CPU市場で、今もっともホットな話題は、デュアルコアCPUに代わって、いよいよクアッドコアCPUが主流になりつつあることだ。
そもそも、クアッドコアCPUへの流れが本格化したのは、2007年にインテルが大幅な価格改定を行ったことが大きい。特に、価格改定で3万円台から購入可能となったコストパフォーマンスモデル「Core 2 Quad Q6600」が爆発的な人気を集め市場を牽引した。現在も引き続き、Core 2 Quadシリーズは市場で高い人気を集めている。
Core 2 Quadの製品ラインアップを見ると、2008年3月に、45nmプロセスルール採用の「Core 2 Quad Q9000」シリーズが登場したことが大きなトピックだ。ただ、それ以降、インテルは大きな動きを見せておらず、今は現行モデルの価格が下がってきている段階である。
※2008年8月10日のCore 2 Quad価格改定により、Q9550が40%値下げとなった。さらに、新モデルとして、3.0GHz駆動のトップモデル「Q9650」と、中位モデル「Q9400」が追加された
| モデル | 周波数 | FSB | L2C | L3C | TDP | プロセス | 最安価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Core 2 Quad Q9650 | 3.0GHz | 1333MHz | 12MB | ― | 95W | 45nm | 円 |
| Core 2 Quad Q9550 | 2.83GHz | 1333MHz | 12MB | ― | 95W | 45nm | 円 |
| Core 2 Quad Q9450 | 2.66GHz | 1333MHz | 12MB | ― | 95W | 45nm | 円 |
| Core 2 Quad Q9400 | 2.66GHz | 1333MHz | 6MB | ― | 95W | 45nm | 円 |
| Core 2 Quad Q9300 | 2.5GHz | 1333MHz | 6MB | ― | 95W | 45nm | 円 |
| Core 2 Quad Q6700 | 2.66GHz | 1066MHz | 8MB | ― | 95W | 65nm | 円 |
| Core 2 Quad Q6600 | 2.4GHz | 1066MHz | 8MB | ― | 95W | 65nm | 円 |
Core 2 Quadは、45nmプロセスの「Q9000シリーズ」と、65nmプロセスの「Q6000」シリーズの2シリーズが用意されている。売れ筋は、Q9000シリーズで、どのモデルも高い人気となっている |
インテルのライバルとなるAMDのクアッドコアCPUのトピックも紹介しよう。AMDは、「Phenom X4」というブランドで、クアッドコアCPUを展開している。もともとは、Phenomというブランド名であったが、2008年3月、新製品のリリースにあわせて、トリプルコアCPUを「Phenom X3」、デュアルコアCPUを「Phenom X4」という名称で統一した。
Phenom X4は、1つのダイに4つのコアを搭載する「ネイティブクアッドコア」が特徴で、構造上は、デュアルコアのダイを2基搭載するCore 2 Quadよりも高いパフォーマンスを発揮できる可能性を持っている。ただ、Phenomブランド時代の製品が構造上の欠陥を持っていたこともあり、Core 2 Quadほどの人気を得るにはいたっていない。現状でも、インテルに一歩水をあけられており、AMDが、今後どのように巻き返してくるのかに注目したい。
| 製品名 | 周波数 | FSB | L2C | L3C | TDP | プロセス | 最安価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Phenom X4 9950 BE | 2.6GHz | 4000MHz | 2MB | 2MB | 140W | 65nm | 円 |
| Phenom X4 9850 BE | 2.5GHz | 4000MHz | 2MB | 2MB | 125W | 65nm | 円 |
| Phenom X4 9750(95W) | 2.4GHz | 3600MHz | 2MB | 2MB | 95W | 65nm | 円 |
| Phenom X4 9750(125W) | 2.4GHz | 3600MHz | 2MB | 2MB | 125W | 65nm | 円 |
| Phenom X4 9550 | 2.2GHz | 3600MHz | 2MB | 2MB | 95W | 65nm | 円 |
| Phenom X4 9350e | 2.0GHz | 3600MHz | 2MB | 2MB | 65W | 65nm | 円 |
| Phenom X4 9150e | 1.8GHz | 3600MHz | 2MB | 2MB | 65W | 65nm | 円 |
| Phenom X4 9100e | 1.8GHz | 3600MHz | 2MB | 2MB | 65W | 65nm | 円 |
Phenom X4は、通常のモデルのほかに、クロック倍率の変更が可能な「Black Edition」と「低消費電力タイプ(モデルナンバーの末尾にeが付随するもの)」が用意されている |
