最近は、テレビCMでも「ブルーレイ」という言葉を多く耳にするようになったが、“今”、ブルーレイレコーダーが注目を集めている理由はいくつかある。まずは、“次世代DVD”の規格争いが終結したこと。これによりブルーレイレコーダーの製品ラインアップが増加し、急激に値ごろ感が出てきた。10万円を切るエントリーモデルから20万円台後半の上級モデルまで選択の幅が広がったのだ。 また、2層BD-R/DLへの対応のほか、著作権保護のためのコピー制限の緩和、ハイビジョン解像度のまま圧縮可能な技術「MPEG-4 AVC」フォーマットの対応など、これまで消費者がブルーレイレコーダーの購入を控えていた要因となっていた問題の多くが一気に改善されてきたのも大きな理由の1つ。さらに、今年は4年に1度の五輪の年。当然、大会の模様はハイビジョンでの放送がほとんどであり、決定的瞬間を美しく迫力のある映像で残しておきたいと考える人は多いはず。コレだけの理由が揃った今こそ、ブルーレイレコーダーは「買い時を迎えた」といってよいだろう。

ブルーレイディスク(BD)とHD DVDの次世代記録メディアの規格争いが、2008年1月の東芝の事業終息声明により終結。そのため、現段階での次世代記録メディアの規格は「ブルーレイディスク」に1本化されたことになり、“規格統一待ち”をする必要はなくなった。これにともない、これまで両規格から発売されていた映画タイトルも、BDに一本化される。
以前はパナソニックの製品のみが容量50GBの2層BD-Rディスクへの書き込みに対応していたが、この春からは、ほとんどのレコーダー製品が、2層BD-R/DLディスクへの書き込みに対応。1層BD-R(25GB)でも、地上デジタル放送(1440×1080i、16.8Mbps)で約3時間強、もっとも容量を必要とするBSデジタル放送(1920×1080i, 24Mbps)で2時間強の記録が可能だが、2層式では、単純にこの2倍のデータが記録できるということになる。 また、4倍速記録も一般化し、HDDからBDへのダビングもよりスピーディーになった。
ハイビジョン番組の録画について、従来のハイビジョンレコーダーでは、もとのままの大容量で残すか、もしくは画質を著しく落とし、容量を少なくして記録するかのいずれかの選択肢しかなかった。だが、「MPEG-4 AVC」圧縮フォーマットによる録画技術が採用されたことで、ハイビジョン解像度のまま長時間録画が可能となったのである。この技術は、この春各社から発売された最新のハイビジョン対応レコーダーのほとんどで採用されている。
デジタル放送では、著作権保護のために「コピーワンス」という規制がかけられており、録画したデータのムーブは“1回のみ”となっていた。これは、ユーザーにとっては非常に不便なものであったわけだが、このたび、このコピーワンスが総務省で再検討され、コピーワンスに代わり、著作権保護付きの番組を9回までコピーできる「ダビング10」が新たに導入されることとなった。なお、当初は2008年6月2日からの実施をアナウンスしていたが、現在、実施時期の延期が予定されている。とはいえ、ほとんどのメーカーが新モデルでの対応はもちろん、現在発売されている最新モデルにおいてもファームウェアの更新による対応をうたっている。データのコピーに規制がかかっていることは変わりないが、「1回ムーブ」しかできなかったことを考えれば、劇的な進化といってよいのではないだろうか。
最新のブルーレイレコーダーは、ラインアップが豊富になった分、メーカーの違いだけでなく同じシリーズ内でもそれぞれのモデルに搭載された機能や操作性が異なるなど、各製品が個性を発揮しているのが特徴だ。ここでは、現在、ブルーレイレコーダーを発売している主要3メーカーの最新ラインアップとその特徴を紹介する。ぜひ、自分のAVスタイルにピッタリのブルーレイレコーダー選びの参考にしていただきたい。なお、今春発売された「BDZ-A70」(ソニー)と「DIGA DMR-BR500」(パナソニック)については、Part2で詳細レビューを紹介しているので、そちらもあわせてチェックしてほしい。
