高性能な広角単焦点レンズを搭載した銀塩コンパクトカメラ「GR」シリーズのデジタル版となるのが、ここで紹介する「GR DIGITAL」です。フォトグラファーやハイエンドユーザーを中心に、マニアックな人気を持つロングセラーモデルですが、その理由をじっくりと紹介します!
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
| GR DIGITALは、フィルムカメラ「GRシリーズ」のデザインを踏襲し、一見すると、ホールド部に35mmフィルムが収まっているのではないかと思うほど、クラシカルな雰囲気が漂うボディとなっている。幅107×高さ58×奥行25mmというンパクトボディであるものの、ホールド部にラバーが施されており、使用感は上々だ | |
カメラ通の方であれば、焦点距離28mm(もしくは21mm)の高性能な単焦点レンズを搭載し、人気を集めたコンパクトフィルムカメラ「GRシリーズ」をご存知ないという方は少ないであろう。フォトグラファーやハイエンドなアマチュアカメラマンを中心に、圧倒的な支持を得た銘機中の銘機である。
「GR DIGITAL」は、そのフィルム「GRシリーズ」の思想をそのままデジタル化したといっても過言でない製品で、非常に高性能で個性的なカメラに仕上がっている。最大の特徴は、「GR」らしく、広角28mm(35mm判換算)で開放F値2.4という明るい単焦点レンズ「GR LENS」を搭載した点。ズームレンズが主流となっているコンデジ市場では、異彩を放つ存在だ。また、絞り羽根も7枚構成とこだわった設計になっており、コンパクトデジカメながらも、ボケ味や光芒(こうぼう)を生かした写真の撮影が可能となっているのも、ハイエンドユーザーに好まれる理由である。
また、クラシカルなデザインのコンパクトボディも、カメラ通の心をつかんで離さない要因だ。外装に、マグネシウム合金を採用するなどして、軽量かつ堅牢なボディを実現したほか、レンズをカメラの中心部に配置するなど、ホールド感・レリーズ感にすぐれる設計となっているのも見逃せない。単に、デザイン性が高いだけではなく、カメラとしての機能性にもすぐれているのだ。シンプルでわかりやすい操作性も、写真を撮ることに集中できるという意味で、ポイントが高い。
GR DIGITALは、2005年10月に発売されて以来、約2年間、高い人気を保ってきた。モデルチェンジのサイクルが短いデジカメ市場では、キヤノンのフルサイズデジタル一眼レフ「EOS 5D」と並んで、息の長い製品といえる。ただ、さすがに、最新のコンデジ製品の上位機種と比較すると、SDHCメモリカードに非対応ということもあり、メディアへの書き込み速度を含め、カメラとしてのレスポンスの面で、若干見劣りするのも事実だ。
では、それでも、人気を維持している理由は何であろうか? 先に述べたように、デザイン性の高さなどもポイントとなるが、やはり、単に単焦点というだけではなく、コンパクトデジカメとしては他製品の追随を許さないほどの高性能なレンズ「GR LENS」を採用している点が大きい。
GR LENSは、被写体側に凹レンズ、CCD側に凸レンズを配する「レトロフォーカスタイプ」で、ガラスモールド非球面レンズ2枚、特殊低分散レンズ1枚を含む5群6枚構成を採用し、F2.4という明るさを実現。歪曲収差やコマ収差、色収差を高レベルで補正・低減し、全域で高解像度でナチュラルな画質を実現する。特に驚かされるのは、解像感の高さで、約2年前の製品ではあるものの、現時点(2007年10月時点)でも、コンパクトデジカメでは最高クラスの描写力を備えているといえる。
![]() |
GR LENSは、収納時にレンズ群の後群を鏡胴の外に逃がす独自機構「リトラクティングレンズシステム」を採用するなどして、コンパクトながらも高画質化を実現。さらに、被写体側のレンズ群とCCD側のレンズ群の光軸をミクロン単位で調整するという徹底ぶりで、とにかく妥協のないレンズとなっているのだ |
![]() |
![]() |
| 一般的なコンパクトデジカメとGR DIGITALで、同じ被写体を同じ絞り値(F5.6)で撮影し、写真周辺部の解像感を比較してみた。A社コンパクトデジカメはワイド側が35mmとなるため、純粋にGR DIGITALと同じ画角ではないが、レンガ部分の解像感に注目してほしい。GR DIGITALのほうが、細かいディテール表現で上回っていることがわかるはずだ。また、A社のほうは、若干、窓の枠などに色収差が見受けられる | |
さらに、着脱可能なフードが付属するワイドコンバージョンレンズ「GW-1」や、ホットシューに装着する外部ファインダー「GV-1」など、撮影をより楽しくするオプション製品が豊富に用意されているのもGR DIGITALの特徴だ。特に、魅力なのは、ワイドコンバージョンレンズ「GW-1」で、装着することで超広角21mmでのワイド撮影が可能になる。
![]() |
![]() |
| 2.5型サイズの液晶モニタを搭載しているが、青色の発色が強く、視野角も狭いため、最新モデルのコンデジと比べると、どうしても視認性の面で見劣りがする。右は、マクロ撮影時の画面。最短撮影距離1.5cmで広角で寄れるため、面白い構図の写真を撮影できる | |
以上、GR DIGITALは、フィルムカメラ「GRシリーズ」からの伝統にこだわったことで、古くからのカメラ通だけでなく、デジタルカメラからカメラを使い始めたという新規ユーザーからも高い評価を受けているカメラである。コンパクトで持ち運びやすいボディに、クラスを超えるような高性能レンズを搭載しているというギャップも、人気を集めている理由だ。機動性が高いため、気軽なスナップ写真用に利用するのが最適なカメラだが、描写力が高いうえ、絞り優先AEモードなどのマニュアル撮影機能も装備しているので、アーティスティックな写真の撮影も楽しむことができるのも高ポイントだ。
なお、本特集の制作中になるが、2007年10月14日に、リコーからGR DIGITALの生産終了が正式に発表された。発売からすでに2年が経過していることもあり、当然といえば当然なのだが、後継機種が発表されない状況で、現役モデルの生産が終了になるのは、人気機種としては異例といえる。後継機種がどういった仕様の製品になるかは定かではないが、「GR DIGITAL」は、2007年10月15日時点の価格.com最安価格で47,500円と、発売当時に比べると数万円も安くなっている。現段階では在庫も十分にあるので、購入するなら今が最後のチャンスだ。
確かに、最新のコンデジと比べると、レスポンスや使い勝手の面で見劣りする面があるのも事実だが、描写力については、先に述べたように、現段階でも最高クラスの製品となる。何かとGR DIGITALと比較されるリコーの24mmワイドズームレンズを搭載した「Caplio GX100」を選択するのもアリだし、新型GRの登場を待つというのも手だが、GRブランドにこだわるのであれば、在庫があるうちに初代モデルを手にいれておきたい。
| 撮像素子 | 1/1.8型813万画素CCD | 露出調整 | マルチ/中央重点/スポット |
|---|---|---|---|
| レンズ | 焦点距離:5.9mm | 液晶モニタ | 2.5型(21万画素) |
| 最短撮影距離 | 約030m(マクロ時約1.5cm) | バッテリタイプ | 専用充電池、単四×2 |
| 記録方式 | JPEG、RAW | 撮影可能枚数 | 約250枚(専用充電池使用時) |
| ISO感度 | AUTO、64〜1600 | サイズ(WxHxD)/重量 | 107×58×25mm/約170g |










































