AVC REC対応でハイビジョン番組を「DVDメディア」に保存できるレコーダー
パナソニック「DIGA DMR-XW100」
この冬、パナソニックから発売されたDVDレコーダー「DIGA DMR-XW100」が熱い視線を集めています。本製品は、MPEG4形式でハイビジョン番組を圧縮保存できる新技術「AVC REC」を搭載。これまでできなかった、デジタルハイビジョン番組をDVDメディアへ記録するという離れ業をやってのけたのです。まだまだ価格の高いBDメディアの代わりに、価格の安いDVDメディアにデジタル番組を高画質で保存できるこの最新型レコーダーを実際に購入し、いろいろいじってみました。そのレポートをお届けします。
ブルーレイを買うべきか、買わざるべきか。それが問題だ
この冬、ブルーレイレコーダーを購入しようと思っている人は少なくないだろう。何を隠そう、この私もこの冬はいよいよブルーレイレコーダーを購入しようかと思っていた。昨年末に念願のプラズマテレビを購入し、クリア画質のデジタル放送を目の当たりにして以来、従来のアナログ放送はまったく見なくなってしまったわけだが、レコーダーについては、従来のアナログDVDレコーダー 東芝「RD-X4」という状態だった。テレビがブラウン管だったころは、あんなにキレイに思えていた「RD-X4」の画質も、クリアなデジタルテレビで見ると、ほとんどアラしか見えない。しかも、視聴しているデジタル放送は当然ながら録画できず、デジタルでいい番組があっても録画できないというフラストレーションがたまっていたのだった。
だったら、さっさとブルーレイレコーダーを買えばよさそうなもんだが、モノには買い時というものがある。テレビ番組をそれほど見ない私にとって、20万円近くもするブルーレイレコーダーは、「まだまだ高い買い物」以外の何物でもなかった。しかし、今年の秋に発表されたいくつかの製品を見ると、なんと10万円台前半でも買えるモデルが続々と登場してきているではないか! 10万円台前半であれば、数年前に私が当時の東芝のフラッグシップモデル「RD-X4」を購入した価格とほぼ同じだ。これくらいなら、十分検討の余地はある。
しかし、しかし、である! 確かに、今年のブルーレイレコーダーはかなり値段が下がっているが、やはりまだ黎明期の製品、いろいろと問題もあるだろう。しかも、ブルーレイのように規格がまだ完全に定まり切っていないような発展途上のテクノロジーは、どんどんバージョンアップを繰り返していくのが定説である。で、思い悩んだのが、「リスクを冒してでも、最新技術の詰め込まれたブルーレイレコーダーを買う」か、「ひとまずブルーレイが落ち着くまで、デジタルチューナー搭載のDVDレコーダーをつなぎで使う」か、という選択だ。そんな逡巡の中で出会ったのが、この「DIGA DMR-XW100」だったのである。
オドロキの薄さ、59mm! ここ数年のレコーダーの進化を感じる
こうして購入した「DIGA DMR-XW100」だが、パッケージを開けてまずビックリしたのは、その薄さだ。幅や奥行きは数年前のレコーダーとほぼ同じだが、高さ59mmは「RD-X4」の78mmに比べて約3/4しかない。あまりにもスリムなので、自宅のオーディオラックの棚にこれまで使っていたRD-X4を置いたまま、その上に設置することができたほど(右写真)。高さ比は3/4だが、実際には2/3くらいに感じる。相当薄くなったという印象である。
本体を設置したら次は配線だが、こちらもかなりスムーズだった。フラッグシップ機として作られたRD-X4と異なり、DMR-XW100は、パナソニックのラインアップ中ではエントリー機という位置づけだ。また、本体がスリムになっていることもあって、入出力端子もほぼ最低限のレベルに抑えられている。
出力は3系統あり、1つがコンポジット(あるいはS端子)のRCAコネクタ、もう1つがD端子、さらにもう1系統がHDMI端子となっている。このように出力は3系統あるが、接続するテレビに合わせて選べばいいので簡単だ。最近のデジタル対応テレビであれば、HDMIかD端子を選べばいいだろう。音声出力に関しては光デジタル出力が用意されているので、サラウンドセットやAVアンプなどをお持ちであれば、こちらをアンプ側に接続すればOKだ。なお、我が家のAVアンプはHDMIに対応していないため、映像はD4端子、音声は光デジタルを使ってAVアンプと接続した。
