パナソニックの液晶プロジェクタ「TH-AE1000」。入力信号のレベル調整ができる 「波形モニター」 や、電動2倍ズームレンズ機能など、利便性の高い機能を搭載する人気機種だ。なお、この機種の後継モデルとなる「TH-AE2000」が2007年10月29日に発売される
ホームユース用のプロジェクタは、フルHD(1920×1080ドット)解像度での出力に対応した機種が増えてきているのが大きなトレンド。デジタル放送や次世代DVDなど、フルHDコンテンツが増加し、薄型テレビのフルHD化が急速に進むのにあわせるように、ホームユース用のプロジェクタも、フルHD対応モデルが市場の主流となってきている。しかも、最近では、1080p出力に対応した最新モデルの低価格化が進んでおり、液晶プロジェクタであれば、最新モデルでも30万円台から購入可能な製品がラインアップされている。数年前では、フルHDプロジェクタといえば100万円オーバーが当たり前だけだっただけに、これだけ大きな価格下落が実現したのは驚きである。
また、フルHDモデルが増えてきたことで、従来の720p出力に対応したモデルが購入しやすい価格になっているのも見逃せないポイント。最新モデルでも10万円台から購入可能となっているほどだ。特に、最新の720pモデルは評価が高く、DVDなどのSD画質も高精度にアップスケーリングしてくれるものが多い。レンズシフト機能やズーム機能に加え、HDMI入力端子なども装備しており、初めてのプロジェクタとして選択するには十分な性能を備えているのだ。
フルHDモデル、720pモデルのどちらを選ぶかは、スピーカーやアンプを含めたシアターセット全体の予算にもよるだろう。また、使用するスクリーンサイズなども関係してくるはずだ。これから、ますますフルHDコンテンツが増えていくことを考えると1080pモデルを選びたいところだが、「音」に力を入れたいのであれば、スピーカーやアンプの性能を重視して、プロジェクタは、コストパフォーマンスにすぐれる720pモデルを選択するのもアリだろう。
フルHDモデルのラインアップが充実してきたことで、製品選択の幅が広がったプロジェクタ。「フルHDモデル、720pモデルのどちらを選んだほうがよいのか?」ということも含め、プロジェクタ選びについて、監修者の野村ケンジ氏に以下のコメントをいただいた。
今、プロジェクタを購入するなら、ぜひ、フルHDモデルを選んでほしいと考えています。フルHD映像を、720pモデルとフルHDモデルとで見比べていただければおわかりいただけると思うのですが、映像の質感がかなり異なってしまう。選び方の注意点とすれば、やはり映画をご覧になる機会が多いと思うので、映画の映像と同じ24p再生に対応しているものがいいでしょう。いわゆる、1080/24pモデルが理想ですね。また、スポーツやアクション映画など、動きの激しいソースをご覧になる場合が多いのであれば、動きボケの少ないDLPプロジェクタかLCOS(D-ILAもしくはSXRD)プロジェクタを選びたいところです。
野村氏の言葉には説得力がある。というのも、今回、野村氏のシアタールームで、「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」のBlu-ray Disc映像などを、フルHDモデル(1080pモデル)と720pモデルで見比べてみたのだが、フルHDモデルのほうが、圧倒的に解像感にすぐれるという印象を受けた。さらに、映像でピントが合っている部分とそうでない部分がはっきり区別できるのにも驚いた。映像の奥行き感やリアリティさにおいて、段違いで1080pモデルのほうが高いレベルにあるのだ。
あくまでも、シアタールーム構築の予算次第であるが、映像に重きを置き、次世代DVDプレーヤーを利用してフルHD画像を高精細に再生したいのであれば、フルHDモデルを選択しておきたいところだ。
ホームユース向けのプロジェクタは、大きく3種類のデバイスで製品を分類できる。ひとつは、低価格化が進んでいる液晶プロジェクタで、エプソンやパナソニック、三菱電機などが製品をリリースしている。もうひとつは、動きに強いのが特徴のDLPプロジェクタで、シャープやマランツなどの陣営になる。そして、最後に、高解像度描写が可能なLCOSプロジェクタは、ソニー(SXRDデバイス)とビクター(D-ILAデバイス)が提供している。ここでは、それぞれのデバイスごとにフルHD対応の最新モデルを中心に紹介しよう。
同社開発の第7世代液晶パネル「C2FINE(クリスタルクリアファイン)」を搭載したフルHD対応液晶プロジェクタ。独自の位相補償技術「DEEPBLACK」を新搭載したことで、液晶パネルからの光漏れを徹底的に軽減することに成功し、コントラスト比は、従来モデル「EMP-TW1000」の12000:1から50000:1へと大幅に向上。あわせて、輝度も最大1200ルーメンから1600ルーメンにまで向上している。レンズには、2.1倍ズームレンズを採用し、投映距離3mから100インチ(16:9)の投影が可能だ。このほか、入力インターフェイスとしてHDMI 1.3aを2系統装備。24pダイレクト出力にも対応する。
| タイプ/表示デバイス | 液晶/0.74型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル | レンズ | 2.1倍マニュアルズームフォーカスレンズ |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1080ドット | 入力インターフェイス | HDMI(ver1.3a)×2、S×1、コンポジ×1、コンポーネント×1など |
