No.035 新型インフルエンザ対策状況調査

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結果レポート

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新型インフルエンザ対策状況調査

総評

今年2009年の冬は、新型インフルエンザの世界的流行が懸念されている。そんな中、一般の方々が、新型インフルエンザの予防にどの程度力を入れているのかをうかがった。

インフルエンザへの対策方法としては、一般的な予防方法である「手洗い・うがい」を中心に、「マスク着用」なども半数程度の方が行っている状況である。また、加湿器や空気清浄機といった家電製品を使って予防するという割合も全体の2割程度にのぼっており、意外に多くの人がこうした家電製品を使ってのインフルエンザ対策を行っていることがわかった。なお、「ワクチン接種を行う(行った)」という人は17.8%しか見られなかったが、これはいわゆる「ワクチン供給量の不足」による影響が大きいものと推察される。世代別には、高齢の方ほどワクチン接種を希望しており、若年層ほど希望率が下がる傾向にあるが、今回の新型インフルエンザは若年層の重症化例が多く、死亡率も高いことが報告されているだけに、世代間の意識ギャップがやや気になるところではある。

ただし、かけた金額ベースでインフルエンザ対策を見てみると、半数の人が「5,000円以下」と回答しており、「お金をかけていない」という人も25%いることから、インフルエンザ対策としては、前述の「手洗い・うがい」や「マスク着用」が中心になっていることがわかる。なお、都道府県別に見ると、インフルエンザ対策を熱心に行っている地方は比較的温暖な九州地方であるという面白い結果も出ている。

いっぽう、インフルエンザ対策として人気急上昇中の「空気清浄機」についても、さらに詳しく聞いてみた。今回の調査による空気清浄機の所有率は約半数の49.5%。先日10月23日に発表された、インターネットコムとgooリサーチによる「家電に関する定期調査」の結果によれば、空気清浄機の所有率は35.5%ということなので、価格.comユーザーの所有率はこれよりもかなり高いということになる。

さらに、今年に入ってから空気清浄機を購入した人の購入時期を見てみると、通常であれば販売が落ち込むはずの4〜6月に購入したという人が、予想外に多いことがわかった。通常はスギ・ヒノキ花粉の飛散が収まるこの時期には空気清浄機の販売量が落ち込むのが通常だが、今年は4〜5月にかけて新型インフルエンザの世界的流行が大々的に報道された影響もあり、この時期に空気清浄機を購入した人の数が多い結果になった。また、国内での死亡者が確認された8月以降は、空気清浄機の購入割合もますます高まっており、今や空気清浄機は、価格.comの家電カテゴリの中でも人気の上位に入るカテゴリになっているほどだ。

また、購入した空気清浄機の機能やメーカーなどを見てみると、ウイルス対策機能として大々的にテレビCMなどをしかけたシャープやダイキンの製品が大きくシェアを伸ばす一方、新製品やCMで出遅れたパナソニックの製品はシェアを減らすという現象も見られた。いずれにしても、空気清浄機に求められる機能は、今や「花粉対策」や「におい対策」から、「風邪・インフルエンザ対策」へと大きくシフトしてきており、実際に購入されている製品も、なんらかのインフルエンザ対策機能が搭載されたものが中心となっている。

これから本格的な冬に入り寒くなると、新型インフルエンザの流行は世界的にますます加速することが予想されるが、これは家電業界、特に空気清浄機市場に大きな影響を与えていると言えるだろう。空気清浄機市場全体が大きく注目を集めており、例年にない立ち上がりの早さを記録しているが、これから年末年始にかけて、この人気はますます高まっていくだろう。特に今年は、「インフルエンザウイルスの対策機能」の有無が、製品の売れ筋を大きく左右することが予想される結果となっている。

新型インフルエンザ対策:「うがい」「手洗い」が約80%、「マスクの着用・買いだめ」は約50%

新型インフルエンザの流行に対して、どのような対策を今行っているか、また今後行う予定であるかをうかがった。
多かったのは、「うがい」「手洗い」でいずれも8割近い数字。誰でも行える予防方法として、一般的に広く認知されている様子がうかがえる。「マスクの着用・ストック」も5割に達しており、かなり多くの人がすでにマスクの着用や買いだめなどを行って、新型インフルエンザの流行に備えていることがわかった。
なお、家電製品関連で見ると、「空気清浄機の設置」や「加湿器の設置」も2割を超える人が行っている(または行う)と回答しており、こちらも思ったよりも高い数値を出している。準備量の問題はあるが「ワクチン接種」という回答が17.8%であることを考えると、インフルエンザ対策としてはかなり高い割合になっているといえるだろう。

