勝手に注目!


パソコン関連

ワンセグ、音楽、ビデオを1台で楽しめるオールインワンプレーヤー
COWON 「D2TV-4G-BL」

2008年2月22日掲載

ワンセグ対応機器の普及が止まらない。電子情報技術産業協会(JEITA)の統計によれば、2007年12月末でワンセグ対応携帯電話の累計出荷台数は2,000万台を突破したという。また、今やワンセグはポータブルオーディオにも欠かせない機能になりつつある。そこで、今回の「勝手に注目!」では、海外メーカー製のポータブルオーディオで唯一ワンセグに対応しているCOWON「D2TV-4G-BL」(以下、D2TV)に注目してみた。

D2TVは、2007年10月に発売された製品である。78(幅)×55.4(高さ)×16.6(厚さ)mmで重量91gという小型ボディにタッチスクリーン式の2.5型液晶を搭載し、FMラジオの受信や動画ファイルの再生、ボイス録音機能、メモ機能、計算機能などが利用できるほか、タイマー機能を利用したワンセグの録画も可能だ。音楽ファイルはMP3、WMA、OGG、FLAC、WAV形式のデータが再生可能なほか、AVI、WMV形式の動画ファイル再生、JPEG形式の静止画表示に対応。ACアダプタによる3.5時間の充電で、ワンセグは最大7.5時間の視聴ができる。このように、D2TVはかなり多彩な機能が特徴だ。

COWON「D2TV-4G-BL」 COWON「D2TV-4G-BL」。スタイラスペンやイヤホンなどが付属する。なお、イヤホンがFMアンテナも兼ねている

クッキリ見やすいワンセグ映像 タイマー機能で予約録画も可能!

まずは、ワンセグを検証してみよう。D2TVはロッドアンテナを内蔵し、視聴するときはアンテナを伸ばすことで視聴できる。通勤で乗車する電車(JR総武線水道橋〜阿佐ヶ谷間)で視聴してみたところ、乗車中の約30分間、電波が遮られるトンネル内やビルが林立している周辺などでブロックノイズが4回発生したが、想定の範囲内でイライラするようなことはなかった。昨年、取り上げたソニーのワンセグ・ラジオ「XDV-100」と比べても、受信感度は変わらないレベルだと思う。

ワンセグの映像を見ていると、かなり見やすい画質であることがわかる。テロップが多用されるバラエティやニュース番組では、2.5型という画面サイズに合わせて字幕表示が小さくなるものの、にじむことがほとんどなく、くっきり見やすい。視野角について正確なデータは公開されていないが、かなり斜めから見ても、ちゃんと視聴できる。

ワンセグ放送の受信画面 EPG ワンセグ放送の受信画面。もちろん、文字放送にも対応している(写真右)EPGで直近の番組を確認できるが、ここから予約録画はできない

また、D2TVはワンセグの視聴だけでなく、録画にも対応している。画面下部にある「SETTING」メニューをポップアップし、「RECORD」をタッチすると録画開始だ。予約録画については、メニュー画面から「設定」を選択し、「タイマ」をクリック。「アラームモード」を「ワンセグレコード」に設定し、録りたい番組の開始時刻と録画時間を決定すれば完了である。ただし、電源をオフにしないとタイマ録画できないのはやや難点だ。録画した番組を視聴する場合だが、「ビデオモード」を選ぶことで最近録画した番組が表示される。過去に録画した番組を見るときは「BROWSER」をクリックし、「MOVIE LIST」を選択することで一覧が表示されるのだが、EPG予約に対応していないので番組名が自動で取り込まれず、1つずつ見て確かめるしかない。このあたりはまだまだ改良の余地がありそうだ。

「タイマーモード」 録画場面 「タイマーモード」でアラームを「ワンセグレコード」に設定。セットした20:30に立ち上がり、録画が開始された

ドラッグ&ドロップで音楽データをサクサク転送! 動画も手軽に取り込める

次に、音楽と動画の再生機能を利用してみた。D2TVには、付属ソフトとして、音楽転送用の「JetShell」と動画変換ソフト「JetAudio」が同梱されている。しかし、エクスプローラを利用したドラッグ&ドロップで、ほとんどの形式の音楽ファイル、動画ファイルを取り込めるのだ。専用ソフトを使わないと転送できないという他メーカーのモデルと比べて自由度は高い。

