
2011年12月9日
【図1:「ヒーター・ストーブ」カテゴリのアクセス状況(3か月)】
【図2:「ヒーター・ストーブ」カテゴリのアクセス状況(2年)】
2011年もいよいよ12月に入り、それまでの暖かさがウソのように寒くなってきている。この1週間ほどで暖房を用意したというようなご家庭も多いことだろう。価格.comの「ヒーター・ストーブ」カテゴリも、9月後半くらいから盛り上がってきており、現在「家電」カテゴリ全体の中でも、「液晶テレビ」「ブルーレイ・DVDレコーダー」に次ぐアクセス数を集めている(図1)。ちょうど12月に入ったくらいからアクセスは下落しているが、これはインターネット通販で家電製品を購入する人は「前もって」購入するパターンが多いため。本格的に寒くなる前に暖房の用意をしておくという人が多いため、実際に寒くなる前から、ユーザーは行動を起こしているのである。
なお、昨年2010年の動きと比較してみると、今年2011年のほうが倍近いアクセスを集めているのがわかる(図2)。昨年と比較して、製品のラインアップが大きく変わったということでもないし、この秋が特別寒かったというわけでもない(むしろ暖かかった)のだが、「ヒーター・ストーブ」に対するユーザーの関心度はかなり高まってきていることがわかる。1つ考えられる理由としては、今年の3月に起こった東日本大震災の影響で、東北地方への暖房供給需要が、例年より高まってきていたということがある。いずれにしても、今年は例年よりも早く「ヒーター・ストーブ」市場が動き出し、例年よりも多くの注目を集めているのは間違いのないところだ。
【図3:「ヒーター・ストーブ」カテゴリの人気メーカー5社のアクセス推移(3か月)】
価格.comの「ヒーター・ストーブ」カテゴリで人気のメーカーを見てみると、もっとも人気なのはコロナで、次いでダイニチ、デロンギ、トヨトミという順位期になっている。このうち、デロンギを除くコロナ、ダイニチ、トヨトミというメーカーは、国内に生産拠点を置く純国産の老舗メーカーであり、この分野ではかなり健闘していると言っていいだろう。なお、3位に入っているデロンギはイタリアの暖房機・コーヒーマシンなどのメーカーで、暖房機としてはオイルヒーターを主力製品にしている。また、今年の台風の目玉となっている「ダイソン」は、この夏「羽根のない扇風機」として話題を呼んだ「エアマルチプライアー」に電気ヒーターを取り付けた「dyson hot + cool AM04 ファンヒーター」という製品でこの市場に参入してきた。12月8日現在では、話題も一巡した部分があり、ランキングは下げてきているが、初参入ながらかなり強いインパクトを残したといえる。
図4の「人気売れ筋ランキング」(12月8日現在)を見ると、上位製品のほとんどを「反射式電気ヒーター」が占めていることがわかる。しかも、1位のコロナ「コアヒートスリム」、3位のダイキン「セラムヒート」、4位のコロナ「コアヒート」とも、通常の電気ヒーターに遠赤外線による熱効果を付加した「遠赤外線電気ヒーター」であり、スタンド式で首振り機能が付いている部分でも似通っている。つまり、今のヒーター・ストーブ市場での売れ筋は、このようなスタンド型の遠赤外線ヒーターが中心ということだ。遠赤外線ヒーターは、通常の電気ストーブよりも電気代が抑えられ暖かさが持続することから、スポット暖房として近年人気となってきている。これまではどちらかといえば「ファンヒーター」の人気が高かったが、今年の流れを見ていると、こうした「遠赤外線電気ヒーター」のほうに人気が集まっているようだ。
いっぽう、こうした国内メーカーの「遠赤外線電気ヒーター」に対して、いい勝負をしているのが、デロンギのオイルヒーター「ドラゴンデジタルTDD0915W」と、ダイソンの「dyson hot + cool AM04 ファンヒーター」である。図5のアクセス推移を見ると、もっとも早く話題が盛り上がったのは、ダイソンの「dyson hot + cool AM04 ファンヒーター」であったが、次いで、デロンギ「ドラゴンデジタルTDD0915W」が話題となり、10〜11月の時点では、この2製品がランキングの1・2位を争うほどだった。いずれも、テレビ番組などで紹介された効果が大きく、目新しさもあって話題となったが、ただし、ダイソンの「dyson hot + cool AM04 ファンヒーター」のほうは、ある程度製品としての評価が定まってくると(12月8日時点のユーザー評価は3.33)、「広告などで言うほど暖かくならない」というような意見が多くなり、もともと価格も5万円台と高いこともあって、売れ筋ランキングではやや順位を下げている。同様にデロンギの「ドラゴンデジタルTDD0915W」も、オイルヒーターとしてのデメリットとして電気代が高くなりがちなことや、すぐに部屋が暖まらないといったことがユーザーレビューなどでは言われているが、いまだに売れ筋ランキングでは2位をキープしており、一定の需要はあるようだ。
【ダイソン「dyson hot + cool AM04 ファンヒーター」】
これらの海外メーカー製の目新しい製品が話題となる中、地道に健闘しているのが、前述の国産メーカー製のヒーターだ。特に、コロナの「コアヒートスリム」や「コアヒート」に関しては、価格的にも1万円台と手ごろで電気代も抑えられるとあってユーザー評価も高く、それぞれ4.84、4.14という高評価を得ている。
【コロナ「コアヒートスリム DH-911R(W) [ホワイト]」】
また、ランキング外ではあるが、トヨトミの対流形石油ストーブ「RB-25C」は、12月8日現在で満足度ランキングで1位(4.75)となっている注目製品だ。この製品は、今年の東日本大震災のときにも注目されており、持ち運び可能で、電気やガスなどのインフラがない状態でも使え、しかも灯りをとったり、お湯も沸かせる(※)とあって、今年ふたたびそのよさが見直された製品でもある。現在品薄で価格も高止まりしている状況だが、こうした石油ストーブのよさが再認識されたのも、今年2011年の特徴といえるだろう。
(※使用には注意が必要)
以上のように見てくると、今年の価格.comの「ヒーター・ストーブ」カテゴリでは、省電力性能にたけた「遠赤外線ヒーター」や、ふたたび見直されつつある「石油ストーブ」などが比較的人気となっている。また、ファンヒーターよりも、こうした小型の「スポット暖房」的な器具が人気になっているのも特徴的だ。すでに部屋全体を暖める暖房機としては、エアコンやファンヒーターなどが設置されているが、これにプラスしてより効率的に身体を暖めたいというニーズや、エアコンなどが設置されていない部屋の暖房としてのニーズにより、こうしたスポット暖房に注目が集まっていると言っていいだろう。もちろん、冬場の節電協力のために、少しでも節電できる商品を選びたい。そうした消費者のニーズがこうしたランキングなどに如実に表れていると言っていいだろう。
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