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エントリーモデルを超える機能性を備えたペンタックスの新型「K-m」は、クラス最小ボディが自慢の1台。上位機種「K200D」などと性能・機能を比較しながら、くわしく見ていきます。
ペンタックスのデジタル一眼レフ製品の最新モデルとなる「K-m」。小型・軽量モデルを得意とするペンタックスらしく、幅122.5×高さ67.5×奥行91.5mmという小型ボディを実現したのが最大の特徴だ。2008年12月現在、APS-Cフォーマットのデジタル一眼レフ製品の中では世界最小ボディとなっている。単に小型化しただけではなく、豊富な機能性を備えるのも魅力。単3乾電池4本の駆動に対応し、外出時にバッテリー切れを心配する必要がないのもうれしい配慮だ。
撮像素子には、K200Dと同じ1020万画素CCDを採用。エントリー機としては十分な解像度となっている。また、ボディ内手ぶれ補正機能やゴミ取り機能もしっかりと装備。3.5枚/秒の連写性能は、最上位機種「K20D」をわずかだが上回っている(K20Dは3枚/秒)。さらに、ボタンレイアウトが見直されたほか、充実したヘルプ機能を備えるなど、初級者層を意識した作りこみがなされている点もポイントだ。単なるエントリーモデルではなく、デジタルフィルターやボディ内RAW現像など、クラス随一の豊富な機能性を備えている点にも注目したい。
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| 撮像素子 | 1020万画素CCD | ライブビュー | ‐ |
|---|---|---|---|
| オートフォーカス | 5点 | ダスト対策 | ○ |
| 連写性能 | 3.5枚/秒 | 動画撮影 | ‐ |
| ファインダー | 視野率約96%(倍率0.85倍) | バッテリー寿命 | 約1000枚(CIPA規格準拠) |
| ISO感度 | ISO100〜3200 | サイズ(WxHxD) | 122.5×91.5×67.5mm |
| 液晶モニター | 2.7型(約23万画素) | 重量(本体のみ) | 約525g |
| 記録メディア | SDメモリーカード | 発売日 | 2008年10月下旬 |
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最大4段の補正効果を発揮するボディ内手ぶれ補正機能「SR」をきっちりと装備。MFレンズなど古いレンズを利用する際にも補正が可能だ。なお、従来機では、ボディ背面に手ぶれ補正機能のオン/オフを切り替えるスイッチが付いていたが、K-mは、ソフトウェア制御に変わっており、メニュー画面で機能のオン/オフを選択する |
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K20DやK200Dと同じように、滑らかなイメージのボディデザイン。K20DやK200Dと比べると、ボディ左側をそぎ落としたような形状になっているのが特徴となる。また、小型ボディであるため、ペンタ部が大きく見えるが、それが逆に、カメラとしてのデザインの良いアクセントになっている。なお、幅122.5×高さ91.5×奥行67.5mmのボディは、マイクロフォーサーズ規格採用のパナソニック「LUMIX DMC-G1」よりもさらに幅が1.5mm小さい仕上がり。重量は525gで、クラス最軽量とまではいかないが、十分に軽いボディに仕上げられている。
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人気のパンケーキレンズ「smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited」を装着すると、すばらしく小さいシステムになる。持ち運びやすさという点では、APS-C機においてこれ以上の組み合わせはない |
小型ボディのデジタル一眼レフの欠点は、どうしても窮屈なホールドになってしまうこと。だが、K-mは、ボディ背面の親指が触れる部分が適度に盛り上がっているなど細かい工夫が施されており、ホールド感は、思っていたよりも良好だ。中上級者向けの機種のように、吸い付くような感じではないが、エントリー機としては申し分ないフィーリングである。
なお、シャッター音は大きめでミラーショックも強い。シャッターフィーリングについては、お世辞にも軽快とは言えない。ただ、上位機種ほどシャッターまわりに気を使っていないのは、他メーカーのエントリー機も同じなので、あまり気にする必要はないだろう。
5点測距AFシステムを採用。エントリー機として、測距離点の数は十分だ。従来よりもAF速度が向上しているようで、AFの反応自体は、K20Dよりもすぐれていると感じた。ただ、それでも、キヤノンやニコンのエントリー機と比べると、まだまだ合焦速度の面で差があるのは事実。AF速度は、ペンタックス製品の泣き所だけに、今後の巻き返しを期待したい。
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スーパーインポーズに非対応で、AF合焦時に測距点が光らないため、上位機種と比べるとAFは決して使いやすくはない。また、ファインダーは、ペンタミラー式を採用しており、ペンタプリズム式のK20Dなどと比べると、どうしても暗く見える。ファインダー視野率は約96%で像倍率は0.85倍 |
