低価格な台湾製を中心に盛り上がるデジタルフォトフレーム
2009年5月21日
デジタルカメラで撮影した写真データをそのまま表示できる「デジタルフォトフレーム」が今人気だ。価格.comでも、2008年8月に「デジタルフォトフレーム」カテゴリを新設しおり、市場が立ち上がりつつあると言えるデジタルフォトフレームについて考察した。
商品カテゴリとして定着した「デジタルフォトフレーム」
価格.comで、2008年8月に「デジタルフォトフレーム」カテゴリを新設したところ、利用者の数は順調に増加し、2008年9月時点では20.6万程度だったPVも、2009年3月時点では61.1万と約3倍にまで伸びている。登録製品数も増えており、2009年4月9日現在では92製品の価格情報が確認できる。ここ1年ほどでこの市場に参入したメーカーも多く、市場が急激に伸びていることがわかる。
【図1. 価格.com「デジタルフォトフレーム」カテゴリの閲覧数】
デジタルフォトフレームがここまで人気になってきた理由としては、まず第一にデジタルカメラ市場の成熟化が挙げられるだろう。これまでデジタルカメラ市場は毎年大幅な拡大を続けてきたが、2008年は市場全体にやや停滞感が見られ、2009年の出荷見通しは初の前年比割れ(前年比89.7%)になるだろうと予測されている(カメラ映像機器工業会の発表による)。
裏を返せば、デジタルカメラの普及率がすでに頭打ちになるほど上がっているということで、そのカメラで撮影した画像データを活用するためのさまざまなツールやサービスが求められていた。そこに登場したのが、デジタルフォトフレームだったのである。
デジタルフォトフレームの最大のメリットは、使い方が簡単ということだ。通常、デジタルカメラで撮影した画像データはパソコンに取り込むか、ダイレクト印刷に対応したプリンターなどで出力する必要がある。もちろんテレビに直接接続して鑑賞するという方法もあるが、そもそも写真というものは部屋の片隅などに飾ってさりげなく楽しむというのが一般的であり、よほどの家族イベントでもない限り、テレビで鑑賞するということはないだろう。
これに対し、デジタルフォトフレームは、撮影した画像データをメモリーカードごと差し込むだけで表示でき、しかも普通のフォトスタンドのように部屋の片隅にさりげなく置いておくことができる。デジタルならではのスライドショーも可能だ。一部では、遠方に住む家族などに、撮影データが入ったメモリーカードごとデジタルフォトフレームをプレゼントするという使われ方もなされているようだ。こうした手軽さ、簡単さが多くの消費者に受け、価格的にも2〜3万円台と比較的手ごろなこともあって、今デジタルフォトフレームは人気を拡大しているのである。
メーカー別では、トランセンドなどの外国勢が安さで人気。国内ではソニー
実はデジタルフォトフレームは、日本国内よりも海外での人気が高い。家族の写真などをオフィスやリビングなどに飾ることが一般的な海外のほうが、デジタルフォトフレームに対するニーズが高いためと推察されるが、製造メーカーの数でも台湾や韓国などの海外勢が圧倒的に多い。国内の大手メーカーではソニーがほぼ唯一力を入れているが、それでも現行ラインアップは5製品のみとやや寂しい状況だ。
【図2 価格.com「デジタルフォトフレーム」人気5メーカーの閲覧数】

【図3 価格.comデジタルフォトフレームランキング】

そんな中、圧倒的な存在感を示しているのが、台湾を本拠地とするトランセンドだ。トランセンドは元々メモリーカードの製造などで有名なメーカーだったが、その技術を用い、数多くのデジタルオーディオプレーヤーやデジタルフォトフレームを世に送り出している。価格.comの売れ筋ランキング(2009年4月9日現在)でも、1位から3位までを同社製品が独占しており、その人気の高さをうかがわせる結果になっているが、その人気の理由は圧倒的なコストパフォーマンスのよさだ。
【図4 トランセンド売れ筋1位製品】
2008年秋以降の円高の影響もあって、ただでさえ割安な台湾製品がさらに安く日本の国内市場に入ってきているが、トランセンドの製品も例外ではなく、かなり安いプライスを付けている。一例を挙げるなら、800×480ドットの解像度を持つ7インチ液晶+256MBメモリーを搭載したほぼ同スペックの製品で比較すると、ソニーの「DPF-D70」が15,000円程度の値段で売られているのに対し、トランセンドの「T.photo 720」はわずか8,250円(ともに4月9日現在)と半額近い安さだ。ソニーの「DPF-D70」と同じ値段であれば、8インチ液晶+2GBメモリーを搭載するワンランク上の「PF810」が買えてしまう。機能やデザインについてもユーザーから高い評価を得ており、もはや「台湾製だから質が悪い」ということはまったくない状況だ。同じ台湾系の「KEIAN」も含め、手ごろという点では圧倒的なコストパフォーマンスのよさで人気となっている。
一方、国内勢では唯一といえる勢力を持ったソニーであるが、フレーム自体の見た目のデザインや液晶の画質などは評価が高いものの、機能性や操作性の面でやや不満が高く、その点がネックとなっている印象が強い。価格的にも安い海外製品に比べると不利であるが、価格が高くてもソニーのブランドとデザイン性を評価して購入するユーザーも多いことも考えると、もう少し海外メーカーのいいところを吸収して、さらに機能性の高い製品を作り出してほしいという気がする。
また、比較的早くからデジタルフォトフレームを製造していた韓国のサムスンだが、量販店の店頭などでは比較的見かけるものの、価格.com上ではそれほど人気がない。クチコミ評価などで語られている内容としては、「機能が少ない」「リモコンがない」といった点が挙げられており、この点で多くのユーザーがトランセンドあるいはソニーといったメーカーの製品に流れているものと思われる。
このほか、ちょっと注目したいのが、メーカー別シェアで上位に上がってきている「Dream Maker」だ。あまり聞き慣れないメーカーだが、もともと車載用の液晶デバイスなどを手がけていたメーカーで、デジタルフォトフレームについては2006年から製造を開始している。小さなメーカーではあるが、多くの製品ラインアップを持っており、液晶の質、フレームのデザインとも高い評価を得ている。国産メーカーとして、今後の展開が楽しみなメーカーだ。
【図5 DreamMakerDMF070WA ユーザーレビュー】

Trend News関連サービス
Trend Newsのデータが無料で使える!市場動向を分析するマーケティングツール「TrendSearch(
トレンドサーチ)」










