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野村ケンジの「カー&AV道楽」

第12回 この夏新型AVナビが続々登場。なかでも「買い」の1台は!?
2008年7月1日掲載


ゴールデンウイーク前後から6月にかけて、新型のカーナビが続々とデビューした。夏休みや秋の行楽シーズンを控えるこの季節は、カーナビにとってもっとも「ホット」なシーズン。新モデルが発表される時期としては、もはや定番となりつつあるのだが、今年は高級AVナビが軒並みフルモデルチェンジをしたり、メディアに「SSD」(ソリッドステートドライブ)が新登場したりと、ここ数年では例のないくらい多数のモデルが登場。多くのユーザーから注目を集め、カーナビ市場もかなりにぎわっているようだ。

車内イメージ

本来ならば、それら新登場した製品を詳細かつ漏れなく紹介したいところではあるが、残念ながら全新製品を詳細にレポートするにはスペースが限られているし、数回に分けた連載形式にしても5〜6回は必要となってしまうだろう。担当編集者からはテーマに関してかなりの自由度を与えられているものの、半年もカーナビの話題を続けるのは読む側はもちろんのこと、書くほうもシンドイ。というわけで今回は、僕が実際に触った新製品の中から、特に素晴らしいと思った3機種をピックアップして紹介しよう。

スマートループの絶対的アドバンテージ
カロッツェリア「サイバーナビ」

いまどきのカーナビは、本来のナビゲーション機能に加えてAV機器としての良質さや情報端末としての多機能さも問われるが、こと「ナビゲーション」に関して圧倒的アドバンテージを誇っているのがパイオニア「カロッツェリア」のサイバーナビだ。

市販ナビ唯一となるリアルタイム、蓄積型両方のプローブ情報システム「スマートループ」を活用するサイバーナビは、VICS渋滞情報の5倍、しかも他の車が走った「リアルタイム」な情報を取得するため、道路状況の把握に関しては圧倒的な正確さを誇っている。このため検索ルート走行中は「VICSでは渋滞マークになっていたのに実際は空いていた」、「VICS情報のない道を迂回路に指示されたけど混んでいた」などというもどかしい事態がほとんど生じない。また目的地に選んだ施設に駐車場があるかないかもひと目でわかり、しかも駐車場の入り口まで誘導してくれる(施設によっては駐車場内のどこにいるのかも把握できるし、コンビニやガソリンスタンドは営業時間までわかる!)ので、出発前にインターネットなどで下調べする必要はまったくなし。思い立ったらすぐさま、気軽に出かけることができる。

AVIC-VH9000

AVIC-ZH9000 ボディはインダッシュモニター+1DIN本体の「AVIC-VH9000」(写真上)と、2DIN一体型の「AVIC-ZH9000」(写真下)、モニターレス本体のみのサイバーナビ「AVIC-H9000」の3タイプ。いずれもナビ機能(スマートループやPCリンクなど)は同じ

この2つの機能だけでも十分魅力的なのだが、もうひとつ、サイバーナビの「6ルート検索」では、時間や距離、高速代の安いルートだけでなく、なんと(給油時にデータを入力しておくだけで)目的地までのおおよそのガソリン代まで把握することができる。いまどきのガソリン高騰時代には、なんともうれしい心遣いだ。しかも「時間優先」「距離優先」「料金節約」などの度合いを微妙にコントロールできるため、自分にとってピッタリのルート検索を作り上げることもできる。

もちろんサイバーナビは、高級機にふさわしいAV機能も持ち合わせている。自動音場補正機能を搭載し、車ごとに異なる最良のサウンド設定を簡単に作り上げることができるし、DVDの5.1chサラウンドからiPodビデオ再生対応まで、マルチメディア性に関しても素晴らしい。総合性は大切だが、ナビ性能を重視したい人にピッタリの1台だ。

6ルート検索 6ルート検索では「最短時間」「最短距離」「高速代最安」「ガソリン代最安」などのベストがオレンジ枠で強調されるのでとてもわかりやすい

ホームシステムとのリンクに加えiPodデジタル接続を実現
パナソニック「ストラーダF」

パナソニックの最高級カーナビ「ストラーダF」は、今回のモデルチェンジでナビ機能に関するハード/ソフトウェアをすべて一新。昨年モデルに比べて格段のスピーディーさとインテリジェントな検索ルート、充実した施設情報を持ち合わせるようになった。

しかしパナソニック製カーナビの真骨頂といえば、そのマルチメディア機能だろう。新モデルでは「液晶AI」というシステムを搭載。昼間の明るい中でも、夜間の暗い室内でも、クッキリと見やすい画面をオートで実現。いつでもどこでも、手間なく美しい画面を楽しむことができるようになった。しかも今年のモデルでは音質も大幅に向上。芯のしっかりした中域重視のサウンドによって、通りのよい、ボーカルやギターなどがより魅力的に聴こえるサウンドへと生まれ変わっている。

「CN-HX1000D」 パナソニック「ストラーダF」のボディバリエーションは、インダッシュモニター+1DIN本体の「CN-HX1000D」(写真)と、2DIN一体型の「CN-HW1000D」の2種類。どちらも機能的には同じだ