なお、クアッドコアCPUが主流になってきているとはいっても、まだまだデュアルコアCPUも健在である。インテルの45nmプロセスで製造された「Core 2 Duo E8000」「同 E7000」シリーズや、省電力性にすぐれるAMDの低電圧版「Athlon X2」シリーズなどが、今なお、高い人気を集めている。その理由として、クアッドコアCPUは、マルチスレッド処理に対応したアプリケーションでないと本来のパワーを発揮できないことが大きい。アプリケーション側の対応が追いついていない状況なのだ。ゲームマシンとしてパソコンを組む場合は、クロック周波数の高いデュアルコアCPUを選んだほうが良好なパフォーマンスを得られるということもある。つまり、使用用途によっては、必ずしもクアッドコアCPUを選ぶ必要はないということを覚えておいてほしい。
ビデオカード市場は、現在、GPU(グラフィックチップ)メーカーであるNVIDIAとAMD(ATI)の間で激しい競争が繰り広げられている。特に、2〜5万円程度の価格のミドルレンジクラスは群雄割拠で、両メーカーのGPUを搭載した数多くの製品が登場している。
なかでも注目してほしいのは、AMDが2008年6月にリリースしたGPU「Radeon HD 4850」だ。ミドルレンジクラスながらも、ハイエンド向けの上位GPU「Radeon HD 4870」と同じく、55nmプロセスルールを採用し、DirectX 10.1をサポートするほか、800基のストリーミングプロセッサを装備するという豪華なスペックを実現。コアクロック625MHz、メモリークロック1986MHzでGDDR3メモリーをサポートする。リファレンスモデルは2万5000円程度の価格で、性能に対するコストパフォーマンスがかなり高くなっている。ミドルレンジクラスの最注目GPUだ。
Radeon HD 4850搭載のリファレンスモデルとして人気を集めるSAPPHIRE「RADEON HD 4850」。512MB GDDR3を装備。出力インターフェイスはDVI2系統 |
一方のNVIDIAは、ハイエンドからミドルレンジクラスのGPUとして「GeForce GTX 260」を新製品としてリリースしている。ハイエンドクラスのGPU「GeForce GTX 280」と同じく、65nmプロセスルールを採用し、DirectX 10に対応。コアクロック576MHz、メモリークロック1998MHz、メモリーバス幅448ビットで896MBまでのGDDR3メモリーをサポートする。リファレンスモデルの価格は、4万円程度。さらに、ミドルレンジクラスでは、8月に、「GeForce 9800 GTX」の強化版となるコストパフォーマンスモデル「GeForce 9800 GTX+」と、9000シリーズの最下位モデル「GeForce 9800 GT」が新たに登場した。
GeForce GTX 260を搭載するGIGABYTE「GV-N26-896H-B」。GDDR3 896MBメモリーを装備。出力インターフェイスはDVI×2 |
ビデオカード選びで気をつけてほしいのは、「どういった用途でパソコンを使うか?」ということである。フル解像度表示でのゲームの画質に妥協したくないなど、バリバリのゲームマシンとして活用するつもりがないのであれば、正直なところ、ミドルレンジクラスの旧製品でも、オンラインゲームや動画再生などをまったく問題ないレベルで処理してくれる。
旧製品で注目したいのは、今、リプレースが行われているNVIDIAのミドルレンジ製品。「GeForce 8800 GT」「GeForce 9600 GT」がお買い得な価格となっている。特に、GeForce 8800 GTは、コアクロック(600MHz)、メモリークロック(900MHz)、ストリーミングプロセッサ数(112基)、メモリーバス幅(256ビット)など、後継となる「GeForce 9800 GT」とスペック部で共通する部分が多い。なお、価格.com最安価格(2008年8月7日現在)では、GeForce 8800 GTが1万2000円程度、GeForce 9800 GT が1万7000円程度で購入できる。
| ブランド | 8〜5万円 | 5〜3万円 | 3〜2万円 | 2〜1万円 | 1万円前後 | 1万円未満 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| GeForce | GTX 280 9800 GX2 |
GTX 260 | 9800 GTX+ (9800 GTX) |
9800 GT 8800 GT 9600 GT |
9500 GT 8600 GT 8500 GT |
8400 GS |
| Radeon | HD 4870 X2 | HD 4870 | HD 4850 HD 3870 |
HD 3850 | HD 3650 | HD 3450 |
マザーボードの最新トピックは、インテルとAMDの双方から、グラフィック機能を内蔵した新型チップセットが登場したことだ。
インテルは、DirectX 10対応の新型グラフィックチップ「Intel GMA X4500HD」を搭載する「Intel G45」を新たにリリース。H.264/MPEG-2/VC-1対応のハードウェアデコーダーを内蔵するのが大きな特徴だ。動画の画質向上機能「Clear Video Technology」なども備える。従来の「Intel G35」チップセットと比べてグラフィック処理性能が向上しており、インテルCPUユーザー注目の製品である。
