音する」というだけでなく、ペダルを踏んだときの共鳴感などまで再現できるものが多く、本物のピアノとほぼ同等の質感を持った製品といえるだろう。価格にはだいぶ開きがあるが、これはボディに使用している材質などによるところが大きい。高級製品は、本格的なレッスンを受けたい人向け。10万円台くらいの製品でも、ピアノ初心者なら問題ないだろう。
| 代表的なシリーズ |
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ヤマハ「Pシリーズ」、カワイ「PELRA」、ローランド「FP」、カシオ「Privia」、コルグ「SP」 |
| 価格帯 |
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4万円〜12万円 |
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設置性を考え、スタンドを別にしたキーボードのような外観が特徴。使うときだけ設置したり、外出先に持っていくことも可能だ。たいていの製品はスタンドやペダルが別売となっており、ちょっとしたテーブルなどの上に載せて演奏することもできる。本体も軽くできており、重厚感はないが、音色などに関しては、かなり本格的なものが採用されているため、演奏する上での問題はまったくないといえる。キータッチは、据え置き型のものに比べると軽めなので、長時間の練習でも疲れにくいのも特徴だ。価格も安いので、初めてピアノに触れるという方から、住宅事情的にあまりスペースを割けないという方に最適のモデルといえる。
| 代表的なシリーズ |
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ヤマハ「PORTATONE」、ローランド「V-Synth」、カシオ「CTK」、コルグ「TR」 |
| 価格帯 |
: |
1万円〜30万円 |
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ピアノと同様の鍵盤楽器であるため、電子ピアノではないが、購入の際に比較検討の対象になりやすいのが、キーボードやシンセサイザーだろう。電子ピアノとの最大の違いは、鍵盤の数。電子ピアノと呼ばれるものは、通常のピアノと同じ88鍵を基本とするが、キーボードやシンセサイザーではフル88鍵を持ったものは少ない。そのため、ピアノとまったく同じ演奏は行えないと思った方がよいだろう。なお、キーボードの中にも一部、電子ピアノに近いタッチを持ったものも存在する。電子ピアノと同様の演奏性を持ち、音色は電子ピアノよりもはるかに多く、機能も豊富なため、場合によってはこうした製品を選択するのもよいだろう。

電子ピアノを選ぶ際にもっとも重要な要素がキータッチだ。全般的には、本格派の据え置きタイプは、グランドピアノなどに似せた重めのタッチを採用しており、コンパクトタイプは軽めのタッチを採用しているが(鍵盤の材質にもよる)、メーカーによって微妙に味付けが異なるため、購入の際には、必ず店頭などで試奏させてもらったほうがよいだろう。重めが好きな人、軽めが好きな人、それぞれの好みもあるが、あまり本格的な重めのキータッチの製品を購入してしまうと指が疲れやすくなることもあるので、自分にあったバランスのいいタッチを選ぶようにしよう。
電子ピアノは、電気的に作られた音を発音するため、構造的にはどんな音でも発音することができる。ただし、キーボードやシンセサイザーのように、数百もの音色を搭載していることはなく、あくまでもピアノとして使用するための音色を中心に、搭載しているものがほとんどだ。どの製品も、本物のピアノの音をサンプリングして音色を作っているが、その内容は機種によってマチマチだ。もっとも標準的なピアノの音だけでも、メーカー・機種によって音色が異なるので、実際の音をいろいろ試して聞いてみて、自分の好きな音色がきちんと再現できるかどうかは確認しておきたいところだ(音色は多ければいいというものではない)。
電子ピアノには同時に出せる音に限界がある。本物のピアノならどんなにたくさんの鍵盤を叩いてもそれだけの音が出せるのだが、電子ピアノの場合は、同時に出せる音の数(発音数)が、機種によって異なる。本格派の製品の場合、本物のピアノと同じくらいの発音数(ペダルを踏んだときの音は別にカウントする)を持ったものが多く、多いものでは鍵盤の数より多い100以上というものまで存在する。これだけの音を同時に出すことはまれだが、余韻を残した残響音の表現などで差が出てくる部分なので、もちろん多いに越したことはない。ただ、ピアノ初心者の場合、最低でも32程度の同時発音数があれば、こと足りると思われる。
電子ピアノは電気的に作られた音をスピーカーを通して外に発音する機械だが、音というものはスピーカーだけで鳴らすものではなく、周囲の共鳴も利用しながら音場を作っていくものだ。そのため、ボディの素材に、本物のピアノに近いウッド材を使っているもののほうが、本物に近い「鳴り」を実現することができる。多くの電子ピアノはプラスチックなどの樹脂でできているが、高級製品になると、本物のピアノと同じ木材を使ったものも存在する。また、鍵盤も素材に木材を使っているもののほうがよりリアルなタッチになることは間違いない。このほか、足で踏むペダルの作りなども重要な要素になる。長く使うものであれば、こうした要素も実際に試奏して確認したほうがよいだろう。
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