ボタンレイアウトは、従来と比べて、大きく変わった。従来では、モードダイヤルはボディ上部左側に配置されていたが、K-mでは右側に移動。背面の液晶モニター左側には一切ボタンを配置していないのが特徴で、操作系はすべてボディ右側に集中している。つまり、右手だけで、ほぼすべての操作が可能になっているのだ。
また、従来のペンタックス「K」シリーズは、ボディ上部に情報表示用の液晶パネルを備えていたが、K-mは、ボディの小型化もあってか省略されている。その代わりというわけではないのだろうが、液晶モニターに各種撮影情報が表示されるようになった(ペンタックスは、この画面をステータススクリーンと呼ぶ)。モニターを見ながら、絞りやシャッタースピードを確認できるだけでなく、感度やホワイトバランス、ドライブモードなどをダイレクトに変更することが可能となっている。
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再生ボタンやメニューボタンは、液晶モニター右に並べられている。感度やホワイトバランスなど、基本的な撮影設定を呼び出すファンクションボタンがなくなり、十字キーでダイレクトに呼び出すようになった。十字キーは、ややボタンが小さいタイプで、女性には扱いやすいサイズだ |
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ボディ上部にヘルプボタンが設けられている。このボタンを押してから、操作を知りたいボタンを押すと、機能や使い方の説明がモニターに表示される。なお、ヘルプボタンには、デジタルプレビューやカスタムイメージなどの機能を割り当てることも可能だ |
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白とびを軽減して階調再現性を高める「ダイナミックレンジ拡大」に対応。さらに、新しい機能として、暗部のつぶれを抑える「シャドー補正」を搭載するようになった。ペンタックスのデジタル一眼レフとしては初搭載となる機能だ。
また、画質設定「カスタムイメージ」機能を搭載し、「鮮やか」「ナチュラル」「人物」「風景」「雅(MIYABI)」「モノトーン」という6種類の設定を選ぶことが可能。彩度・コントラストなどの調整にも対応している。
| 機能名 | 特徴 |
|---|---|
| ダイナミックレンジ拡大 | 白飛びを軽減して階調を整える |
| シャドー補正 | 黒つぶれを抑えて、暗部の再現性を高める |
| カスタムイメージ | 「鮮やか」「ナチュラル」など発色傾向を選べる。微調整が可能 |
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カスタムイメージの設定画面(左)。ペンタックスのエントリー向け製品は例外なく、「鮮やか」がデフォルトとなっている。マゼンタとグリーンを強調する「雅」は、ユニークな色彩の写真に仕上げてくれる設定だ。また、カスタムイメージは、撮影した写真をもとにして設定することが可能(右) |
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このほか、要注目なのは、高性能なデジタルフィルター機能。写真の周辺をわざと暗くする「トイカメラ」や、輪郭をやわらげ、ぼかし効果を加える「ソフト」、光源に十字の光芒を加える「クロス」、指定した色以外をモノクロにする「色抽出」などのフィルター効果が用意されている。撮影時だけでなく再生時にも効果を加えることができるのがポイント。再生時には、カスタム設定も含めて14種類から選べる。フィルター効果を重ねることも可能。他メーカーのデジタル一眼レフには、ここまで高機能なものは搭載されていない。非常にユニークな機能だ。
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左が撮影時に利用する際のデジタルフィルター機能の設定画面。カスタムイメージと同様、実際に撮影した写真で効果を確認することができる。右は、再生時のデジタルフィルターの設定画面で、撮影時よりも多くの種類が用意されている |
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以下のサンプルは、蛍光灯下で撮影したもので、使用レンズは「smc PENTAX DA L 18-55mmF3.5-5.6AL」。絞り優先モードで絞りF8に固定し、感度を変更して撮影を行った。その他の設定は、焦点距離35mm、分割測光、オートホワイトバランス、露出補正+2/3で、カスタムイメージ「鮮やか」、ダイナミックレンジ拡大:オフ、シャドー補正「オン」とした。また、ノイズ低減機能オンのサンプルは、高感度NR(ノイズリダクション)「弱」で撮影したものとなる。また、シャープネス設定は、「ファインシャープネス」とした。
※画像をクリックすると元画像が別ウィンドウで開きます
| 感度 | ノイズ低減機能オン | ノイズ低減機能オフ |
|---|---|---|
| ISO100 | ![]() |
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| ISO200 | ![]() |
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| ISO400 | ![]() |
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| ISO800 | ![]() |
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| ISO1600 | ![]() |