Intel G45チップセット搭載製品として、PCパーツショップに初めてお目見えしたのがGIGABYTE「GA-EG45M-DS2H Rev.1.0」。MicroATXマザーボードで、独自の省電力化機能「Dynamic Energy Saver Advanced」を装備する。拡張スロットは、PCI Express x4(x16形状)×1、PCI Express x1×1、PCI×2 |
対するAMDは、人気のグラフィック内蔵チップセット「AMD 780G」の上位機種となる「AMD 790GX」を2008年8月6日に発表した。グラフィック機能が「Radeon HD 3200」から「Radeon HD 3300」に向上しており、コアクロックが500MHzから700MHzにアップ。さらに、PCI Express 2.0 x16スロットを、「PCI Express x8×2」に分けることもでき、内蔵グラフィックとビデオカードを組み合わせて処理性能を向上する「Hybrid Graphics」だけでなく、内蔵グラフィックに2枚のビデオカードをプラスして稼動させる「CrossFire X」にも対応するようになった。
2008年8月下旬に発売予定となっているAMD 790GXチップセット搭載のATXマザーボードJETWAY「HA-07」。DDR2 128MBのLFB(ビデオメモリー)を装備。拡張スロットはPCI Express x16×2、PCI Express x1×2、PCI×2 |
なお、Intel G45チップセットとAMD 790GXチップセットは、発表されたばかりのため、搭載マザーボード製品はまだ潤沢に出回っていない。注意してほしい。
メモリー、HDDともに共通しているのは、容量に対する価格が下落していること。容量単価が下落するトレンドは今に始まったことではないが、容量4GBのメモリー(DDR2 PC2-6400/2GB×2枚)が9000円程度、容量1TBのHDD(3.5インチ/SATA300/7200rpm)が1万5000円程度と、かなりお値打ちな価格になっている。今、パソコンを新たに構築するのであれば、「4GBメモリー&1TB HDD」を基準にしてもらいたい。
記録メディアでは、SSD(Solid State Drive)が本格的に市場に登場したのも大きなトピックだ。磁気ディスクではなくフラッシュメモリーを採用しており、HDDと比べて、消費電力が低く、耐久性にもすぐれ、今後、HDDに代わる記録メディアとなることは間違いない。ただ、現段階では、安価なモデルでも、32GBで2万円台、64GBで4万円台と、かなり高額な製品となっている。
また、メモリーについては、DDR3規格のメモリー製品がかなり増えてきている。対応するマザーボードも多くなっており、今後、本格的な普及が見込まれる。だが、DDR2メモリーと比べると、倍以上の価格となっており、コストパフォーマンスの面で大きな差があるのも事実。今の時点ではまだDDR2メモリーを選ぶ方がベターといえる。
今、自作パソコン市場でもっとも話題となっているのが、インテルのモバイル端末・バリューPC向けの新型CPU「Atom」だ。ASUS「Eee PC 901-X」や、MSI「Wind Netbook U100」などのUMPC製品においてAtom搭載モデルが続々と登場しているが、「小型化」「低消費電力」「低価格」を実現した革新的な設計に、自作ユーザーから熱い視線を集めている。
Atomは、CPU単体としてではなく、マザーボードに組み込まれる形で提供されているが、ダイサイズ25mm2というコンパクトなCPUであるため、MicroATXよりもコンパクトなMini-ITX/Mini-DTX仕様のマザーボードに搭載できる。さらに、TDP 1W未満〜4Wという驚異的な低消費電力を実現しており、Atom搭載マザーボードを使えば、「コンパクトで低消費電力のパソコン」を手軽に構築できるのだ。さすがに、Core 2 Duo並みのパフォーマンスは発揮しないが、消費電力を考慮すれば、十二分に納得できる性能だ。
現在、マザーボードにオンボードされるAtomプロセッサは、「Atom 230(クロック周波数1.60GHz)」というモデルとなっている。近いうちに、デュアルコア版のAtomが登場する予定となっており、今度、さらなる盛り上がりを見せるのは間違いない。
以下、Atom搭載マザーボードの最新製品を紹介しておこう。なお、本特集の「製品紹介Part1」に掲載したコラムで、Atomパソコンの構成例を紹介するので、ぜひ、チェックしてみてほしい。
| メーカー | 製品名 | 特徴 | 最安価格 |
|---|---|---|---|
| インテル | D945GCLF | 純正モデル(Mini-ITX) | 円 |
| GIGABYTE | GA-GC230D | オーバークロック対応(Mini-ITX) | 円 |
| MSI | Wind Board | ファンレス&メモリー2スロット(MicroATX) | 円 |
| ECS | 945GCT-D | PCI Express x1搭載(Mini-DTX) | 円 |