他のメーカーが、従来のハイビジョン対応DVDレコーダーをラインアップに混在させる中、ソニーは、レコーダーの全ラインアップをブルーレイディスクレコーダーに一本化している。ラインアップは、スタイル別に「T」「L」「X」「A」の4シリーズ展開となっているのが特徴。インターフェイスはほぼ共通だが、シリーズごとに搭載される機能や使い勝手が異なるので、目的に合わせて選択したい。各シリーズの特徴は以下の通りである。
| T | ハイビジョン録画がメインのベーシックモデル |
|---|---|
| L | ハイビジョンカメラとの連携が強化されており、撮影データを簡単にBDに残せる |
| X | 画質・音質重視のシアター用途を重視したハイエンドモデル |
| A | PSPやウォークマンとの連携で録画画像を持ち出せる |
機能面では、録画機能が豊富で優秀だ。ソニーのお家芸ともいえる検索機能と、それをベースにしながらユーザーの好みを学習して自動録画を行う「おまかせまる録」機能もさらに充実している。なかでも、番組情報から出演者の人名や事象などのキーワードを選択し、ほかの関連番組を検索する「気になる検索」は非常に便利。予約録画をよりすばやく快適に行えるソニーらしいこだわりの機能といってよいだろう。縦と横に並ぶメニューを交差させて項目を選択させる独特のGUI「クロスメディアバー」も、ソニの製品共通のインターフェイスで、慣れるとすばやく目的の機能を呼び出せるようになる。
画質は、傾向として一見すると地味なイメージだが、いたずらな派手さがない分、非常に見やすく万人に好まれそうだ。ディテールもきっちりと描写され精細感が高い。特筆すべきは諧調表現の高さで、暗部の描写力は特に秀でていた。
録画したデジタル放送を、PSPやウォークマン(デジタル放送番組の転送はウォークマンNW-A820シリーズのみ)に転送し外出先でも鑑賞できる「おでかけ・おかえり転送」機能がウリの「BDZ-A70」。転送は、基本的には本体前面「ワンタッチ転送ボタン」を押すだけでよい。
パナソニックといえば、2006年に発売された「DMR-BW200」がブルーレイレコーダーとしてヒットしたのが記憶に残るが、おもに操作性など、このモデルで好評だった仕様を基本的に継承しつつ、さらなる進化を遂げている。昨年11月に発売されたラインアップから(現行)、AVC録画機能が搭載されるようになり、BDディスクだけでなくDVDディスクにもハイビジョンを録画を記録できるようになった点が人気を呼んだ。DVDディスクにも保存可能という点はソニー機にはない特徴で、同社のブルーレイレコーダーの大きな特徴となっている。なお、DVDはDVD-R/-R DLのほか、DVD-RAM/-RWへの書き込みにも対応している。MPEG-4 AVCの録画モードは3つあり、それぞれのモードにおけるDVDへの記録時間は以下のとおりである。
| DVD/録画モード | HG(12.9Mbps) | HX(8.6Mbps) | HE(5.7Mbps) |
|---|---|---|---|
| 1層 | 約42分 | 約1時間5分 | 約1時間40分 |
| 2層 | 約1時間20分 | 約2時間 | 約3時間 |
各モデルの機能や装備には大きな違いはなく、おもにHDD容量やチューナー数の違いなので、製品選択はしやすい。これも同社のラインアップの特徴もいえる。
簡単でわかりやすい操作性だけでなく、レスポンスのよさもパナソニック製品の人気の理由の1つといってよい。わかりやすさをポリシーとしているためか、詳細な設定や編集機能はあまり搭載されておらず物足りなさを感じるユーザーもいるかもしれないが、番組表や番組検索、予約録画の使い勝手は非常にわかりやすく、どちらを優先するかは好みの問題だろう。
好評の「ビエラリンク」機能も健在。
