no.70 2009年5月13日更新

「3万円で買う」フルHD液晶ディスプレイの選び方

[PART1]スペック表はココをチェック!後悔しない「低価格フルHDディスプレイ選び」のポイント

[PART1]スペック表はココをチェック!後悔しない「低価格フルHDディスプレイ選び」のポイント

解像度やパネルサイズ、駆動方式、コントラスト比、応答速度など、 スペックから読み取れる“購入前に知っておきたいチェックポイント”を整理して解説。 今買うディスプレイとして納得できる最低条件を紹介します。

昨年あたりから、解像度が1920×1080ドットを超える大型サイズのフルHD液晶ディスプレイが、 2〜3万円からという比較的安価な価格帯で多数登場しており、次世代ゲームや地上デジタル放送、 ブルーレイディスクによる映画などを高精細映像で満喫したいと考えている人や、 これまで、17インチクラスの液晶ディスプレイを使用していた人など、購入を検討している人は多いだろう。 そこで、PART1では、低価格フルHDディスプレイのなかでも特にラインアップが充実している3万円前後のモデルに注目し、 購入前に知っておきたい低価格フルHDディスプレイならではの製品選びのポイントを解説していく。

フルHDディスプレイ選びの前に、まず、「フルHD」を含む液晶ディスプレイの解像度と表記について、 下の図を参考に確認しておこう。「フルHD」の解像度は、1920×1080ドット。 これは、BS/CSデジタル放送やブルーレイコンテンツのフル解像度である。 これらの高精細映像をそのまま満喫するには、フルHDの解像度を持つディスプレイが必要となる。 画面に表示できる情報量は、画面サイズではなくこの「解像度」で決まるのである。 画面サイズが大きいからといって、表示領域が広くなるわけではないという点を覚えておこう。

240x180 240x180
「フルHD」のアスペクト比(縦横比)はデジタル放送と同じ16:9。 最近のディスプレイは、これまでの4:3よりも、16:9のワイド製品が増えている フルHD解像度の21.5インチディスプレイに、ブラウザー2画面を並べて表示。 解像度が高いと表示領域は広くなるが、画素ピッチは狭くなるので画像や文字は小さくなる。この点は注意しよう

スペック表チェックポイント10

納得できる「低価格フルHDディスプレイ」の条件は?

(1)液晶パネルのサイズ

「21型以上」が、手頃で手軽でお買い得感もアリ

ディスプレイを設置するスペースに問題がないのであれば、 断然ラインアップも豊富な「21インチ以上の大画面モデル」がよいだろう。
21〜24インチ程度の大きさがあれば、普通のテレビと同じような感覚で楽しめる。

液晶パネルのサイズ
右手前から、21.5インチ、24インチ、27インチのフルHD液晶ディスプレイ。 27インチともなるとかなり大きなサイズになるので、設置場所の確認は必須

(2)液晶パネルの種類

光沢パネル?非光沢パネル?「仕事にも使うなら非光沢が無難」

光沢パネル(グレア)か非光沢パネル(ノングレア)かの選択は、用途や好みの問題ともいえる部分ではあるが、 一般的には、テレビや映画など映像の鑑賞が多いならば、光沢パネル、また、インターネットやオフィスソフト、 静止画、動画の編集作業が多いならば非光沢パネルが向いているといえるだろう。
光沢パネルは液晶表面がクリアなため、色が鮮やかに見える特徴があり、黒も締まって見えるため、 静止画や映像がキレイに見えるというメリットがある半面、外光の映り込みが強いため、 長時間作業では目が疲れやすいというデメリットがある。 いっぽうの非光沢パネルは、光沢パネルに比べて発色が地味で、全体的にメリハリが弱いという印象だが、 長時間の使用でも目への負担が軽いというメリットがある。仕事などで長時間使うのであれば、非光沢モデルが無難だ。

(3)液晶パネルの駆動方式

低価格モデルは「基本的にTN系を採用」している

液晶パネルの駆動方式には、基本的に「TN系」「VA系」「IPS系」があり、 低価格モデルでは、おおむね低コストの「TN系」が採用されている。 一般的に「TN」パネルよりも、「VA」パネルのほうが高画質といわれているが、 最近では「TN」パネルの品質も向上しており、一概には言えない。 ここでは、技術的な解説は割愛させていただくが、それぞれの駆動方式による性能の特徴を以下にまとめたので、参考にしてほしい。

駆動方式特徴
「TN系」低コストで応答速度が速い。視野角による色の変化が大きい
「VA系」TN系より高価。発色がよく、視野角による色の変化が少ない
「IPS系」高コストだが、画質が高く応答速度も速い

(4)視野角

「左右の視野角は「170度以上」が望ましいレベル

ディスプレイの「視野角」とは、画面を正面から見た状態から、 水平方向と垂直方向に角度を変えても正常に見られる範囲のことをいう。 液晶ディスプレイは、数年前のPCモニターやテレビなどのブラウン管(CRT)などに比べて視野角が狭いのが弱点だったが、 最近ではかなり改善されている。とはいえ、リビングに設置してさまざまな場所から見ることの多い液晶テレビに比べて、 正面から見ることが多いと想定されるPC用液晶ディスプレイの視野角は、若干狭めだ。 数値としては、できれば水平・垂直ともに「170度以上」が好ましいところではある。

視野角
デスクに設置して使うことの多いPC用液晶ディスプレイ。 機種によって、視野角の違いによる見え方の変化にはかなりばらつきがあるが、 スペックでは、最低でも、上下160度、左右170度以上の視野角のものを選んでおきたい

