売電の仕組み! 住宅用と産業用の違いとは!?

ホーム > 太陽光発電 > 太陽光発電 コラム > 売電の仕組み! 住宅用と産業用の違いとは!?

売電の仕組み! 住宅用と産業用の違いとは!?

2012年5月22日掲載

平成24年度の売電制度について

先日、自然エネルギーを電力会社が買い取る価格が決まり、太陽発電は42円となった旨の報道が、新聞などでされました。またその買い取りは2012年7月からスタートするとありますが、これは住宅用に設置する太陽光発電とどう関係あるのでしょうか?制度上、なかなか分かりにくい面もあるので、解説してみましょう。

売電価格が1kWhあたり税込み42円、という話を聞いて、「あれ?今までもそうだったのでは?」と疑問に思った方も少なくないでしょう。確かに、一般の住宅用に設置する太陽光発電の売電単価は2011年4月より税込み42円となっていました。しかし、先日、いろいろ報道されていた42円とはちょっと意味が異なるのです。
まず住宅用の売電に関しての歴史を振り替えてみましょう。日本での太陽光発電は電力会社と系統連系という形で接続され、屋根で発電した電力は、まず家庭内で消費され、余ったら電力会社に売電するという形になっています。そして以前は、基本的に買電単価と売電単価は同じであり、電力の契約形態や使用電力量によって多少違いはありましたが、約24円で買電するという形になっていました。
しかし、より太陽光発電の普及を促進させるという観点から、2009年11月に売電単価が48円となりました。対象は既に設置してあった人、またそれから2011年3月までに設置した人で、48円で売電契約は10年間となったのです。これは早く設置した人ほど有利になるような考え方になっており、実際2011年4月から単価が42円に引き下げられ、現在に至っています。その意味で、42円というのは確かに従来からあった単価ではあります。

ところが、今回新聞などで報道された42円というのは、対象が住宅用ではなく産業用。つまり企業が工場などの屋根に設置したり、メガソーラー発電所のように企業や自治体などが大規模に設置するケースが対象です。実は、これまで住宅用は高額で買い取る制度がありましたが、産業用にはそうした制度が一切なく、企業にとってはまったく旨みのないものだったのです。その一方で、ドイツやスペインなどヨーロッパを中心に産業用としての太陽光発電を高額で買い取る制度が広まったため、普及が促進し、結果として昔は世界No.1だった日本の太陽光発電市場は海外勢に大きく引き離されてしまいました。
そこで、それを挽回すべくスタートさせたのが、今回の制度。昨年に成立した再生可能エネルギー特別措置法に基づく7月1日より施行されるというものなのです。

住宅用と産業用の違い!?

では、この新制度、住宅用と同じ42円なので、産業用が住宅用と同じになったのかというと、かなり違います。実は圧倒的に産業用のほうが有利な制度になっているのです。どこが違うのでしょうか?  まず最大の違いが全量買取であるという点。つまり発電した電気のすべてを売電できるようになっています。前述のとおり、住宅用では、まず家庭内で消費し、余ったものだけを売るという形なので、家庭で多く消費すると、あまりお金は入ってきません。(図1)
しかし、たとえば工場の屋根に取り付けた場合、発電した1kWhあたり42円で売電できる一方、工場で使う電力は10円程度の安い価格で別途購入できるわけです。(図2)

図1 余剰電力買取余剰電力買取

図2 全量買取全量買取

さらにもうひとつの大きな違いは42円での買い取り期間が10kW以上のシステムなら20年と非常に長いこと(10kW未満の場合は家庭用と同じ10年)。今後、電力料金がどうなるかにもよりますが、仮に極端な変動がないとすれば、非常に有利な条件になっているといえるでしょう。システムの導入価格やメンテナンス費用、そして設置する場所や方角によって条件は変わってくるので一概にはいえませんが、外国製品も入ってきて太陽光発電システムの価格が急速に下がってきている今なら、通常7、8年で投資額が回収でき、それ以降は純利益となっていくのではないでしょうか? 家庭用の場合は、補助金があるとはいえ、余剰電力分しか売電できないため、元を取るのに10〜12年程度と大きな違いです。

もちろん、今回の制度を作る際、住宅用の売電制度についても見直しが検証されたようではあります。しかし、今の余剰電力を売電する方式から全量買取にすると、すべての家で工事をする必要がでるし、設置件数が60万軒を超える状況であるため、難しいと判断されたようです。また、もうひとつの大きな理由としては、全量買取にすると節電意識がなくなる、ということがありました。余剰電力を売るということは、昼間に節電すればするほど、売電量が増えて家庭の収入が増える形になります。しかし、全量買取になると、節電と売電金額にはなんら関係がなくなるため、節電意識が働きにくくなるということなのです。
このような産業用と住宅用での売電制度の差をどう捉えるかは人によりけりだとは思いますが、不公平感を持つ人も出てきそうです。

自然エネルギーの売電制度

なお、このような売電制度は太陽光発電に限らず、風力、地熱、中小型の水力、バイオマスなど自然エネルギー全般になっており、太陽光はかなり高めの設定です。(表1)

表1 自然エネルギーの売電制度(買取価格)
電源 区分 価格(1kWh当たり) 買い取りの期間
太陽光 10kW未満 42円 10年
10kW以上 42円 20年
風力 20kW未満 57.75円 20年
20kW以上 23.1円
地熱 1.5万kW未満 42円 15年
1.5万kW以上 27.3円
中小型の水力 200kW未満 35.7円 20年
200kW以上
1000kW未満
30.45円
1000kW以上
3万kW未満
25.2円
バイオマス メタン発酵ガス化 40.95円 20年
未利用木材 33.6円
一般木材
(パームやし殻を含む)
25.2円
廃棄物
(木質以外)
17.85円
リサイクル木材 13.65円

※環境産業省 調達区分・調達価格・調達期間についての調達価格等算定委員会案より参照

また電力を高く買い取ることによる差額は電力会社が負担するのではなく、電力利用者全体が払う形になります。これが「サーチャージ」や「賦課金」と呼ばれる負担金であり、今後、各家庭そして企業に大きく圧し掛かってくることになります。ちなみに、ドイツのPDA通信によると、ドイツの各家庭の年間の負担金は約70ユーロ(1ユーロ=104円で換算すると7280円)とのことですから、無視できるものではなさそうです。

以上が、住宅用と産業用の売電制度の違いです。今日現在いずれも同じ1kWhあたり42円という単価になっていますが、この売電価格は年々下がっていくことも明言されています。太陽光発電システムの導入価格自体も下がっていくので、一概にはいえませんが、この単価を考えるとやはり早期導入が得ということのようです。(記事:藤本健)

太陽光発電のコラム一覧へ戻る

すべて無料 最短1分のカンタン入力 見積もり依頼スタート!

※ 「太陽光発電見積もり依頼に関する注意点」をご確認いただいたうえ、ご利用ください。
グリーンエネルギーナビのページへ移動します。

このページの先頭へ