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| ISO3200 | ![]() |
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輝度ノイズを無理につぶさない処理を身上とするペンタックスらしく、いい意味で粒状感が高い。最高感度は増感でISO3200に対応し、上位機種K200DのISO1600を超える高感度撮影が可能だ。ただ、常用できるのは、ISO1600くらいが限界だろう。エントリー機としては問題ないレベルの高感度撮影性能だ。
少し気になるのは、色と色の境界でやや描写が破綻気味になっていること。これは、彩度が鮮やかになるデフォルトの画質設定「鮮やか」で撮影しているためだと考えられる。「ナチュラル」では一転して素材重視の画質になるので、好みにあわせて使い分けてほしい。なお、k-mの高感度NR(ノイズリダクション)は、「微弱」「弱」「強」の3種類の効果を選べる。「標準」もしくは「中」という設定がないのが、ユニークといえばユニークだ。
※画像をクリックすると、元画像が別ウィンドウで開きます
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smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、77.5mm、分割測光、F5.6、1/125秒、ISO400、WBオート、EV-1.0、絞り優先、カスタムイメージ:鮮やか、ダイナミックレンジ拡大:オフ、シャドー補正:オン、高感度NR:微弱、ファインシャープネス、JPEG |
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PENTAX DA L 18-55mmF3.5-5.6AL、18mm、分割測光、F8、1/300秒、ISO200、WBオート、EV+0.7、絞り優先、カスタムイメージ:ナチュラル、ダイナミックレンジ拡大:オン、シャドー補正:オン、高感度NR:オフ、ファインシャープネス、JPEG |
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smc PENTAX-DA 40mm F2.8 Limited、分割測光、F2.8、1/80秒、ISO1250、WBオート、EV-0.7、絞り優先、カスタムイメージ:鮮やか、ダイナミックレンジ拡大:オフ、シャドー補正:オン、高感度NR:微弱、ファインシャープネス、カメラ内RAW現像 |
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smc PENTAX-DA 55-300mm F4-5.8ED、190mm、F5.6、1/250秒、ISO100、WBオート、EV+0.3、絞り優先、カスタムイメージ:鮮やか、ダイナミックレンジ拡大:オフ、シャドー補正:オン、高感度NR:微弱、ファインシャープネス、JPEG |
※以下の画像は、クリックすると、元画像を幅もしくは高さ1024ドットに縮小した画像が、別ウィンドウで開きます
高画素化が進むデジタル一眼レフ製品の中では、K-mは、1020万画素という標準的な解像度であることもあり、他の高解像度機種と比べて、細かいところのディテールで負けてしまうと考えるかもしれないが、かなり健闘している。色味については、カスタムイメージの設定によって変わってくるので一律では評価できないが、クリアな発色傾向にあるのは間違いない。
低感度時の作例の中で、ややノイジーなものがあるが、これは、シャープネスの設定を、ペンタックス独自の「ファインシャープネス」に変更しているためだ。ファインシャープネスは、一般的なシャープネス処理に比べて、細かいディテールを残しつつ輪郭部を強調する処理で、細部の描写力にすぐれるが、欠点は、ややノイズが多くなってしまうこと。好みや撮影状況に応じて使い分けてほしい。
持ち運びやすいK-mの小型ボディは、気軽なスナップ撮影に最適だ。単3乾電池駆動であるため、旅行時にも安心して持っていくことができるのも高ポイント。また、とにかく機能性が豊富で、ダストアラート機能など、本レビュー内では紹介しきれなかった機能がたくさんある。しかも、どの機能も、ユーザー側でカスタマイズできるのが特徴で、いい意味で「遊べる」製品だ。撮影をとことん楽しめるように工夫されており、エントリー機に属しておくにはもったいないカメラだ。事実、エントリーユーザーだけでなく、ハイアマチュアユーザーからも熱い視線を集めている。
また、5万円を切るボディ価格も、機能性を考えるとかなり安い。特に、ボディとほぼ同額で購入できるレンズキット、5万円台前半で購入可能なダブルズームキットはお買い得感が高い。しかも、レンズキットおよびダブルズームキットに付属されるレンズはK-m専用の仕様で、従来のキットレンズと同等の光学性能を維持しつつも、より軽量化が図られているのだ。レンズ単体での販売は行われていないので、K-mのコンパクトさをフル活用したいのなら、ぜひ、レンズキットおよびダブルズームキットを選択しよう。
機能性が豊富で非常に楽しいカメラであるが、機能面で腑に落ちないのは、AF合焦時に、測距点を光で知らせるスーパーインポーズに対応していないことだ。明るい撮影シーンで、ファインダーの視認性が高い状況では問題ないが、暗いシーンでは、厳密なAFの合焦位置を判断できないことが何度かあった。また、コンパクトボディであるため致し方ないが、ライブビュー撮影機能を搭載しないのも残念。
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