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葬儀

FAQ:こんな時どうする?

葬儀やお墓のことを考える時の注意点を教えてください。
生前予約のメリットってなんですか?
宗教はどうすればいいのですか?
無宗教葬というものに興味があるのですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。
密葬とは一般的にどういう時にするものなのですか?
葬儀の日程はどのようにすればいいのですか。
葬儀をする場所はどこにすればいいの?
通夜の服装はどうすればいいの?
公営墓地、民営墓地、寺院境内墓地の違いって何?
墓地はどうやって選べばいいの?
香典はいつだすの?
遺族として死を受け入れる際に気をつけた方がいいことがあれば教えてください。

葬儀やお墓のことを考える時の注意点を教えてください。

 最近の高齢者が死後のことについて考えるキーワードとなっているものの一つに「後に残る者に対して迷惑をかけたくない」ということがあります。
  死後のことは自分ではできません。単身者の場合には、誰かに託さなければいけません。たとえ家族がいても、世帯が別である場合など、自分でできるだけのことをしておきたいと考える人も少なくありません。また死後には関係者の間で葬儀に対する意見が異なることも少なくありません。このようなとき、本人の意思が明らかであれば「本人の意向」ということで周囲が丸く収まることも多いのです。後に残る方々に迷惑をかけないためには、どのように準備し、誰にどのように伝えるかが重要になります。
  そのために、まず自分の考えをまとめましょう。ポイントは、自分の人生に対する考え方に素直になることと、残す家族のことを考えることになるでしょう。葬儀の仕方については自分の希望を伝え、実現してくれる人が大切です。ですから誰を施主に指定するかが重要になります。財産については遺言を書き、その執行人を定めておく必要があります。
  遺言を書いておかないばかりに、法定相続で遺産分配した結果、残された配偶者が住み慣れた家を出て行かなければならないという事態も発生しかねません。また、望まない延命医療を施されたり、葬儀の仕方をめぐって身内の対立が生じてしまうこともあります。

考えるポイント
  1. 正常な判断ができなくなったとき、代わりに誰に判断を依頼するか
  2. 心配は老齢期の介護。誰にどのような介護を依頼したいか
  3. 病名・病状の告知を受けるか
  4. 最後は延命治療を望むか、それともできるだけ自然な状態で死にたいか
  5. 誰にどのような場所(自宅・病院など)で看取ってほしいか
  6. 医療費の支払いはどのようにするか
葬儀・墓を考えるポイント
  1. 葬儀でしてほしいこと、葬儀でしてほしくないことは何か
  2. どのような葬儀にしたいか
  3. 宗教はどうするか
  4. どのような人に葬儀に出席してほしいか、出席してほしくないか
  5. どこで葬儀をしてほしいか
  6. 誰に施主になってもらうか
  7. 葬儀の費用はどうするか
  8. 墓はどうしたいか
財産などを考えるポイント
  1. 誰にどのように分けたいか
  2. どこか寄付したいところがあるか
  3. 書類などは整っているか

 死・葬儀・墓のことについて備えを行うことは「縁起が悪い」と避けられることが少なくありません。
 しかし、生があれば死があります。人間は長寿に恵まれてもせいぜいが120年です。いつかは誰でも死を迎えるのです。
 死をどう迎えるか、そして死後に残される人・物・事のことを考えて備えておくことは大切なことです。それは自分の生き方の一部であるからです。
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生前予約のメリットってなんですか?

 生前予約とは、自分のご葬儀プランを立てて契約書を作成し、もしものときには、その契約書に従って遺志を尊重し遺族は故人の希望通りのご葬儀を執り行うというものです。
  1. 深い悲しみの中にあるご家族が難しい選択をしなくてもすみます
    生前予約は、ご本人がしっかりしているうちに、できればご家族と相談して行えばもっとも安心です。

  2. あなたの希望通りにご葬儀を行うことができます
    生前の準備がなくご葬儀の打合せをするとき、ご家族は故人が何をしてほしいかよく分からないことがあります。そのため故人が望んでいた形と違ってしまうかもしれません。