さて、一通り接続が終わったら、付属のB-CASカードを前面スロットに挿し込んで、スイッチオン。すると自動的に初期設定が始まり、音声付きのチュートリアル形式の設定項目に答えていくだけで設定が完了した。パナソニックのレコーダーは使いやすさでは定評のあるシリーズだが、初期設定についても「誰でも使えるように」という同社のこだわりが感じられる。設定はこのチュートリアルのみで、接続さえ間違わなければ、誰でもすぐにテレビ画面を見ることができるはずだ。パナソニックのレコーダーを購入するのは初めてだが、なかなかに好印象を持った。
操作ボタンも極力少なく! 基本は「録る、見る、ダビングする」の3点に絞ったメニュー構成
さて、まずは実際にいろいろな操作を行ってみた。本体側にはほとんど操作ボタンと呼べるようなものが存在しないので(電源ボタンと、ディスクトレイの「OPEN/CLOSE」くらい)、操作はすべてリモコンで行うことになる。さて、このリモコン、価格.comの掲示板ではあまり評判がよろしくないようだが、それは操作ボタンが極力絞り込まれているためである。たとえば、何かの番組の録画を行いたいと考えたとしよう。しかし実は「録画」というボタンはDMR-XW100のリモコンには存在しない。これはある人にとっては不便と感じられるかもしれないが、果たしてそんなにあわてて録画ボタンを押す機会がそれほどあるだろうか? 実はカバーを開けた裏にはきちんと「録画」ボタンがあるのだが、それよりも一般の使用であれば「録画予約」を行うほうが圧倒的に多いはずだ。このあたりのことを考え、DMR-XW100のリモコンには「録画」というボタンはなく、「番組表」というボタンが存在するのみとなっているのだと推察する。
録画予約を行うためには、リモコンの「番組表」ボタンをクリック。するとパナソニック製品共通の番組表が表示される。左側に大きく広告スペースがある以外は、使い勝手は悪くない。番組表に表示させる項目のカスタマイズもできるし、不自由な点はない。「地上デジタル」→「BSデジタル」といった切り替えもリモコンのボタンと連動しているし、この辺は説明書を読まなくてもすぐに使える。番組表で番組を選び、「録画予約する」を選べば、自動的に録画予約できる。ちなみに、スポーツ中継の延長などで放送時間が変更になった場合も、自動的に対応してくれるので安心だ。
逆に、録画した番組を再生したい場合はどうしたらよいかというと、リモコンにある「再生ナビ」ボタンを押せばよい。これを押すと、録画された番組のリストが表示されるので、ここから番組を選んで再生すればOKだ。番組リストの左にはサムネイルで動画が再生されるので、間違いようがない。なお、ドラマやアニメなどの連続ものの場合は「まとめ」という項目が付き、1つのタイトルごとにまとめてくれるのも親切である。もし、このリストの中から再生以外の操作を行いたければ、リモコンの「サブメニュー」ボタンを押すことで、何らかのメニューが表示されるはずだ。ダビングなどもこのサブメニューから行えるようになっている。
意外と理解が難しい? 自動的に画質モードを決めてくれる「おまかせダビング」機能
今回の「DIGA DMR-XW100」の機能で最大の目玉は、デジタルハイビジョン番組をDVDメディアに録画できる「AVCREC」を使った「4倍録り」機能であろう。一般的には、デジタルハイビジョン番組を録画する場合には、そのままの画質で保存できる「DR」モードを使うだろう。このDRモードで記録された番組をDVDメディアにダビングしてみよう。先ほどの番組リストからサブメニューを表示させるか、あるいはリモコンの「操作一覧」から「ダビングする」を選び、「おまかせダビング」を起動。「おまかせダビング」は、ダビングしたい番組の総時間と、録画するメディア(BDかDVD-Rかなどの違い)によって、ダビングを行う画質モードを自動調整する機能で、基本的にユーザーは画質モードを一切いじることがない。ある意味で、すごく割り切った機能だが、デジタルハイビジョンで録画した映像が、各モードでDVD1枚にどれくらい収まるかの目安が頭に入っていないと、かなり画質を落とされてしまうことにもなりかねないので、その点は注意が必要だ。
なお、DMR-XW100での画質モードは「HG」「HX」「HE」の3種類があり、DVD-Rメディア1枚(4.7GB)への収録時間はそれぞれ以下のようになる。
HGモード 約42分
HXモード 約1時間5分
HEモード 約1時間40分
まずはこのおおよその時間を頭に入れておく必要がある。この時間を超えてしまうと、さらに下の画質モードである「XP」「SP」「LP」「EP」の各モードに自動的に変換されてしまうからだ。ちなみに、これらの下位モードでのDVD-Rメディア1枚への収録時間は以下の通り。
