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価格.comレポート

ソニーの市場参入で急拡大中の「ミラーレス一眼カメラ」〜マイクロフォーサーズ陣営に加え、一気に存在感を高めたソニー「α NEX」〜

ソニーの市場参入で急拡大中の「ミラーレス一眼カメラ」〜マイクロフォーサーズ陣営に加え、一気に存在感を高めたソニー「α NEX」〜

ソニー「α NEX」の人気爆発で、ミラーレス一眼カメラのシェアが40%に迫る

現在「ミラーレス一眼カメラ」(※)と呼ばれる製品群が熱い注目を集めている。ミラーレス一眼カメラとしては、2008年8月にオリンパスとパナソニックによって提唱されたデジタル一眼カメラ規格の「マイクロフォーサーズ」が有名だが、ここへ来て、これらマイクロフォーサーズ陣営とは別に、ソニーが独自規格のミラーレス一眼カメラ「α NEX」を発表したことで、ユーザーの注目がミラーレス一眼カメラに一気に集まる形となっているのだ。

※「レフレックス」を搭載しない一眼カメラについて、「デジタル一眼カメラ」「マイクロ一眼カメラ」「ミラーレス一眼カメラ」と呼称が分かれているが、本稿では「ミラーレス一眼カメラ」で統一します。

図1は、価格.comの「デジタル一眼レフカメラ」カテゴリにおける、デジタル一眼レフカメラと、ミラーレス一眼カメラとのアクセス数のシェア推移を、「価格.comトレンドサーチ」のデータから示したものだ。2008年9月に、マイクロフォーサーズ規格を採用したミラーレス一眼カメラの第一弾となるパナソニックの「DMC-G1」が発売されてから、ミラーレス一眼のPVシェアはゆっくりと上昇してきていたが、2009年7月のオリンパス「PEN E-P1」の発売によって人気が上昇。一気にPVシェア20%を獲得した。
その後、20%前後のシェアをキープしつつ推移していたが、2010年5月に、ソニーが「α NEX-5」および「α NEX-3」を発表すると、ミラーレス一眼カメラのシェアは急上昇し、一気にほぼ40%に迫るところまで来るという結果になった。

【図1 ミラーレス一眼のPVシェア推移】
【図1 ミラーレス一眼のPVシェア推移】

これまでは、デジタル一眼レフカメラの亜流と思われてきたフシのあるミラーレス一眼カメラだが、すでにレンズ交換式のデジタルカメラの中でも注目度では4割のシェアを占めるまでに至っており、デジタル一眼レフカメラに次ぐ一大勢力となっていることがわかる。

キヤノン・ニコンの2大ブランドの人気は凋落傾向。新興のマイクロフォーサーズ陣営もやや足踏み状態

図2は、価格.comの「デジタル一眼レフカメラ」カテゴリ(ミラーレス一眼を含む、レンズ交換式のデジタルカメラ全体)に属するメーカー別のアクセス数推移を「価格.comトレンドサーチ」で示したものだが、これを見ても、ソニーの躍進ぶりが際立っているのがわかる。
デジタル一眼レフの2強メーカーであるキヤノンとニコンは、例年、新モデルが発表される8〜9月にかけてアクセス数が急増する傾向にあるため、例年5〜7月はアクセスが下降気味になるのだが、今年2010年は、例年に比べてもこの時期のアクセスの落ち込みが激しい。
特に、ニコンはひたすらアクセスが右肩下がりを続けており、長期的な凋落傾向にあるといえる。

【図2 デジタル一眼レフカメラ(カテゴリ全体)のメーカー別アクセス数】
【図2 デジタル一眼レフカメラ(カテゴリ全体)のメーカー別アクセス数】

このように停滞感が見られるキヤノン・ニコンの2強とは対照的なのが、ソニーの急上昇ぶりだ。2010年4月時点までの状況では、ソニーはペンタックス、パナソニック、オリンパスなどを下回っていたが、2010年5月の「α NEX」発売により、これらの3番手グループを一気に抜け出し、2010年6月時点では、2強の一角であるニコンのアクセス数を超え、業界トップのキヤノンに迫る勢いとなっている。

また、図3は、図2からミラーレス一眼カメラのみを抜き出したアクセスを示したものだが、これを見ても、先行してきたマイクロフォーサーズ陣営(パナソニック・オリンパス)はやや足踏みが続いているといった状態で、一時期ほどの勢いがそがれているのがわかる。
一時は、その新しさ、物珍しさで大いに話題をふりまいたマイクロフォーサーズ機であるが、製品サイクルがすでに2世代目、3世代目となっている今、製品自体の目新しさがなくなってきているのは仕方ないことだろう。
そうした、やや先進の話題性に乏しくなっていたデジタル一眼レフカメラ市場に、一気に新風を吹き込んだのが、ソニーの「α NEX」であり、この図からも、その人気の急上昇ぶりが見て取れる結果となっている。

