解像度やパネルサイズ、駆動方式、コントラスト比、応答速度など、 スペックから読み取れる“購入前に知っておきたいチェックポイント”を整理して解説。 今買うディスプレイとして納得できる最低条件を紹介します。
昨年あたりから、解像度が1920×1080ドットを超える大型サイズのフルHD液晶ディスプレイが、 2〜3万円からという比較的安価な価格帯で多数登場しており、次世代ゲームや地上デジタル放送、 ブルーレイディスクによる映画などを高精細映像で満喫したいと考えている人や、 これまで、17インチクラスの液晶ディスプレイを使用していた人など、購入を検討している人は多いだろう。 そこで、PART1では、低価格フルHDディスプレイのなかでも特にラインアップが充実している3万円前後のモデルに注目し、 購入前に知っておきたい低価格フルHDディスプレイならではの製品選びのポイントを解説していく。
フルHDディスプレイ選びの前に、まず、「フルHD」を含む液晶ディスプレイの解像度と表記について、 下の図を参考に確認しておこう。「フルHD」の解像度は、1920×1080ドット。 これは、BS/CSデジタル放送やブルーレイコンテンツのフル解像度である。 これらの高精細映像をそのまま満喫するには、フルHDの解像度を持つディスプレイが必要となる。 画面に表示できる情報量は、画面サイズではなくこの「解像度」で決まるのである。 画面サイズが大きいからといって、表示領域が広くなるわけではないという点を覚えておこう。
納得できる「低価格フルHDディスプレイ」の条件は?
光沢パネル(グレア)か非光沢パネル(ノングレア)かの選択は、用途や好みの問題ともいえる部分ではあるが、
一般的には、テレビや映画など映像の鑑賞が多いならば、光沢パネル、また、インターネットやオフィスソフト、
静止画、動画の編集作業が多いならば非光沢パネルが向いているといえるだろう。
光沢パネルは液晶表面がクリアなため、色が鮮やかに見える特徴があり、黒も締まって見えるため、
静止画や映像がキレイに見えるというメリットがある半面、外光の映り込みが強いため、
長時間作業では目が疲れやすいというデメリットがある。
いっぽうの非光沢パネルは、光沢パネルに比べて発色が地味で、全体的にメリハリが弱いという印象だが、
長時間の使用でも目への負担が軽いというメリットがある。仕事などで長時間使うのであれば、非光沢モデルが無難だ。
液晶パネルの駆動方式には、基本的に「TN系」「VA系」「IPS系」があり、 低価格モデルでは、おおむね低コストの「TN系」が採用されている。 一般的に「TN」パネルよりも、「VA」パネルのほうが高画質といわれているが、 最近では「TN」パネルの品質も向上しており、一概には言えない。 ここでは、技術的な解説は割愛させていただくが、それぞれの駆動方式による性能の特徴を以下にまとめたので、参考にしてほしい。
| 駆動方式 | 特徴 |
|---|---|
| 「TN系」 | 低コストで応答速度が速い。視野角による色の変化が大きい |
| 「VA系」 | TN系より高価。発色がよく、視野角による色の変化が少ない |
| 「IPS系」 | 高コストだが、画質が高く応答速度も速い |
ディスプレイの「視野角」とは、画面を正面から見た状態から、 水平方向と垂直方向に角度を変えても正常に見られる範囲のことをいう。 液晶ディスプレイは、数年前のPCモニターやテレビなどのブラウン管(CRT)などに比べて視野角が狭いのが弱点だったが、 最近ではかなり改善されている。とはいえ、リビングに設置してさまざまな場所から見ることの多い液晶テレビに比べて、 正面から見ることが多いと想定されるPC用液晶ディスプレイの視野角は、若干狭めだ。 数値としては、できれば水平・垂直ともに「170度以上」が好ましいところではある。
最大輝度は、パネルの明るさの最大値を示しており、数値が大きいほど画面が明るいと考えておけばよい。
最近では、3万円前後のモデルも「250〜300cd/u」(カンデラ)程度のものが主流となっており、
