現在発売されているブルーレイレコーダーに搭載されているHDDの容量は、スタンダードモデルで250GB〜300GB、ハイエンドモデルでは500GB〜1TBといったところだ。
これまでは、250GBというHDD容量ではデジタル放送の録画には「やや不足」であったが、「MPEG-4 AVC」という映像圧縮フォーマットにより従来の約4倍の録画時間が得られることになった。以下の表は、パナソニック製品を例に、MPEG-4 AVCフォーマットでの記録時間を表にしたものである。250GBでも、十分実用的であることがおわかりいただけるだおう。もちろん、容量は多いに越したことはないが、現状では、500GB程度でも、撮りっぱなしにしない限りは問題ないといえる。
MPEG-4 AVC録画記録時間 (パナソニック製品の場合)
| モード/HDD容量 | 250GB | 500GB | 1TB |
|---|---|---|---|
| DR | 約22時間 | 約45時間 | 約90時間 |
| HG(MPEG-4 AVC) | 約40時間 | 約80時間 | 約160時間 |
| HX(MPEG-4 AVC) | 約62時間 | 約126時間 | 約254時間 |
| HE(MPEG-4 AVC) | 約93時間 | 約189時間 | 約381時間 |
実は、BDのメディアも世代が進み、4倍速記録ディスクの登場などバリエーションも増え、この1〜2年で価格もだいぶ下がってきている。
たとえば、1層のBD-Rディスク(25GB)の価格は、大手量販店で700〜800円程度。参考までにDVD-Rディスク(4.7GB)は100円程度である。容量あたりの価格を考えれば、BDディスクが30円前後。DVDディスクが約21円となり、BDディスクがだいぶリーズナブルなものになりつつあるのがわかる。
そんな中、今話題となっているBDメディアが「LTHタイプ」といわれる有機色素幕ディスクである。これは、DVD-Rと同様の色素を使うタイプのため、現行の金属窒素化膜タイプのディスクよりも安く製造できるというものだ。とはいえ、現在、LTHタイプのBDディスク(BD-R/2倍速)は1枚が1000円前後と、従来のBDディスクよりも高価になっているが、将来的には1枚500円程度になると予測されているので、期待したいところである。
LTHタイプBD-Rメディア(マクセル製)。パッケージにはLTHタイプであることが書かれている |
なお、LTH形式のメディアはBD-R規格のVer.1.2で正式サポートされており、BD-R Ver.1.2に対応している機器なら扱うことができる。BD-R Ver.1.2規格は2007年春に策定された規格なので、それ以後に登場した機器ならばまず問題ないだろう。逆に、2007年春以前の機器では対応できない場合もあるので注意が必要だ。
この春発売された最新のハイビジョン対応レコーダーのほとんどが、「MPEG-4」技術を利用したAVC圧縮規格(MPEG-4 AVC)に対応している。
このMPEG-4 AVCという圧縮技術を使うことで、これまでそのままの大容量で記録するか、画質を落として容量を小さくするしか選択肢がなかったハイビジョン映像の録画が、解像度を維持したまま圧縮できるようになった。なお、AVC録画は、DVDのVRモードと同様に、規格として画質モードが明確に定められているわけではないので、メーカーによってモードの名称やビットレートは異なっている。ちなみに、パナソニック、ソニーでは以下の名称とビットレートになっている。
MPEG-4 AVC モード名称とビットレート
| モード | ビットレート |
|---|---|
| HG | 12Mbps |
| HX | 8Mbps |
| HE | 5Mbps |
| モード | ビットレート |
|---|---|
| XR | 15Mbps |
| XSR | 12Mbps |
| SR | 8Mbps |
| LSR | 6Mbps |
この録画モードを利用して、パナソニック、東芝、三菱電気製品では、DVDディスクへのハイビジョン録画が可能になっており、パナソニックの場合、1層のDVD−Rディスクに最大で約1時間40分の録画が可能となっている。
デジタル放送には、著作権保護のため例外なく導入されている「コピーワンス」規格。コピーワンスでは、録画したデジタル放送の映像を、たった1回しかムーブできないという、ユーザーにとって非常に不便を感じさせるものであった(ムーブとは、HDDからDVDへダビングすると、HDDの元映像が消去され手元にはコピーしか残せないという状態)。1回しかムーブできないこのコピーワンス規格は、ユーザーにとって非常に不便を感じさせるものであった。
そうした中で新技術としての導入が決まったのが、録画した映像を9回までコピーできる「ダビング10」である(コピー9回+ムーブ1回)。“10”の根拠は、家族3人で3回ずつ同じ番組をコピーすることを想定したものだという。
コピーしたメディアから別のメディアにコピーする、いわゆる“孫コピー”や、コピーしたデータをHDDに書き戻しすることができない点はコピーワンスの時と変わらないが、コピーのチャンスが9回あるダビング10なら、コピーの失敗によりもとの録画データまで消失してしまったという事故は防ぐことができる。
まもなく導入されるであろうこのダビング10だが、従来モデルではコピー回数をカウントする機能が組み込まれていないため、この制度が導入されても“コピーワンスのまま”ということになる。2007年の秋モデルでは、ダビング10に対応できる機能があらかじめ仕組まれている「ダビング10レディ」モデルになる予定だが、もし、型落ち製品や在庫品などを購入する際は、ダビング10レディかどうか確認したほうがよいだろう。
2008年6月2日の導入が予定されていたダビング10だが、2008年5月30日現在、実施時期は延期されており、開始日は宣言されていない。
「ブルーレイ」に注目が集まりがちだが、HDD/DVDレコーダーも新モデルが多数登場しており、実は大いに購入検討の価値があるといえる。その理由は、「MPEG-4 AVC」機能の搭載。「MPEG-4 AVC」機能を持つモデルなら、HDDはもちろん、安価なDVDディスクにもハイビジョン画質の映像を長時間記録できるようになるからだ。ブルーレイレコーダーもHDD/DVDレコーダーも、記録可能なメディアの違いこそあれ、基本的な機能や操作性はほとんどかわらない。コストパフォーマンスを第一に考えるなら、MPEG-4 AVC記録に対応したHDD/DVDレコーダーを選ぶという選択も、現状では大いに“アリ”といえる。