【図1、今行っている、またはこれから行う新型インフルエンザ対策を、すべてお選びください。
※このアンケート内の「新型インフルエンザ」はH1N1を想定しております。】

今行っている、またはこれから行う新型インフルエンザ対策のグラフ

都道府県別の新型インフルエンザ対策率:1位は福井県(97.7%)、2位は熊本県(97.4%)
より活発に対策が行なわれているのは、九州以南が多い結果に

今回の調査でなんらかの新型インフルエンザ対策を行っていると回答した人の割合を都道府県別で出してみたのが、この図だ。
これによれば、新型インフルエンザ対策を行っている人の割合が多い都道府県の上位5位は、福井県、熊本県、沖縄県、宮崎県、福岡県となっており、九州以南の県が意外に多いという結果になった。
この結果から特になんらかの傾向が見られるとは言いがたいが、インフルエンザウイルスが活動しやすいといわれる寒くて乾燥する地方ではなく、比較的温暖な九州などの地方で、より多く対策が行われているという点は興味深い。同じ北陸地方でも、福井県と、富山・新潟県ではまったく違う傾向を示すなど、単純な地域分けは難しい状況だ。

【図2、新型インフルエンザ対策実施率ランキング(都道府県別)】

■新型インフルエンザ対策をしている人の割合が多い都道府県TOP5
順位都道府県割合
1福井県97.7%
2熊本県97.4%
3沖縄県96.6%
4宮崎県95.9%
5福岡県95.9%

ワクチン接種希望者:高齢になるほど希望する割合が増加、
若年層の重症化が多い現状とのギャップが明らかに

新型インフルエンザのワクチン接種を希望する人の割合を世代別に集計してみた。
これを見る限りは、50代で一部例外的な動きはあるものの、基本的には、高齢になるほどワクチン接種を希望する人の割合が高くなっていっていることがわかる。若いほど健康や身体に自信があり、ワクチンを接種しなくても大丈夫と考える傾向が強いのかもしれないが、今回の新型インフルエンザは若者が重症化したり死亡する例が多く、若いからといって油断するのは禁物といえる。すでに多く報道されているとおり、ワクチンの供給量が不足しているため、現状では希望通り接種を受けられない状況にあるが、この結果を見る限り、世代間で少し認識のギャップが生じているようだ。

【図3、世代別に見た新型インフルエンザワクチン接種希望者の割合】

世代別に見た新型インフルエンザワクチン接種希望者の割合のグラフ

【図4、厚生労働省調べ 日本におけるインフルエンザ A (H1N1) の新型インフルエンザによる入院患者数の概況】

■10月13日までに入院した患者の累計数
年齢患者数患者数全体に対しての割合
1歳未満482.2%
1〜5歳未満31614.7%
5〜9歳87040.5%
10〜14歳43920.5%
15〜19歳1265.9%
20〜39歳1054.9%
40〜59歳984.6%
60〜79歳994.6%
80歳以上452.1%
参考:http://www.mhlw.go.jp/za/0730/d20/d20-03.html


厚生労働省 日本におけるインフルエンザ A (H1N1) の新型インフルエンザによる入院患者数の概況のグラフ

新型インフルエンザ予防対策費用:平均は5,155円、手軽なマスク着用やうがい・手洗いを行う人が大多数
4人に1人は「費用をかけていない」と回答

新型インフルエンザが全世界的な猛威をふるい始めた今年に入ってから、その対策費用として、どれくらいの金額をかけたかを聞いた。結果は見ての通り「5,000円以下」という割合がもっとも多く、全体の半数近くを占めた。また、「お金を使っていない」という割合も25%を占め、全体の平均額では5,155円という結果になっている。
この結果から考察できるのは、インフルエンザ対策とは言っても、今行っているものとしては、比較的手軽なマスクの着用や消毒液の購入がメインで、空気清浄機などの機器を購入している人はかなり少数であるということだ。また、4人に1人が特に何も購入せず、うがいや手洗いなどの普段から行える予防措置のみで済ませているということになる。
男女別にこの結果を見ると、男性のほうがお金をかけている割合が少なく、女性のほうが、新型インフルエンザに対しての予防に気を使っている様子も見受けられる。

