キヤノン初となるメモリー内蔵型フルハイビジョンビデオカメラとなる「iVIS HF10」。16GBメモリーとSDメモリーカードスロットのダブルメモリー記録に対応するのが最大の魅力です。

- キヤノン初のフルハイビジョンモデル
- 16GBメモリーを内蔵
- SDメモリーカード記録にも対応
- 約430g(バッテリー含む)の軽量ボディ
- AFの合焦速度が速く、ストレスなく撮影が可能
- 見やすい液晶モニターで撮影がしやすい
- 軽量な筒型ボディながらもホールド感は良好
- 電源とモードダイヤルの操作にやや慣れが必要

HF10を試用してみて、まず強く印象に残ったのは、オートフォーカスの性能の高さ。価格.comのユーザーレビューでも高く評価されているが、速度・精度ともにすぐれ、パンニングやズーミングを多用してもフォーカスがしっかりと追随してくるのは、さすがにキヤノンの最新機種という印象を受けた。現行のビデオカメラの中では、最高レベルのオートフォーカスといえる。また、ソニー「HDR-SR11」ほどではないものの、ズームの動きも速く、ストレスなく撮影できるのもポイントが高い。
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| 広角から望遠にズームイン/ズームアウトした動画(WMV形式、640×360ドット、約8秒、1.1MB)。ズームの動き自体は、ソニー「HDR-SR11」のほうが速いが、ズームイン/ズームアウト後のオートフォーカスの合焦速度は、HF10のほうが速いという印象を受けた |
スペックからはわからない点であるが、21.1万画素表示の2.7型液晶モニターが非常に見やすかった点も報告しておきたい。ソニー「HDR-SR11」の3.2型液晶モニターほどの高解像度表示には対応しないものの、明るい液晶で、晴天時の屋外でもしっかりとモニタリングできた。撮影時の視認性の高さでは、今回レビューした3機種の中でもっともすぐれていると評価したい。
手持ち撮影時の安定性を決めるホールド感については、筒型ボディであることもあり、見た目には「手の引っかかりがなく持ちにくいのでは?」と考える方もいると思うが、実際は、筒型特有のすべるような感じはなく、きちんとホールドできた。バッテリーを含めて約430gという持ち運びやすい軽量ボディとホールド感のバランスがうまく保たれており、よく考えて設計されているのがわかる。
操作性の面では、グリップ部にモードダイヤル、液晶モニター部に各種操作ボタンを配置するなど、シンプルなボタンレイアウトを採用したのが特徴。メニュー画面を呼び出すファンクションボタンと、項目を選択するジョイスティックが液晶モニター部に配置されており、左手で直感的にメニュー操作が行える。モニター部下部に、4つのボタンを独立して設けてあるのも利便性が高く、撮影時には録画・ズーム操作などを、再生時には再生・早送りなどの操作を左手で行えるのが高ポイント。
完成度の高いビデオカメラであるが、あえて難があるとすれば、電源ボタンとモードダイヤルのレイアウトだ。電源ボタンは、ボディ上部の、ズームレバーの少し奥に配置されている。撮影中に誤って電源ボタンに触れないようにするための工夫だとは思うが、電源オン/オフが少しやりにくいと感じた。
また、モードダイヤルは、ボディ右面のグリップ側に用意されていて、「動画撮影」「静止画撮影」「動画再生」「静止画再生」の選択が可能となっている。他機種にはないダイレクトな操作性は評価したいが、親指と人差し指の間にダイヤルが位置しているので、使い始めは片手で操作しにくいと感じた。ただし、使い慣れてくると片手でも簡単に変更することができるようになったので、購入時にそれほど神経質になる必要はないだろう。
- 忠実な色再現性を実現
- 美しい人物撮影が可能
- 暗いシーンでのノイズ量が気になる

人物撮影 |
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| 1920×1080ドットで開く |
風景撮影 |
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| 1920×1080ドットで開く |
夜間撮影 |
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| 1920×1080ドットで開く |
風景撮影では少し赤味が強いものの、キヤノンのビデオカメラらしく、どのシーンでも見た目に近い色味で立体感のある映像を撮影できた。また、今回はフルオートで撮影したが、想像以上に人物撮影がキレイに仕上がっているのには驚いた。露出、ホワイトバランスともに適正で、動画から切り出した静止画としてはかなり高いレベルの画質になっている。HF10は、顔認識機能を搭載しないが、人物をキレイに撮影できるビデオカメラだと評価したい。なお、シーンモード「ポートレート」を選択すると、もう少しコントラストが高く、マゼンタが強くなり、より健康的な肌色になるような印象を受けた。
気になるのは、夜間撮影時のノイズの多さ。暗いシーンでは彩度が落ちる傾向にある点も報告しておこう。ただ、今回レビューした他機種と比べると、確かにノイズ量はもっとも多いが、映像としての解像感は高くなっている点を付け加えておきたい。なお、「シネマモード」で撮影すれば、ある程度ノイズを減らすことが可能だ。
- 本格的な動画編集が可能
- 独自のアルバム管理機能を装備
- 静止画編集は別ソフトで行う

キヤノン「iVIS」シリーズの最新モデルには、動画の取り込み・編集・書き込み用のソフトとして、ピクセラ社の「ImageMixer 3 SE」が付属する。このソフトの特徴は、カット編集以外にも、トランジションやタイトラー、BGM・音声(アフレコ)の挿入などが可能なこと。プロジェクトを作成したり、読み込んでの編集も可能となっており、本格的な動画編集に対応することができる。
また、動画データの管理機能として、「スマートアルバム」という独自の機能を備えているのも面白い。タイトルや撮影日などの細かい条件で動画データを収集し、ライブラリ化してくれるというもので、この機能をうまく使うことで、よりスムーズな動画編集が可能となる。
また、動画からの静止画切り出し、DVDメディアへのAVCHD動画の書き込みなどにも対応。ビデオカメラへの書き戻しも可能だ。動画変換は、パソコン用(MPEG-2:720×480ドット)、動画共有サイト用(MPEG-2:320×240ドット)、iTunes(iPod用)(H.264:640×360ドット)が用意される。スマートレンダリングに対応し、従来と比べて編集時のエンコード時間を短縮しているのも特徴だ。
高性能な動画編集ソフトであるが、残念なのは、静止画データの加工に対応していないこと。静止画データの管理、再生、DVDへの書き出しなどは可能だが、ソニーの付属ソフト「Picture Motion Browser」のように、明るさ、シャープネス、彩度などを変更して画像加工を行えない。静止画編集については、キヤノン純正の静止画管理・編集ソフト「ZoomBrowser EX」などを使用する必要がある。欲を言えば、そういった静止画編集ソフトを自動で呼び出すようなボタンやメニューがあるとよかった。


































操作性の面では、細かいところで気になる点をレポートしたが、逆に言えば、ほかにアラが見当たらない完成度の高いビデオカメラに仕上がっているということだ。キヤノン初のフルハイビジョン機種として期待を集めているが、その期待を裏切らない高画質モデルと評価したい。従来モデルの1/2.7型から1/3.2型に撮像素子が小さくなったが、画質面では、むしろ向上していると思わせるほどだ。約430g(バッテリー含む)の軽量ボディで、持ち歩きやすい携帯性の高さも魅力だ。なお、HF10から内蔵メモリーを省略した下位モデル「HF100」も用意されている。