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世界初!フルハイビジョン映像をBDにダビング!
使ってみました! Blu-ray Disc対応ビデオカメラ「DZ-BD7H」

2007年9月19日掲載

2007年前半、ハイビジョンビデオカメラの売れ筋モデルは「DVD記録型」であったが、この秋のラインアップは各社ともDVD記録型からHDD記録型、もしくはメモリーカード記録型のモデルにシフトしている。
そんな中、“世界初”となる8cmのBlu-ray Discを使用するフルHD対応のビデオカメラが日立から発売され、話題を呼んでいる。ラインアップは、Blu-ray Discと30GバイトHDDを採用するハイブリッド機「DZ-BD7H」とHDDを搭載しない「DZ-BD70」の2モデルで、両モデルとも、8cmBD-R/RWだけでなく、8cmDVD-R/RW、8cmDVD-RAMにも対応する。今回は、HDD搭載モデルである「DZ-BD7H」をチェックした。

フルHD映像を"そのまま残せる"ハイブリッドビデオカメラ
「DZ-BD7H」の基本スペックをチェック!

「DZ-BD7H」の最大の特徴は、"世界初"と先述したように記録メディアに8cmのBlu-ray Disc(以下、BD)を採用した点だ。これにより、これまでは8cmDVD(1層)に15分程度しか記録できなかったハイビジョン映像を、8cmBlu-ray Disc(1層)に約1時間記録できるようになった。

「DZ-BD7H」のハイビジョン映像の記録方式は、AVCHD規格と同様に「AVC/H.264」形式を採用。ハイビジョン画質(HD)での撮影モードは「HX」「HF」「HS」の3種類で、フルハイビジョン解像度のHXモード(平均15Mbps)では、内蔵HDD(30Gバイト)に最長約4時間、片面1層の8cmBD-R/REメディア(容量7.5Gバイト)を使用した場合には、最長で約1時間の録画が可能となっている。

もちろん、スタンダード画質(SD)での録画にも対応しており、撮影モードは「SX」「SF」の2モードが用意される。この場合、記録形式は「MPEG2」となり、8cmDVDで約20分の録画が可能だ(撮影モード「SX」、ビットレート約9Mbpsの場合)。
ただし、スタンダード画質での録画は8cmDVDメディア記録時用で、内蔵HDDおよび、8cmBD-R/REメディアへの記録はH.264形式(HD)のみとなっているため、手元にメディアがない場合、"残容量が心配だから画質を落として録画しよう"というわけにはいかないのである。30Gバイトとはいえ、無意味に撮影データを内蔵HDDに溜め込まないよう気をつけておきたい。

DZ-BD7H DZ-BD7H BDD デザイン同様、フルHD対応機としてBDドライブだけでなく、撮像素子、映像・音声コーデックなど基幹部品のほとんどが新開発となっている。撮像素子は、1/2.8型約530万画素CMOS。レンズは、光学10倍ズームレンズを搭載。フルハイビジョン撮影のほか、432万画素の静止画撮影も可能だ

片面1層8cmBD-R/REでの記録時間の目安

撮影モード 解像度/ビットレート 録画時間
HX 1,920×1,080ビット/約15Mbps 約60分
HF 1,440×1,080ビット/約11Mbps 約80分
HS 1,440×1,080ドット/約7.5Mbps 約120分

なお、内蔵HDDに録画したHD画像は、本体のみで8cmBDやDVDにダビングできる。BDへのダビングは内蔵HDDに記録された"そのまま"の画質・形式で行われるため、2倍速での処理が可能。いっぽう、DVDへダビングする際には、"HD画質→SD画質"へのダウンコンバートと再エンコードが必要なため、録画時間の倍の時間を要する。

“初心者”を意識した直感的に扱える操作性は魅力

本体はやや大きめのサイズで、重量も撮影時は705gと最近のビデオカメラとしては重い部類に入るが、HDDとBlu-ray Disucドライブの両方を搭載しているた致し方ないところだろう。とはいえ、実際に撮影する際には、やはり少々重く感じられた。また、重量配分のバランスはよいのだが、ストラップが本体下部に水平に備え付けられている為、常に握っていないと本体が妙に傾いてしまうのが少々気にる。個人差もあるだろうが、特に力の弱い女性には、ストラップはやや斜めに備え付けられた"たすき掛け"のほうが持ちやすいし操作しやすいと感じた。