【図5-1、今年に入ってから新型インフルエンザ対策にかけた費用はおいくらですか?】

今年に入ってから新型インフルエンザ対策にかけた費用のグラフ

【図5-2、今年に入ってから新型インフルエンザ対策にかけた費用はおいくらですか?(男女別)】

今年に入ってから新型インフルエンザ対策にかけた費用(男女別)のグラフ

都道府県別の新型インフルエンザ予防対策費用:1位は山形県(7,202円)、2位は宮崎県(7,194円)

新型インフルエンザ対策にかけた費用を都道府県別に集計し、多かった県のベスト5を算出した。
図2の結果と似通っている部分もあり、やはり九州地方の各県で比較的多くなっているが、東北地方の山形県が1位になるという意外な結果になった。
ただし、この結果からなんらかの因果関係を推察するのは難しいだろう。

【図6、今年新型インフルエンザ対策にかけた費用ランキング(都道府県別)】

■今年新型インフルエンザ対策にかけた費用が多い都道府県TOP5
順位都道府県平均金額
1山形県¥7,202
2宮崎県¥7,194
3大分県¥6,905
4長崎県¥6,091
5奈良県¥5,975

加湿器および空気清浄機の所有状況:
「所有している、または購入予定」が、共に2/3程度

インフルエンザや風邪の予防に効果的とされる「加湿器」の所有状況を聞いた。
結果としては半数以上の52.2%が「所有している」と回答しており、14.5%が「購入予定」と回答した。2/3程度の人が「所有している、または購入予定」ということで、残る1/3程度の人が、「所有しておらず購入予定もない」ということになった。

【図7-1、加湿器の所有状況】

加湿器の所有状況のグラフ

続いて、インフルエンザなどのウイルス制御に一定の効果があるとされる「空気清浄機」の所有状況を聞いた。
こちらも加湿器とほぼ同じような所有率となっており、半数近い49.5%が「所有している」と回答。15.3%が「購入予定」としており、やはり2/3程度の人が「所有している、または購入予定」。残る1/3程度の人が、「所有しておらず購入予定もない」ということになった。

【図7-2、空気清浄機の所有状況】

空気清浄機の所有状況

空気清浄機の購入時期:新型インフルエンザ流行に合わせ、購入者が増加
花粉対策シーズンが終わっても売れ行き落ちず

空気清浄機の購入時期と共に、昨年2008年の空気清浄機カテゴリのPV数の遷移も図に表している。PVが多い月ほど、空気清浄機がよく売れた月というように考えていただきたい。
2008年の例を見てもわかるように、一般的に空気清浄機という製品は、春先のスギ・ヒノキ花粉が多く飛散する2〜3月をピークとして売れてゆく傾向がある。その時期が終わると、空気清浄機の売れ行きは極端に落ちるのが通常だが、今年2009年は4〜5月に新型インフルエンザの世界的流行が伝えられたため、PVも例年ほど落ちずに推移し、通常はオフシーズンとなる夏期にもPVの上昇が見られるなど、例年と違う動きをしているのが特徴となっている。(※参考…トレンドニュース 今年度の価格.com空気清浄機カテゴリPV推移)このことを裏付けるように、今回の調査でも、4〜6月くらいに空気清浄機を購入した人が思いのほか多いことがわかる。また、新型インフルエンザの国内流行がはじまり始めた8月以降は、空気清浄機を購入する人が軒並み増えている状況で、今後もますます増加することが予想される結果となっている。

【図8-1、今年空気清浄機を購入した人の購入時期と、2008年の価格.com空気清浄機カテゴリPV】

今年空気清浄機を購入した人の購入時期と、2008年の価格.com空気清浄機カテゴリPVのグラフ

なお、空気清浄機の中でも「ウイルス対策機能」が搭載された製品だけを抜き出して、その購入時期を示したのが図8-2だ。こちらも、基本的には空気清浄機全体の購入時期とほぼ同じ動きを示している。特に今年は、「ウイルス対策機能」搭載の空気清浄機が非常に高い人気となっており、空気清浄機の主流がウイルス対策機能搭載機にシフトしてきていることがこの図からもうかがえる結果だ。

