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価格.comレポート

値崩れが止まらないコンパクトデジタルカメラ市場、購買価格は7割が2万円以下に。一方で、オリンパス・富士フイルムの高級モデルへ注目が集まる

値崩れが止まらないコンパクトデジタルカメラ市場、購買価格は7割が2万円以下に。一方で、オリンパス・富士フイルムの高級モデルへ注目が集まる

止まらない価格下落の波、コンデジの7割が2万円以下に

図1は、価格.comの「デジタルカメラ」(後述のデジタル一眼カメラを除く)カテゴリにおけるここ3年間の、売れ筋価格帯の推移について、「価格.comトレンドサーチ」を利用して示したもの。2008年には、2万円台が60%程度を占め、その下の1万円台は20%程度だった。それが、2009年になると1万円台が40%へ拡大し、2011年には60%の大台を突破するまでに至っている。これとは逆に、2万円台のシェアは縮小を続け、2011年に入るとついに20%を割り込み、3年前の1/3にまで落ち込んでいる。また、「9,999円以下」という1万円未満の価格帯も2010年1月頃から徐々に伸長し、今や20%目前にまでシェアを伸ばしてきている。全体的に見ると、コンパクトデジカメの売れ筋モデルの70%程度が2万円未満で購入できる製品ということになっているのだ。

【図1 「デジタルカメラ」カテゴリの売れ筋価格帯推移】
【図1 「デジタルカメラ」カテゴリの売れ筋価格帯推移】

続いて、デジタル一眼カメラはどうだろうか。図2は、価格.comの「デジタル一眼レフカメラ」(ミラーレス一眼を含む)カテゴリにおける売れ筋価格帯の推移について示したものだが、こちらもコンパクトデジカメと同様、価格下落が進行しているのがわかる。2008年1月の時点では、8万円未満という低価格帯の製品は全体の40%未満であり、高価格帯である「16万円以上」の製品が全体の35%程度を占めるなど、デジタル一眼レフカメラは高価格帯の製品が大きな存在感を示していた。ところが、16万円以上の高価格帯製品は、2009年を境に減少してきており、2010年7月以降は全体の10%前後まで落ち込んでいる。そのいっぽうで、8万円未満の低価格帯の製品が、全体の70%前後を占めるに至っている。今や、デジタル一眼カメラの多くは、8万円未満で購入できるほど価格が下落しているのだ。

【図2 「デジタル一眼レフカメラ」カテゴリの売れ筋価格帯推移】
【図2 「デジタル一眼レフカメラ」カテゴリの売れ筋価格帯推移】

こうした値下がりの背景には、「ミラーレス一眼」と呼ばれる製品の登場と人気がある。2008年10月に、パナソニックがマイクロフォーサーズ規格を採用した「LUMIX DMC-G1」を発売し、翌2009年7月にオリンパスが「PEN E-P1」を発売。そして、2010年6月にはソニーも「NEX-5」「NEX-3」を発売し、どのモデルも非常に高い人気を得ている。こうした「ミラーレス一眼」製品は、それまでのデジタル一眼レフカメラに比べて一般的に価格が安く、レンズキットでも5〜6万円程度で購入できることが多い。こうした低価格のミラーレス一眼の人気と、各社が発売するデジタル一眼レフカメラのエントリーモデルの価格低下が、デジタル一眼カメラ全体の価格下落を加速させている大きな要因と言えるだろう。

コンパクトデジカメでは、人気モデルが1年で60%程度の価格下落。今年はさらに早めに価格が下がる可能性も

では、実際のデジタルカメラ各製品の価格推移はどのようになっているのだろうか。価格.comの「デジタルカメラ」カテゴリで人気のいくつかの製品について見てみよう。図3はパナソニックの新モデル「LUMIX DMC-TZ20」とその前モデルである「LUMIX DMC-TZ10」の、図4はソニー「サイバーショット DSC-HX7V/9V」とその前モデルである「サイバーショット DSC-HX5V」の最安価格の推移を示したものだ。コンパクトデジカメは3月にモデルチェンジすることが多く、現在は新モデルが多数登場している状態だが、発売直後の販売価格を見ると、パナソニック「LUMIX DMC-TZ20」も、ソニー「サイバーショット DSC-HX7V/9V」も4万円前後からスタートしている。1年前に発売された前モデルについても、ほぼ同じくらいの値付けからスタートしており、メーカー側の想定売価はいずれの場合も変わっていないようだ。

【図3 パナソニック「LUMIX DMC-TZ10/20」の最安価格推移】
【図3 パナソニック「LUMIX DMC-TZ10/20」の最安価格推移】

【図4 ソニー「サイバーショット DSC-HX5V/7V/9V」の最安価格推移】
【図4 ソニー「サイバーショット DSC-HX5V/7V/9V」の最安価格推移】

