ジャイロと8GBメモリーに詳細な地図を搭載したPND
「Gorilla NV-SD730DT」発売当日レビュー
三洋電機の最新のポータブルナビ「Gorilla」シリーズ「NV-SD730DT」「NV-SB540DT」「NV-SB530DT」の3機種が、本日4月24日より発売されました。従来機種と比べて倍となる8GBのフラッシュメモリーを搭載したことで、膨大な情報を集録するいっぽうで、ポータブルナビではまだ珍しいジャイロセンサーを搭載し、高い自車位置制度を実現しています。そんな最新「Gorilla」の最上位モデル7V型液晶搭載の「NV-SD730DT」の速攻レポートをお届けします。
最新の「Gorilla」はナビの基本性能が向上
ポータブルナビ市場の好調が続いている。据え置き型ナビが伸び悩む中、ポータブルナビは前年比94%という急激な成長のさなかにあるという。費用も安く、手軽に使える点が、ポータブルナビの魅力だが、据え置き型ナビと比べると、基本性能である自車位置の精度についてはやや妥協するところがあったのも否めない。だが、新しい「Gorilla」は今までのGPS衛星を使った測位に加え、ジャイロセンサーを搭載することで、衛星電波の届かないトンネルや高架下などでも自車位置を測定することができるなど、ナビとしてのもっとも基本となる部分の性能が向上している。据え置き型ナビと比較しても大きく劣らないスペックに注目が集まる。
また、地図などのデータを収録するSSDも従来の4GBから8GBへと倍増。新たに詳細市街地図を1,157か所収録したほか、初めての道でもわかりやすく案内してくれる「3Dリアル交差点」が880か所から1710か所へと大幅に増加するなど、地図データのほうも進化が進んでいる。
新しい「Gorilla」は薄い!
今回レポートする「Gorilla NV-SD730DT」は、本日4月24日に発売される最新3機種のうちの最上位モデルにあたる。内蔵バッテリーを搭載せず、7V型大画面の液晶を搭載する、ラインアップ中でも車載用に徹したモデルという位置付けだ。 「NV-SD730DT」を、従来機種「NV-SD700DT」と並べてみると、全般にひと回り小型化されていることがわかる。搭載する液晶パネルが大画面の7V型のため小型化には限界があるものの、幅が190mmから177mmへ、高さが109mmから105.5mmへ縮まっており、特に奥行きは、37.2mmから28mmへ、3割ほど薄型化している。限られた車内空間へ設置するポータブルナビにとって、本体の小型化は設置に対する敷居を大きく引き下げてくれるはずだ。
やや厚かった前モデル「NV-SD700DT」(右)と比べて奥行が約3割程度薄くなった「NV-SD730DT」(左)。フロントガラスが迫るダッシュボード上に置かれることの多いポータブルナビにとって、高さと奥行きの減少はたとえ数ミリでも、設置の自由度は大きく変わる
また、前面に搭載されていた「AV」「メニュー」「現在地」とボリューム調整のボタンも廃止され、すべての操作はタッチパネルで行うようになった。ボタンの廃止はデザインが洗練するほか、ボディの小型化にも貢献するが、確実な操作性や安全性が求められる車載機器のポータブルナビにおいて、ユーザーインターフェイスの信頼性に自信がなければ、ボタンの全廃はなかなか決断できない。新製品にかける三洋電機の意気込みが伝わってくる。 また、こうした改良された部分があるいっぽう、電源コンセントや拡張アンテナ類は今までのものをそのまま使うことができ、従来の「Gorilla」シリーズから乗り換えても、最低限の手間で済む。
ジャイロセンサー搭載の利点を検証してみた!
まずは、新「Gorilla」のハードウェア上の最大の注目点であるジャイロセンサーの性能を検証してみよう。搭載されるジャイロセンサー、通称「ゴリラジャイロ(GG)」は、右折左折などの変化を感知する「左右センサー」、上り坂や下り坂などの変化を感知する「上下センサー」、加速を感知する「加速度センサー」の3つのセンサーから成っており、従来のGPSによる測位結果と交互に自車位置を測位することで、ブレの少ない高い自車位置精度を実現する。また、GPS衛星を補足できない地下やトンネルなどでも位置を計測できる。 ジャイロセンサーは据え置き型のナビでは以前から広く使われているが、ポータブルナビでは、これのほかにはパイオニアの「エアーナビ AVIC-T10」くらいしか搭載されているものがない。
今回は、ジャイロセンサーを搭載しない従来機種「NV-SD700DT」と測位性能の比較を行った。新モデルの「NV-SD730DT」はジャイロセンサーとGPSで交互測定する「W測位システム」を採用することで自車位置の更新頻度が1秒ごとから、0.5秒ごとへと進化しており、軌跡の描き方もスムーズで緻密な印象だ。また、車の動きとナビの示す自車位置の動きが、据え置き型の高級ナビのような直結している感じとまでは言わないまでも、ハンドルの動きにより密接に連動している。従来機種の、車の動きから少し遅れて動作する感覚からは進歩している。ハンドル操作とナビが緻密に連動している感覚は、ワンランク上の高級感があり、とても気持ちがよい。
気になる自車位置精度だが、ナビの示す踏み切りや交差点などの距離0mの地点と実際の位置のずれを計測してみたところ、20回の計測で、ほぼ、誤差を感じない結果が12回、明らかにずれたと感じられる±10m程度のずれは8回起こった。従来機種の「NV-SD700DT」では前後10m程度のずれがひんぱんに起こりなかなかドンピシャな自車位置にはならなかったので、精度の向上はかなり大きいと判断できる。
