イベントレポート

ソニーの有機ELテレビの登場など、薄型テレビ市場に“スリム化”の波!
「CEATEC JAPAN 2007」総括レポート

2007年10月11日掲載

アジア最大級の規模を誇る映像・情報・通信の国際展示会「CEATEC JAPAN 2007」が、2007年10月2日〜6日の日程で、千葉県の幕張メッセを舞台に開催された。今年は、計895社/団体が出展し、来場者も5日間の計20万5859人を記録するなど、CEATEC JAPAN史上最大規模となった。ここでは、「CEATEC JAPAN 2007」から見えてくる「大画面テレビ」「次世代レコーダー」の最新トレンドをレポートしよう。

CEATEC JAPAN 2007

レポート1:薄型テレビ − “さらなる薄型化”が次のトレンドに

薄型テレビ関連の展示ブースで目を引いたのは、複数のメーカーが、超薄型タイプのテレビ・ディスプレイ製品を出展していたこと。なかでも、ソニーが12月1日に発売する、最薄部3mmの11V型有機ELテレビ「XEL-1」がもっとも注目を集めていた。2007年4月に開催された第3回 国際フラットパネルディスプレイ展などでプロトタイプが出展されていたが、いよいよ製品モデルが登場するのだ。

XEL-1 XEL-1
XEL-1 XEL-1 「XEL-1」は、世界初となる有機ELディスプレイ採用の薄型テレビ。287(幅)×253(高さ)×140(奥行)mmのコンパクトボディで、ディスプレイの最薄部は何と3mm。有機ELは自発光方式であるため、バックライトなどが不要となっており、このようなスリムボディでの製品化を実現できるのだ。画面解像度は、960×540ドット。スタンド部に、デジタルチューナーやスピーカーが搭載されている

「XEL-1」で驚いたのは、とにかく画質がすばらしいということ。コントラスト比100万:1以上で、輝度600カンデラというスペックを実現した自社開発の有機ELパネル「オーガニックパネル」を搭載しており、展示品をチェックした限りでは、非常に鮮やかで立体感のある映像を再生できるという印象を受けた。従来の薄型テレビでは体験できないようなメリハリのある映像に驚いた。

また、液晶テレビ市場を引っ張る存在であるシャープの展示ブースも、ソニーに負けじと活気があった。特に注目を集めていたのは、最薄部2cmを実現した52V型液晶テレビの試作機だ。「AQUOS Gシリーズ」の52V型スリムモデル「LC-52GX3W」(最薄部8.1cm)と比べて、約6cmものスリム化を実現しており、見た目にもかなり薄いという印象。重量も約25kgと、従来モデルに比べて10kg程度の軽量化を達成している。

この52V型液晶テレビの試作機は、暗所コントラスト10万:1、輝度500カンデラという充実したスペックの新パネル搭載したのが特徴で、同社の従来の液晶と比べて、画質がさらに向上している印象を受けた。展示方法も凝っており、屏風をイメージした「屏風」や、障子の窓がテレビになっているような「借景」など、壁掛けを強くイメージしたデモで来場者の注目を集めていた。

シャープの52V型液晶テレビ(試作機) シャープの52V型液晶テレビ(試作機)
シャープの52V型液晶テレビ(試作機) シャープの52V型液晶テレビ(試作機) シャープの52V型試作機の展示では、「屏風」(左上)、「ウォール」(右上)、「ポップアップ」(左下)、「借景」(右下)といったように、薄型テレビの壁掛けや埋め込みをテーマにしたスタイルが提案されていて、非常に興味深かった
シャープの108V型液晶テレビ(試作機) シャープの26V型/22V型のフルハイビジョン液晶テレビ(試作機) このほか、シャープは、参考出品として、液晶テレビでは最大サイズとなる108V型液晶テレビや、26V型/22V型のフルハイビジョン液晶テレビなどの試作機を展示。最薄部2.88mmの12.1型「モバイルASV液晶パネル」も高い注目を集めていた

ソニー、シャープ以外では、ビクターが、最薄部3.7cmの42V型液晶テレビを参考出品。日立も、最薄部1.9cmの32V型液晶テレビの試作機を展示していた。

最薄部3.7cmの42V型液晶テレビ 3倍速駆動のデモ ビクターが参考出品していた最薄部3.7cmの42V型液晶テレビの試作機(左)。ビクターは、3倍速・180Hzで駆動する液晶テレビのデモ(右)など、最新技術を数多く紹介していた

このように、「CEATEC JAPAN 2007」をチェックした限りでは、薄型テレビ業界は、“さらなる薄型化”が新しいテーマとなっているようだ。“売れ筋モデルの大画面化”が、現在の最大のトレンドであることは変わらないが、今後、よりスリムなモデルが続々と登場するであろうことを予感させた。

