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本レビュー特集の最後を飾るのは、今、カメラ通の方を中心に高い評価を得ているソニー初のフルサイズデジタル一眼レフ「α900」。2460万画素CMOSセンサーや、視野率100%の高品位ファインダーを搭載するなど、カメラとしての完成度に徹底的にこだわっているのが特徴です。
2008年10月23日、2008年中のリリースが予定されていたソニー「α」シリーズの35mmフルサイズモデル「α900」が、驚きの声を集めながら登場した。以前より公表されていたとおり、撮像素子には、デジタル一眼レフでは最大解像度(2008年12月現在)となる新開発2460万画素CMOSセンサーを採用。フルサイズセンサーにも関わらず、撮像素子ユニットを動かすボディ内手ぶれ補正機能を搭載するなど、従来にはなかったハイレベルな技術を搭載してきたソニーの意欲作だ。
撮像素子以上に驚かされたのは、視野率約100%を達成した非常に高品位なファインダーだ。98%のキヤノン「EOS 5D Mark II」、95%のニコン「D700」と比べてアドバンテージとなるだけでなく、デジタル一眼レフ製品の中でも最高品位のファインダーに仕上がっているのだ。このほかにも、画像処理エンジンを2個搭載するデュアル「BIONZ」を採用し、2460万画素のフル解像度で、5枚/秒の連写性能を実現している点なども注目点だ。
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| 撮像素子 | 2460万画素CMOS | ライブビュー | ‐ |
|---|---|---|---|
| オートフォーカス | 9点(+アシスト10点) | ダスト対策 | ○ |
| 連写性能 | 5枚/秒 | 動画撮影 | ‐ |
| ファインダー | 視野率約100%(倍率0.74倍) | バッテリー寿命 | 約880枚(CIPA規格準拠) |
| ISO感度 | 常用ISO200〜3200 (拡張:ISO100、ISO6400まで) |
サイズ(WxHxD) | 156.3×116.9×81.9mm |
| 液晶モニター | 3.0型(約92万画素) | 重量(本体のみ) | 約850g |
| 記録メディア | CFカード、メモリースティック デュオ | 発売日 | 2008年10月23日 |
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大きなフルサイズセンサーを搭載しながらもボディ内手ぶれ補正機能を搭載してきたのには驚かされる。補正効果は約2.5〜4段で、コニカミノルタおよびミノルタ製の交換レンズにも対応する。ファインダー内に手ぶれ警告がゲージで表示されるのが面白い |
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機能面では、新搭載された「インテリジェントプレビュー」に注目。マウント部下部のボタンを押すことで、プレビュー写真とヒストグラムを見ながら、露出、ホワイトバランス、自動階調補正機能「Dレンジオプティマイザー」の設定を変えながら、その効果をシミュレーションできるというものだ |
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一眼レフらしいメカニカルな印象で、高性能なカメラであることを思わせるフォルム。αシリーズのフラッグシップモデルらしく、デザインも秀逸な仕上がりだ。なかでも、三角形に盛り上がった大きなペンタ部の存在感が際立っている。高品位なファインダーを実現しただけでなく、デザイン性の面でもアクセントとなっている。
シャッターに関しては、やや大ぶりな動作で、ボディ内に音がこもるような感じがする。ミラーショックも、お世辞にも少ないとはいえない。ファインダー像の消失時間が長く、α700のように、切れ味するどいフィーリングではないのが残念だ。
厚みのあるグリップで、手の大きい男性でもがっちりと握ることができる。女性だと、ちょっと大きいと感じるかもしれないが、グリップの先端が細くなっているためホールド感で違和感を覚えることはないはずだ。幅広いユーザーに受け入れられるグリップ形状といえる。
中央部デュアルクロス仕様(縦横それぞれ2本のAFセンサーをクロス配置し、F2.8対応センサーを横位置に配置)の新開発9点(+アシスト10点)AFシステムを採用。合焦スピードにすぐれ、ピント精度にも不満を感じることはなかった。特に、SSM(超音波モーター)搭載のレンズでは快適なAFを楽しめる。背景のコントラストが強い場合などにピント抜けが発生することもあったが、実用上ではそれほど問題はないはずだ。測距点がやや中央に寄り過ぎているのが難点だが、従来のαシリーズと比較すると、よくぞここまでブラッシュアップしてきたと評価したい。