その後の価格推移を見てみると、パナソニック「LUMIX DMC-TZ10」は2010年3月に発売された当初は45,000円程度だったのが、1年後の2011年3月8日時点では最安価格で約16,400円と、1年で約64%も下がっている。ソニーの「サイバーショット DSC-HX5V」も2010年2月の発売時には45,000円程度だったのが、現在は約16,800円(同)と63%も下がっている。デジタルカメラ市場は、半年サイクルで新製品が発売される進化の早い世界だけに、1年前のモデルの価格下落は非常に激しいことがわかる。

さらに、今年の新モデルの出だしの価格推移を見てみると、1年前の状況よりも早めに価格が下落してきていることがわかる。最終的には同じような販売価格に落ち着くものと思われるが、今年の春モデルに関しては、従来よりも価格下落のタイミングが早めであり、発売から1か月程度で当初の販売価格の6割程度まで価格が下がるモデルも出てきそうだ。

いっぽう、デジタル一眼レフカメラはどうだろうか。図5は、キヤノンのデジタル一眼レフカメラの新モデル「EOS KISS X5ダブルズームキット」と、その前モデル「EOS KISS X4ダブルズームキット」の最安価格の推移を示している。「EOS KISS X4ダブルズームキット」は、2010年3月に初値が115,589円だったが、1年後の2011年3月8日時点では64,948円と、初値の56%まで価格が下がっている。ただし、こちらはコンパクトデジタルカメラほどの値下がりではなく、価格下落も比較的ゆっくりとしたスピードで進んでいると言っていい。なお、3月3日に発売となった新モデルの「EOS KISS X5ダブルズームキット」に関して見てみると、前モデルの「EOS KISS X4ダブルズームキット」よりもやや高い価格の初値となっているが、今後はほぼ同様の動きで価格が下落していくものと思われる。

【図5 キヤノン「EOS KISS X4/5ダブルズームキット」の最安価格推移】
【図5 キヤノン「EOS KISS X4/5ダブルズームキット」の最安価格推移】

にわかに注目を集める「高級コンパクトデジカメ」

最後に、最近注目の高級コンパクトデジカメについて触れておこう。オリンパスが2011年2月18日に発売した「XZ-1」は、同社のデジタル一眼レフカメラで採用されている「ZUIKO」ブランドのレンズを搭載した高級コンパクトデジカメだ。F1.8-2.5という明るい大口径レンズを同社のコンパクトデジカメで初めて装着したということもあって、発表当初から注目を集めている。最安価格が約47,800円(2011年3月8日現在)と、コンパクトデジカメとしては高価ではあるが、価格.comの「デジタルカメラ」カテゴリにおける注目ランキングでは2位と人気が高い(2011年3月7日週)。最安価格も発売以降あまり変わっておらず、高い水準をキープしている。

【図6 オリンパス「XZ-1」および富士フイルム「FinePix X100」のアクセス数推移】
【図6 オリンパス「XZ-1」および富士フイルム「FinePix X100」のアクセス数推移】

【図7 オリンパス「XZ-1」および富士フイルム「FinePix X100」の最安価格推移】
【図7 オリンパス「XZ-1」および富士フイルム「FinePix X100」の最安価格推移】

また、富士フイルムも2011年3月5日に「FinePix X100」という高級コンパクトデジカメを発売した。こちらの製品に至っては、最安価格で約109,200円(同)と、デジタル一眼レフカメラのエントリーモデルよりも高価であるにもかかわらず、注目ランキングで1位(同)と、ユーザーからの注目度が非常に高い。「FinePix X100」は、クラシカルデザインのボディに、23mm/F2(35mm判換算35mm)の単焦点レンズを搭載したモデルなのだが、画質がいいAPS-Cサイズの1230万画素CMOSセンサーを採用した点などから、マニア層を中心に注目を集めている。両製品とも、製品ページのアクセスが発表以降もぐんぐんと伸びており、「XZ-1」は2月23日時点で約44,500PV/日、「FinePix X100」は3月8日時点で約49,700PV/日と、高いアクセス数を記録している。価格下落の著しいコンパクトデジカメ市場にあって、このような高級製品がここまで注目を集めているというのは、非常に興味深い現象である。

総論:デジタルカメラ、デジタル一眼とも、底値の今が“買い”

以上、コンパクトデジタルカメラおよびデジタル一眼カメラの最新動向について見てきたが、コンパクト、一眼のどちらも、かなり激しい価格下落を見せている。特に、コンパクトデジカメに関しての価格下落は顕著で、今年の春はその下落傾向に一層拍車がかかっているようにも見える。メーカーにとってみれば市場環境は一段と厳しくなっているといえるが、消費者にとっては、注目の新モデルが早めに価格下落することはありがたいだろう。特に、5月のGW前のタイミングですでに3〜4割程度価格が下がるモデルも出てきそうな勢いだ。

そのいっぽうで、価格が5万円以上もする高級タイプのデジタルカメラが注目を集めているのが、今年の春のトピックだ。富士フイルムは3月8日、「FinePix X100」について、予定を大幅に上回る受注により、生産が追いつかないことを発表。高級モデルの意外ともいえるニーズが明確になった形だ。価格下落の続くコンパクトデジカメ市場では、今後こうした二極化が進んでいくものと思われる。

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