連載記事

小寺信良のGadget 2 Go!

第6回
差して忘れろ「Logicool VX nano」
2007年9月18日掲載

PCに必須なものと言えば…

PCを使うときに、人間が直に触れるものが、マウスとキーボードである。この使い勝手如何で、PCの印象やストレスが、大きく違ってくる。

前回に引き続いてLogicool製品を取り上げることになってしまうのだが、ここのところ矢継ぎ早に面白い製品が出てくるのだからしょうがない。「VX nano」は、ノートPC用に設計されたコードレスレーザーマウスである。

過去モバイル用を謳うワイヤレスマウスは、数々ある。筆者も出張用として、Logicool V-500というマウスを愛用しているが、これはなかなか優れたマウスだった。なにしろ変な具合に丈夫なのである。

実は以前、ラスベガスのホテルでショーの原稿執筆中に、ついうっかりぬるまったドクターペッパーのフタを開けてしまったことがある。なぜよりによって「ドクペ」なのかという声もあろうが、これはもう「小寺信良的オフィシャルドリンク」なので、しょうがないんである。

だがぬるい炭酸飲料ほど始末の悪いものはない。当然フタの隙間から勢いよく吹き出したしぶきは止めようもなく、そこら一帯を派手に濡らしてしまった。ノートPCのクリックボタンは一撃でダメになってしまったが、V-500は綺麗に表面を拭いただけで、問題なく動作した。これはホイール部がタッチセンサーになっているため、液体が入り込む隙間がなかったのだろう。あのときこのマウスがなかったら、その取材は完全にアウトだった。

ただ絶大な信頼を寄せるV-500にも、不満点はあった。それはUSBに差すレシーバが、棒状に出っ張ることである。出張中、特にイベント取材中のPC回りというのは、とにかくスペックシートやカタログなどの書類が散乱する。レシーバが見えている時はいいが、書類などで隠れてしまうと、ついうっかり上から押さえてバキッとやっちゃうんじゃないか、という不安を常に抱えていたわけである。

最大の魅力はレシーバ

だが新しいモバイル用マウスVX nanoのキャッチフレーズは、「Plug & Forget」。レシーバを差したら、あとはもう存在を忘れていいほどに小さい。レシーバ小型化の歴史の中で、レシーバをマウスの中に格納できるようになったことは画期的だったが、ついにここまで来たか、という感じである。

VX nanoとレシーバ VX nanoとレシーバ
レシーバの進化。懐かしく思い出す人も多いのでは レシーバの進化。懐かしく思い出す人も多いのでは

ここまで小型化できた秘密は、このちょびっと出っ張った部分にあるのではない。なんとUSBコネクタの中に、基盤やチップ類を入れてしまったのだ。最近はUSBメモリなどで超薄型のUSBコネクタが登場しているが、要するにあの技術があって、初めて実現した小ささなのだ。

アンテナ部は、小さな出っ張り部にある。これは、携帯電話で使われている超小型アンテナを採用したから実現できたのだという。いろんな業界のノウハウが、このレシーバ部に集まっている。

もちろんマウスとしての使い勝手も良く、同社得意のプレシジョンスクロールホイールを採用し、戻る、進むなどカスタム可能なボタンを3つ搭載している。中央部にあるのは「検索」ボタンだが、筆者はここにブラウザ タブの「閉じる」(Ctrl+w)を割り付けている。これでブラウザに関する操作は、ほぼ指先だけで完結するようになった。

プレシジョンスクロールホイールは、ホイールの押し込みでクリックとノンクリックが切り替えられるようになっている。押し込みがやけに硬いのが難点だが、ノンクリックだけでも十分細かいスクロールに対応できる。

今回もドクペのしぶきにも耐えられるかは、今後積極的にテストする気はないが、レシーバを差したままでノートPCをカバンに入れられるのがいい。出張時に限らず、普段のモバイル使用時にもマウスが気軽に活用できるようになった点を、高く評価したい。

ライター/小寺信良
ライター/小寺信良
AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITといったメディアを独自の視点で分析するコラムで人気を博す。主な連載は、AV Watch「小寺信良の週刊Electric Zooma!」ITmedia +D LifeStyleなど。