  3. 残された人々の精神的・経済的負担を軽くすることができます
    故人の希望が分かっていると、ご遺族は多くの事柄について迷わずにすみます。また、ご葬儀の設計をしておけば、いろいろな支払い方法が利用できるため、費用はより少なくてすみます。前もって費用が支払ってあれば、葬儀社ではご遺族のご負担がより少なくなるよう工夫することができます。

  4. 残された人々にメッセージを残すことができます
    あらかじめご葬儀について決めておいても、ご遺族がそれを記した文書を見つけられないかもしれません。そのため、没後の希望は葬儀社に予約しておけば間違いがありません。万一の時がきてもご遺族は慌てずにすみます。

ポイントは、
  1. 契約の変更が可能か
    契約をしてから死を迎えるまでの期間はそれぞれ異なります。その間に周囲の事情や本人の考え方も変わるかもしれません。

  2. 支払いは契約実行後か
    先払いだと業者が倒産した場合、契約が実行されない危険があります。

  3. 葬儀費用の将来の値上がりに対応できるか

  4. 契約実施の保証があるか
    実施体制を見極める必要があります。
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宗教はどうすればいいのですか?

 日本の葬儀は94%が仏式で行われています。その他では、2%が神道、1%がキリスト教、2%が新宗教、1%が無宗教となっております。無宗教形式も全国的にはまだ少ないものの、大都市を中心に増加の傾向が見られます。
 江戸時代以来の檀家制度の影響もあって、「葬儀は仏式で」という慣習は強いのですが、「信教の自由」は憲法で保障されている基本的人権です。
 葬送儀礼の宗教(無宗教を含む)を決める手順は次のようになります。
  1. 本人の宗旨による
  2. 本人の宗旨が明らかでない場合には家族の宗旨による
  3. 本人・家族の宗旨が明らかでない場合には家族で相談して決める
 本人を送る儀礼ですので、家の宗旨よりも本人の宗旨(無宗教を含む)がまず優先して考えられるべきでしょう。

※公営墓地や民営墓地の場合には問題ありませんが、ケースによってはお寺の墓地への納骨を断られることもあるので、お寺への納骨を考えてる場合はきちんと問い合わせましょう。
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無宗教葬というものに興味があるのですが、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

 「無宗教葬」とは、仏教とかキリスト教とかの特定の宗教宗派によらない葬儀のことを指し、宗教を信じない、いわゆる無神論の人だけのものではなく、特定の宗教色を出したくない場合にも選ばれます。県民葬、市民葬などの公共的な葬儀は、多くは無宗教で営まれます。
 無宗教葬は特定の宗教宗派によらない方式なので、葬儀を自由に設計できます。そのために「自由葬」と呼ばれることもあります。

メリット
  1. 伝統・慣習に縛られずに遺族・参加者の自由な創意で行える
  2. 特定の宗教色がないので、遺族間で宗旨の対立があっても行える
  3. 本人の人柄を中心とした自由な企画が行える
デメリット
  1. 新しい方式なので、遺族・親族間で合意を取りにくい場合もある
    本人の生前の意思表示があると説得しやすいでしょう。
  2. 宗教儀式がないため、遺族が死者の行方について安心を得られない場合がある
    家族だけで別途、本人または家族の宗旨で宗教儀礼を行うことも考慮しましょう
  3. 企画・構成を考えねばならず、これが負担になることがある
    おおまかな方式については、葬祭業者から提案を受けることができます。インターネット等を利用して効率よく提案を集めましょう。
 無宗教葬は自由な方式ですから、定型はありませんが、よく見られる方式を紹介しておきましょう。

■臨終から通夜まで 特に手順は変わりはありません。
  1. 枕飾り
    小机上に生花とろうそく
  2. 納棺
    本人らしい服装で
  3. 通夜
    本人の好きだった音楽を静かに流しながら時をもちます。弔問者には、献花してもらっても、焼香してもらってもいいでしょう。
■告別式 宗教色がないので、特に葬儀式はありません。告別式だけです。
  1. 音楽(本人の好きなもの)
  2. 献灯(孫など関係者が担当)
  3. 開式の言葉
  4. 黙祷
  5. 本人の生涯紹介(ビデオやスライドを用いてもよい)
  6. お別れの言葉(2〜3人)
  7. 献花または焼香(この間、静かに音楽を流しておく)
  8. 閉式
 この後に、遺族・親族によるお別れの儀、出棺前の遺族代表の挨拶、出棺は他と同じ(霊柩車は洋型かバン型)。
 火葬から戻ったら、関係者で会食し、慰労の時をもちます。
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密葬とは一般的にどういう時にするものなのですか?

