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カメラ関連

“漢”は黙って単焦点レンズ!シリーズ
その2 “隠れスターレンズ” ペンタックス「FA35mmF2AL」

2007年5月16日掲載

“漢”御用達の一眼レフ用単焦点レンズを紹介するこのシリーズ。第2回目となる今回は、ペンタックスの純正レンズ「FA35mmF2AL」をピックアップしよう。

「FA35mmF2AL」は、35mm対応AFレンズとなる「FA」シリーズの人気製品。ペンタックス交換レンズの中で定番中の定番といえる単焦点レンズで、昨年11月に、同社のデジタル一眼レフ「K10D」が発売されると、このレンズを求めるユーザーが急増し、価格.com人気アイテムランキングも10位内に上昇。取寄状態の販売店が多くなり、一時は、市場から完全に姿を消している時期もあった。

ペンタックス「FA35mmF2AL」 「FA35mmF2AL」は5群6枚構成の35mm単焦点レンズ。最大径64×長さ44.5mmで重量195gの軽量・コンパクトなボディに仕上がっている

カメラ通の方であればご存知のとおり、ペンタックスの交換レンズは、他メーカーでは味わえない個性のある製品が多い。特に、「リミテッドレンズ」は個性が強く、コンパクトなデジタル専用レンズ「DA 21mmF3.2AL Limited」や、表現力の高さで人気の「FA77mmF1.8 Limited」など、いい意味で微妙な画角のものに加え、パンケーキタイプの「DA40mmF2.8 Limited」のようにフォルムに強烈な特徴があるものも用意されている。だが、「FA35mmF2AL」は、「リミテッドレンズ」と比較すると、それほど特出した個性を感じさせる単焦点レンズではない。

では、なぜ「FA35mmF2AL」は、ペンタックスの個性的なレンズ製品群の中で高い人気を誇り、定番と言われているのであろうか?

「K10」に装着したイメージ 「K10」に装着したイメージ 人気の「K10D」に装着したイメージ。プラスチックボディであるため、アルミボディのリミテッドレンズと比べると、どうしても高級感では劣ってしまうが、価格.com最安価格で32,799円(*)という価格を考慮すると、いたしかたのないところだ

高い描写力を実現した焦点距離35mmの単焦点レンズ

「FA35mmF2AL」の人気の理由は、「高い描写力」と「焦点距離35mm」の2点にある。

「FA35mmF2AL」は、前回紹介したキヤノン「EF50mm F1.8 II」と同様、クラスを超える描写力が高く評価されている製品である。ペンタックスの交換レンズには、徹底的に光学性能を追求する「スターレンズ」という高性能レンズブランドが存在するが、描写力の高さを裏付けるように、「FA35mmF2AL」は、ペンタックスファンを中心に“隠れスターレンズ”と呼ばれている。確かに、ハイブリッド非球面レンズやゴーストレスコートの採用など光学性能は申し分なく、F5.6程度に絞ったときの解像感の高さは、価格.com最安価格で32,799円(*)という価格帯のレンズとしては優秀だ。また、開放付近でのボケ味もなめらかな印象で、ポートレート撮影や花のクローズアップ撮影などに対応できるのもポイントが高い。

さらに、広角単焦点レンズの王道である焦点距離35mmという画角も人気の秘密。フィルム一眼レフで35mmレンズに慣れ親しんだ方にとって使いやすいのは言うまでもないが、APS-Cサイズのデジタル一眼レフでも、35mm判換算で52mmという扱いやすい標準画角になるのだ。

作例

「FA35mmF2AL」は「FA」シリーズのレンズであり、フィルム一眼レフ用に最適化された製品である。そこで、今回は、人気のデジタル一眼レフ「K10D」に加えて、ハイパー操作系を搭載するフィルム一眼レフ「Z-5P」でも撮影を行ってみた。なお、フィルム撮影の作例は、ニコンのフィルムスキャナ「COOLSCAN V ED」を使用して読み取ったものとなる。

描写は、ペンタックスらしく柔らかくてナチュラルな印象。ピントの切れがよくシャープな特性のレンズではあるが、デジタル専用の「DA」シリーズほどのカリカリとした感じではない。コントラストも「DA」シリーズほど高くなく、忠実な色表現が可能なレンズであると評価したい。