レポート2:次世代DVDレコーダー − 本格普及に向けてラインアップ&機能が充実

また、次世代DVDレコーダーの展示も、薄型テレビと同様に、なかなか充実した内容であった。まずは、Blu-ray Disc陣営からチェックしていこう。

陣営を引っ張るソニーは、500GB HDDを搭載する最上位機種「BDZ-X90」から、250GB HDD搭載のエントリーモデル「BDZ-T50」まで、11月8日発売予定の最新BDレコーダー「BDZ」シリーズ4機種を一挙展示し、ラインアップの拡充をアピール。いずれの機種も、MPEG-4 AVC/H.264エンコーダーを搭載し、BDメディアおよびHDDにH.264方式でハイビジョン映像を保存可能。H.264録画モードは、ビットレート15Mbpsから2Mbpsまで計6種類を利用できる。

松下電器産業は、「ブルーレイDIGA」シリーズのBDレコーダー新モデル計3機種を会場内で発表。ソニーの最新BDレコーダーと同様、MPEG-4 AVC/H.264エンコーダーを搭載する。特徴は、従来のDVDメディアにもH.264方式でハイビジョン映像を書き出せる点だ。

「DIGA DMR-BW」シリーズ 「DIGA DMR-BW」シリーズ 松下電器産業のBDレコーダー新モデルは、H.264記録に対応。録画モードは、HG(12.9Mbps)、HX(8.6Mbps)、HE(5.7Mbps)の3種類が用意される。さらに、DVDレコーダー「ハイビジョンDIGA」シリーズの新モデルとして、従来のDVDメディアにハイビジョン映像をH.264方式で書き出し可能な製品も3機種ラインアップされた

また、シャープも、10月27日より順次発売予定の「AQUOSブルーレイ」シリーズの最新BDレコーダー4機種を展示。1TB HDDを搭載した最上位機種「BD-HDW20」のほか、HDD非搭載で、BD-REのみへの録画が可能なシンプルモデル「BD-AV10」「BD-AV1」など、幅広いニーズに応えられる製品をそろえてきた。

シャープの新しいBDレコーダー シャープの新しいBDレコーダー シャープの新しいBDレコーダー4製品の中では、HDD非搭載で価格をおさえた「BD-AV10」「BD-AV1」の2機種に注目だ。1層BD-REメディアへの録画のみが可能な「BD-AV1」は実売で10万円前後と非常にコストパフォーマンスにすぐれる(「BD-AV10」は2層BD-REメディアへの録画に対応)。ボディカラーは、ホワイトやレッドなども用意される
三菱電機のBDレコーダー試作機 詳細な仕様はまだはっきりしないが、三菱電機もBDレコーダーの試作機を参考出品していた

一方、東芝も、HD DVDレコーダーの次期フラッグシップモデル「VARDIA RD-X7」などの次期製品を参考出品していた。「VARDIA RD-X7」は、搭載されるHDDの容量などの細かいスペックはまだ決定していないが、フラッグシップモデルらしく1080/24p出力やDeepColor出力に対応するほか、MPEG-4 AVC/H.264方式の記録にも対応。従来のDVDメディアへのハイビジョン記録が可能な「HD Rec」機能なども搭載される。

次期HD DVDレコーダー製品 次期HD DVDレコーダー製品 東芝は、「RD-X7」など計3機種の次期HD DVDレコーダー製品を参考出品。いずれの「HD Rec」機能に対応し、従来のDVDメディアに約2時間のハイビジョン映像を記録できる

BDレコーダー、HD DVDレコーダーともに、機能面でポイントとなるのが、MPEG-4 AVC/H.264記録に対応するか否かということだ。さらに、H.264方式で従来のDVDメディアにハイビジョン映像のまま書き出しができるかどうかもメーカーによって対応が異なっているのも面白い。以下、各メーカー最新モデルの対応具合を表にまとめておくので参考にしてほしい。なお、松下「ブルーレイDIGA」シリーズ新モデルと東芝の次期製品は、従来のDVDメディアへのH.264記録が可能となっているが、今のところ互換性がないので注意してほしい。

次世代DVDレコーダー最新モデルのH.264記録への対応

各メーカーの最新BDレコーダー H.264エンコーダーの有無 DVDメディアへのH.264記録
ソニー「BDZ」 搭載 不可
松下「ブルーレイDIGA」 搭載
シャープ「AQUOSブルーレイ」 非搭載 不可
東芝・次期製品 搭載

このように、次世代DVDレコーダー市場は、1年程度前と比べてラインアップが確実に充実してきている。さらに、単に次世代DVDにハイビジョン映像が記録できるというのはなく、機能面でも各メーカーの“色”が出てきている。本格普及には、メディアも含めたシステム全体の価格が下落する必要があるが、ここにきてようやく、普及に向けての下準備が完了したという感じだ。現段階では、BD陣営のほうが活気があり、このまま押し切りそうな感もあるが、結論を出すのはまだ早い。BD陣営およびHD DVD陣営の今後の動向に注目したい。