大人だからこそ味わえる楽しみがある この夏取り組む「大人の工作」

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大人のこだわり!編 真空管アンプ・スピーカー作りにチャレンジ

大人のこだわり工作として外せないのが「自作オーディオ」でしょう。アンプやスピーカーの自作はちょっと敷居が高いと感じるかもしれませんが、キット品を利用すれば手軽に本格的なオーディオ工作を楽しむことができます!

アナログ機器の魅力を存分に味わえる「真空管アンプ」

真空管アンプ自作キット「TU-870」

イーケイジャパン「エレキット」シリーズの真空管アンプ自作キット「TU-870」。電力増幅用の5極菅と、電圧増幅用の3極菅の複合菅となる「6BM8」という真空管を採用し、20,790円という購入しやすい価格を実現。真空管アンプの自作入門に最適の製品だ。写真はオプションの真空管プロテクタを装着したもの

「真空管アンプ」という言葉を聞くと、何だか古臭い機器をイメージする方もいるかもしれない。そもそも真空管とは、真空状態のガラス管の中に、電熱線と電極を収めた電子管のことで、トランジスタが登場する以前に、主にテレビやラジオなどの機器の中で、電流を増幅・整流を行うために利用されていた。半世紀以上前の技術で、最新の電子機器に搭載されているものではない。


デジタル技術が全盛となり、音楽をデジタルソースで聴く機会が圧倒的に多くなった現代において、あえて前時代的な真空管を使う必要はないと感じる方も多いことだろう。しかし、音にこだわるオーディオマニアの間では、真空管はいまだに根強い人気を誇っている。


その大きな理由は、真空管アンプ独特の音質にある。物理的な特性は、半導体を使用したアンプのほうがはるかに上だが、真空管アンプは、やわらかく暖かみのある音色で、クラシックやジャズなどのアコースティック系ソースを表現力豊かに再生したい場合に向いている。使用する真空管によって微妙に音質が違ってくるのも特徴で、好みの音色の真空管を探すのも面白い点だ。

むき出しの真空管がやわらかく光る姿

真空管アンプは、部屋のインテリアのアクセントとしても最適だ。通電した際に、むき出しの真空管がやわからく光る姿は、非常に美しく、幻想的な雰囲気さえ漂う

真空管アンプは、オーディオ機器の中でもマニアックな製品であるが、実は最近、ちょっとしたブームになっている。メーカーがしっかりとチューニングを施した組み上げ品のニーズも高いが、やはり、音質にこだわって設計できる「自作」が注目を集めている。

ただ、回路設計や真空管の選択など、初心者の方が真空管アンプを完全自作するのは難しい。そこで利用したいのが、真空管のほか基盤、電子部品、ケーブル、筐体などが同梱された組み立てキット品である。決して製品数が多いわけではないが、複数のメーカーが製品を提供しているし、2〜3万円の手ごろなものから、10万円を超える本格的なものまでラインアップの質は充実している。どのキット品も実績のある真空管が採用されているので、コストパフォーマンスの面でもすぐれている。まずは、こういったキット品で真空管アンプの世界を体験してみてはいかがだろうか。

ただ、真空管アンプにもデメリットがある。半導体を使ったアンプと比べると、消費電力が高いという点がひとつ。電源を入れてから音が出るようになるまで少し時間がかかるし、ロックなポップスなどで高音域・低音域をドンシャリ鳴らしたい場合は、やはり最新のデジタルアンプのほうが向いているといえる。しかし、真空管独特のやわらかい音質は、デジタルアンプでは絶対に味わえない。特に、最近のデジタル機器のシャープでクリアな音質に慣れている方であれば、真空管アンプの音を、より新鮮に感じるはずだ。

半田ごてを使用

真空管アンプを組み立てるには、半田ごてを使用してコンデンサーや抵抗などを基盤に半田づけする必要がある。半田づけにはやや慣れがいるが、自分で作り上げたアナログ機器から音が出ると、ちょっとした感動を覚えるはずだ

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徹底的に音にこだわりたいならスピーカーも自作したい

真空管アンプのほかにも、オーディオ機器の自作で人気が高いものがある。それは、スピーカーだ。音にこだわるのであれば、スピーカーは、オーディオ機器の中でもっとも重要なデバイスであるのは異論のないところだろう。スピーカーの自作は、メーカー製品にはないオリジナルの設計で、自分好みの音が出るように仕上げられるのが魅力。音にこだわるオーディオファンにとって究極のホビーといっても過言ではない。

スピーカーの自作は、おおまかにいえば、スピーカーユニットの選択と、エンクロージャー(外箱)の制作の2つに分けられる。ツイーターやウーハーを利用した2Way/3Wayシステムの場合は、低音と高音のバランスを取るために、ネットワーク(コイルやコンデンサーで周波数帯域を分割する回路)の設計も必要となる。

文章でまとめてしまうと、それほど難しくないように思えるかもしれないが、スピーカーの自作はかなり奥が深い。ユニットひとつにしてもさまざまなメーカーから多くの製品が用意されているし、エンクロージャーの設計においては、密閉型、バスレフ型などいくつかの型があって、どれを選択するかで音が変わる。加えて、エンクロージャーに使用する木材によっても鳴りが異なってくる。作ること自体はそれほど難しくないが、自分好みの音にチューニングすることが難しく、オーディオに関しての造詣が深くない人が、いきなりスピーカーを設計し組み立てても、低音の響きが弱くなったりして満足いくものに仕上げるのは難しいだろう。確かに、何回もの自作を経験して、徐々に自分の音に近づけるのが面白いという面もあるが、初めてスピーカーを自作するのなら、真空管アンプと同様、安心して組み立てられるキット品を利用するのがよいだろう。

自作スピーカーキットでは、日本ビクターが2007年2月に発売した「SX-WD5KT」が注目を集めている。SX-WD5KTは、オーディオ初級者の方をターゲットにした製品であるものの、ウッドコーンタイプのスピーカーユニットを採用した本格的なキット品。2004年に同社から発売された、2Wayバスレフ型の人気モデル「SX-WD5」を自作キット化したものであるため、音の響きの良さについては折り紙付きだ。また、エンクロージャーが初めから組みあがっているので、より平易に、スピーカーの組み立てを経験できるのも特徴だ。

日本ビクター「SX-WD5KT」

SX-WD5KTは、11cmウッドコーン・ウーハーや2cmウッドドーム・ツイーターで構成されるウッドコーンスピーカーのハンドメイドキット。本格的なスピーカーを自分で組み立てられる。価格は、29,400円(1本)

さらに、SX-WD5KTの面白いところは、ネットワークを自分で組み立てられる点。付属のパーツ以外のものでネットワークを構成することも可能なので、設計次第では、完成品よりも高品位な音になるようチューニングすることもできるのだ。音質のチューニングに役立つ冊子「ネットワーク基礎資料」が付属するので、初心者の方でも、単に組み立てるだけでなく、音にこだわって考えながらスピーカー作りを楽しめるはずだ。

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