“漢”は黙って単焦点レンズ!シリーズ
その1 究極の“撒き餌”レンズ キヤノン「EF50mm F1.8 II」
もっとも安い純正レンズ、それが「EF50mm F1.8 II」だ!
一眼レフ用の交換レンズとしてズームレンズが大盛況だ。にもかかわらず、「“漢(と書いて男)”ならば単焦点レンズで写真を撮るべきだ!」という天邪鬼(あまのじゃく)な信念を持つ価格.comマガジン編集部員(mkr)が、選りすぐりの単焦点レンズを紹介するこのシリーズ。第1回目となる今回は、コストパフォーマンスにすぐれたキヤノンの純正50mm単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」を取り上げたい。
「EF50mm F1.8 II」は、1万円を切る価格で購入できる点がウリの小型・軽量な標準レンズ。2007年4月現在、キヤノン「EF」レンズでは、焦点距離50mmの単焦点レンズとして、高スペックで高価なLレンズ「EF50mm F1.2L USM」から、今回紹介する「EF50mm F1.8 II」まで4製品が用意されているが、「EF50mm F1.8 II」は、価格.com最安価格(*)で8,891円と抜群に安い。さらに言えば、他メーカーも含めて、現行モデルのAF対応単焦点レンズの中で、「EF50mm F1.8 II」は、もっとも安価に購入できる製品となっている。
「EF50mm F1.8 II」は、67.4(最大径)×42.5(長さ)mmで130gという小型軽量ボディを実現。1990年に発売されて以来、単焦点レンズの入門モデルとしてキヤノンユーザーから高い支持を得ている■キヤノン「EF」レンズ現行モデル(50mm単焦点レンズ)
| 製品名 | 特徴 | 価格.com最安価格(*) |
|---|---|---|
| EF50mm F1.2L USM | 2007年1月発売の最新Lレンズ | 152,742円 |
| EF50mm F1.4 USM | 申し分ないスペックを備えた標準レンズ | 39,100円 |
| EF50mm F2.5 コンパクトマクロ | 明るくて手ごろなマクロレンズ | 30,100円 |
| EF50mm F1.8 II | 高コストパフォーマンスが特徴の標準レンズ | 8,891円 |
安いだけじゃない、クラスを超えた光学性能が人気の秘密!
2007年4月2日現在、「EF50mm F1.8 II」は、価格.com人気アイテムランキングで11位に位置している。単焦点レンズとして、2番目に高い順位をキープしているが、その理由は、単に“安い”からだけではない。標準レンズとしての長年の設計技術が生かされているという背景もあって、描写力が非常に“高い”のだ。「腐っても単焦点レンズ」なのである。
特に目を見張るのは光学性能で、メーカーが提供しているMTF特性図では、上位モデル「EF50mm F1.4 USM」を凌駕するようなシャープな特性を示している(MTF特性図は以下のメーカーページで確認してほしい)。実際、絞ったときの解像感はすばらしいものがある。また、BLOGなど個人のWebページでは、「EF50mm F1.4 USM」よりも湾曲収差が少ないという報告もよく目にする。
ボディのほとんどがプラスチックで、マウントもプラスチック。価格が価格なので、堅牢性をこのレンズに求めてはいけない。だが、プラスチックを多用することで、重量130gという軽量化を達成したのは大きなメリットだ。小型・軽量なデジタル一眼レフ「EOS KissデジタルX」などとも相性がよい実際に写真を撮ってみれば、「EF50mm F1.8 II」が、クラスを超えたパフォーマンスを発揮することがわかるはずだ。さすがに開放時の描写は甘く感じるときもあるが、2段程度絞ってやれば、1万円未満のレンズであることが嘘のように、シャープでキレのいい絵になる。
「逆光に弱い」とか「ボケが汚い」とかそんなことは気にしないで撮ってみた作例
というわけで、「EF50mm F1.8 II」を使用して、デジタル一眼レフカメラとフィルム一眼レフカメラで撮影した作例を紹介する。焦点距離50mmであるため、APS-Cサイズのデジタル一眼レフ「EOS 30D」や「EOS KissデジタルX」などでは80mm相当となり、どちらかというと風景撮影よりもポートレート撮影に向いている画角といえる。
逆光に弱くフレアやゴーストが発生することも多い。また、絞り羽根5枚で、ボケ方は、開放時に楕円形になり、少し絞ると5角形になる。だが、そのあたりのじゃじゃ馬感も使っていて楽しいレンズである。色味はブルー系が強く、クールな印象を受ける。
チープ感漂うプラスチックボディだが、なかなか美味しい“撒き餌”である
距離目盛窓やMFリングを省略し、プラスチックボディを採用するなどして、「EF50mm F1.8 II」は、レンズとしての品格よりも、とことん実用性にこだわった製品に仕上げられている。確かに、レンズを“モノ”として見た場合、プラスチックボディはチープ感が漂う。また、堅牢性・耐久性が不安だと感じる方もいるだろう。
だが、このレンズの特徴は“安い”ということと、価格のわりには、“高い”描写力を備えているということの2点であることを忘れないでほしい。確かに、Lレンズほど安定した描写力は発揮しにくいし、絞り羽根5枚でお世辞にもボケ味がキレイだとも言えない。しかし、1万円を切る価格で購入できるレンズであることを考慮すると、割り切って使用できるのだ。また、チープなプラスチックボディながらも、シャープな写真を撮影できるというギャップも、ある種、魅力のひとつ。「このレンズでいい写真を撮りたい」と思わせるレンズなのだ。
キヤノンユーザーの方の中には、「EF50mm F1.8 II」を買って、レンズ沼にはまってしまう方も多い。理由はさまざまだろうか、「1万円にも満たないレンズでこれだけの写真が撮れるのなら、高額なレンズならもっと高品位な写真が撮れるのでは…」などと感じ、新しいレンズに触手が伸びてしまう方が多いとか。そのため、価格.comクチコミ掲示板では、「キヤノンの撒き餌レンズ」と揶揄されているほどだ。
しかし、これだけの低価格でこれほどの描写力は他のメーカーでは味わうことができないのは間違いない。なかなか美味しいレンズであると思う。標準ズームレンズからのステップアップとして、これから単焦点レンズを購入してみようという方にとっては、まずは、この“撒き餌”で単焦点レンズを味わってみてはいかがだろうか。
| 製品スペック | |||
|---|---|---|---|
| レンズ構成 | 5群6枚 | 絞り羽根 | 5枚 |
| 最小絞り | F22 | 最短撮影距離 | 0.45m |
| 最大撮影倍率 | 0.15倍 | フィルター径 | 52mm |
| 最大径x長さ | 67.4 x 42.5mm | 重量 | 130g |
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