では、音楽を聴いてみよう。音楽再生で要となるのが独自の音場効果機能「JetEffect」だ。JetEffectは、音質補正技術「BBE MP」を搭載している。BBE MPは、デジタル圧縮で失われた高調波を修復、補正することで劣化した音質を改善する仕組みだ。また、オーバーサンプリングを行うことで高域の周波数帯域を拡張するので、MP3やWMA形式などの圧縮ファイルでもCD並みに、CDの音源についてはSACDやDVDオーディオ並みの周波数帯域が得られるというものだ。試しに、転送したMP3形式の音楽データ(ジャズ)を聴いてみたところ、高音域は確かに音場の広がりを感じるものの、特別高音質になったというわけではなく、CD並みとまではいかない。ただ、ウッドベースの響きは解像感が増した感じで、圧縮音源特有の音の薄さというようなものはわずかに低減されているようだ。

続いて、JetEffectのイコライザーを利用して聴いてみた。JetEffectは、ロック、ジャズ、ポップスなど5種類のプリセットモードが選択できるほか、自分で細かく調整することもできる。例えば、ジャズモードでは、デフォルト時に比べて低音がやや強調され、ウッドベースの響きがより伝わってきた。サックスの音の響きも伸びて聴こえるなど、低〜中音域にかけての音が増幅されているようだ。また、イコライザー以外に、解像度向上の「BBE」、低音域増幅の「Mach3Bass」、立体音響効果の「3DSurround」、ステレオ効果を高める「StereoEnhance」、高音域を補完する音場効果「MPEnhance」といった設定モードがある。この中でも、感心したのはMPEnhanceだ。MPEnhanceを選択するだけで、高音域が厚みを増してくるのである。音楽再生でMPEnhanceの効果をぜひ体感してほしいと思う。

JetEffect 音楽再生中 JetEffectで音場機能を調整する。この調整画面では、左右の音のバランスなども調整可能だ(写真右)音楽再生中は、画面上に曲名や時間などが表示される

次に、動画再生機能を使ってみよう。今回、自宅のDVDレコーダー(東芝・RD-XD71)でDVD-Rに録画した地上アナログ放送の番組(VOB形式)を付属ソフト「JetAudio」を使ってAVI形式(標準品質[High Speed])に変換した。JetAudio上にある「Convert Video」をクリックし、転送したい動画ファイルを選択。あとは、「Start」ボタンを押せば動画ファイルの変換が始まる。

気になる画質だが、予想以上の高画質である。画面サイズは2.5型と小型だが、コントラストが高く視認性がよいため、番組テロップなども意外にしっかり読める。容量169MBのAVIファイルを転送して再生してみたが、デコードのもたつきなども見られず、コマ落ちなども起こらなかった。輝度やコントラストが高い分、むしろパソコンの画面で見るよりもクッキリ見えるくらいである。色味的には若干青みが強く感じる部分はあるが、このサイズの液晶デバイスとしては優秀なほうではないだろうか。

PC上での再生 D2TVで再生 元のAVIファイルの映像(左)と、DT2Vで再生した映像を撮影したもの(右)。色味的にはやや青が強いが、輝度・コントラストとも高めのため、逆に映像が鮮やかに感じる

指で画面をスクロールできる「バーチャル・モーション」機能を搭載

D2TVは、操作をタッチスクリーンで行えるのも大きな特徴だ。そこで、タッチスクリーンの使いやすさを検証するべく、アップルのiPod touchと比較してみた。iPod touchといえば、アルバムジャケットをめくるように検索できる「CoverFlow」機能が特徴だ。実際、音楽再生機能でアルバム画面を左右にスクロールさせてみたが、気持ちいいくらいキビキビと動いてくれる。画面を縦にしてプレイリストを上下に動かしても同様だ。目当ての曲で指を止めるとピタッと止まるのが心地いい。