作例 作例
K10D、絞り優先AE、1/50秒、F4.0、+0.3EV、WB:オート、ISO200、JPEG K10D、絞り優先AE、1/100秒、F2.8、+0.3EV、WB:オート、ISO100、JPEG
作例 作例
K10D、マニュアル、1/20秒、F8.0、0.0EV、WB:オート、ISO200、JPEG K10D、絞り優先AE、1/200秒、F8.0、+0.7EV、WB:マニュアル、ISO100、JPEG
作例 作例
K10D、絞り優先AE、1/50秒、F2.2、+1.0EV、WB:オート、ISO160、RAW現像 K10D、絞り優先AE、1/50秒、F4.0、+1.0EV、WB:オート、ISO800、RAW現像
作例
K10D、バルブ、約8秒、F11、0.0EV、WB:オート、ISO100、RAW現像
作例 作例
Z-5P、ハイパープログラム、PROVIA 400X Z-5P、ハイパープログラム、PROVIA 400X
作例 作例
Z-5P、ハイパープログラム、PROVIA 400X Z-5P、ハイパープログラム、PROVIA 400X

“新しい”ペンタックスユーザーにぜひ使ってほしいレンズ

ペンタックスは、カメラメーカーとして長年の歴史があり、すぐれたカメラやレンズを数多く提供してきた老舗メーカーだ。昨年は、手ぶれ補正機能搭載のデジタル一眼レフ「K10D」「K100D」をリリースし、カメラ通の方だけでなく一眼レフ初心者の方にも高い評価を受けた。また、「DA 21mmF3.2AL Limited」や「DA70mmF2.4Limited」などのデジタル専用「DA」シリーズのリミテッドレンズも非常に好評で、「K10D」「K100D」の購入にあわせて手に入れたという方も多いだろう。

ただ、ペンタックスユーザーが、デジタルで標準域(50mm近辺)となる純正の単焦点レンズを選ぶとなると、現段階では「DA」シリーズでは製品が存在しない。FAリミテッドレンズ「FA31mmF1.8AL Limited」か「FA35mmF2AL」の35mm対応の2本となるのだ。「FA31mmF1.8AL Limited」は、確かに文句の付けようのない素晴らしいレンズであるが、価格.com最安価格(*)で96,793円と、けっして安い製品ではない。そこで、今回紹介した「FA35mmF2AL」なのである。価格.com最安価格で32,799円(*)と購入しやすい価格であるし、描写力にも定評がある。標準ズームレンズからのステップアップに最適なレンズとなっているのだ。特に、「K10D」「K100D」でペンタックスのカメラを使い始めたという新しいユーザーの方に、この製品でペンタックスのレンズの写りのよさを知ってもらえればと思う。

フォーカスリング 距離窓 このレンズで難点をあげるとすれば、フォーカスリングだ。距離窓を採用した点は個人的には気に入っているが、リングがゴム製で細いため、お世辞にもすぐれた操作性とはいえない。また、リングにもう少しトルク感があったほうが操作しやすいという印象である

なお、あくまで可能性の話であるが、「FA35mmF2AL」は、近いうちにディスコン(製造中止)になってしまうかもしれない。というのも、2007年5月時点のペンタックスのレンズ開発ロードマップを確認すると、今後、「DA35mmF2.8 Macro Limited(仮称)」と「DA35mm SDM」という焦点距離35mmのデジタル専用レンズが2本控えているのだ。状況によっては、これらのレンズが発売された後に、焦点距離がダブる「FA35mmF2AL」がディスコンになる可能性がないともいえない。いや、これほどの良質なレンズがすぐにディスコンになることはないと思うが、APS-Cサイズのデジタル一眼レフが主流になっている現状を考えると、やはり確実に“ディスコンにはならない”ともいえないのだ。

「すぐれたレンズは在庫があるうちに手に入れておけ」という格言!?があるように、このレンズを使ってみたいのであれば、万が一のために、早めに購入しておいた方がよいだろう。ただ、デジタル一眼レフユーザーにとっては、今後のラインアップを考えると購入するのを悩むレンズであるのも事実。しかし、DAリミテッドレンズがシャープで鋭い描写力であることを考えると、新しい「DA」シリーズの35mmレンズは間違いなく「FA35mmF2AL」とは異なる描写に仕上げられてくるはずだ。その点を考慮しても、やはり、今のうちに押さえておいて損のないレンズであるといえる。

花形フード PLフィルター用の操作窓 付属の花形フードにはPLフィルター用の操作窓が備えられており、フードを装着した状態でもPLフィルターを操作できる。ペンタックスらしいユーザーフレンドリーな対応である
製品スペック
レンズ構成 5群6枚 絞り羽根 6枚
最小絞り F22 最短撮影距離 0.3m
最大撮影倍率 0.17倍 フィルター径 49mm
最大径x長さ 64 x 44.5mm 重量 195g
*価格.com最安価格は、2007年5月16日時点のものとなります
価格.comマガジン編集部/mkr
価格.comマガジン編集部/mkr
勢いでニコンのパンケーキレンズ「Ai Nikkor 45mm F2.8P」を購入してしまいました。新品です。えぇ、新品です。