No.46

人気機種の“違い”がわかる最新ビデオカメラ特集

特集トップへ 人気のAVCHD対応モデル3機種を徹底レビュー 2008春 最新フルハイビジョンビデオカメラを一挙紹介
キヤノン「iVIS HF10」 ソニー「Handycam HDR-SR11」 パナソニック「HDC-HS9」

人気のAVCHD対応モデル3機種を徹底レビュー

ソニー「Handycam HDR-SR11」

この春、ソニー「ハンディカム」シリーズにもフルハイビジョン記録対応モデルがついに登場。今回は、60GB HDDを内蔵する「HDR-SR11」の仕上がり具合をチェックしました。

60GB HDD&3.2型タッチパネル液晶搭載の最新ハンディカムソニー「Handycam HDR-SR11」
  • ハンディカムシリーズ初のフルハイビジョン機
  • 60GB HDD&メモリースティックへの記録に対応
  • 92.1万画素表示の3.2型タッチパネル液晶モニター
  • 顔認識機能「顔キメ ビデオ」を新搭載
  • 5.1chサラウンド録音が可能

操作性
  • 適度な大きさのボディで安定した手持ち撮影が可能
  • ズーミング速度が速く、すばやい撮影が可能
  • 高精細な液晶モニタで動作再生がキレイ
  • メニュー設定がやや複雑

HDR-SR11の操作性でもっとも好感が持てたのは、ホールド感。83(幅)×76(高さ)×138(奥行)mmで約650gと、今回の3機種レビューの中ではもっとも大きくて重いボディとなっているが、グリップ部がしっかりとした形状になっており、片手でも安定した撮影が行えた。3機種の中では、もっともホールドしやすいという印象だ。ただ、小さい手の女性などの場合は、少し重いと感じるかもしれないので注意してほしい。

HDR-SR11ボディ HDR-SR11ボディ
HDR-SR11をホールド HDR-SR11をホールド
小型・軽量化が進むビデオカメラ製品の中では大きめ目のボディとなるが、ホールド感は良好。がっちりとホールディングできるので、ズームレバーなども操作しやすい
グリップ部後部に切り替えスイッチを装備 ボディ前面にマニュアルダイヤルを装備
ボタンレイアウト面では、グリップ部の後部に、円形の切り替えスイッチを装備しているのが特徴。電源オン/オフと、動画/静止画のモード切り替えを親指操作ですばやく行える。約1秒で高速起動できる「クイックオン」ボタンが新設されたのも注目だ。また、カラービューファインダーを備えるほか、ボディ前部に、フォーカスや明るさなどを調整できる専用のダイヤルを装備しており、本格的なマニュアル撮影にも対応可能となっている

ホールド感に続いて高く評価したいのは、ズームのキビキビとした動作。広角から望遠までズームレンズの動きが速く、ホールド感の良さと相まって、非常に心地よい撮影が行えた。また、オートフォーカス性能も及第点。キヤノン「iVIS HF10」と比べると、フォーカスが迷う場合があったが、大きく不満のあるレベルではない。さらに、新搭載された独自の顔認識機能「顔キメ ビデオ」もかなり高レベルで、高速・高精度に人物の顔に検出し、フォーカス・明るさを調整してくれるという印象。人物撮影時には、積極的に活用したい機能だ。

ズーム&オートフォーカスのサンプル動画
ズーム&オートフォーカスのサンプル動画
広角から望遠にズームイン/ズームアウトした動画(WMV形式、640×360ドット、約7秒、930KB)。ズームの動きの速さと滑らかさでは、今回レビューした3機種の中でナンバーワン。また、広角側は40mmスタートとなっており、3機種の中でもっとも広く撮影することができる
「顔キメ ビデオ」の撮影画面
顔認識機能「顔キメ ビデオ」を使った際の撮影画面。検出した人物の顔を白枠で表示し、顔に最適なピント、明るさ、色味に調整してくれる

忘れてはいけないのが、クラス最大の大きさとなる、タッチパネル操作の3.2型ワイド液晶モニター。サイズが大きいだけでなく、92.1万画素という高解像度な表示が可能なのが特徴で、他機種よりも頭ひとつ抜け出た高品位な動画・写真再生が可能だ。ただ、気になる点もある。それは室外での視認性。特に晴天時は、驚くほど視認性が高いというわけではなく、撮影しているとモニターの角度によっては黒つぶれしてしまう部分も見受けられた。また、全体的に青味が少し強いと感じることもあり、「撮影時の視認性」の面は、他機種を圧倒するほどのレベルではないと感じた。

3.2型液晶モニター モニター左部にボタンを配置
3.2型という大型液晶モニターを採用。発色が豊かなのが特徴で、非常に高精細な表示が可能だ。さらに、モニター左部には、ズームボタンと録画ボタンが配置されており、左手で録画操作ができる点も高ポイント