【図3 ミラーレス一眼のメーカー別アクセス数】
【図3 ミラーレス一眼のメーカー別アクセス数】

「α NEX」人気の理由、一眼レフにはない“コンパクトさ”と、一眼レフ並みの“高画質”

では、ソニーの「α NEX」が、どうしてここまで高い注目を集めるに至ったのだろうか。
「α NEX」のユーザーレビューを見てみると、多くのユーザーが高く評価しているのは、その画質である。「α NEX」は、マイクロフォーサーズ規格よりも大きな「APS-C」サイズのセンサーを採用している。つまり、ボディは コンパクトでも、センサー自体は一般のデジタル一眼レフカメラのエントリーモデル並みであり、その分、ボケなどの表現力が高い。この点は、多くのユーザーが高く評価しているポイントであり、すでにデジタル一眼レフカメラを使用しているユーザーからも、画質面では満足しているといった評価を得ている。

また、一般のデジタル一眼レフカメラにはない独自の撮影機能も高評価だ。特に、高速連写した6枚の画像を1枚に重ね合わせ、暗所でもノイズを増やすことなく高感度で撮影できる「手持ち夜景機能」の評価が高い。
こうしたシーンセレクトモードは、どちらかと言えばコンパクトデジカメに多く搭載される機能だが、「α NEX」は、こうしたシーンセレクトを巧みに取り込むことで、ほぼフルオートで、誰でも簡単にキレイな写真が撮れるというのが大きな魅力となっていると言えそうだ。
実際、ユーザーレビューでも、コンパクトデジカメからの買い換えユーザーの書き込みが多く見られる。
デジタル一眼レフでは「重い」「大きい」「難しい」と思っていたユーザーでも、「α NEX」であれば、まったく違和感なく扱え、しかも、難しいボケなどの表現も簡単にできるのが、本機の大きな魅力となっていると言っていいだろう。
もちろん、未来的で、小型のボディデザインも大きなポイントとなっている。

また、価格面も「α NEX」の人気を牽引するもう1つの大きな理由だ。図4は、ミラーレス一眼カメラの、各メーカーの主要製品(ダブルレンズキット)の最安価格の推移を「価格.comトレンドサーチ」を用いて示したものだが、これを見ると、オリンパス「PEN Lite E-PL1」の登場時の価格は約90,000円。パナソニック「LUMIX DMC-G2」に至っては110,000円を超えていた。さすがに、現在では発売開始から半年ほど経っているので、価格も70,000円前後まで落ちてきてはいるが、これらのライバル製品に対し、ソニーの「α NEX-5 ダブルレンズキット」は、初登場時から85,000円前後の低価格をつけており、価格的にも値頃感が強いことがわかる。このことが「α NEX」の人気に大きく影響していることは間違いないだろう。なお、発売開始からすでに2か月程度が経過しているが、一向に価格が下落せず安定していることを見ても、この「α NEX-5 ダブルレンズキット」が安定した人気を保っていることがわかる。

【図4 ミラーレス一眼主要製品(ダブルレンズキット)の最安価格推移】
【図4 ミラーレス一眼主要製品(ダブルレンズキット)の最安価格推移】

総論: ソニーらしい進取の精神にあふれた、非常に魅力的なカメラ

以上見てきたように、ソニーの「α NEX」は、若干停滞感のあったデジタル一眼レフカメラ市場に、突如として登場し、大きな話題をふりまいている。 その人気の理由は、少し前まで、同じミラーレス一眼製品であるマイクロフォーサーズ機とほぼ同じ。
つまり、「コンパクトで持ち歩きやすい」「手軽にキレイに撮影できる」「一眼ならではボケなどの表現が得られる」といった部分が、そのまま「α NEX」の人気の理由となっているのだ。

問題は、「α NEX」の登場によって、これまで順風満帆だったマイクロフォーサーズ陣営がどのような対応を取ってくるかだろう。ミラーレス一眼というくくりで見れば、確かにデジタル一眼レフカメラカテゴリの中ではすでに4割近いアクセスを占めるに至ったわけだが、その約半分は今回の「α NEX」が占めており、オリンパスやパナソニックのシェアが上昇しているわけではない。アクセスを見る限り、今のところ、ソニーの「α NEX」が一人勝ちといった状況なのだが、「α NEX」の登場によって、この市場がより一層おもしろくなってきていることは間違いなく、ユーザーの注目も今後いっそう高まっていくことだろう。
価格面でもダブルズームキットで最初から10万円以下という「α NEX」の設定が、今後のベンチマークとなっていくことが予想され、そうなると、ユーザーにとっては、さらに購入しやすくなる。
メーカーにとっては厳しい競争にさらされるわけだが、そうした中で、これまで以上に魅力的な製品が登場する可能性も増え、「α NEX」の登場が、デジタル一眼レフカメラ業界に大きな影響を与えたのは間違いないと言えるだろう。

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