| 輝度/コントラスト比 | 1600ルーメン/50000:1 | 消費電力/待機電力 | 245W/4W |
| レンズシフト | 上下96%、左右47% | サイズ(WxHxD) | 406×124×310mm |
| 投影距離 | 100インチ(16:9):2.98〜6.36m | 重量 | 約5.6kg |
エプソンの第7世代液晶パネル「C2FINE」を採用するパナソニックの最新ホームプロジェクタ。ランプの出力光を最大限に活用する新「高効率ランプ駆動」と、アイリスの可変幅を最大20%拡大した新「ダイナミックアイリス機構」などを採用したことで、コントラスト比16000:1、輝度1500ルーメンを達成した。入力信号レベルを自動調整できる新「波形モニター」や、イコライジング前後の画質を見比べられる新開発「2画面調整」などを備えるのも特徴だ。HDMI 1.3a入力を3系統装備するほか、従来モデル「TH-AE1000」と同様、24p信号の入力に対応する。
| タイプ/表示デバイス | 液晶/0.74型液晶パネル | レンズ | 電動2倍光学ズームレンズ/フォーカスレンズ |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1080ドット | 入力インターフェイス | HDMI(ver1.3)×3、S×1、RGB×1、コンポーネント×2など |
| 輝度/コントラスト比 | 1500ルーメン/16000:1 | 消費電力/待機電力 | 240W/0.08W |
| レンズシフト | 上下100%、左右40% | サイズ(WxHxD) | 460×130×300mm |
| 投影距離 | 100インチ(16:9):3.0〜6.0m | 重量 | 約7.2kg |
三洋電機初のフルHD対応液晶プロジェクタ。エプソンの第7世代液晶パネル「C2FINE」を採用し、コントラスト比15000:1を実現。同社「Z」シリーズの特徴となる高性能な上下左右レンズシフト機能を搭載しており、上下最大3画面、左右最大2画面の広範囲移動が可能だ。また、新開発の大口径・低静音のシロッコ冷却ファンを搭載したことで、本体動作音19dBという静音性を実現したのも特徴となる。HDMI 1.3a端子を2系統装備。24p信号の入力も可能だ。希望小売価格は、378,000円(税込)。
| タイプ/表示デバイス | 液晶/0.74型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル | レンズ | 2倍手動ズームレンズ |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1080ドット | 入力インターフェイス | HDMI(ver1.3a)×2、S×1、コンポジ×1、コンポーネント×2など |
| 輝度/コントラスト比 | 1200ルーメン/15000:1 | 消費電力/待機電力 | 252W/0.5W |
| レンズシフト | 上下100%、左右50% | サイズ(WxHxD) | 400×146×346mm |
| 投影距離 | 100インチ(16:9):3.0〜6.1m | 重量 | 約7.3kg |
2006年10 月発売の液晶プロジェクタの人気モデル「LVP-HC5000」の後継機種。液晶パネルや光学エンジン、筐体などをそのまま継承し、ファンノイズ19dBという静音性もキープ。新たに、場面の明るさに応じて光量を変える「新開発オートアイリス」と「レンズ絞り」で構成される「Dramatic Iris」を搭載したのが特徴で、1/60秒単位でのアイリス制御が可能となり、コントラスト比も「LVP-HC5000」の10000:1から12000:1に向上した。HDMI 1.3a入力インターフェイスを2系統装備し、24pダイレクト出力にも対応する。
| タイプ/表示デバイス | 液晶/0.74型ワイドポリシリコンTFT液晶パネル | レンズ | 1.6倍電動ズームレンズ |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1080ドット | 入力インターフェイス | HDMI(ver1.3)×2、S×1、コンポジ×1、コンポーネント×1など |
| 輝度/コントラスト比 | 800ルーメン/12000:1 | 消費電力/待機電力 | 250W/7W |
| レンズシフト | 上下75%、左右5%( | サイズ(WxHxD) | 334×125×352mm |
| 投影距離 | 100インチ(16:9):3.1〜5.0m | 重量 | 約5.6kg |
フルHD投影が可能なDLPプロジェクタで、テキサス・インスツルメンツ社が新開発したフルHD対応DLPチップ「.95 1080p」を搭載。照明系と投映系でアイリスを独立させた「デュアル・アイリス機構」を光学エンジンに採用し、アイリスの絞り形状を改善することで、ネイティブ・コントラスト比12000:1を実現したのが特徴だ。デジタルインターフェイスとして、2系統のHDMI入力端子を装備する。
| タイプ/表示デバイス | DLP/0.95型DLPチップ | レンズ | 1.35倍マニュアルズームレンズ |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1080ドット | 入力インターフェイス | HDMI×2、S×1、コンポジ×1、コンポーネント×1など |
| 輝度/コントラスト比 | 1000ルーメン/12000:1 | 消費電力/待機電力 | 265W/0.1W |