 密葬は、人々に告知しないで、遺族や親族、故人とごく親しかった人だけで行う葬儀です。次のようなときに密葬が選ばれます。
  1. 家族だけで簡素だが、静かで心のこもった葬儀にしたい
  2. 葬儀が年末年始にかかる
  3. 故郷で後日に葬儀をする
  4. 変死など、死をはばかりたい
 2,3は密葬だけで済ませず、その後に改めて本葬を行いことが多いようです。
 密葬をすることと、死者を粗末に扱うこととは異なります。近年、単に簡素であることのみを追求し、死者を大切にしない密葬が増えていることは心配です。最近は「近親者で、家族である死者を大切に送りたい」という意味で「家族葬」ということもあります。

葬儀の日程はどのようにすればいいのですか。

 葬儀の日程は、宗教者の都合や火葬場、式場の空き具合、遠方からの親族の到着時刻などを考慮して決めます。ただし火葬は、死因が指定感染症以外の場合は死後24時間を経過してからでないと行えません。
  一般的には、死亡当日の夜に身内で通夜を行い、翌日の夜に一般の弔問を受けての通夜を、翌々日に葬儀・告別式と火葬を行う、という日程が多く見られます。
  火葬場は時間帯によっては混雑します。午前の早い時間、午後の遅い時間は比較的すいています。
  ほとんどの火葬場は、正月三が日は休業します。その場合、年末年始の葬儀は4日以降に行うことになります。松の内(元日〜7日)の葬儀を避けたい場合は、家族だけで密葬を行い、8日以降に葬儀・告別式を行うこともあります。
  また友引は「友を死に引く」という迷信もあり、葬儀が少ないので、友引の日を休業日としている火葬場も少なくありません。最近では友引ではなく、別の日を休日とする火葬場も少しずつ増えています。
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葬儀をする場所はどこにすればいいの?

 式場としては大きく1.自宅、2.寺院や教会、3.集会所や公民館、4.斎場(葬儀の専門式場)、5.ホテルがあります。式場をどこにするかは、葬儀の規模や形式を考慮の上、葬祭業者や家族と相談して決めるとよいでしょう。もちろん、通夜は自宅で、葬儀告別式は斎場で、ということもできます。
  1. 自宅の場合
    自宅での葬儀は、近年減少傾向にあります。しかし、自宅が広い場合や家族を中心とした小規模な葬儀の場合は自宅で葬儀が可能です。
    他人に家に入られるのはいや、片付けや整理が大変という理由で避けることもあります。

  2. 寺院や教会の場合
    同郷の人、地域の人と送るということで、本人や家族の宗旨の菩提寺や教会での葬儀は、根強い人気があります。住職や牧師などの宗教者の手厚いサポートも期待できます。
    ただし、専用の施設ではないので、式場設営や冷暖房なのでは難がある所もあります。

  3. 集会所や公民館の場合
    共同住宅では集会所が使える所があります。地域によっては、公民館なども使えます。
    使用料が安く気軽に利用できるという利点があります。準備や終了後の片付け、清掃は借りた人の責任になります。利用できる時間細かく定められている場合もあります。

  4. 斎場(葬儀の専門式場)の場合
    セレモニーホールと言われ最近利用が増えています。公営や寺院経営などの貸し式場と葬祭業者が運営する式場とがあります。業者運営の斎場はきめ細やかなサービスが受けられ手伝いの人手が要らない、宿泊可能などの利点があり、特に利用が増えています。貸し式場の場合は準備や片付けは借り手の責任になります。
    公営は細かいサービスは受けられないものの、安価に利用できます。火葬場に併設のものも多数あります。