操作ボタン類は配置がよく、非常に使いやすい。撮影に関しては、一度ボタンを確認すればあとは手元を見なくても片手で迷うことなく操作ができた。また、全体的に反応がよく、感覚的には“サクサクと操作できる”という印象を受けた。立ち上がりもそこそこ早く、背面の電源レバーを回すと約6.8〜7秒で撮影可能状態となる。
便利なのが、本体側面に装備された3つの操作ボタン(写真下)。一番上の「秒撮」ボタンを押すと即スタンバイ状態となり、再度押すと約1秒で撮影可能になる。これなら、シャッターチャンスを逃しにくいしバッテリー消費を抑えることができる(スタンバイ状態の約半分)。運動会やスポーツ観戦など、いつベストシーンが訪れるかわからないような際に非常に重宝するだろう。
その下にある「ディスクナビゲーション」ボタンを押せば、撮影データがサムネイル表示される。この画面から任意の映像を選んで、再生や編集(削除やシーンの結合、分割など)することも可能だ。
HDDに録画した映像は、一番下にある「ダビング」ボタンを押するウィザードが画面に表示されるので、手軽に8cmBDもしくは8cmDVDメディアにダビングすることができる。
このように、「撮る→観る→保存する(ダビングする)」という一連の作業が、この側面のボタンだけで完結するようになっているのだ。

「DZ-BD7H」ホールド 「DZ-BD7H」撮影ポジション 片手で構えた場合、しっかり握っていないとストラップ部を軸に本体上部が手から離れてしまう。女性だと、片手ではやや操作しにくいかもしれない
アクセサリーシュー メディアスロット 本体上部にはステレオマイクを内蔵。音声記録はドルビーデジタル2chで、ビットレートは約256kbps。これは全メディアの録画モードで共通となる。上部カバーを開くと外部マイクなどの装着も可能なアクセサリーシューが現れる。静止画記録用のSDメモリーカードのスロットは本体下部に装備。ちなみに、SDHCカードには非対応
ディスクナビゲーション画面 編集メニュー画面 「ディスクナビゲーション」ボタンを押すと撮影したデータが一覧表示される。再生だけでなく、この画面から編集を加えることも可能
編集メニュー画面 ワイプ再生画面 編集時には、選択した映像がサムネイル表示されるので間違いにくい。編集した映像は本体モニターで即確認できる。画像は、フェードインの編集(ワイプ)を加えた映像を再生しているもの

撮影や保存に関する設定は、液晶画面を開くと現れる本体側面のパネルで行う。細かな設定というと、"初心者には難しい"と思いがちだが、本機では、状況に合わせて最適の状態で撮影できる「フルオート」や、ウィザード形式で撮影設定を決められる「ガイドボタン」など、初心者に対する心遣いが数多くなされているのが特徴である。

側面操作パネル 側面には、各種設定ボタンが搭載されているほか、HDMI端子や特殊D3/D1出力、AV入出力端子を装備

メニュー画面も同様で、1画面で表示される項目が多いため一覧性が高く、デザインもシンプルで視認性がよくわかりやすい。選択した項目について、下段に詳細な解説文が表示されるので、日ごろ、デジタルカメラを使っている人ならば、撮影からダビングまで、ほとんど迷うことなく行えるはずだ。

撮影メニュー画面 ダビングメニュー画面 一見文字が多くわかりにくそうだが、各機能を無理にアイコン化していないところがかえってわかりやすさのポイントになっている。シンプルだが、各機能の詳細な解説文など、ビギナーにはありがたい機能だ

画質チェック!
発色はややおとなしめだが、フルハイビジョンならではの解像感!