| レンズシフト | 上下50% | サイズ(WxHxD) | 475×172.5×410.2mm |
| 投影距離 | 100インチ(16:9):4.1〜5.5m | 重量 | 約9.5kg |
0.61型パネル「SXRD」を搭載したフルHDプロジェクタ。2006年10月発売の「VPL-VW50」の後継機種で、入力信号の輝度レベルに応じて絞りを無段階に開閉する「アドバンスト・アイリス2」や、ランプから光学ユニットを経由して送られてくる光の方向を整える「ハイコントラストプレート」などの搭載により、クラス最高となるコントラスト比35000:1を実現。また、ビデオプロジェクタ用に開発した高画質回路「ブラビアエンジン」を搭載したのも特徴で、Blu-ray Dsicなどのハイビジョン映像を、色鮮やかで深みのある映像で出力できる。HDMI入力端子を2系統備え、24p入力に対応する。
| タイプ/表示デバイス | SXRD/0.61型フルHDパネル「SXRD」 | レンズ | 1.8倍ズームレンズ(電動) |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1080ドット | 入力インターフェイス | HDMI×2、S×1、コンポジ×1、コンポーネント×1など |
| 輝度/コントラスト比 | 1000ルーメン/35000:1 | 消費電力/待機電力 | 300W/0.5W(エコモード) |
| レンズシフト | サイズ(WxHxD) | 395×174×471mm | |
| 投影距離 | 100インチ(16:9):3.1〜5.3m | 重量 | 約11kg |
フルHD対応のD-ILAプロジェクタ。新開発の0.7インチフルハイビジョンD-ILAデバイスと光学エンジンを搭載し、アイリス機構なしのネイティブ・コントラスト比で15000:1を実現。デバイスコントラストも20000:1を達成している。さらに、13群16枚構成の2倍ズームレンズに加え、上下80%、左右34%のレンズシフト機能を搭載しており、よりフレキシブルな設置が可能。2系統のHDMI入力端子を装備し、24p信号入力に対応する。
| タイプ/表示デバイス | D-ILA/0.7インチフルハイビジョンD-ILAデバイス | レンズ | 2倍マニュアルズーム・フォーカスレンズ |
|---|---|---|---|
| 解像度 | 1920×1080ドット | 入力インターフェイス | HDMI×2、S×1、コンポジ×1、コンポーネント×1など |
| 輝度/コントラスト比 | 700ルーメン/15000:1 | 消費電力/待機電力 | 280W/2.7W |
| レンズシフト | 上下80%、左右34% | サイズ(WxHxD) | 455×172.5×418.5mm |
| 投影距離 | 100インチ(16:9):3.0〜6.1m | 重量 | 約11.6kg |
ソニー・コンピュータエンタテインメントの次世代ゲーム機「PLAYSTATION 3(PS3)」が、今、AVファンの間で脚光を浴びている。20GB HDD内蔵モデルで希望小売価格49,980円(税込)という、Blu-ray Discプレーヤーとして圧倒的なコストパフォーマンスを誇るPS3だが、単に価格が安いという点だけで注目を集めているわけではない。
もっとも注目を集めているのは、ファームウェアのアップデートという形で、AV機器としての性能がどんどん向上している点だ。発売当初は、価格以外の面でそれほど高い評価を受けていたわけではないが、ファームウェアのバージョンが上がるにつれて、DVD映像のアップコンバートが可能になったり、Blu-ray Discの1080/24p出力が可能になったり、音楽CDのアップサンプリングに対応したりすることで、Blu-ray Disc専用プレーヤーをも凌駕するような高い評価を受けるようになっているのだ。また、Blu-ray Discプレーヤーとしての性能だけでなく、DVDやSACDの再生でも評価が高い。
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60GB HDDタイプのPLAYSTATION 3。価格.com最安価格(2007年9月10日現在)で53,500円と、Blu-ray Discプレーヤーとして、他製品の追随を許さない抜群のコストパフォーマンスを誇る |
今回、野村氏のシアタールームで、実際にPS3を使ってみたが、まず、読み込み速度や反応速度が想像以上に速いと感じた。以前に、Blu-ray DiscプレーヤーでBDソフトを再生したことがあるが、ローディング時間などが非常に長かった。それに比べると、PS3は、「Cell」という高性能なCPUを搭載しており、処理速度が速いのだ。この点だけでも、Blu-ray Discプレーヤーとしての十分な魅力を感じる。
今回、他のBlu-ray Discプレーヤーと比較したわけではないので、映像や音質の評価は控えておきたいが、SACDを再生した際は、解像感や音の厚みなどがすばらしく、ゲーム機から出ている音とは思えなかった。なお、ステレオ音声(リニアPCM)を、HDMI出力と光デジタル出力とで聴き比べてみたが、光デジタルのほうが、圧倒的に、解像感や音の厚みにすぐれていたことを報告しておきたい。HDMI接続では情報量が少なく、やや力不足な感じがした。PS3でCDやSACDをステレオ再生する場合は、今のところ、光デジタルで接続したほうが無難だろう。ただ、今後のファームウェアのアップデートによって、この点も解消されていくものと思われる。
