【図8-2、ウイルス対策機能(空気中に微粒子を放出するタイプ)がついた空気清浄機の購入時期】

ウイルス対策機能(空気中に微粒子を放出するタイプ)がついた空気清浄機の購入時期のグラフ

空気清浄機の購入目的:これまでの「花粉対策」から「風邪・インフルエンザ対策」へとシフト

空気清浄機を購入した目的が、新型インフルエンザの世界的流行が報道され始める以前(2009年3月以前)と、それ以降(2009年4月以降)で、どのように変化してきたかを示したのがこの図だ。
いずれの場合も「風邪やインフルエンザの予防」が購入目的の筆頭に位置しているが、今年3月以前では51.1%だったのに対し、今年4月以降では65.2%にまで増えており、圧倒的な割合を占めるに至っている。これに対して、従来の空気清浄機に多く求められていた「花粉対策」は、24.6%から10.8%へと大きく割合を減らしており、すでに「空気清浄機=風邪・インフルエンザ対策」というイメージが強くなってきている状況が見て取れる。

【図9-1、空気清浄機購入目的(購入時期別)】

空気清浄機購入目的(購入時期別)のグラフ

また、上記の購入時期別に、購入した空気清浄機に搭載されている機能を比較したのが図9-2だ。これを見ると、2009年3月以前では「フィルターによるウイルス対策機能」がメインであったのが、2009年4月以降になるとその割合は減っていき、「空気中にイオンなどの微粒子を放出するタイプのウイルス対策機能」の割合が増えていることがわかる。

【図9-2、所有している空気清浄機についている機能(購入時期別)】

所有している空気清浄機についている機能(購入時期別)のグラフ

空気清浄機のメーカーシェア:シャープやダイキンの製品が大きく拡大、パナソニックは若干減少
インフルエンザウイルス対策機能のアピールが鍵か

今年に入ってから購入した空気清浄機のメーカー割合を示したのが以下の図だ。これを見ると、シャープ、パナソニック、ダイキンという、主要3メーカーのシェアが全体的に拡大していることがわかる。このうち、もっとも大きくシェアを伸ばしたのはシェアトップのシャープで、28.5%から36.0%へと7.5ポイントも上昇している。また、ダイキンも、15.9%から21.1%へと5.2ポイント上昇した。シャープに関しては、この夏以降、イオン放出型のウイルス対策機能「プラズマクラスター」機能を大々的にアピールしたことで人気を得ている。また、ダイキンについても、ウイルスを加湿器内部で分解する「光速ストリーマ」技術をこの秋から大々的にアピールし、大きく人気を集めている。タイプこそ違えど、この2社は、インフルエンザウイルス対策機能をいい時期にアピールできたことで、大きなシェア獲得に成功したといえる。
これに対して、若干シェアを減らしたのがパナソニックだ。パナソニックも「ナノイー」というイオン放出系のウイルス対策機能を搭載しているが、こちらのPRがこの10月まであまり行えなかったことから、上記2社に対してはやや出遅れた感があり、それがシェア減少につながったものと思われる。ただ、現時点では、パナソニックも活発にテレビCMを行っており、シェアを戻すことも十分想定される。なお、同様にイオン系のウイルス対策機能を搭載している三洋電機のシェアは上がっておらず、むしろ下がっているが、これはCM投下量の差だろう。その他の、ウイルス対策機能を搭載しない(フィルター除菌除く)メーカーの製品はことごとくシェアを減少させている。

【図10、所有している空気清浄機のメーカー(購入時期別)】

所有している空気清浄機のメーカー(購入時期別)のグラフ

調査エリア:
全国
調査対象:
価格.comID 登録ユーザー
調査方法:
価格.comサイトでのWebアンケート調査
回答者数:
7,274人
男女比率:
男85.1%:女14.9%
調査期間:
2009年10月22日〜2009年10月26日
調査実施機関:
株式会社カカクコム

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