性能・機能ともに十二分のビデオカメラであるが、メニュー画面については、まだまだ改善の余地があると感じた。ハンディカム独特の、基本的な設定を決める「ホームメニュー」と、細かい撮影設定などを行う「オプションメニュー」の2系統にわかれたメニューは、項目数が多く、わかりやすい構成だとはいえない。また、ハンディカムシリーズの伝統となった、タッチパネルでのメニュー操作についても意見のわかれるところだろう。ただ、HDR-SR11は、タッチパネルの感度が適切で、親指の入力でもミスなく操作できたので安心してほしい。モニタには、汚れや傷を付きにくくする保護コーティングが施されているので、タッチ操作による指の汚れの付着もさほど気にならなかった。

タッチパネル操作 タッチパネル操作
ハンディカムシリーズではおなじみとなったタッチパネル操作を採用。撮影画面には、画面左上にホームボタン、左下に再生ボタン、右下にオプションボタンが用意される(左)。それらのボタンをタッチすることで、対応したメニュー画面(右)が表示されるという仕組み
画質
  • シャープで解像感の高い映像
  • 高い耐ノイズ性能
  • 落ちつきのある色味
※いずれも、最高画質モードで撮影したフルハイビジョン動画から等倍でキャプチャした静止画。ズームは広角側に固定し、撮影モード、ホワイトバランスなどはすべてオート。「人物撮影」は、「顔キメ ビデオ」をオンにしている。なお、「人物撮影」は曇り、「風景撮影」は晴天(斜光)、「夜間撮影」は小雨時に撮影したものとなる

解像感・立体感については、今回レビューした機種の中でナンバーワン。フルハイビジョンテレビでHDR-SR11の映像を視聴してみたが、息を飲むほどの高精細な画質を楽しむことができた。特に、風景撮影の映像が強烈で、桜の花や観覧車などの細かいディテールがしっかりと映し出されるのには驚いた。さらに、暗いシーンでのノイズ量の少なさも特出しており、単にノイズが少ないのではなく、高い解像感を保っている点が秀逸だ。

画質面では付け入るスキがない機種ではあるが、あえて言わせてもらえれば、オートホワイトバランスでの色味が評価のわかれるところだろう。忠実な色再現が可能なビデオカメラであるが、オートホワイトバランスでは青味が少し強調されてしまう場合がある。オート撮影では、いわゆる寒色系の傾向になるようで、よくいえば「クールで落ちつきのある絵」、悪くいえば「冷たくて味気のない絵」となる。このあたりは好みの問題なので、他機種のサンプルと見比べてみてほしい。

編集ソフトウェア
  • 多彩なサムネイル表示が魅力
  • 高解像度な静止画切り抜きが可能
  • 簡易的な動画編集機能

ハンディカムシリーズには、動画・静止画の取り込み・編集が可能な独自ソフト「Picture Motion Browser 3.0」が付属する。新製品がリリースされるごとにバージョンアップが施されており、今回の新ハンディカムでは、データディスクの作成に対応したほか、動画共有サービス「eyeVio」、写真共有サービス「So-net Photo」などへ動画/静止画データを手軽にアップロードすることが可能となっている。

Picture Motion Browserの特徴としては、動画・静止画のサムネイル表示が非常に凝っている点があげられる。月別・日別・時間別でのカレンダー表示が可能なうえ、ひとつの動画を一定間隔で表示したり、特徴的なシーンを自動抽出して表示したりできる「フィルムロールインデックス」の利用も可能。位置情報が付加された静止画をオンライン地図上に表示する「マップビュー」機能なども用意されており、データ管理を楽しく行うことができる。

カレンダー表示で動画・静止画を管理 フィルムロールインデックス
Picture Motion Browserは、カレンダー表示で動画・静止画を管理できるのがユニーク。右は、フィルムロールインデックスでの表示例
マップビュー機能
マップビュー機能を使うと、いつどこで何を撮ったかが一目瞭然。位置情報が付加されていない静止画でも、手動でマッピングすることができる

また、HDR-SR11では、Picture Motion Browser 3.0を使って高解像度の静止画切り抜きが可能な点も魅力。独自の解像技術を用いて、最大300万画素相当で切り抜いてくれる。逆に残念なのは、動画編集機能。DVDメディアに、ハイビジョン動画をAVCHDディスクとして書き込んだり、スタンダード画質に変換してDVDビデオとして書き込んだり、WMV/MPEG-2に変更・保存したりなど、書き込み・変換機能は充実しているが、動画編集自体は、カット編集以上の高度なことができない。今後の機能アップに期待したい。

右クリックメニュー 動画カット編集
右クリックメニューで、メディアへの書き出しや動画変換をすばやく行える(左)。ただし、動画編集は簡単なカット編集のみとなる(右)
総合評価

ソニー初のフルハイビジョン記録モデルで、画質面で妥協のない仕上がりとなっており、ビデオカメラとしての完成度は今回レビューの3機種の中でもっとも高いと評価したい。画質評価では、オートホワイトバランスの寒色傾向をレポートしたが、解像感・立体感については文句のつけようのない高レベルとなっている。また、3.2型液晶モニターで高品位に映像を視聴できるのも他機種にはない魅力。幅広いマニュアル撮影が可能なので、カメラ通の方でも満足できるはずだ。なお、120GB HDD採用の上位モデル「HDR-SR12」も用意されている。

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