画質は、鮮やかな発色が特徴で、MPG-4 AVCでのハイビジョンらしいメリハリの効いた映像を堪能できる。また、MPG-4 AVC録画の画質のよさは極めて優秀。
デジタルチューナーを1基にすることでリーズナブルな価格を実現したモデル。とはいえ、使い勝手のよさだけでなく、MPEG-4 AVC録画など、基本的な機能は上位モデルと同等。AVCHD規格のハイビジョン動画に対応するSDメモリーカードスロットも搭載し、もちろん、「ビエラリンク」にも対応する。ハードディスク容量は250GBとやや少なめではあるが、コストパフォーマンスは非常に高い。
今春から、ブルーレイレコーダー市場に新規参入した三菱電機。MPEG-4 AVC方式の採用により、最大で約189時間のフルハイビジョン長時間録画を実現している(HDD500GB搭載モデル「DVR-BZ200」の場合)。また、MPEG-4 AVC方式を用いたAVCRECにより、1層のDVDディスクにもフルハイビジョン映像を最大1時間40分記録することが可能だ。
ラインアップは、HDD容量の異なる2モデルで、基本的な機能や使い勝手はほぼ共通となっている。また、液晶タッチパネル採用の「液晶グット楽リモコン」や、盛り上がったシーンだけを再生する「ハイライト再生」機能など、個性的な独自機能の搭載も見逃せない。「液晶グット楽リモコン」は、同社製のエアコン「霧ヶ峰」を操作できるというのも面白く、予想以上に個性的な新鋭機に仕上がっている。
通常のボタンタイプのリモコン(フルリモコン)にプラスして、世界初となる液晶タッチパネルを採用したリモコン「液晶グット楽リモコン」を採用。液晶グット楽リモコンでは、録画予約や再生といった基本操作が、液晶画面に表示されるメニューを選んでいくだけで行える。メニューを選択すると音でも反応するため、機械オンチの方だけでなくシニア層にも使いやすい。フルリモコンの「一発録画」ボタンも便利だ。メニューもシンプルでわかりやすい。
再生・編集機能も個性的だ。再生機能で興味深いのは、スポーツの盛り上がったシーンだけを連続して早見できる「ハイライト再生」や、音楽番組の楽曲部分だけを再生する「楽曲再生」機能だ。録画した番組の“オイシイところ”だけを楽しみたいという忙しい人にはとても重宝する機能である。抽出した楽曲部分を手軽にディスクにダビングすることもできるので、手軽にお気に入りの音楽クリップ集を作成できるのも面白い。
三菱電機初のブルーレイレコーダーながら、DVDディスクへのダビングも可能なAVCREC機能など、最新機能もしっかりと盛り込まれており、それでいて、液晶リモコンやハイライト再生、楽曲再生など、“あったら便利・面白い”といった個性的な機能が多数搭載されている。「手軽に楽しめるブルーレイレコーダー」という印象だ。
シャープからは、現行のブルーレイレコーダー「BD-HDW20」、「BD-HDW15」の後継機となる3機種「BD-HDW30」、「BD-HDW25」、「BD-HDW22」が7月1日に発売される。
新モデルは、圧縮効率の高い方式「MPEG-4 AVC/H.264」を採用。ハイビジョン番組を画質を落とさずに、業界最長となる5倍で録画できる「5倍モード」を搭載している。さらに、2倍モードや3倍モードでは、長時間録画時でも番組連動データを記録することが可能で、サラウンド音声もそのままの形で記録でき、放送された内容と同じものが録画データでも楽しめるようになっている。
また、同社の液晶テレビAQUOSとの連携機能「ファミリンク」も健在。高画質な映像を出力する「AQUOS純モード」の搭載により、より高画質な映像を楽しめるようになっている。
さらに、テレビの主電源のように使える「エコモード」機能を本体に搭載。エコモードスイッチを「入」にすると、予約録画のみを行う低消費電力の待機モードとなり、待機時消費電力が70%削減できるという。 なお、3モデルのスペックの違いは、主にHDD容量の差のみとなっている。

