一方のD2TVは、「バーチャル・モーション」と呼ばれるインターフェイスを備えており、音楽や写真などで目的のコンテンツを検索する際に、指で画面を上下左右にスクロールすることができる。ただ、操作性はiPod touchに近いものの、精度は今ひとつで聴きたい曲でピタリと止めることはできなかった。特に上下スクロールの場合、指をはじくように動かすと一気にトップや最下部まで行ってしまい微調整が効かない。タッチパネルの操作性はまだまだといったところだ。

iPod touchとD2TV 指でも操作可能 iPod touchとD2TV。D2TVの画面サイズは2.5型とiPod touchよりも小さい(写真右)指でも操作が可能だ。上下左右にスクロールできる

次に、付属のスタイラスペンを使ってみた。スタイラスペンは指と比べてピンポイントにアイコンをタッチできるため、操作精度は指でのタッチよりも高い。楽曲データを検索する際にはピタリと止めることができるうえ、音量調整も細かいコントロールが可能だ。また、指と比べて画面が汚れないのもメリット。ワンセグや動画を視聴する際に、汚れを気にせずにすむのはありがたかった。しかし、ボディには、スタンドとして利用するための差し込み口が備えられているだけで収納できない。ボディに収納できるようにすればなおよかったと思う。

スタイラスペンで操作 スタンドとして利用 D2TVはスタイラスペンで操作する。アイコンを的確に押して操作できるが、収納に困るのが難点(写真右)スタイラスペンはスタンドとして利用することも可能

意外と使えるメモ機能 SD対応で豊富なコンテンツを楽しめる!

D2TVには4GBのフラッシュメモリが内蔵されているほか、8GBモデルもラインアップされている。HDDタイプのプレーヤーに比べると容量的には少ないように思えるが、本体サイズの小ささを考えれば、やむを得ないだろう。しかしながら、外部メディアとしてSDメモリーカードも使えるようになっているので、内部メモリに入らないデータはSDメモリーカードに保存すればよい。SDHCにも対応しており、拡張性は高い。

もう1つ忘れてはならないのがメモ機能だ。当初は、「あまり使わないのでは」と思っていたのだが、これが意外に便利なのである。字の太さや色を変えて入力できるので表現力も高く、まさにメモ帳感覚で使えてしまう。書いたメモはファイルとして保存できるので、いくつものメモを記録できる。細かい機能であるが、個人的には重宝した。

メモ機能 SDカードスロット 意外と便利に思ったのがメモ機能。色や太さも変えられるため、ちょっとした手帳代わりになる。(写真右)内蔵メモリのフォルダは「D2」と表示されるが、SDメモリーカードは「D2 EXT」と表示される
SDカードの写真を表示 SDメモリーカードに記録した写真を表示することが可能。もちろん、音楽データや動画も再生できる

以上のように、D2TVは、なかなかの機能性を持った製品であるが、逆に改善してもらいたい点も目立った。今後、ファームウェアのバージョンアップを期待したい。しかし、それ以上に、ワイシャツのポケットに収まるサイズに、音楽、動画、ワンセグを保存し、いつでも視聴できるという利便性は高い。そのうえ、4GBのフラッシュメモリを内蔵して25,000円前後という価格を考慮すれば、お買い得な製品だと思う。D2TVは、手軽にマルチメディアを楽しみたい私にとっては満足できるアイテムといえる。

COWON 「D2TV-4G-BL」の製品スペック
対応形式 音楽/MP3,WMA,OGG,FLAC,WAV
動画/AVI,WMV
静止画/JPEG
ワンセグ 13〜62ch
表示 2.5型QVGA液晶、タッチスクリーン ラジオ FM 76〜108MHz
外部メモリ SDメモリーカード/MMC 使用可能時間 ワンセグ/最大7時間30分連続再生
動画/最大10時間連続再生
オーディオ/最大52時間連続再生
(ACアダプタ3.5時間充電)
内蔵メモリ 4GB 本体寸法(WxHxD)/重量 78×55.4×16.6mm/91g
価格.comマガジン編集部/ツーペー
価格.comマガジン編集部/ツーペー
フォルクスワーゲン・ジェッタのことを毎日考えています。1.4リッターにするか2.0リッターにすべきか悩み続けてしますが、どちらもマニュアル仕様はありません。となると、やんちゃなポロGTiかな、なんて思いを巡らせています。