標準状態でも十分明るく、まぶしいと感じることはあっても暗すぎると感じることはあまりない。
PCモニターとして使用するには、これほど高い輝度は必要ないだろう。
ただ、安価なディスプレイなどでは輝度調整の項目がかなり少ないものもあるので、
最大輝度の数値とともにどの程度設定を変えられるかどうかチェックしておいたほうがよいだろう。
「コントラスト比」とは、全画面に白を表示した明るさ(最大輝度)と、 全画面に黒を表示したときの明るさ(最小輝度)の比率を示したもので、 「1000:1」のように表記される(左側の「1000」が白、右側の「1」が黒を示す)。 この比率が大きいほど“メリハリがあり表現力が高い”ということになる。 製品選びの際の目安としては、「800:1以上」のモデルを選んでおけばまず問題はない。
とはいえ、コントラスト比はあくまで「比率」。 例えば、最大輝度が500cd/uで最小輝度が1cd/uの場合と、 最大輝度が1000cd/uで最小輝度が10cd/uの場合、コントラスト比はいずれも「500:1」となる。 このように、コントラスト比は相対的なものなので、一定のアベレージをクリアしていれば、 その数値にさほど神経質になる必要はないだろう。
動画やゲームを満喫したいなら、「応答速度」はチェック必須の項目だ。
応答速度とは、映像信号を受けてから液晶の色が黒−白−黒と変化する時にかかる時間のことで、
応答速度の数値が小さいほど色の変化に高速に対応できるというになる。逆に、この数値が大きいと残像感が強くなる。
具体的なスペックとしては、一般的な用途では「5ms」あれば十分。 メイン用途としては動画やゲームを楽しむならば「2ms」と考えておけば、まず問題はない。 2msクラスの応答速度の製品には、グレーからグレー(中間階調)の応答速度を高速にする 「オーバードライブ回路」が搭載されていることが多い。この有無もチェックするとよいだろう。
案外見落としてしまいがちなのが「スピーカー」だ。
最近の液晶ディスプレイはスピーカーが内蔵されていることも多く、パッと見では判断しにくい。
また、テレビとは違いスピーカー非塔載のモデルも多いので、必要な人は必ずその有無を確認しよう。
一般的には「1W+1W」というような小出力のものが多いが、AV向けの最新モデルでは、
3万円前後のモデルでも出力「2.5W+2.5W」というようなスピーカーを内蔵しているモデルも増えてきているので、
AV鑑賞を用途の1つに考えるならこのあたりもチェックしておくとよい。
入力端子は、デジタル入力の「DVI-D端子」、アナログRGB入力の「D-Sub15ピン」、
そして、外部AV器機のデジタル映像/音声入力の「HDMI端子」の3系統を備えたモデルがトレンドとなっているが、
3万円前後のモデルでは、HDMIを装備しない2系統のモデルも多い。
「HDMI端子」は、AV機器や最新のゲーム機と接続したい、また今後その予定があるならば必須となるが、
用途としてPCとだけ接続するというのであれば、HDMIは必須と考えなくてもよいだろう。
PC側のグラフィックカードが対応していなければならないだけでなく、
本来は映像と音声を伝送するはずのHDMIケーブルで映像しか伝送できない場合もある。
アナログ入力の「D-Sub15ピン」は、フルHDモニターには必ずしも必要ないが、旧型のPCを接続して使うなら必要となる。
「HDCP」は、デジタル著作権管理技術の一種で、 デジタルコンテンツの出力信号を暗号化することによって不正コピーを防止する機能。 このHDCPで保護されたコンテンツは、出力器機が対応していないと表示されないようになっている。 最新モデルでは、ほとんどのモデルがHDCPに対応しているので問題はないが、 型落ちモデルなどを購入する場合は対応状況をしっかり確認しておきたい。


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