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視野率約100%を実現したファインダー。このファインダーを覗けば、間違いなく、現段階での最高品位のファインダーであることがおわかりいただけるはずだ。明るさ・大きさとも圧巻の仕上がりで、周辺部のにじみもほとんど感じない。マニュアルフォーカスでのピント合わせもストレスなく行える。さすがに、ファインダー性能で定評のあったフィルム一眼レフ「α-9」の品質を目指して開発されただけのことはある |
ボタンレイアウト、メニュー画面ともに、αシリーズのAPS-C最上位機「α700」を踏襲しており、αユーザーの方がステップアップして使う場合に、まったく違和感なく使用開始できるようになっているのが特徴だ。
ボディ上部に、ホワイトバランス、感度、ドライブモード設定用の独立したボタンを配置し、背面には、測光モード変更レバーやカスタムボタン(AFロックやフォーカスエリアなどを割り当て可能)を備える。この仕様は、α700とまったく同じだ。また、撮影情報画面から各種設定変更を行える「クイックナビ」も装備。ファンクションボタンを押すことで、画面を見ながら撮影設定を手軽に変更することが可能だ。
操作性の面では、ボディ上部に、モノクロの表示パネルを備えるのがα700とは異なるところ。表示パネルには、絞り値やシャッター速度、撮影可能枚数、バッテリー残量、露出補正の有無が表示される。感度やホワイトバランス、ドライブモード、露出補正の変更を行う際には、それぞれの設定パラメーターが表示される。
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ボディ上部と背面に設置されるボタンは、細かい設置場所を除けば、α700と同じレイアウトとなっている。ボタン操作で賛否が分かれるのは、液晶モニター右に配置されるジョイスティックタイプのマルチセレクターだ。あらゆる操作をこのセレクターで行えるのだが、クリック感が少ないこともあり、慣れるまでは、プッシュ(決定)したつもりがメニュー移動になってしまったりと、誤動作が多くなってしまった |
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白飛び・黒つぶれを防いだ階調再現を実現する自動階調補正機能「Dレンジオプティマイザー」を搭載。α900では、シーン判定のアルゴリズムを見直すことで、より精度が高まっているという。また、αシリーズ共通の画質設定機能「クリエイティブスタイル」を装備。「スタンダード」「ビビッド」「ニュートラル」「クリア」「ポートレート」「風景」など計13種類の画質設定が用意されており、シャープネスやコントラストなどのパラメーターを細かく微調整することができる。
| 機能名 | 特徴 |
|---|---|
| Dレンジオプティマイザー | 白飛び・黒つぶれを防ぐ自動階調補正機能 |
| クリエイティブスタイル | スタンダードやビビッドなど13種類を用意。カスタム設定が可能 |
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α900のDレンジオプティマイザーには、画面全体を一様に自動で最適化する「スタンダードモード」と、画像の領域ごとに自動で最適化する「アドバンスオートモード」、補正効果を1〜5の範囲で選択できる「アドバンスレベル設定」の3モードが用意されている。補正効果の異なる3枚(弱、中、強)を一度に撮影できる「Dレンジオプティマイザーアドバンスブラケット」機能も利用できる |
以下のサンプルは、蛍光灯下で撮影したもので、使用レンズは「Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM」。絞り優先モードで絞りF8に固定し、感度を変更して撮影を行った。その他の設定は、焦点距離50mm、マルチパターン測光、オートホワイトバランス、露出補正+1/3で、クリエイティブスタイル「スタンダード」、Dレンジオプティマイザー「スタンダード」となる。また、ノイズ低減機能オンのサンプルは、高感度ノイズリダクション「標準」で撮影したものとなる。
※画像をクリックすると元画像が別ウィンドウで開きます
| 感度 | ノイズ低減機能オン | ノイズ低減機能オフ |
|---|---|---|
| ISO200 | ![]() |
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| ISO400 | ![]() |
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| ISO800 | ![]() |
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| ISO1600 | ![]() |
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| ISO3200 | ![]() |