(5)最大輝度

今や「300cd/u」が基本アベレージ

最大輝度は、パネルの明るさの最大値を示しており、数値が大きいほど画面が明るいと考えておけばよい。 最近では、3万円前後のモデルも「250〜300cd/u」(カンデラ)程度のものが主流となっており、 標準状態でも十分明るく、まぶしいと感じることはあっても暗すぎると感じることはあまりない。
PCモニターとして使用するには、これほど高い輝度は必要ないだろう。 ただ、安価なディスプレイなどでは輝度調整の項目がかなり少ないものもあるので、 最大輝度の数値とともにどの程度設定を変えられるかどうかチェックしておいたほうがよいだろう。

最大輝度
輝度やコントラストといった画質設定は、専用のメニューで変更できるようになっているが、 その効果や使い勝手はメーカーや機種によってかなり違う

(6)コントラスト比(ダイナミックコントラスト比)

「1000:1以上」を目安に

「コントラスト比」とは、全画面に白を表示した明るさ(最大輝度)と、 全画面に黒を表示したときの明るさ(最小輝度)の比率を示したもので、 「1000:1」のように表記される(左側の「1000」が白、右側の「1」が黒を示す)。 この比率が大きいほど“メリハリがあり表現力が高い”ということになる。 製品選びの際の目安としては、「800:1以上」のモデルを選んでおけばまず問題はない。

とはいえ、コントラスト比はあくまで「比率」。 例えば、最大輝度が500cd/uで最小輝度が1cd/uの場合と、 最大輝度が1000cd/uで最小輝度が10cd/uの場合、コントラスト比はいずれも「500:1」となる。 このように、コントラスト比は相対的なものなので、一定のアベレージをクリアしていれば、 その数値にさほど神経質になる必要はないだろう。

(7)応答速度

動画を快適に楽しみたいなら「5ms以下」

動画やゲームを満喫したいなら、「応答速度」はチェック必須の項目だ。
応答速度とは、映像信号を受けてから液晶の色が黒−白−黒と変化する時にかかる時間のことで、 応答速度の数値が小さいほど色の変化に高速に対応できるというになる。逆に、この数値が大きいと残像感が強くなる。

具体的なスペックとしては、一般的な用途では「5ms」あれば十分。 メイン用途としては動画やゲームを楽しむならば「2ms」と考えておけば、まず問題はない。 2msクラスの応答速度の製品には、グレーからグレー(中間階調)の応答速度を高速にする 「オーバードライブ回路」が搭載されていることが多い。この有無もチェックするとよいだろう。

(8)スピーカー

非塔載モデルもあるので要チェック

案外見落としてしまいがちなのが「スピーカー」だ。 最近の液晶ディスプレイはスピーカーが内蔵されていることも多く、パッと見では判断しにくい。 また、テレビとは違いスピーカー非塔載のモデルも多いので、必要な人は必ずその有無を確認しよう。
一般的には「1W+1W」というような小出力のものが多いが、AV向けの最新モデルでは、 3万円前後のモデルでも出力「2.5W+2.5W」というようなスピーカーを内蔵しているモデルも増えてきているので、 AV鑑賞を用途の1つに考えるならこのあたりもチェックしておくとよい。

(9)入力端子

トレンドは「3系統」だが、用途によってはHDMI非塔載もアリ?

入力端子は、デジタル入力の「DVI-D端子」、アナログRGB入力の「D-Sub15ピン」、 そして、外部AV器機のデジタル映像/音声入力の「HDMI端子」の3系統を備えたモデルがトレンドとなっているが、 3万円前後のモデルでは、HDMIを装備しない2系統のモデルも多い。
「HDMI端子」は、AV機器や最新のゲーム機と接続したい、また今後その予定があるならば必須となるが、 用途としてPCとだけ接続するというのであれば、HDMIは必須と考えなくてもよいだろう。 PC側のグラフィックカードが対応していなければならないだけでなく、 本来は映像と音声を伝送するはずのHDMIケーブルで映像しか伝送できない場合もある。
アナログ入力の「D-Sub15ピン」は、フルHDモニターには必ずしも必要ないが、旧型のPCを接続して使うなら必要となる。

入力端子
右から、HDMI端子、DVI-D端子、D-Sub15ピン端子となっている。 画像は、「FLATRON Wide LCD W2753V-PF(LGエレクトロニクス)の背面下部

(10)HDCP

型落ちモデルの場合は「HDCP」対応か注意

「HDCP」は、デジタル著作権管理技術の一種で、 デジタルコンテンツの出力信号を暗号化することによって不正コピーを防止する機能。 このHDCPで保護されたコンテンツは、出力器機が対応していないと表示されないようになっている。 最新モデルでは、ほとんどのモデルがHDCPに対応しているので問題はないが、 型落ちモデルなどを購入する場合は対応状況をしっかり確認しておきたい。

「3万円で買う」フルHD液晶ディスプレイの選び方

コラム

5万円で買えるモデルも!「地デジチューナー搭載モデル」もお手ごろ価格

現在、PCに地上デジタルチューナーが搭載されていないなら、 「地デジチューナー搭載モデル」も選択肢に入れてみてはいかがだろう。 価格的には多少アップしてしまうが、それでもかなりお買い得。 また、すでに地上デジタルチューナーをお持ちであれば、地デジチューナー搭載ディスプレイの導入により、 裏番組の視聴や録画も可能になる。さらに、テレビとは違い、PC画面とテレビ画面を並べたり、 重ねて表示することも可能なので、作業中の「ながら見」も行える。 自分の部屋に自分だけのテレビが欲しいとお考えの方には、ぜひご検討いただきたい。
4万円台で買える高コストパフォーマンスモデル

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3波対応のデジタルチューナーを装備

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VISEO MDT221WTF / 三菱電機

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