  5. ホテルの場合
    近年、式場として使われるようになりました。一般に交通の便が良く、駐車場が完備、バラエティーに富んだ料理、サービスの幅が広い、質も高いなどのメリットもあります。
    しかし、遺体の搬入ができない、焼香や木魚を使った読経、などの規制も少なくありません。遺体の搬入ができない場合は、火葬後、遺骨で葬儀をします。

※寺院や教会、集会所や公民館、公営式場の場合、会食の準備や後片付けを自分たちでやることもあり人手が必要になることもあります。また、通夜の際に遺族が泊まることのできない所も少なくないので確認が必要です。
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通夜の服装はどうすればいいの?

 近年は通夜が告別式化して、会葬者が多いことから通夜でも喪服を着ることが一般的です。
 しかし、お通夜は、喪主や遺族代表以外なら、濃紺やグレーのダークスーツでも構いません。ワイシャツは白、ネクタイは黒無地でタイピンはつけず、ベルトや靴下・靴は黒が無難です。

 本来は、通夜は死者の枕もとで遺族や身近な人たちが夜を徹して、生きているのと同じように仕えるもので、通夜はまだ生と死の境界線上にあるわけです。そうしたことからも、通夜には普段着で弔問するものとされてきました。
 最近では、通夜に弔問して、葬儀には参列しない人が増えてきており、通夜に遺族以外でも弔問する風潮が一般的になってきています。

 なお、アクセサリーは結婚指輪だけを残してすべて外しましょう。品の良いパールのネックレスなどはいいともいわれていますが、質素が主旨ですから、遺族は避けた方がよいでしょう。化粧は、口紅は薄くし赤いマニキュアは避けた方がよいでしょう。
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公営墓地、民営墓地、寺院境内墓地の違いって何?

 墓地は、経営母体によって、公営墓地、民営墓地、寺院境内墓地の3種類に分けられます。

公営墓地
都道府県などの自治体が管理・経営している墓地です。規模が大きいのも特徴です。
メリット
使用料・管理料が安い
居住地に近く、交通の便が良い
宗教宗派を問わない
経営・管理が確実
デメリット
人気が高く、競争倍率が高い
申し込み資格に制限がある。自治体によって異なるが、住民でなければならない、遺骨がなければならない等
墓石に制限があることもある
(参考)公営墓地の例
東京近隣の場合:
 ・青山霊園(港区)
 ・雑司ヶ谷霊園(豊島区)
 ・染井霊園(豊島区)
 ・谷中霊園(台東区)
 ・多摩霊園(府中市)
 ・八柱霊園(千葉県松戸市)
 ・小平霊園(東村山市)
 ・八王子霊園(八王子市)

民営墓地
宗教法人や財団法人などが経営・管理している墓地です。大規模な墓地が多く、樹木や芝生を配置して公園のように整備された墓地もあります。
メリット
墓地が広くて美しい
宗教宗派を問わない
入手しやすい
墓石など自由に選べる所が多い。
デメリット
価格がやや高い
交通の便の悪いところも多い
経営母体によっては経営・管理が行き届かない場合があるため、経営の安全性をチェックする必要がある

寺院境内墓地
檀家用に設けられている寺院の経営する墓地です。多くは寺院の境内にあります。宗教的雰囲気があります。
メリット
檀家である人にとっては自分たちのお寺であるため親しみや安心感があり法要や供養に便利
寺院は交通の便の良い都市部にも多い
宗教法人自身が管理するため、経営が比較的に安心
デメリット
檀家である必要があるので、同じ宗教宗派でなけえば納骨できないことがある
価格がやや高い
空きの少ない所が多い
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墓地はどうやって選べばいいの?