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| ISO6400 | ![]() |
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常用感度ISO200〜3200で、増感でISO6400に対応するが、さすがに、2460万画素という高解像度のため、ノイズの量は、EOS 5D Mark IIやD700よりも確実に多い。ISO1600が常用できるギリギリのラインだと感じる。ISO3200は、ノイズリダクションを働かせればノイズの量自体は軽減するが、のっぺりとしてしまい解像感がなくなってしまう。やはり、ISO1600までを常用とするのがベターだ。
なお、α900の「高感度ノイズリダクション」には、「弱」「標準」「強」の3種類が用意されている。「標準」だと、ややノイズをつぶし気味の処理が行われるため、粒状感にこだわるなら「弱」を選択するとよいだろう。
※画像をクリックすると、元画像が別ウィンドウで開きます
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM、70mm、マルチパターン測光、F2.8、1/80秒、ISO500、WBオート、EV+0.3、絞り優先、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG |
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM、70mm、マルチパターン測光、F4、1/200秒、ISO200、WBオート、EV+1.0、絞り優先、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG |
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM、70mm、マルチパターン測光、F8、1/125秒、ISO200、WBオート、EV-1.0、絞り優先、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG |
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Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM、マルチパターン測光、F4、55mm、1/60秒、ISO200、WBオート、EV-0.3、絞り優先、クリエイティブスタイル:スタンダード、JPEG |
※以下の画像は、クリックすると、元画像を幅もしくは高さ1024ドットに縮小した画像が、別ウィンドウで開きます
解像感という意味では、EOS 5D Mark IIとほぼ同じレベルを実現しており、細部の描写力はクラスナンバーワン。2460万画素の高い解像度を生かすためにも、やはり、同社の高性能な「カール ツァイス」ブランドレンズを選びたいところ。今回試用した限りでは、ズームレンズ「Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM」との相性がバツグンだと感じた。ズーム全域で描写力にすぐれ、周辺部の色収差も少ない。AF性能をフルに発揮するためにも、ぜひ、α900の常用レンズとして選択したい製品だ。
ただ、α900は、どのレンズを使っても、基本的には、シャドーからハイライトまで、階調豊かに再現し、メリハリのある写真に仕上げてくれる。彩度はやや抑え気味で、露出はアンダー気味の傾向にある。また、コントラストは、Dレンジオプティマイザーの効き具合によって変わってくるようだ。
α900は、αシリーズの集大成としてリリースされた製品だが、待ち望んだファンの期待を裏切らない素晴らしいカメラに仕上がっている。「これぞ一眼レフ」と言いたくなるほどで、撮影していて楽しいカメラだ。その最大の理由は、やはり、視野率100%の高品位なファインダーにある。機会があれば、ぜひ一度、このファインダーを覗いてみてほしい。
また、2460万画素というクラスナンバーワンの高解像度を実現した点も、好意的に受け止めたい。高解像度ゆえに、高感度撮影でのノイズ処理については、EOS 5D Mark IIとD700に及ばないが、低感度での画質は素晴らしいものがある。基本的に、ポートレートや風景写真で能力を発揮するカメラではあるが、ボディ内手ぶれ補正も備えており、スナップ写真で活用してみても面白いだろう。
ライブビュー撮影機能を搭載していない点が気になる方もいるだろう。確かに、最新のデジタル一眼レフのライブビューは、かなり使い勝手にすぐれるようになってきており、マクロ撮影など、マニュアルでの厳密なピント合わせが求められる場合に威力を発揮する。撮影の幅を広げるという意味では、搭載していてほしかったユーザーも多いのではないだろうか。
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