撮像素子には、総画素数530万画素の1/2.8型CMOSセンサーを採用。有効画素数は、動画で207万画素、静止画で432万画素となっており、ハイビジョンカメラとして最高クラスのスペックを誇っている。 レンズは、35o換算で47〜470o相当の光学10倍ズームレンズを搭載する。

まず、動画撮影の画質についてだが、やはり1920×1080ドットというフルHDならではの解像感の高さは確実に感じられる。細部にわたり精細に描写されている。 さらに、注目したいのが、業界初となる映像処理LSI「適応型動き予測制御(MBAFF)」が搭載された点。これは、H.264で規格化されている適応型の動き予測技術で、動きが多い部分にノイズやボヤケが出にくくなるなどの効果があるというもの。実際、動く動物を撮影してチェックしてみたのだが、たしかに、ブロックノイズも感じられず、また、特別解像感が落ちているという感じも見受けられなかった。

発色は、全体的に派手さがなく落ち着いた印象だが、やや物足りない感じも残る。特に、曇天時や日陰ではややくすんだ感じになりがちで、好みの問題でもあるが、やや青みがかる傾向にあるのが気になった。

動画撮影サンプル

動画:フルハイビジョン映像サンプル

※写真をクリックすると動画が再生されます(WMV/3.43 MB/約10秒)。この映像は、「DZ-BD7H」によりHXモードで撮影したフルハイビジョン映像を、ビットレート2000kbpsでWMV形式にエンコードしたデータのため、実際の画質とは異なりますが、画質の傾向として参考にしてください

静止画についてだが、傾向として、明るい屋外などでは精細な描写が可能だが、最低被写体照度が24ルクスとあるように暗い場所での撮影は得意としないようで、日陰や室内での撮影ではノイズが気になった。また、明るい屋外においては、暗部は比較的黒つぶれなく描写されるのだが、白っぽい部分や日差しの強く当たる場所では、白とびしやい。ダイナミックレンジはあまり広くないようである。全体的に赤紫色の偽色が目立つのも気になった。発色は悪くなく、近景撮影では2400×1800ドットなりのキレのよい解像感を得られるだけに、やや惜しい感じがした。

静止画撮影サンプル

静止画:2400×1800ピクセル アザラシの毛並みなどのニュアンスはうまく描写されているが、被写体の輪郭部分がにじんでいるのがわかる。日差しの強い状況では特にこのような現象が現れやすかった

なお、本機では、動画撮影中に静止画を撮影することはできず、動画モードと静止画モードの切り替えには、約10秒前後かかってしまう。最近では、動画を撮りながら高解像度の静止画撮影が可能なハイビジョンカメラが多いので、こちらも妙に残念に思えてしまう。

他に存在しない!
フルハイビジョン映像を長時間残せる“次世代ビデオカメラ”

「DZ-BD7H」は、他社に先駆けていち早くBDを導入した意欲的な製品だ。ほかの機器との接続や他メディアとの互換性もしっかりと考えられ、操作性もよい。ヘビーユーザーや作りこんだ映像を好む層には物足りないかもしれないが、初心者には非常に扱いやすい、よい製品に仕上がっている。しかし、「今が買いか!?」と問われれば、価格の面から考えても「BDプレーヤーを持っている人、もしくは、近々購入予定のある人」と答えざるを得ない。「DZ-BD7H」の持つメリットを“100%”享受するには、やはり、再生用にBDプレーヤーはあったほうがよいだろう。同社からコストパフォーマンスの高いBDプレーヤーが本機と同時に発売されていれば……と残念に思うのは、私だけではないのではないだろうか。

とはいえ、フルハイビジョン映像を撮影し、その映像を次世代ディスクにそのまま残すことができる「DZ-BD7H」は、現段階では他に存在しない製品だ。そういった意味で、本機がエポックメイキングな製品であることは間違いない。

「DZ-BD7H」の製品スペック
撮像素子 1/2.8型CMOS 530万画素(動画:207万画素 静止画:432万画素) ズーム 光学10倍/デジタル24倍
手ぶれ補正 電子式 動画記録フォーマット MPEG-4 AVC/H.264、MPEG-2
HDD容量 30Gバイト 録画時間 HDD/約4時間(HX)、BD/約1時間(HX)
連続撮影時間 約1時間35分(液晶モニター使用) インターフェイス HDMI、D3/D1、コンポジ、USBなど
サイズ(WxHxD)/重量 80×87×15mm/約630g 液晶モニタ 2.7型ワイド(21万画素)