いっぽうでホームシステムとのリンク機能、という新しい提案も行われた。「ライフィニティ」というホームシステムにアクセスすることで、ドアキーの開閉や照明、エアコンのオン/オフを行うことができる。また、同社のHDDレコーダー「ディーガ」を遠隔操作できる「DIMORA」という機能も持ち合わせ、今放送されている番組や、数時間後に放送予定の番組を録画することもできる。こちらは現在見ている放送局を「ディーガ」が設置されている地域へとローカライズして番組表示するので、録り損ないもなく安心。なんと便利な世の中になったものだ、と実感できる機能だ。

「*LINK」ボタン タッチパネルのメニュー画面中央下にある「*LINK」ボタンを押すことで「ライフィニティ」「DIMORA」など、ホームシステムとのリンク機能が使えるようになる

またストラーダFは、Bluetooth対応の携帯電話やオーディオプレーヤーからの再生に対応するほか、SDオーディオやiPod接続にも対応。なかでもiPodは、USBを経由するデジタル接続を採用。iPodビデオ再生には非対応だが、音楽に関してはかなりの高音質を楽しむことができる。なにを隠そう、カーナビでiPodデジタル接続を採用したのは、実はこのストラーダFが初となる(=カーナビとしては世界初!)。メーカー側のカタログにも特に強調されていないので、気がつかなかった人も多いことだろう。目玉機能だけでなく、こういった細やかなところまで心遣いが行き届いているのが、ストラーダFのメリットといえるだろう。

SSDによって圧倒的なレスポンスを実現
クラリオン「SMOONAVI」

この夏のクラリオンは、カーナビ全製品をリニューアル。トップモデルに「CRASVIA」(クラスヴィア)、エントリーモデルに「SMOONAVI」(スムーナビ)というシリーズ名を与え、新展開をスタートさせた。なかでも個人的に興味を引かれたのが、SMOONAVIの「NX308」。シンプルな操作メニューを用意し、複雑な機能に関しては簡略化して扱いやすさを優先。カーナビ初心者であっても、説明書いらずのわかりやすい操作系を実現している。こういった扱いやすさは、初心者でなくても大歓迎だ。

また記録メディアがSSDであることの恩恵も大きい。操作に対して反応がとてもスピーディーで、サクサクと動作する。ひと昔前のHDDナビのように、反応が遅いあまり、誤ってボタンを2度押ししてしまうようなことはまずない。カーナビは一度買ったら長く使い続ける製品なので、選択の際にはこういった「使いやすさ」や「ストレスのなさ」も重要視したいところだ。

NX308 低価格を保ちながらも、CPRM対応DVDドライブやワンセグチューナー、iPodビデオ再生対応など、AVナビらしい多機能さも同居する「NX308」。お買い得感の高い製品だ。下位モデルとしてCDドライブ採用の「NX208」もあるが、価格差からいってもこちらがお勧め

このように、ひとことで表すと「簡単便利」なNX308だが、かといってAVナビとしての機能がおろそかになっているわけではない。DVDプレーヤーはCPRM対応だし、ワンセグチューナーも標準装備。USBメモリーやSDカードからの音楽再生に加えて、iPodはビデオ再生も可能(「iPod touch」を除く)。簡易タイプながら音響セッティングをカスタマイズすることもでき、最新AVナビとしては十分な基礎体力を持ち合わせている。

唯一の弱点は、メディア容量が8GBしかないため、個人宅の電話番号検索が省かれていることだ。しかしこちらは住所で検索をかければすむことだし、公共施設や店舗などの電話番号はもちろん持っている。またインターネット上に用意されている地図情報サイト「チズルとススム」を活用すれば、口コミの店舗/地点情報や、「渋滞予測」をふまえた最適ルートを検索することもできるようになる。これだけの内容を持ちながら、実売価格が10万円台前半というのも驚き。価格も含めて、購入の候補にぜひ加えて欲しい1台だ。

SMOONAVIメニュー

SMOONAVIナビ画面 メニューはシンプルで使いやすいデザインなので、カーナビ初心者でも操作に迷うことはないはず。いっぽう誘導案内は8GBというメディア容量ながらも3D立体図を採用している

というように今回は、実際の使用感もふまえて、個人的にオススメしたいモデルを3つほど紹介させていただいた。いずれの機種も高い総合力を持つことに加えて、光り輝く個性がかなり魅力的。どれを購入しても、十分満足できるはずだ。

またスペースの都合上、今回は3機種の紹介にとどまった(それでもいつものコラムの倍近くの文章量になってしまっている)が、その他にも魅力的な機種は多々登場している。ぜひカー用品店などで実機に触れ、自分にとってのベストな1台を選び出してほしい。なお近日中に、PND系の新製品についてもレポートする予定。こちらもぜひ、楽しみにお待ちいただきたい。

ライター/野村ケンジ
ライター/野村ケンジ
カーオーディオ専門誌「AUTO SOUND」、4駆自動車雑誌「4X4MAGAZINE」などでカーAV系を中心に活躍するフリーライター。常に数台のクルマを所有せずにはいられないクルマ狂であり、同時にラジオすら付いていなかった1970年式のフィアット・チンクエチェントに本格カーオーディオを取り付けてしまった音楽狂でもある。