 墓地を選ぶ時は、実際に現地に足を運び、自分の目で確かめましょう。契約内容などにもしっかりと目を通しましょう。寺院境内墓地なら、当然にも宗教宗派の確認が必要です。

※ 次のようなことに気をつけながら優先順位をつけていくとよいでしょう。
  1. 墓地の環境は良いか。
  2. 経営母体は信頼できるか。
  3. 管理状態は良いか。
  4. 費用は適当か。
  5. 墓地内の外柵や墓石についての条件はどうか。
  6. 自宅からの交通の便は良いか。
 なお、墓地にかかる費用ですが、墓所(墓地内の使用を許可された区画)の使用権を取得する費用として、墓所使用料(永代使用料などと呼ばれることもあります)のほかに、継続的に管理料が必要となってきます。管理料は墓地内の共同部分の維持や清掃にかかる費用であり、個々の墓所の清掃は使用者の責任となります。

香典はいつだすの?

 死を知った直後の弔問では持参せず本来は葬儀時ですが、現在では通夜か葬儀告別式のいずれかに持参します。ただし、身内の場合は葬儀費用の援助の意味が強いので直後の方が助かります。
 受付があれば受付で差し出します。まだ用意されてない場合は祭壇の受付台か香炉の横などに供えます。
 香典の額は、故人や遺族の社会的地位や関係、地域などによって異なりますが、一般的な目安は以下のようになります。困った時は同じ立場の方に相談するのもよいでしょう。


勤務先の上司:5,000円   勤務先の同僚:5,000円
勤務先の部下:5,000〜10,000円   勤務先社員の家族:5,000円
取引先関係:10,000円 
祖父母:10,000円   両親:100,000円
兄弟姉妹:30,000〜50,000円   おじ・おばその他の親戚:10,000円
友人・知人:5,000円   隣近所:3,000〜5,000円
その他:5,000円 
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遺族として死を受け入れる際に気をつけた方がいいことがあれば教えてください。

 愛する家族を失うことは辛く悲しいものです。ときには心を深く痛めるものです。これは死者が遺族にとってかけがえのない存在であったことの証であり、恥ずべきことでもなんでもない、自然なことです。遺族の悲しみは、この辛い死後直後だけではなく、ときには1年、2年、3年と長く続きます。
  仏教では四十九日や百か日、一周忌、三回忌などの服喪(ふくも)の段階がありますが、これは遺族の悲しみを考慮し、遺族を見守り、遺族が死者への弔いに専心できることを、社会が保証したものと見直すことができます。
  遺族が体験するこの悲しみのプロセスをグリーフワーク(喪の作業、直訳すると「悲しみの作業」)といいます。悲しみの表れ方は人によって大きく異なります。グリーフワークが正しく行われないと、精神的な障害をおこすこともあります。悲しみを無理に抑制することで心身症に陥ったりする危険もあります。
  遺族としての悲しみにどのように対処したらよいかには、マニュアルはありません。個々の状況の違いが大きいからです。そのことを理解した上で次のようなポイントに注意しましょう。

  1. 無理に気を張らない
    「しっかりしなければ」「がんばらなれけば」と、自らを励ましたりすることは、心に大きな負担になります。

  2. 悲しむことを避けない
    悲しみは悲しむことによってしか解決しません。周囲の人も辛い死の現実をあいまいにしないことが大切です。

  3. 話を聞いてもらう
    もし、心を許せる人がいたら、自分の悲しみをぶつけてもよいでしょう。聞く人も上からの目線ではなく、遺族と同じ目線で、耳を傾けるという態度が必要です。アドバイスや説教は不要です。

  4. 孤独にならない
    しばしば孤独感が強くなり、部屋にとじこもりがちになりますが、気分がいいときは外出も心がけてみましょう。

  5. 悲しみの体験を分かち合う
    家族の死に出会った体験のある人と接することで、共感し合うことができます。

  6. 事務的煩雑さを避ける
    死後のさまざまな事務的な処理は煩雑なもので、精神的な負担になります。負担に感じられたら、遠慮なく他の人に代行してもらいましょう。

  7. 笑いや休息も必要
    悲しみというストレスには、笑い、ユーモア、休息は必要です。
出典:碑文谷 創 著「いざというときにすぐ役立つ 葬儀と法要の手帳」(小学館)
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