この春、ソニー「ハンディカム」シリーズにもフルハイビジョン記録対応モデルがついに登場。今回は、60GB HDDを内蔵する「HDR-SR11」の仕上がり具合をチェックしました。

- ハンディカムシリーズ初のフルハイビジョン機
- 60GB HDD&メモリースティックへの記録に対応
- 92.1万画素表示の3.2型タッチパネル液晶モニター
- 顔認識機能「顔キメ ビデオ」を新搭載
- 5.1chサラウンド録音が可能
- 適度な大きさのボディで安定した手持ち撮影が可能
- ズーミング速度が速く、すばやい撮影が可能
- 高精細な液晶モニタで動作再生がキレイ
- メニュー設定がやや複雑

HDR-SR11の操作性でもっとも好感が持てたのは、ホールド感。83(幅)×76(高さ)×138(奥行)mmで約650gと、今回の3機種レビューの中ではもっとも大きくて重いボディとなっているが、グリップ部がしっかりとした形状になっており、片手でも安定した撮影が行えた。3機種の中では、もっともホールドしやすいという印象だ。ただ、小さい手の女性などの場合は、少し重いと感じるかもしれないので注意してほしい。
ホールド感に続いて高く評価したいのは、ズームのキビキビとした動作。広角から望遠までズームレンズの動きが速く、ホールド感の良さと相まって、非常に心地よい撮影が行えた。また、オートフォーカス性能も及第点。キヤノン「iVIS HF10」と比べると、フォーカスが迷う場合があったが、大きく不満のあるレベルではない。さらに、新搭載された独自の顔認識機能「顔キメ ビデオ」もかなり高レベルで、高速・高精度に人物の顔に検出し、フォーカス・明るさを調整してくれるという印象。人物撮影時には、積極的に活用したい機能だ。
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| 広角から望遠にズームイン/ズームアウトした動画(WMV形式、640×360ドット、約7秒、930KB)。ズームの動きの速さと滑らかさでは、今回レビューした3機種の中でナンバーワン。また、広角側は40mmスタートとなっており、3機種の中でもっとも広く撮影することができる |
忘れてはいけないのが、クラス最大の大きさとなる、タッチパネル操作の3.2型ワイド液晶モニター。サイズが大きいだけでなく、92.1万画素という高解像度な表示が可能なのが特徴で、他機種よりも頭ひとつ抜け出た高品位な動画・写真再生が可能だ。ただ、気になる点もある。それは室外での視認性。特に晴天時は、驚くほど視認性が高いというわけではなく、撮影しているとモニターの角度によっては黒つぶれしてしまう部分も見受けられた。また、全体的に青味が少し強いと感じることもあり、「撮影時の視認性」の面は、他機種を圧倒するほどのレベルではないと感じた。
性能・機能ともに十二分のビデオカメラであるが、メニュー画面については、まだまだ改善の余地があると感じた。ハンディカム独特の、基本的な設定を決める「ホームメニュー」と、細かい撮影設定などを行う「オプションメニュー」の2系統にわかれたメニューは、項目数が多く、わかりやすい構成だとはいえない。また、ハンディカムシリーズの伝統となった、タッチパネルでのメニュー操作についても意見のわかれるところだろう。ただ、HDR-SR11は、タッチパネルの感度が適切で、親指の入力でもミスなく操作できたので安心してほしい。モニタには、汚れや傷を付きにくくする保護コーティングが施されているので、タッチ操作による指の汚れの付着もさほど気にならなかった。
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| ハンディカムシリーズではおなじみとなったタッチパネル操作を採用。撮影画面には、画面左上にホームボタン、左下に再生ボタン、右下にオプションボタンが用意される(左)。それらのボタンをタッチすることで、対応したメニュー画面(右)が表示されるという仕組み | |
- シャープで解像感の高い映像
- 高い耐ノイズ性能
- 落ちつきのある色味

人物撮影 |
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| 1920×1080ドットで開く |
風景撮影 |
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| 1920×1080ドットで開く |
夜間撮影 |
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| 1920×1080ドットで開く |
解像感・立体感については、今回レビューした機種の中でナンバーワン。フルハイビジョンテレビでHDR-SR11の映像を視聴してみたが、息を飲むほどの高精細な画質を楽しむことができた。特に、風景撮影の映像が強烈で、桜の花や観覧車などの細かいディテールがしっかりと映し出されるのには驚いた。さらに、暗いシーンでのノイズ量の少なさも特出しており、単にノイズが少ないのではなく、高い解像感を保っている点が秀逸だ。
画質面では付け入るスキがない機種ではあるが、あえて言わせてもらえれば、オートホワイトバランスでの色味が評価のわかれるところだろう。忠実な色再現が可能なビデオカメラであるが、オートホワイトバランスでは青味が少し強調されてしまう場合がある。オート撮影では、いわゆる寒色系の傾向になるようで、よくいえば「クールで落ちつきのある絵」、悪くいえば「冷たくて味気のない絵」となる。このあたりは好みの問題なので、他機種のサンプルと見比べてみてほしい。
- 多彩なサムネイル表示が魅力
- 高解像度な静止画切り抜きが可能
- 簡易的な動画編集機能

ハンディカムシリーズには、動画・静止画の取り込み・編集が可能な独自ソフト「Picture Motion Browser 3.0」が付属する。新製品がリリースされるごとにバージョンアップが施されており、今回の新ハンディカムでは、データディスクの作成に対応したほか、動画共有サービス「eyeVio」、写真共有サービス「So-net Photo」などへ動画/静止画データを手軽にアップロードすることが可能となっている。
Picture Motion Browserの特徴としては、動画・静止画のサムネイル表示が非常に凝っている点があげられる。月別・日別・時間別でのカレンダー表示が可能なうえ、ひとつの動画を一定間隔で表示したり、特徴的なシーンを自動抽出して表示したりできる「フィルムロールインデックス」の利用も可能。位置情報が付加された静止画をオンライン地図上に表示する「マップビュー」機能なども用意されており、データ管理を楽しく行うことができる。
また、HDR-SR11では、Picture Motion Browser 3.0を使って高解像度の静止画切り抜きが可能な点も魅力。独自の解像技術を用いて、最大300万画素相当で切り抜いてくれる。逆に残念なのは、動画編集機能。DVDメディアに、ハイビジョン動画をAVCHDディスクとして書き込んだり、スタンダード画質に変換してDVDビデオとして書き込んだり、WMV/MPEG-2に変更・保存したりなど、書き込み・変換機能は充実しているが、動画編集自体は、カット編集以上の高度なことができない。今後の機能アップに期待したい。


































ソニー初のフルハイビジョン記録モデルで、画質面で妥協のない仕上がりとなっており、ビデオカメラとしての完成度は今回レビューの3機種の中でもっとも高いと評価したい。画質評価では、オートホワイトバランスの寒色傾向をレポートしたが、解像感・立体感については文句のつけようのない高レベルとなっている。また、3.2型液晶モニターで高品位に映像を視聴できるのも他機種にはない魅力。幅広いマニュアル撮影が可能なので、カメラ通の方でも満足できるはずだ。なお、120GB HDD採用の上位モデル「HDR-SR12」も用意されている。