連載記事

小寺信良のGadget 2 Go!

第25回
資料が多い人には必須、「ScanSnap S1500」
2009年4月22日掲載

配付資料事情

筆者はいわゆる「報道関係者」なので、製品資料などはかなり沢山貰う方である。ただ最近は、大きな展示会などではプレスキットはほとんどCD-RかUSBメモリ、もしくはオンラインサイトのURLを記した小さなカード1枚になりつつある。

これらデジタルデータになっているものは、原稿と一緒に管理できるので楽だ。しかし少人数での内覧の場合は、従来通り資料を紙で配布するところは多い。紙の資料は貰ってすぐ見られるのはいいが、持って帰ったあとの管理・検索が大変である。普段デジタルデータの恩恵に与っていると、余計に検索性の悪さが気になるわけだ。

こういう紙の資料は、スキャンしてデジタルデータにしておくに限る。もちろん大量の紙を一枚一枚フラットベッドスキャナで取り込んでいては埒があかないので、そこはScanSnapの出番である。

ScanSnapという製品は、意外に歴史が長い。一番最初に知ったのは01年頃で、当時はPFUのサイトでオンライン販売ぐらいしかしてなかったと思う。筆者が最初に買ったScanSnapは、02年に出た第2世代機「fi-4110EOX2」である。貰う資料はこれで片っ端からPDFにして、処分していた。名刺も読めて管理できるので、急に連絡先を探す場合も名刺の山を捜索する必要がなくなったのは、大きな進化だった。

しかしこのScanSnapには、課題も多かった。毎日使うものではないが、必要になったら長時間使うので、保管場所と作業場所を取る。また紙をローディングする部分も、プリンタの給紙口みたいに開きっぱなしなので、ホコリが溜まる。

02年から愛用してきたScanSnapにも限界が 02年から愛用してきたScanSnapにも限界が

ホコリが溜まるとどうなるかというと、紙送りに失敗するのである。これはプリンタみたいに紙を一枚ずつロードしていくわけだが、2枚同時にロードすると、用紙サイズ異常を検知してそこでスキャンが止まってしまう。どうしても詰まりやすいページというのがあって、何回やってもそこでひっかかるのがいらいらする。

やっぱり新しいヤツはいい

数年ぶりにScanSnapの事を調べていたら、新型はかなりコンパクトになっていてなかなか良さそうだ。価格も以前より1万円ぐらい安く買えるので、早速「S1500」を導入した。

気に入ったのは、使っていないときは給紙や排紙部分が小さく折りたためるところである。こうして折りたたんでおけば、ホコリが入り込む心配もない。また折りたたむと自動的に電源がOFFになるところもいい。

新モデルはたたむとコンパクト 新モデルはたたむとコンパクト
最大に展開するとここまで大きくなるる 最大に展開するとここまで大きくなる

いや、以前からScanSnapには電源ボタンがなかったのだが、旧モデルの場合、電源に繋いでいる限りずっと通電していたのである。これは電気代の無駄だし、何よりスキャン用バックライトの寿命が短くなるので、使い終わったらいちいちコンセントを抜かなければならなかった。この点が改善されただけでも、使い勝手としては大きく違う。

肝心の紙送りも、機構としてかなり改善されているようだ。書類を100枚近くスキャンしてみたが、従来同様の紙捌きで、紙送りの失敗は今のところ1回だけである。詰まった紙を取り出すためのリリースボタンも昔は固くて、本体を手で押さえてバキッと外す感じだったのだが、最新モデルは片手で軽く開くようになって、より使いやすくなっている。

さらに驚いたのは、製品版のAcrobatをしばらく買ってなかったので知らなかったのだが、スキャンした文字をOCRで読み取るようになっていたことだ。これで単に紙がPDFになるだけでなく、内容の文字検索が可能になるわけである。付属のScanSnapOrganizerを使えば、すでにスキャンしたPDFもまとめてOCRにかけられる。過去のデータも無駄にならず、検索性という強力な付加価値も付けられるわけだ。

旧モデルも使えないわけでもないので、改めて新モデルを買うのもどうかなーと思っていたのだが、結果的には大満足であった。書類の検索性の悪さに辟易している人は、新しいScanSnapはお勧めである。旧モデルのユーザーも、最近調子が悪いようなら、新モデルの買い換えを検討してみてはどうだろうか。全自動の感激を、もう一度味わうことができるだろう。

ライター/小寺信良
ライター/小寺信良
AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITといったメディアを独自の視点で分析するコラムで人気を博す。主な連載は、AV Watch「小寺信良の週刊Electric Zooma!」ITmedia +D LifeStyleなど。