XPモード 約1時間
SPモード 約2時間
LPモード 約4時間
EP(6時間)モード 約6時間
EP(8時間)モード 約8時間
試しに「1時間半の長さの映画」1本を「おまかせ録画」でDVD-Rにダビングを試みたところ、自動的に「HEモード」に変換されすべてをDVD1枚に納めることができた。ただし、DRモードで録画した番組を各モードでダビング(正確には「ムーブ」)する場合は、1倍速(等速)で行われるので、いわゆる「4倍録り」にはならない。4倍録り(正確には1〜4倍速ダビング)を行うためには、番組の録画予約の際に、録画モードを「HG」「HX」「HE」のいずれかにしておく必要がある。これらのモードは、いわゆる「AVCREC」(MPEG4変換)されたモードであるため、すでに録画時に圧縮されているため、DVDへのムーブも短時間で終わるわけだ。これにたいして、DRモードからのダビングは、AVCRECモードへの変換を行いながらの作業になるので、倍速にはならず等速でしか行えない。「4倍録り」とはいっても、すべての場合で活用できるわけではないので、注意が必要だ。なお、このAVCRECによるダビングを行っている際は、一切の操作が行えなくなるので、夜間など電源を切ってから行う(というモードがあるので、そちらを選択する)ほうが無難だろう。
気になる「AVCREC」の画質はいかに?
ところで、本製品でもっとも気になるのは、AVCRECの画質がどの程度なのかということであろう。実際、DRモードで録画したハイビジョン番組を、もっとも高画質な「HGモード」と。一番下の「HEモード」とに変換して、その画質を見比べてみた。
結果からいってしまうと、「HGモード」「HEモード」とも、普通に見ている分には、まったくその違いはわからなかった。我が家のプラズマはフルハイビジョン対応ではないので、そう感じる部分もあるのかもしれないが、正直この程度のレベルであれば、フルハイビジョン対応テレビであってもその差はほぼないと思われる。ということは、ふだんは「DRモード」でデジタルハイビジョン番組をどんどん番組を録画しておき、保存しておきたいものは「HEモード」でDVD-Rメディアにダビング(ムーブ)して保存するという使い方で十分ということになるだろう。HEモードなら、1時間40分程度の番組(映画1本、30分のドラマやアニメ×3本)を1枚のDVD-Rメディアに保存できるし、2層記録メディア(DVD-R DL)なら、最大約3時間(長めの映画1本、1時間ドラマ×3本)の録画が行える。こう考えると、デジタルハイビジョンで放送される番組のほとんどがDVD-Rメディア1枚でカバーできることになるわけだ。しかも、画質はほとんど劣化しない。
フルハイビジョン番組をDRモードでそのまま録画できるブルーレイディスクもいいが、画質の劣化がほとんどなく、かなりの高画質で入手しやすいDVDメディアに録画しておける「AVCREC」は、かなり使える機能といえるだろう。ブルーレイレコーダーも徐々に価格が下がってきており、レコーダーの普及とともにメディア1枚あたりの値段も安くなってくることと思われるが、ブルーレイとDVDでは、VHSビデオとDVDディスクで比較される「アナログ対デジタル」というほど大きな画質の差がないため、その普及スピードはDVDメディアが普及したよりも時間がかかるだろう。地上デジタル放送が全国に展開し終わるといわれている2011年までには、あと3〜4年ある。それまでの「つなぎ」として、AVCRECを搭載した「DIGA DMR-XW100」のようなレコーダーは、非常に価値のある存在といえるだろう。
| DIGA DMR-XW100の製品スペック | |||
|---|---|---|---|
| HDD容量 | 250GB | チューナー | デジタル×2、アナログ×1 |
| 入力端子 | Sビデオ/コンポジット×2 | 出力端子 | HDMI、D4、Sビデオ/コンポジット 光デジタル音声、i.LINK |
| 録画対応メディア | DVD-R、DVD-RW DVD-RAM、DVD-R DL |
本体寸法(WxHxD)/重量 | 430×59×313mm/約4.6kg |
家電総合アドバイザーの資格を持つ価格.comのご意見番。家電製品はプラズマテレビから炊飯器に至るまで、一通りのウンチクをたれる。しかし、本当はかなりのアナログ人間。