次に、ジャイロセンサーの性能がもっとも生きると思われるシチュエーションのテストとして、高速道路の高架下を5km程度走り続けて自車位置のずれをテストしてみた。使用したルートは東京外環の下を走る国道298号線。高架が天を覆っており、GPS衛星の補足はもちろんゼロ。しかも、高速道路の下なので道路は基本的に直線もしくはゆるやかなカーブとなっており、ジャイロセンサーは曲率の大きなカーブを検知しなければならない。ナビにとっては苛酷な状況だ。
だが「NV-SD730DT」は、GPS衛星の補足は高架下に入ってすぐにゼロになるものの、自車位置を見失うことなく、進行方向を正確に直進し続けることができた。そのまましばらく走り続け、数回の信号停止の際に、自車位置を確認してみたところ、ナビの示す位置が50m程度前方にずれたり、停車しているにもかかわらず、自車位置がそのまま少し先に進んでしまうこともあった。だが、自車位置を見失うことは最後までなかった。関越トンネルのような10kmを越えるような極端な状況ではもっとずれが大きくなることも考えられるが、都市部の高速道路や、一般道路では位置がずれたまま放置されるようなことは考えにくい。大小のトンネルやカーブの続く首都高速を走る場合などでも、十分に正確な位置を確認することができるだろう。 また、有料道路やバイパスへの入り口、高速道路のインターチェンジなど、道路が分岐する道路を正確に認識できるかもチェックしてみた。4回テストするシチュエーションがあったが、いずれも位置のずれは起こらなかった。これもやはり「ゴリラジャイロ」の中の「上下センサー」が、インターチェンジの勾配を感知してくれた影響と思われる。
ジャイロセンサーを応用した「エコドライブ情報 IV」
自車の挙動をチェックできるジャイロセンサーを応用した機能として「エコドライブ情報 IV」が搭載されている。これは、ナビが検出した「急加速」「急減速」「長すぎるアイドリング」「速度」を監視し、省エネ運転をうながすというものだ。同機能は従来機種でも搭載されていたが、ジャイロセンサーとGPSを組み合わせることでより精度が上がっている。実際どれくらいの効果があるのか気になるところだが、メーカーの調べによると前モデルの「エコドライブ情報 III」では、平均12%の燃費改善に効果があったという。
また、新機能として、エコドライブで高評価を連続で記録することにより、自車マークの隠れキャラが出現するというお遊び機能も備えており、楽しみながらエコドライブを行うことができる。
8GBに倍増したSSDで強化された地図情報
従来4GBだったSSDが8GBへと倍増していることはすでに触れたが、その恩恵は地図の縮尺比率に端的に現れている。具体的には従来最小25mだった縮尺に、全国1157エリアの詳細市街地図に対応する「25m(詳細)」と「12m」、「12m(詳細)」という小縮尺が追加されている。縮尺の小さな地図は、「路地を入って、いよいよ目的地に達する」というルート案内の最後のシーンで威力を発揮するが、既存の「25m」の縮尺ではなかなか目的地を把握しにくいところがあった。だが、「25m(詳細)」と「12m(詳細)」は建物の形までデータ化されており、住宅地など、目的地がまぎらわしい場合でも確実にルートを完了させることができる。
また、HDDナビなどの据え置き型ナビに搭載される立体地図も収録されている。立体地図はビルの林立する都市でのナビを快適に行うのに役立つが、立体地図のまま、スクロールや視点の回転を行っても、軽快な動作はそのまま維持している。
なお、新たに追加された地図縮尺のうちの「25m(詳細)」地図は、かなり見やすい。ナビに搭載される地図にはメーカーごとの個性があり、最初のうちはある程度見慣れる必要があるが、この地図は、「NV-SD730DT」に搭載される液晶の解像度に適しており、初めてでも直感的に地図を理解できる。この地図を、従来機種から引き続き採用される、左右の2画面分割表示の片画面に表示すれば、広域から、詳細までひと目で把握できそうだ。
ハードとソフト双方が進化した意欲作!
各社がしのぎを削るポータブルナビ市場の中にあって、「Gorilla」の操作レスポンスのよさには定評がある。今回発売された「NV-SD730DT」では立体地図や「縮尺12m」の地図を採用するなど、情報量が増大しているにもかかわらず、快適な操作はそのままで、「Gorilla」の遺伝子はしっかり受け継がれている。
肝心のナビ性能も、ジャイロセンサー搭載によって、車の動きにより近づいており、新たに搭載された見やすい地図との組み合わせで従来機種よりレベルアップしたナビ性能を体験することができる。
こうした点から「NV-SD730DT」は、漠然と「ナビが欲しいな」と考えている人が選んでも、期待を裏切ることはないだろう。また、従来機からの買い替えを考えている人にとっても、既存の周辺機器類を使いながらレベルアップすることができるので、検討の余地は大いにありそうだ。
| 三洋「Gorilla NV-SD730DT」の製品スペック | |
|---|---|
| 表示 | 7V型(345600画素) |
| 内蔵メモリー容量 | 8GB(SSD) |
| チューナー | ワンセグチューナー |
| 再生対応フォーマット(SDメモリーカード) | MP3/WMA/MP4/JPEG |
| 外形寸法 | 177(幅)×105.5(高さ)×28(奥行き)mm |
| 重量 | 440g |












